DroRの研究ナビ、離職・定着の分野に令和7年雇用動向調査と転職者実態調査を追加 研究・公式資料28件・主張22件

ドロア

株式会社DroR(ドロア)が運営する「働く人の心理学・組織研究ナビ」は10月9日、第5分野「離職・定着」に厚生労働省の令和7年雇用動向調査と転職者実態調査を追加しました。離職率の主張を2025年の13.7%(主要産業の5人以上の事業所の常用労働者)に更新し、転職者の離職理由の主張を加え、研究・公式資料は28件、主張は22件です。学術文献の再検索は行っていません。

10月9日の更新:令和7年の雇用動向調査と転職者実態調査を追加し、離職率を2025年の値に

株式会社DroR(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:山中真琴)が運営する「働く人の心理学・組織研究ナビ」(https://research.dror.co.jp )は、2026年10月9日、第5分野「離職・定着」に、厚生労働省の「令和7年 雇用動向調査結果の概要」(2026年8月31日公表)と「令和7年転職者実態調査の概況」(2026年9月25日公表)を公式資料として追加しました。これにあわせて、日本の離職率に関する主張1件(TR-C12)を更新し、転職者の離職理由に関する主張1件(TR-C22)を加えています。どちらもラベルAですが、公的統計の定義と結果を確認したもので、研究の効果の強さを示すものではありません。

更新した TR-C12 は、変更前は令和6年雇用動向調査による2024年の離職率14.2%(一般労働者11.5%、パートタイム労働者21.4%)を「常用労働者全体」の公的推計としていました。変更後は、2025年の離職率13.7%(一般労働者11.4%、パートタイム労働者19.9%)を、主要産業の5人以上の事業所に雇用される常用労働者についての公的推計とし、対象範囲の表記を調査の定義に合わせて限定しました。前年(2024年)の14.2%も併記し、年次の変化も同じ定義どうしで比べる、としています。

追加した TR-C22 は、令和7年転職者実態調査で、転職者が直前の勤め先を離職した主な理由は「自己都合」が81.3%、自己都合の理由(3つまでの複数回答)の上位は「賃金が低かったから」25.5%、「会社の将来に不安を感じたから」25.2%、「満足のいく仕事内容でなかったから」24.7%だった、という主張です。DroRの研究ナビは限界として、転職して現在就業している人の回顧的な回答で離職者全体ではないこと、3つまでの複数回答で単一の主因を示さないこと、個社の退職理由の把握の代わりにしないことを付けています。前回の調査は2020年の実施で、年次の推移は追えません。

今回の更新は日本の公式資料の追加で、学術文献の再検索は行っていません。学術文献の最終確認日は2026年7月12日のまま据え置き、分野の版を v0.1 から v0.1.1 にしました。追加資料の原文確認は2026年10月8日〜9日です。研究ナビ全体の変更は、更新履歴のページ(https://research.dror.co.jp/changes 、機械可読版 changes.json は CC BY 4.0)で一覧できます。

第5分野「離職・定着」:退職者を責めず、仕事と制度を見直すための整理

第5分野「離職・定着」は、人がなぜ辞め、なぜ残るのかを、退職者を責めるためではなく、仕事と制度を見直すために読めるよう構成した研究整理です(研究ナビは2026年7月から公開)。離職意向と実際の退職、ショック、仕事への埋め込み、組織の成果、日本の公的統計、AIによる離職予測と権利の問題を41ページで扱い、主張・研究・用語のデータは CC BY 4.0 のもとで公開しています。誰でも無料で、登録せずに読めます。分野のページ:https://research.dror.co.jp/turnover-retention/

DroRの研究ナビでこの分野の根拠となっているのは、10月9日の更新で2件増え、査読済みの研究24件に、厚生労働省の公的統計3件(令和6年・令和7年の雇用動向調査、令和7年転職者実態調査)とEUの規則1件を加えた28件です。主張22件・用語31件のほか、研究質問6件、採用・除外の記録14件、簡易的な質評価28件を公開しています。文献の最終確認日は2026年7月12日(分野完成版 v0.1.1)です。

何を網羅していないか

離職・定着の分野で研究ナビが明記している限界は、まず範囲です。日本の個別の産業や若年者を対象にした研究は網羅しておらず、内容は法的な助言でもありません。手続の面では、一人のレビュアーによる迅速な整理であり、データベース全件の二重スクリーニングや、効果量の再計算、正式なバイアス評価は行っていません。こうした理由から、公開前の蓄積を目的とする迅速エビデンスマップと位置づけ、システマティックレビューとは表示していません。

22件の主張の内訳は、A(比較的強い)9件(うち日本の公的統計にもとづく2件)、B(中程度)5件、実務上の原則4件、不支持4件です。研究ナビは、離職ゼロや長い在籍を無条件の善とはせず、健康、公正、本人が辞める自由とあわせて評価する立場をとっています。

