ITP患者の約8割が日常生活で「なんとなくつらい」 一方、ITPと不調の関連を認識していた 人は約3人に1人
ITP患者・鉄欠乏性貧血患者を対象とした 「QOLに関わる可視化されにくい症状」に関する調査結果発表
サノフィ株式会社(本社:東京都新宿区、以下「サノフィ」)は、免疫性血小板減少症(以下「ITP」)患者における、倦怠感や疲れやすさなど生活の質(QOL)に関わる不調への認識について理解を深めることを目的に、全国のITPと診断されたことがある患者および比較対象として鉄欠乏性貧血と診断されたことがある患者を対象に、意識調査を実施しました。
調査の結果、日常生活で感じる不調と自身の病気との関係をめぐる認識に両群で違いがみられ、ITP患者の約8割が疲れやすさや倦怠感などの日常生活の不調を経験していることが分かりました。一方で、それらの不調とITPとの関連を認識していた人は約3人に1人にとどまりました。また、不調を感じていても医療従事者への相談に至っていない実態も明らかとなり、QOLに関わる症状が見過ごされる可能性が示唆されました。
■調査結果*のポイント
① ITP患者の約8割が日常生活の不調を経験
ITP患者の約8割が過去6カ月の日常生活の中で「なんとなくつらい」と感じることがあると回答しました**。不調を感じているITP患者の66.7%は、その不調が自身の病気と「関係していると思う/少し関係していると思う」と回答した一方、「ITPが倦怠感や疲れやすさ、気分の落ち込みなどに影響することがある」と以前から知っていた割合は33.3%(約3人に1人)にとどまりました。
② 鉄欠乏性貧血患者の半数以上は病気と不調の関連を認識
一方、鉄欠乏性貧血患者では53.5%が、病気がこうした不調に影響することを「聞いたことがある・知っていた」と回答し、ITP患者を約20ポイント上回りました。
③ 不調とITPとの関連認識にギャップ
調査の結果、ITP患者では日常生活の中で不調を実感している人が多くみられる一方、それらの不調と病気との関連は十分に認識されていない可能性が示唆されました。患者の不調の実感と疾患理解との間にギャップが存在することがうかがえます。
④ 不調とITPとの関連を認識している患者では、医療従事者へ相談意向が高い傾向
不調がITPと関係していると認識しているITP患者では「医師に相談する必要がある」と回答した割合が86.4%と高い傾向がみられました(参考値)。患者がITPと不調との関係について理解を深めることが、医師へ相談するきっかけの一つとなる可能性が示唆されました。
ITP は、免疫応答や全身性の炎症を引き起こす自然免疫ならびに獲得免疫が関わる複合的な免疫調節異常 を伴う疾患で、血小板破壊の亢進および血小板産生の障害に伴う血小板数の減少 (100,000/μL未満)を特徴とします。ITP は、皮下出血から脳内出血などの生命を脅かす可能性がある出血まで様々な部位で出血リスクがあるほか、倦怠感、不安やうつ症状、認知機能の低下など、QOLに影響を及ぼすことが報告されています***。
サノフィは、これからも ITP をはじめとする希少血液疾患領域において、患者さん一人ひとりに寄り添いながら、より良い治療環境の実現とのQOLの向上に貢献してまいります。
■調査結果を受けて、専門医のコメント
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大阪大学医学部附属病院 輸血・細胞療法部 加藤 恒先生
今回の調査で特に見えたのは、ITP患者さんが日常生活の中でさまざまな不調を感じている一方で、ITPが倦怠感や疲れやすさなどに影響することがあると知っていた人が3人に1人にとどまった点です。
ITPでは、出血症状や血小板数の管理が診療上非常に重要です。一方、患者さんの視点に立つと、倦怠感や疲れやすさをはじめ、検査値だけでは把握しにくい困りごとがQOLに影響している可能性があります。今回、鉄欠乏性貧血患者さんとの比較によって、ITPではこうした不調と疾患との関係についての認知が相対的に低いことが示された点は着目すべきポイントです。
また、調査では、ITP患者さんの約7割がこうした不調を医師に相談する必要があると考えているにも関わらず、4割を超える患者さんが「話そうとしたが、うまく伝えられなかった/話せなかった」・「話そうと思ったことがない」と回答しました。患者さんと医療従事者で、こうした不調を共有する余地があることを示す結果だと考えます。
患者さんが自身の状態やITPについて理解を深め、不調に気づいた際にはそれを診察の場で伝える。医療従事者側も、患者さんの不調や課題感を認識して、ともに改善に向けて考える。こうしたコミュニケーションや環境づくりが、ITP患者さん一人ひとりのQOLも見据えたより良い治療につながると考えます。
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■調査概要
実査期間:2026年7月14日~7月24日
調査地域:全国
サンプル数:ITP患者41名、鉄欠乏性貧血患者330名
調査対象:ITPまたは鉄欠乏性貧血と医師から診断されたことがある方
調査種別:定量調査
調査手法:定量Web
アンケート調査機関:株式会社メディリード
*ITP患者群と鉄欠乏性貧血患者群ではサンプル数や回答者背景が異なります。本調査における両群の数値比較は記述的なものです。
** ITP患者にはITP以外の疾患を併存している回答者も含まれます。本調査は、回答された不調がITPに起因することを示すものではありません。
*** Cooper N, Kruse A, Kruse C, et al. Am J Hematol. 2021 Feb 1;96(2):188-198. /Y. Tsukune, N. Komatsu, Intern Med. 2016;55(17):2379 85.
サノフィについて
サノフィは、研究開発型のAIを活用したバイオ医薬品企業であり、人々の暮らしをより良くし、力強い成長をもたらすことに尽力しています。免疫科学領域の深い知見を活かし、世界中の何百万人もの人々の治療と予防を行う医薬品やワクチンを提供し、さらなる貢献のために革新的なパイプラインの構築にも注力しています。「人々の暮らしをより良くするため、科学のもたらす奇跡を追求する」という使命のもと、医療・環境・社会が抱える課題に真摯に向き合い、社員と国や地域社会にとって前向きな変化を生み出すことを目指しています。
日本法人であるサノフィ株式会社の詳細は、http://www.sanofi.co.jp をご参照ください。
■別紙:調査結果の詳細
①ITP患者の約8割が、日常生活で「なんとなくつらい」と感じることがあると回答。そのうち、「十分休んでも疲れが取れない」が最多の60.6%。
ITP患者のうち約8割が、最近6カ月ほどの間に日常生活で「なんとなくつらい」と感じることが「よくある」「ときどきある」「たまにある」と回答しました。具体的な場面では、「十分休んでも疲れが取れない」が60.6%と最も多く、次いで「体が重いと感じる」「夜、なかなか眠れない・眠りが浅い」がそれぞれ42.4%、「朝、起き上がるのがつらい」が39.4%、「気持ちが沈んだり、不安になったりする」が36.4%でした。また、こうした不調について、「辛く、日常生活に支障が出ている」「非常に辛く、日常生活を送るのが困難である」と回答した人は合わせて36.4%となり、日々の生活に影響を感じている患者もみられました。
【Q1】最近(過去6ヶ月ほど)、日常生活の中で「なんとなくつらい」と感じることはありますか。

