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株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
会社概要

【調査発表】職場の人間関係は本当に希薄化しているのか?「職場における人間関係やサポートし合う風土」の実態とは

会社員603名の声を調査

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤島 敬太郎)組織行動研究所は、従業員規模300名以上の企業において、20~40代の会社員603名に「職場におけるソーシャル・サポート*実態調査」を実施し、「職場における人間関係やサポートし合う風土を醸成するためのポイント」など、調査結果から見える実態について公表しました。 詳細は7月18日に公表した当社Webサイトの調査レポート(https://www.recruit-ms.co.jp/research/inquiry/0000000772/)からもご参照いただけます。
1.結果のポイント

●8割以上がサポートを必要としているが、十分得られていると感じているのは6割
仕事を進めるにあたって周囲からのサポートをどれくらい必要としているのかについて、「どちらかといえば必要」まで合わせると、4種あるサポートのうち、いずれも、8割以上が「必要」と回答しました。十分度はそれを下回り、「どちらかといえば十分」まで合わせると約6割が「十分」と回答しました。また、「評価的サポート」は、4種の中でも需要と供給の乖離が一番大きいことが明らかになりました。【図表2】

●職場での貢献感の低さがサポートの求めにくさにつながり、年代別での傾向も明らかに
 20代:力が発揮できているほど援助を求め、得られる傾向
 40代:力の発揮が低い群でのみ、サポートを求めることも十分に得ることもできていない傾向
サポート必要度、サポート十分度、援助要請について、適応感(力の発揮)への回答結果による群分けを行って結果を分析した結果、20代では力が発揮できているほど、援助を求め、得られる傾向が見られましたが、40代では力の発揮が低い群でのみ、サポートを求めることも、十分に得ることもできておらず、職場の希薄化や孤独感を強く感じていることも確認できました。【図表10】

●職場の人間関係構築・必要なサポートの獲得に役立つのは
 「上司との定期的な面談」「定期異動・ローテーション」「集合研修・ワークショップ」
この結果に加え、導入割合がそれほど高くはないものの役立ち度が高いものとしては、「社員同士での飲食の金銭的補助」「社員が集まる場所の設置」「社員による自主的な勉強会」「社内コミュニケーションツール」「業務以外の社内コミュニティ」「会社主催の懇親イベント」などが挙げられました。【図11】



2.組織行動研究所のコメント

■サポートをし合える職場づくりの大切さに目を向ける

リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所
主任研究員 藤村直子

 人と人とが支え合うことのメカニズムや心身の健康をはじめとした効用について、「ソーシャル・サポート」という概念を用いて研究が行われています。その多くは、健康や医療などの分野でのもので、日本の企業組織における研究はあまり進んでいません。そこで、本調査では、職場でのサポートの必要度や充足度、サポートを求める「援助要請行動」の実態を明らかにすることを第一の目標として実施しました。
 職場で必要なときに必要なサポートを受けられると思えるかどうか、自分からサポートを求めることができるかどうかは、職場の人間関係や個人の意識と関係する部分も大きい部分もありますが、全社的な制度・仕組みを通じて、人間関係構築やサポートし合う風土が醸成できる可能性が示唆されました。本調査が、サポートし合う職場づくりの大切さに目を向けるきっかけになれば幸いです。

■ソーシャル・サポートが組織の長期的な発展につながる

リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所
 所長 古野庸一

 そもそも人間関係はストレスのもとになります。そういう意味において、職場で適度な人間関係を保つことは一概に悪い話ではありません。しかし、健全な経営という観点では、職場で働いている人は、互いが互いに関心を持ち、ソーシャル・サポートを行ったほうが良いでしょう。なぜなら、組織に対して貢献できていない人は、サポートが必要にも関わらず、サポートを頼めない傾向があり、ますます貢献できないということがあるからです。また、誰かに守られているという安心感があると、私たちは探索できるし、挑戦ができます。守られていないと思えば、無難な仕事に従事し、新しい価値を生み出す行為はできなくなります。
 貢献できていなくても気軽にサポートが頼めるという観点。そして誰かに守られているという安心感から挑戦できるという観点。二つの観点から、ソーシャル・サポートは、健全な経営を行うには欠かせない要素であると考えられます。



