新入社員の約8割が「対面での指導や育成を希望」と回答/相談先に困った時、最も役に立つのは「わかりやすい業務マニュアル」
ー新入社員1,000人に聞く「育成の本音」調査ー
調査結果 サマリ
1. 新入社員の約8割が「対面での育成や指導を希望」と回答。
2. 入社1年以内に受けた研修、トップは「対面の集合研修」。役に立った研修内容は「社内ルールの理解」「基本的なビジネスマナー」。
3. 業務上の疑問を解消する際、困ったこと第1位は「先輩が忙しくて、声がかけづらい」。その際に「わかりやすい業務マニュアルが役に立った」と半数が回答。
4. 6割が「業務マニュアルは実務習得の役に立つ」と回答。
調査の背景
2020年の新型コロナウイルス感染症拡大以降、テレワークなどの新しい働き方を導入する企業が増加しています。国土交通省の調査によると、雇用型テレワーカーの割合は過去最高の27%に達しています。働き方の変化にあわせ、オンライン研修の広がりなど新入社員への育成・指導方法も変化しています。
令和5年5月には新型コロナウイルス感染症の5類移行が検討されるなか、企業の新入社員の育成手法も再度見直しのタイミングがくると考えられます。そこで、コロナ禍である2022年に新入社員として入社した正社員1,089人に、自身が受けた育成や、希望するコミュニケーション手段について調査しました。実業務の困りごと、育成においての業務マニュアルの効果性などを明らかにし、よりスムーズな育成を実現することを本調査の目的としています。
※1:国土交通省:テレワーク人口実態調査(令和4年3月末現在)よりhttps://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/content/001471979.pdf
調査結果 詳細
1. 新入社員の約8割が「対面での育成や指導を希望」と回答。
2022年に現在勤めている企業へ入社した1,089人の新入社員(新卒入社=588、中途入社=501)に「育成や指導を受けるとき、希望するコミュニケーション手段を教えてください。」と聞くと、約8割が「対面(オフラインで直接)」(76.9%)と回答しました。次いで「オンラインMTG」(23.8%)、「SlackやTeamsなどのチャット」(22.5%)が続きました。第1位と第2位で、50ポイント以上差があり、対面での育成や指導を希望している新入社員が圧倒的に多いことがわかりました。具体的なコメントもあわせて紹介します。
育成や指導を受ける時に希望するコミュニケーション手段の理由(カッコ内は回答者の所属業種)
<対面を選択した人>
・互いに手元を見ながら作業でき、口調等から絶妙なニュアンスが伝わりやすい(銀行・信用金庫)
・実際やってみて、身振り手振りで分からないところを伝えることができるから(医療・福祉)
・顔を見てのコミュニケーションが一番感情が伝わるから安心(製造業)
<オンラインMTGを選択した人>
・ある程度知識のある内容や、簡易なものであればオンラインで良いため(情報サービス)
・画面共有や録画ができて、分かりやすいし後から見返すことができるから(建設業)
・交通費もかからないし、緊張せずに自然体で相手と話せるから(人材関連)
<SlackやTeamsなどのチャットを選択した人>
・写真などで教えてもらえるから(製造業)
・相手の忙しさを気にしなくていいから(その他サービス)
・簡単な話の場合時間の拘束がない分良い、見返せるのも良い(情報サービス)
また、シーンごとに希望するコミュニケーション手段も質問しました。対面を希望するシーンは「ポジティブなフィードバック」(59%)、「トラブル発生時」(59%)が第1位でした。ネガティブなフィードバックはポジティブなフィードバックに比べると、対面希望が47%と12ポイント低く、同じフィードバックでも内容によって希望するコミュニケーション手段が異なることがわかりました。「休暇などの連絡」に関しては、対面希望が26%と他のシーンと比べ、20〜30ポイント以上低い結果となりました。
「資料やマニュアルの確認のみで良い」が1割を超えたシーンは、「ネガティブなフィードバック」(14%)、「業務手順を学ぶ」(13%)、「仕事の考え方を学ぶ」(12%)、「雑談などの業務外の話」(10%)でした。コミュニケーションを希望していない層が一定いることがわかりました。
※本質問は同対象者への追加調査のため、他質問よりも回答総数が少なくなっております。
2. 入社1年以内に受けた研修、トップは「対面の集合研修」。役に立った研修内容は「社内ルールの理解」「基本的なビジネスマナー」。
入社から1年以内に勤め先の企業で受けたことのある研修を聞くと、トップ3は「対面の集合研修」(47.5%)、「オンライン研修(リアルタイム参加)」(39.3%)、「OJT(1対1の研修)」(25.2%)でした。研修を受けたことがある人に、教わってよかったものを聞くと「社内ルールの理解」(55.3%)、「基本的なビジネスマナー」(55.2%)、「実際の業務の進め方」(51.3%)が上位の結果となりました。
受けた研修が実務の役に立ったか聞くと、7割が「受けた研修が実務の役に立ったと思う」(とてもそう思う:24.7%、そう思う:45.4%)と回答しました。具体的なコメントもあわせて紹介します。
<研修が実務の役に立ったと回答した人>
・未経験入社だったので、研修中に知識をつけ、実務でも用語が分かる(情報サービス)
・技術職のため、基本的な操作方法をしっかりと教えてもらえたことが役立っているから(建設業)
・名刺交換の仕方等の基本的なビジネスマナーは現場で役に立った(百貨店・スーパー)
・大学で学ぶものと実際現場で活用する知識は全く別物だとわかりためになったから(医療・福祉)
・仕事で困難なことが生じたら、研修で学んだことなどを活かして行動できる(卸売業)
<研修が実務の役に立たなかったと回答した人>
・実際の業務に関する話がなかったのであまり意味はないように感じた(医療・福祉)
