ゾーンECUに最適なIPDが新登場!
~高容量負荷駆動で自動車の電子化を強力に推進~
ローム株式会社(本社:京都市)は、自動車の照明、ドアロック、パワーウィンドウなどゾーンECU(*1)化が進むボディ系アプリケーションにおいて、過電力供給などによるシステム保護に最適なハイサイドIPD(*2) (スマートハイサイドスイッチ)「BV1HBxxxシリーズ」を、オン抵抗値の異なる6種類で製品化しました。全機種とも車載信頼性規格AEC-Q100に準拠しており、高い信頼性を確保しています。

新製品は高い容量負荷駆動能力(*3)を備えており、ゾーンECUと出力負荷(各種ECU含む)の接続部において、その性能を最大限に発揮します。また、自社独自の最新プロセス技術により、従来トレードオフ関係にあった低オン抵抗と高エネルギー(破壊)耐量の両立も実現しました。これにより駆動能力・オン抵抗・エネルギー耐量という3つの重要要素を高水準でバランスよく兼ね備えた製品に仕上がっており、安全性・効率性・信頼性に優れたシステム設計をサポートします。さらに、業界最高水準(※)の高精度(実力値:±5%)な電流センス機能を搭載しており、出力負荷へ接続するハーネス保護に効果を発揮します。パッケージには、小型で放熱性が高いHTSOP-J8を採用しており、高い汎用性を備えています。
新製品は、2025年6月から月産20万個の体制で量産を開始しています。インターネット販売も開始しており、チップワンストップやコアスタッフオンラインなどから購入することができます(サンプル価格600円/個:税抜)。今後もロームは、高信頼・高性能のデバイスを開発することで、自動車分野の安心・安全や省電力化に貢献していきます。
※2025年7月31日 ハイサイドIPDにおけるローム調べ
背景
自動運転や電気自動車(EV)の進化により、自動車の電子制御はますます高度化しています。これに伴い、機能安全の観点から電子的な保護の重要性が高まっており、自動車をゾーン単位で管理する「ゾーンECU化」が進展しています。この動きの中で、電子的に負荷を保護・制御するIPDの採用が加速しています。ゾーンECUでは多数の負荷を一括で制御しますが、従来のIPDでは容量負荷の駆動能力が不足しておりました。今回リリースするIPDは低オン抵抗や高エネルギー耐量といった基本的な性能を満たしつつ、不足していた容量駆動能力を向上した製品となります。ゾーンECUのニーズに対応する高性能IPDを製品化することで、メカヒューズを使用しない「自動車の電子化」を強力に推進します。

IPD(電流センス付きハイサイドスイッチ) ラインアップ

アプリケーション例
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ボディ系アプリケーション
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パワートレインやインバータ周り
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他スイッチ関係
インターネット販売情報
販売開始時期: 2025年6月から
販売ネット商社:チップワンストップ、 コアスタッフオンライン
それ以外のネット商社からも順次発売していきます。
対象製品:BV1HB008EFJ-CE2、BV1HB012EFJ-CE2、BV1HB020EFJ-CE2、BV1HB040EFJ-CE2、BV1HB090EFJ-CE2、BV1HB180EFJ-CE2

用語説明
*1)ゾーンECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)
自動車の電子アーキテクチャにおける新しい設計概念の一つ。従来は、照明やドアロック、パワーウィンドウなど各機能に対応するECUが搭載されているのに対し、ゾーンECUでは、自動車のゾーン分けを行い、ゾーンごとにまとめて制御する統合型のECUを配置する。
*2)IPD(Intelligent Power Device)
電子回路のオン/オフ制御に加え、回路を電気的破壊(異常時の過電流)などから保護できるデバイス。従来から採用されているメカヒューズと異なり機械的な接点がないため、寿命、信頼性に優れる。一般的な半導体スイッチ素子であるMOSFETにはない保護機能を搭載しており、安全で信頼性の高いシステム構築が可能となる。
*3)容量負荷駆動能力
主に電子回路や半導体デバイスにおいて使われる専門用語で、容量負荷(キャパシタンス)に対して、回路やデバイスがどの程度まで正常に動作できるかという性能指標。ゾーンECUとその出力負荷(各ECU含む)との回路構成では、大容量の電解コンデンサが使われることが一般的で、容量負荷駆動能力が低いと突入電流を抑えられず過熱状態が発生し、誤動作や寿命短縮につながる。
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