研究が比較的一致している点(ラベルA)

DroRの研究ナビがラベルAとする9件のうち、日本の公的統計にもとづく2件(前掲の TR-C12・TR-C22)を除く7点は、次のとおりです。

  • 離職は、自発的か非自発的か、避けられたか、組織にとって機能的か否かなどを区別して扱う必要がある(Dalton et al., 1982;Shaw et al., 1998;Hom et al., 2012)。機能的かどうかは誰の視点かを明示する、という限界付きです。

  • 離職意向は実際の離職の予測因子だが、両者は同じではない(Steel & Ovalle, 1984;Tett & Meyer, 1993;Griffeth et al., 2000)。辞めたくても辞められない場合も、意向がないまま辞める場合もあります。

  • 仕事満足と組織コミットメントは離職意向・実際の離職と関連するが、それだけでは十分に説明できない。

  • 離職の予測因子は、態度、行動、仕事の条件、人間関係、外部の機会、個人の事情の複合である(Cotton & Tuttle, 1986;Griffeth et al., 2000;Rubenstein et al., 2018)。単一の原因や単一の施策に還元しない、としています。

  • 仕事・組織・地域への適合、つながり、離れるときに失うものからなる「埋め込み(ジョブ・エンベデッドネス)」は離職を予測する(Mitchell et al., 2001;Lee et al., 2004;Jiang et al., 2012)。研究ナビは、高い埋め込みを拘束や忠誠の義務に使わないよう限界に付けています。

  • 集団としての離職率は、平均して組織の成果と負に関連するが、効果は離職の種類・産業・職種・成果の指標で変わる(Park & Shaw, 2013;Hancock et al., 2013;Heavey et al., 2013)。48の独立標本・157の効果量・N=24,943を統合したメタ分析(Hancock et al., 2013, Journal of Management)では、平均の相関は小さく、産業・職種・成果指標などで変動しました。因果は双方向で、離職ゼロが最適とは限らないとしています。

  • 新しく入った人の役割の明確さ、社会的な受容、適合、習熟は、定着に関わる結果と関係する(Bauer et al., 2007;Bauer et al., 2025:適格256研究・メタ分析183研究)。相関研究が中心で、オンボーディング施策の直接の因果とは限りません。

条件つきで言えること(ラベルB)

  • 自発的な離職には、不満の蓄積だけでなく、出来事(ショック)をきっかけとする複数の意思決定の経路がある(Lee & Mitchell, 1994;Lee et al., 1996)。昇進の見送り、上司の交代、統合、ハラスメント、予想外の誘い、家庭の出来事などが退職の経路を始めることがあり、ショックは否定的なものとは限りません。根拠は退職後の回想による研究です。

  • 人が残る理由は、辞めない理由の単純な裏返しではなく、職位・業績・雇用形態で異なり得る。24,829人の回答を分類した研究(Hausknecht et al., 2009, Human Resource Management)では、満足、外的な報酬、人間関係、コミットメント、評判などが多く挙がりました。単一の産業・企業の文脈で、自己申告の理由です。

  • 採用時の現実的な職務情報(良い面と難しい面を具体的に伝えること)は、期待の調整を通じて離職などに小さい影響を持ち得る(Phillips, 1998;Allen et al., 2010)。

  • 退職面談だけでは、残った人、辞められない人、退職後に話せない人の経験を捉えられない。研究ナビは、匿名の調査、人事記録、欠勤・異動、仕事の条件、退職後の調査などを組み合わせるよう示しています。

  • 同僚の求職や離職は、情報やショックを通じて周囲の離職の過程と関係する可能性がある(Felps et al., 2009)。「感染」は比喩で、退職者を責めず、共通の仕事の条件を先に点検する、という限界付きです。

日本の離職率の読み方

冒頭で紹介した2025年の離職率13.7%について、DroRの研究ナビは、全国の推計で自発的な離職だけではなく、個社の正社員の自己都合退職率などと直接比べられないとしています(A)。比べる際は産業・雇用形態・分母を合わせる、としています。離職率は、分子(誰のどの退職を数えたか)、分母(年初・期中平均・延べ人数など)、期間、対象、除外の条件を明示しなければ比べられない、という実務上の原則も示しています。

「不支持」の4件と、実務上の原則

DroRの研究ナビは、次の4件に「不支持」のラベルを付けています。ただし、4件の性格は同じではありません。データ上、1件目は研究から導けない推論、2件目は研究ナビ自身の立場の表明、3件目と4件目は権利・倫理や拘束・権力の問題として分類されています。

  • 高い残留率だけで、健康・満足・公正・持続可能性が高いと結論すること(辞められない残留や、雇用市場・在留資格などの制約を考慮する必要がある)

