【内定者意識調査】77.2%の内定者が入社に向けて不安を抱えていることが判明 最もほしいサポートは「人間関係構築」の機会
コロナ世代の内定者1,004人にアンケート
背景
今年、厚生労働省と文部科学省が共同で行った調査によると、10月1日時点での大学生の就職内定率は69.8%と前年同時期よりも7.0ポイント低い結果となりました。近年売り手市場と言われていた採用状況に変化があった背景には、新型コロナウイルス感染症の拡大が大きく影響していると推測されます。採用活動の状況を見ても、これまでと違った動きをする企業も多く、就活生には例年と異なる苦労や影響があったのではないでしょうか。そういった不安定な状況で就職活動を乗り越えた今年の内定者の実態を明らかにすべく、意識調査を実施しました。
調査結果の概要
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1. 入社前の心情は、77.2%の内定者が「不安、心配な気持ち」と回答
「嬉しさ、楽しみな気持ち」「期待感」は5割にとどまる
2. 6割以上の内定者が「自身の能力」に不安を抱えている
「職場のメンバーとうまくやっていけるか」も5割が不安と回答
3. 内定期間中に求めるサポートは、「人間関係を築く機会」「入社後に必要な知識・スキル」の二軸
不安の払しょくを求めている
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調査結果の詳細
1. 入社前の心情は、77.2%の内定者が「不安、心配な気持ち」と回答
「嬉しさ、楽しみな気持ち」「期待感」は5割にとどまる
これから社会人になるにあたってどのような気持ちが強いかを複数回答(最大3個まで)で尋ねたところ、「不安、心配な気持ち(77.2%)」が最多となりました。2位以降はそこから約20ポイント差で「嬉しさ、楽しみな気持ち(54.3%)」「期待感(53.1%)」が選ばれるもどちらも半数強にとどまり、不安な気持ちが群を抜いて多いことがわかりました(図1)。
図1
2. 6割以上の内定者が「自身の能力」に不安を抱えている
「職場のメンバーとうまくやっていけるか」も5割が不安と回答
次に、入社に向けて不安を感じていることを複数回答で尋ねると、「自分の能力で仕事についていけるか(69.2%)」「しっかりと成果を出せるか(60.3%)」の順で多く、自分の能力に不安を感じている内定者が6割を超える結果となりました。また、約半数が「職場のメンバーとうまくやっていけるか(49.4%)」を選択しており、人間関係にも不安があることがわかりました(図2)。
図2
3. 内定期間中に求めるサポートは、「人間関係を築く機会」「入社後に必要な知識・スキル」の二軸
不安の払しょくを求めている
内定期間中に会社から受けたいサポートについては、4項目に回答が集中しました。大きく二軸に分かれ、「先輩社員との人間関係を築く機会がほしい(59.1%)」「他の内定者との人間関係を築く機会がほしい(55.7%)」といった人間関係構築の機会と、「マナーや仕事の進め方など、社会人としての基礎を教えてほしい(51.2%)」「業界の専門知識や専門スキルを教えてほしい(50.5%)」といった知識・スキル習得に関するサポートが求められていることがわかりました。これらは、前問の入社に向けての不安(自身の能力、人間関係に対する不安)とリンクする結果となっています(図3)。
図3
考察
ラーニングエージェンシー シニアマネジャー(コンサルタント) 藤井 勲 大手食品メーカーにて、品質・環境・食品安全マネジメントシステムの構築、および関連する社内研修の設計・実施に従事。その後、ラーニングエージェンシー(旧トーマツ イノベーション)に入社し、人事・組織・経営計画、業務改善、営業などのテーマを専門にコンサルティング・研修講師を担当。現在、名古屋支社と大阪支社の責任者を務める |
今回の調査では、内定者が入社前に抱えている気持ちとして「不安」が最多の8割となりました。内定者にとっては、学生から社会人になるだけでも大きな変化です。加えて、今年は新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの企業が採用活動やフォローをオンラインに移行したほか、フォローの形も集団フォローから個別フォローに切り替えました。内定者同士・先輩社員との対面でのコミュニケーションの機会が減ったことで、内定者の「不安・心配」は例年以上に大きくなったと推察できます。
実際に、会社から受けたいサポートの内容を見ても、「人間関係の構築」が上位2つに挙がっています。次いで「知識・スキルの充足」となり、今年の内定者に対しては、同期との絆の強化とトランジション*のサポートをより手厚く行うことが不安の払しょくにつながると言えそうです。
同期との絆の強化においては、オンラインでもコミュニケーションが取りやすいよう、少人数で集まる機会をつくり、意見交換など会話が発生するプログラムを実施することで関係構築を促すといった工夫ができます。また、トランジションサポートとしては、会社・事業についてのレクチャーを行うことや、実際の業務に使う具体的な知識やスキルのインプットを内定期間から進めることで、先が見えない不安を払しょくすることができます。さらに、入社後すぐにその知識・スキルを活かせる場を準備しておくことで、入社後の早期立ち上がりや自信の醸成につながります。
このように、入社前後のサポート・育成体制を整え、それを明示してあげることが、内定者の安心につながるのではないでしょうか。
*トランジション:次の段階へ移行する転換期。キャリアにおいては、昇進・昇格や異動、また学生から社会人への移行などを指す
調査概要
調査対象者 | 当社が提供する内定者向け研修の受講者(2021年卒業予定) |
調査時期 | 2020年10月15日~2020年11月25日 |
調査方法 | Web・マークシート記入式でのアンケート調査 |
サンプル数 | 1,004人 |
属性 | 所属企業の従業員数規模 ①100人以下:25.9%(260人) ②101~300人:44.9%(451人) ③301人以上: 28.6%(287人) ④不明(未記入):0.6%(6人) |
*各設問において読み取り時にエラーおよびブランクと判断されたものは、欠損データとして分析の対象外としています
*本調査を引用される際は【ラーニングエージェンシー「内定者意識調査」】と明記ください
株式会社ラーニングエージェンシーについて 当社は、設立以来、定額制集合研修 「Biz CAMPUS Basic」、ビジネススキル学習アプリ「Mobile Knowledge」、ビジネススキル診断テスト 「Biz SCORE Basic」など、人と組織の学びを支援するサービスを開発・提供することで、これまでに累計13,000 社以上の企業を支援しています。 代表取締役社長 眞﨑 大輔 事業内容 人材育成・教育研修 本社所在地 〒100-0006 東京都千代田区有楽町 2-7-1 有楽町 ITOCiA(イトシア)オフィスタワー18F URL www.learningagency.co.jp |
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