3.調査実施の背景  

 企業を取り巻く環境の変化が激しく、人々の働き方も多様化している今、「職場の人間関係の希薄化が進んでいる」と感じている人が多いと言われています。NHKの調査によると、「仕事に直接関係する範囲でのつきあい(形式的なつきあい)」を支持する人の割合は長期的に増加し(1988年 15.1% → 2018年 27.1%)、「何かにつけ相談したり助け合えるようなつきあい(全面的な付き合い)」を支持する人の割合は長期的に減少しています(1988年 44.6% → 2018年 37.2%)。
 また、当社で実施した本調査の職場の人間の希薄化についての質問でも、44.6%の人が「5年前に比べて希薄化している」と回答しており、やはり職場の人間関係は希薄化しているということが示唆されました。希薄化の要因の1つとしては、企業の業績が安定しておらず、それにともない職場そのものが安心できる場所ではなくなってきたことが考えられます。会社が全面的に頼れる存在でなくなり、会社側も全面的に依存されても困るというメッセージを出している今、職場の人と全面的な付き合いをすること自体がリスクとなり得ます。また、関連して、人間関係が多元化してきていることも要因として挙げられます。そもそも人間関係はストレスのもとになることも多く、「毎日顔を合わせる職場の人たちとは適度な距離感を保つ方がいい」という人も多いでしょう。
 働く人々が適度な人間関係を保つことを求めているのだとすれば、職場の人間関係の希薄化は一概に悪い話ではありません。しかし、健全な経営という観点では、職場のソーシャル・サポートがあった方がよいと考えます。その理由は「仕事をしていく上では周りからのサポートが必要不可欠であるから」「私たちは誰かに守られているからこそ探索や挑戦ができる“セキュアベース”という考え方が、新しい価値を生み出すことに繋がるから」「上司や同僚からの肯定的な言葉によって自分の可能性に気づき、自信をもって物事を進めることができるようになるから」です。
 当社では、職場でのソーシャル・サポートの実態を捉えるため、サポート内容を下記の4種に分類し、調査を実施しました。

 仕事で困ったとき、人は誰からどのようなサポートを得たいと思っているのか、それは十分に得られているのか。職場では、必要なときに必要な相手にサポートを求めることはできているのか。職場での人間関係構築や必要なサポートの獲得に役立つ仕組みとは何か。「サポートし合う職場づくり」について、分析・考察しました。

*ソーシャル・サポート
ウィルズ(Wills,1991)によると「個人が、他者から愛され、大切に思われている、尊敬されている、あるいは相互支援や責任の社会的ネットワークの一員である、などを知覚、経験すること」と定義されています。



4. 調査結果
                                      
●8割以上がサポートを必要としているが、十分得られていると感じているのは6割

・仕事を進めるにあたって周囲からのサポートをどれくらい必要としているのかについて、「どちらかといえば必要」まで合わせると、4種のサポートのいずれも8割以上が「必要」と回答しました。

・サポートの十分度はそれを下回り、「どちらかといえば十分」まで合わせると約6割が「十分」と回答しました。また、「どちらかといえば十分」を除くと、「十分」との認識は3割にも満たず、「まったく十分ではない」という人も1割前後いるという結果となりました。

・4種のサポートの中で、必要度と十分度の乖離が最も大きいのは、「評価的サポート」でした。
 

 

 

●相手によって期待するサポートは異なる
・4種のサポートを期待する相手については、サポートの種類によって異なるという結果になりました。
 ●「直接サポート」「情報サポート」「評価的サポート」は、上司への期待が最も高く、特に「評価的サポート」は半数近くの回答者が上司に対して求めている。
 ●精神的な支えとしての「情緒的サポート」は、同じ職場の同僚への期待が最も高い。また、社外の知人・友人や家族に対して求める回答割合も高い。

・実際に過去半年間にサポートされた経験(4種のサポートを誰がしたか)は、「評価的サポート」を除くと、
上司よりも同じ職場の同僚からのサポートの方が多い結果となりました。
また、自分がサポートした経験(4種のサポートを誰にしたか)は、サポートされた経験と比べると、
上司に対しては下回りましたが、同じ職場の同僚に対しては大きく上回りました。

・期待・サポートされた経験・サポートした経験において、どの相手も選ばずに「ない」を選択した一定数の人について、属性別に傾向を考察したところ、期待とサポートされた経験においては、年代と性別で統計的に有意な差が確認できました。
 ●年代が上がるほど「ない」の選択割合が上昇しており、20代ではいずれも1割程度であるのに対して、40代の約2割が「必要ない」、3~4割が「サポートはない」を選択。
 ●性別では男性の方が「必要ない」「サポートはない」の選択割合が高い。

・一方で、サポートした経験については、「情緒的サポート」のみ、年代、性別において差が見られ、年代が
上、また男性の方が「サポートはしていない」という選択割合が高い傾向がありました。
 



●「期待はずれだったサポート」と「自分がうまくできなかったサポート」は表裏一体
・期待はずれだった上司や同僚からのサポートとして挙げられていた記述は、「知識・スキル不足によるもの」「自分本位、親身になってくれていない、もしくは精神論のみであると感じられるもの」「フォローがなく教えてもらえない」といった、内容、態度、タイミングが期待と異なるといったものが散見されました。