・実際に使えたと思う時が実業務にない(情報サービス)
・全職種に使える内容ばかりなので、裏を返せばふんわりとした内容が多く、実際に研修で学んだ内容を使っている実感がないため(情報サービス)
・研修で受けた内容と現場でのギャップが大きかったため。研修で役に立ったと思うのは、基本的なビジネスマナーや社内ルールくらい(不動産)
・スピードを必要とする現場では研修で学んだことを活かす時間がなかった(銀行・信用金庫)
3. 業務上の疑問を解消する際、困ったこと第1位は「先輩が忙しくて、声がかけづらい」。その際に「わかりやすい業務マニュアルが役に立った」と半数が回答。
業務上の疑問を解消する際に困ったことを質問すると、第1位は「先輩が忙しくて、声がかけづらい」(34.9%)でした。次いで「教える人によって言っていることが違う」(33.2%)、「マニュアルがない/ある場所がわからない」(28.6%)が続きました。
「先輩が忙しくて、声がかけづらい」「相談先がわからない」「在宅勤務のため相談のタイミングを判断できない」と回答した方に、そのようなときに役に立ったものを聞くと「わかりやすい業務マニュアル」が第1位でした。
4. 6割が「業務マニュアルは実務習得の役に立つ」と回答。
「業務マニュアルは実務の習得に役立ちますか?」と聞くと、6割が「役に立つと思う」(とてもそう思う:18.8%、そう思う:41.3%)と回答しました。具体的なコメントもあわせて紹介します。
<とてもそう思う、そう思うと回答した人>
・マニュアルを見ながら進められるので、リモートでもやりやすい(情報サービス)
・前職でもマニュアルがなく自分で作成し苦労したが、 マニュアルがあることでしばらくやっていない業務がスムーズに対応できた(不動産)
・困ったトラブルがあってもマニュアルにその対処法が書いてあるから(医療・福祉)
・何かわからなくなった時にマニュアルに頼るから(製造業)
・先輩から手順を教わるとき全てメモする必要がなく、覚えることだけに集中できるから(卸売業)
・実際マニュアルでわからないことを解決した経験があるから(旅館・ホテル)
・やり方があるとわかりやすい。教える側も統一されるから(飲食店)
<そう思わない、全然そう思わないと回答した人>
・書いてあることが古すぎた(製造業)
・ケースバイケースで、マニュアルだけでは対応できないことが多いから(教育・学習支援)
・必要な情報が不足している(その他)
・実際に使わないことが書かれているから(旅館・ホテル)
・具体的な内容が無いため、今の自分の課題にどれが当てはまるのか分からない。また、内容が多すぎて見つけるのに時間がかかる(銀行・信用金庫)
・マニュアルがあっても上司や先輩の言うことが 若干違う(百貨店・スーパー)
・天候などで左右されるため、マニュアルがあっても内容が使えない(農林・水産)
(株)スタディスト 取締役副社長 庄司啓太郎 解説
本調査の結果で、新入社員は対面での育成や指導を希望していることがわかった一方で、日本の生産年齢人口は減少し、企業の人手不足は加速している状況です。対面で指導できる人員の不足が想定される中、企業はわかりやすいマニュアルの整備など非対面でも育成可能な体制や仕組みを整え、対面指導は情緒的なコミュニケーションなどより効果的なシーンへの選択的集中が必要になっています。
すべての育成・指導で対面のコミュニケーションが必要ではないことを理解した上で、対面と非対面を組み合わせた従業員のスキルやモチベーションアップにつながる育成プランの重要性が増しています。当社は今後もわかりやすいマニュアルの整備やコンサルティング支援を通じて、新入社員の早期育成など企業の生産性向上に寄与してまいります。
(株)スタディスト 取締役副社長 庄司啓太郎 略歴
東京工業大学卒。国内シンクタンクにて、都市計画等の調査業務に従事。その後、株式会社インクスにて業務改善コンサルタントとして設計支援システム導入や、製品開発プロセス改革・業務分析のプロジェクトリーダーを歴任。2011年2月に株式会社スタディストに参画。現在はコンサルティング部門の統括を行い、Teachme Bizの導入支援を行っている。その他、業務効率化や生産性向上に関するイベント・セミナーも多数登壇しており、著書である「結果が出る仕事の仕組み化」は大好評につき中国語版も発売。
調査概要
調査設計・分析:株式会社スタディスト
調査名:「新入社員の育成に関する調査」
調査手法:インターネット調査(外部調査機関)
調査対象:47都道府県在住かつ、2022年に現在勤め先の企業へ入社した男女(新卒入社/中途入社含む)
調査実施時期:2023年2月10日~2月13日
有効回収数:1,089サンプル(新卒入社=588、中途入社=501)
※2月24日~27日に同対象者へ「シーン別に希望するコミュニケーション手段」について追加調査を実施/追加調査サンプル数:783
参考資料
国土交通省:テレワーク人口実態調査(令和4年3月末現在)
https://www.mlit.go.jp/toshi/daisei/content/001471979.pdf
株式会社スタディスト 会社概要
所在地:東京都千代田区神田錦町1-6 住友商事錦町ビル9階
設立: 2010年3月19日
資本金: 10,200万円(資本準備金含む)
代表者: 代表取締役CEO 鈴木 悟史
事業内容: マニュアル作成・共有システム「Teachme Biz」および実行力向上支援システム「ハンクラ」の開発、販売
ウェブサイト: https://studist.jp/
Teachme Bizウェブサイト https://biz.teachme.jp/
ハンクラウェブサイト https://biz.hansoku-cloud.jp/
報道関係者お問い合わせ先
株式会社スタディスト
広報:朝倉
電話:050-1744-3760
E-mail:pr@studist.jp
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