【Q2】Q1にて日常生活の中で「なんとなくつらい」と感じるとお答えになりましたが、それはどのような場面で感じますか。あてはまるものを全てお選び下さい。

②「不調とITPとの関連を感じる」人は66.7%。一方、「ITPが不調に影響することがある」と知っていた人は33.3%にとどまる。患者自身は日々、病気との関連性を感じているものの、ITPとQOLに関わる不調との関係について、疾患知識として十分に認識されていない可能性あり。
自身が感じている不調について、ITPと「関係していると思う」「少し関係していると思う」と回答した人は合わせて66.7%でした。一方で、「ITPが体のだるさや疲れやすさ、気持ちの落ち込みなどに影響することがある」と、これまでに聞いたり読んだりしたことがある人は33.3%にとどまりました。鉄欠乏性貧血患者では53.5%が同様の情報を「聞いたことがある・知っていた」と回答しており、ITP患者は約20ポイント低い結果となりました。鉄欠乏性貧血では「不調=病気の症状」という認識が患者にも医師にも共有されており、相談のハードルが低い傾向がありました。一方、ITP患者では「これはITPのせいなのか?」という疾患認識の不足が、不調を医師へ伝える入口を塞いでいる可能性が示唆されます。
【Q4(画像左)】「十分休んでも疲れが取れない」「体が重い」「気持ちが沈んだり、不安になったりする」「物事に集中しにくい」などの不調や気分の変化は、ご自身が診断されている病気と関係していると思いますか。 【Q6(画像右)】ご自身が診断されている病気が、体のだるさや疲れやすさ、気持ちの落ち込みなどに影響することがあると、これまでに聞いたり読んだりしたことがありますか。

③ITP患者の66.7%が不調を「医師に相談する必要がある」と回答。一方、4割超では十分な共有に至っていない実態も。「不調をITPと結びつけられない」という疾患認識のギャップが、相談の入口を塞いでいる。
倦怠感や疲れやすさ、不安感、集中しにくさなどについて、「医師に相談する必要があると思う」「ある程度そう思う」と回答したITP患者は合わせて66.7%でした。鉄欠乏性貧血患者の51.4%と比較すると、ITP患者の方が相談の必要性を強く意識している傾向がみられました。実際に担当医へ「自分から話した」「医師に聞かれたので答えた」と回答した人は合わせて57.5%でした。一方、42.5%は「話そうとしたが、うまく伝えられなかった/話せなかった/話そうと思ったことがない」と回答し、こうした不調が十分に医師と共有されていない実態が明らかになりました。不調を医師に話せなかった理由としては、「病気とは関係ないものと思ったから」「診察になると、緊張などで忘れてしまうから」という回答もみられました。
【Q7(画像左)】「十分休んでも疲れが取れない」「体が重い」「気持ちが沈んだり、不安になったりする」「物事に集中しにくい」などの不調や気分の変化について、「医師に相談する必要がある」と思いますか。
【Q8(画像右)】倦怠感・疲れやすさ、不安感、集中しにくさなどの体の変化や不調について、担当の医師に話したことがありますか。

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