  • メール、チャット、行動ログなどから個人の退職確率をひそかに推定し、不利益な決定に使うこと。これは研究で否定された結論ではなく、「本ナビは支持しない」という研究ナビの規範的な立場です。その理由として研究ナビは、離職は多数の弱い・文脈に依存する要因からなり個人の予測には誤分類があること、ひそかな利用はプライバシー・差別・自己成就的な不利益を生むことを挙げ、EUのAI規則(AI Act)が雇用・労働者管理に関する一部のAIを高リスク用途として規律していることも収録しています(適用される法は地域・用途・時期ごとに確認が必要)

  • 退職の意思の表明を忠誠心の低さや裏切りとみなし、昇進からの除外・報復・退職の妨害を行うこと

  • 埋め込みを高めるために、家族・地域・在留資格・福利厚生を、辞めにくくする障壁として利用すること

実務上の原則としては、一律の定着施策より離職の種類・対象・時期・原因を診断した施策が必要なこと、望ましい人材だけを選んで引き止める施策は差別・不公正・チームの負荷を生む可能性があること、定着施策は離職率だけでなく健康・公正・業績・欠勤・異動・属性別の格差・副作用で評価する必要があること、を挙げています。

運営会社DroRの組織開発・組織変革の伴走支援(研究ナビとは別の事業)

離職・定着の分野でも、研究ナビは独立した案内に徹しており、DroRの支援へ誘導する導線は置いていません。そのうえで、運営会社DroRは次のような組織支援を行っています。

DroRは、離職・定着をはじめとする研究の知見に基づいて、売上や人数が拡大し、意思決定・役割・情報の流れが複雑になり始めた成長企業の組織開発・組織変革を伴走支援しています。施策を替えても同じ問題が繰り返される組織に向いており、まず数週間〜2ヶ月の観察フェーズから始めることもできます(本格的な伴走は6ヶ月以上が目安)。短期の研修だけで即時の成果を求める場合や、意思決定者が関与できない場合には、別の支援形態をご提案しています。初回相談は無料です。匿名の支援事例3件を https://dror.co.jp/case で公開しています。

分野の概要

  • 分野名:働く人の心理学・組織研究ナビ 第5分野「離職・定着」

  • URL:https://research.dror.co.jp/turnover-retention/

  • 運営会社:株式会社DroR

  • 版:分野完成版 v0.1.1(最終更新日 2026年10月9日、公式資料の追加)/文献の最終確認日 2026年7月12日(学術文献の再検索はしていないため据え置き)

  • 収録:研究・公式資料28件、主張22件(A 9件、B 5件、実務原則 4件、不支持 4件)、用語31件、採用・除外の記録14件、簡易的な質評価28件、HTML 41ページ

  • 調査の性格:公開前の蓄積を目的とする迅速エビデンスマップ。システマティックレビューとは表示しない

  • データ:JSON・CSV・BibTeX・RIS、分野別ZIP(https://research.dror.co.jp/downloads/turnover-retention-navigator-v0.1.zip 。ファイル名は v0.1 のまま、中身は v0.1.1)

  • 更新履歴:分野の更新・訂正 https://research.dror.co.jp/turnover-retention/pages/corrections /研究ナビ全体 https://research.dror.co.jp/changes

  • ライセンス:DroRが作成した本文とデータは CC BY 4.0、コードは MIT(第三者の論文本文・尺度項目・図表は対象外)

  • 引用時の表記例:働く人の心理学・組織研究ナビ(DroR Corporation)「離職・定着」https://research.dror.co.jp/turnover-retention/

株式会社DroRについて

株式会社DroR(ドロア)は、臨床組織科学(Clinical Organizational Science, COS)に基づいて、成長企業の組織開発・組織変革を伴走支援する研究実践ファームです(東京・恵比寿)。会議・役割・意思決定・情報の流れなど、日々の行動を生み出している組織の構造を現場で観察し、手を入れる場所を絞って、変化が日常に残るまで伴走します(組織ディープテック)。財務経理・補助金などの実務を担う高度専門BPOも提供しています。COS の理論は査読論文(Frontiers in Psychology, 2026)として公表しています。

会社名:株式会社DroR(ドロア)/DroR Corporation

所在地:〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-4-8 ウィンド恵比寿ビル8F

代表:代表取締役 山中真琴

設立:2023年8月

資本金:10,000,000円

URL:https://dror.co.jp

事業内容:

  • 組織ディープテック:臨床組織科学(COS)に基づく組織開発・組織変革の伴走支援

  • 高度専門BPO:財務経理・補助金、SNS運用、マーケティングPM

  • M&A・PMI支援

研究・公開:臨床組織科学研究会(事務局)、人的資本開示の年次調査 DOCI、働く人の心理学・組織研究ナビ(research.dror.co.jp)

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会社概要

URL
https://dror.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都渋谷区恵比寿西2丁目4番8号 ウィンド恵比寿ビル8F
電話番号
-
代表者名
山中真琴
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2023年08月