シャイン・オン!キッズが埼玉県立小児医療センターにビーズ・オブ・カレッジを新規導入
「小児がん拠点病院」のうち6病院(導入5病院+1トライアル病院)でビーズ・オブ・カレッジ・プログラムを展開し、同病院では初めて特別支援学校でも実施することとなりました。
小児がんや重い病気の子どもたちを支援する認定NPO法人シャイン・オン・キッズ(理事長キンバリ・フォーサイス https://ja.sokids.org/)は、2022年1月1日より埼玉県立小児医療センター(https://www.saitama-pho.jp/scm-c/) にビーズ・オブ・カレッジ・プログラムを導入し、順調に展開されています。同プログラムは2009年に茨城県立こども病院で初めて開始されて以来、現在国内25病院で実施されています。
ビーズ・オブ・カレッジは、入院中の患児とその家族に対して治療ごとに意味のあるビーズをつないでいく「アート介在療法」のひとつ。アメリカで開発され、海外では多くの病院で標準治療となっています。日本ではシャイン・オン!キッズが唯一展開を許可されています。
子どもたちは治療の過程を色とりどりのガラスビーズで記録していきます。
例えば、輸血したときは赤いビーズ、髪が抜け始めたときは顔のビーズなど、処置や治療ごとに決められたビーズを、ビーズ大使である医療スタッフと会話をしながら子どもが自ら繋いでいきます。ビーズを繋ぐことを通して、自分が乗り越えてきた治療を振り返り、勇気や希望を実感し、自分の人生に自信を持ち、自己肯定感を高めます。
自分に起きていることを可視化することで、客観的にとらえ周囲の人にも説明ができるようになります。
埼玉県立小児医療センターでの導入で、全国に15施設ある「小児がん拠点病院」のうち6病院(導入5病院+1トライアル病院)でビーズ・オブ・カレッジ・プログラムを展開することとなりました。
同センターの病院長 岡明先生と小児がんセンター長 血液・腫瘍科科長 康勝好先生からコメントを頂戴いたしました。
新病院に移転して、血液・腫瘍科の病棟機能が充実し、入院患者さん(特にAYA世代など)の更なる心理的なサポートのため、ビーズ・オブ・カレッジの導入を決定しました。
治療内容を自分でビーズ日記に書きとめ、それが色とりどりのビーズとして記録されていくことは、自身の病気や治療についての理解を深め、向き合っていくことにつながります。また、言葉だけの会話よりも、ツールによって子どもたちも話しやすくなり、治療や入院生活についての思いを誰かに受容してもらう場があることによる精神面の安定といった効果にも期待しています。
特に子どもたちの頑張りを認める「がんばったねビーズ」は、他人と比較してではなく、自分なりの頑張りを認識できる機会として、とても意味があると考えられます。ビーズが多くの子どもたちの手に渡り、より良い入院治療、子どもたちの前向きな気持ちにつながっていくことを願っています。
地方独立行政法人埼玉県立病院機構
埼玉県立小児医療センター 病院長 岡 明
埼玉県立小児医療センター 小児がんセンター長 血液・腫瘍科科長 康 勝好
埼玉県立小児医療センターは病院内に埼玉県立けやき特別支援学校(院内学校)があるという珍しい病院です。3月16日(水)に、初めての試みとして「特別支援学校(院内学校)」の6名の先生方へ ビーズ大使研修* を実施させていただきました。
この特別支援学校は病院内にある病弱児特別支援学校として、入院中の小学生から高校生まで、様々な授業構成で患児のサポートをされています。
特に「自立活動」という授業では、治療中の患児の皆さんが入院中や退院後の生活の中で感じる「ストレス」への対応の仕方や退院後の体調管理について学ぶなど、治療中のお子さんにとって重要な内容となっています。
私どものビーズ・オブ・カレッジの活動において、今後派生していくであろうプログラムへのご協力もしていただく予定です。今後の先生方のご活躍に期待しております。
* 「ビーズ大使」: シャイン・オン!キッズが研修を行い、医療従事者がお子さんと一緒にビーズを繋ぐ。国内で1000名以上が登録されている。
ビーズ・オブ・カレッジ実施施設 *2022年4月現在
導入順:茨城県立こども病院、大阪市立総合医療センター、東京都立小児総合医療センター、神戸大学医学部附属病院、千葉大学医学部附属病院、島根大学医学部附属病院、札幌医科大学附属病院、東京医科歯科大学医学部附属病院、大阪赤十字病院、兵庫県立こども病院、成田赤十字病院、中京病院、チャイルド・ケモ・クリニック、静岡県立こども病院、慶應義塾大学病院、高知医療センター、東京慈恵会医科大学附属病院、九州がんセンター、国立がん研究センター中央病院、沖縄県立南部医療センター・こども医療センター、筑波大学附属病院、横浜市立大学附属病院、日本赤十字社和歌山医療センター、埼玉県立小児医療センター、その他1病院研究のため実施中
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