・自分がうまくできなかったサポートについては、「自分の知識・スキル不足によるもの」「相手の期待にそぐわない、ネガティブな反応があった」「遠慮、自分の余裕のなさ、方法の失敗でうまくフォローできなかった」というものが挙げられていました。

⇒これらは表裏ともいえ、サポートされる側・する側のそれぞれの立場から問題点を把握することが、お互いにとって有用なサポートとは何かを考える視点に役立つ可能性が考察できます。
 

 

 




●5人に1人は援助要請をしていない
・勤務先企業における援助要請行動については、「どちらかといえばしている」という回答も合わせると
4人に3人は援助要請をしている一方で、5人に1人は援助要請をしていないことが明らかになりました。

・援助要請している理由として多く選ばれたのは、「成果をあげる上で必要だから」「他者の意見を取り入れた方が、仕事の質が良くなるから」という成果基準に関する2項目で、過半数が選択しました。次に多かったのは「困ったときにはお互いさま」で3人に1人が選択、続いて「信頼関係」「すぐ声をかけられるような執務環境」「協働・助け合いをよしとする職場の風土」といった職場環境に関する回答が多く選ばれました。

・援助要請をしていない理由として多く選ばれたのは、「皆、自分のことで手一杯で、声をかけづらい雰囲気があるから」で、次点は「信頼関係が築けていないから」という結果となりました。また、援助要請している理由と同様に、「自分1人で解決した方が、仕事の質が良くなるから」「個人で成果をあげることが求められているから」といった成果基準に関するものも多く選ばれました。さらに、本人の意識としては、「助けを求めること=能力が低いと思われてしまいそう」といった自尊心を脅かすようなものが相対的に多く選ばれ、「仕事で貢献できていないのに、申し訳ないと思う」「時短の風潮のなかで、他のメンバーの時間を使うことを申し訳ないと思うから」といった遠慮に関するものはあまり選択されませんでした。

・援助要請行動の有無について、因果は特定できないものの、援助要請している人は、していない人よりサポートの必要度・十分度ともに高く、かつ本人の適応感は高く、孤独感が低い傾向が見られました。
この傾向からは、「思いやりとあたたかさ」「連帯感とチームワーク」「信頼関係」がある職場、「他者の仕事に無関心」「孤立している人がいる」ということがない職場、心理的安全性が高い職場では、援助要請行動をとりやすいことが考察できます。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



●「5年前より職場の人間関係が希薄化している」と感じているのは、全体の半数弱
・職場の特徴と援助要請行動の関係に関連して、職場の人間関係は変化しているのかどうかを「5年前と比べて職場の人間関係が希薄化しているかどうか」という質問により調査したところ、半数弱の44.6%が希薄化していると回答しました。その属性を確認したところ、男性、年齢が高い、社歴が長いほど希薄化していると回答していることが分かりました。



・希薄化を感じる理由として、自由記述回答の中から「労働時間や忙しさ」「業績圧力」「仕事以外の対話機会」「人員構成」に関するコメントを複数確認できました。希薄化していないという理由の中には「ずっと希薄で変わらない」という意味合いでのコメントも散見されており、上記結果よりも多くの人が、現状、職場の人間関係は希薄であると感じていることが推察されます。



・職場での人間関係や必要なサポートの獲得について、①本人の職場への貢献感 ②組織の制度や仕組み の2つの観点から概観しました。

①本人の職場への貢献感
サポート必要度、サポート十分度、援助要請ともに20代の方が総じて得点が高いことが分かりました。
また、適応感(力の発揮)への回答結果による群分けを行って結果を分析した結果、20代では力が発揮できているほど、援助を求め、得られる傾向が見られましたが、40代では力の発揮が低い群でのみ、サポートを求めることも、十分に得ることもできていないことが分かりました。さらに、力の発揮ができていない40代には、職場の希薄化を感じる傾向も見られました。また、20代、40代ともに力を発揮できていない群では孤独感が強いことも明らかになりました。

 

②組織の制度や仕組み
人間関係構築や必要なサポートの獲得に役に立っている制度・仕組みとして、導入割合・役立ち度ともに高いものとしては、「上司との定期的な面談」「定期異動・ローテーション」「集合研修・ワークショップ」が、導入割合がそれほど高くはないものの役立ち度が高いものとしては、「社員同士での飲食の金銭的補助」「社員が集まる場所の設置」「社員による自主的な勉強会」「社内コミュニケーションツール」「業務以外の社内コミュニティ」「会社主催の懇親イベント」などが挙げられました。
⇒職場で必要なときに必要なサポートを受けられると思えるかどうか、自分からサポートを求めることができるかどうかは、職場の人間関係や個人の意識と関係する部分も大きいですが、全社的な制度・仕組みを通じて、人間関係構築やサポートし合う風土が醸成できる可能性が示唆されました。



5. 調査概要

 

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