Snowflake、金融サービス向けCortex AIを発表 - 信頼性と拡張性を備えたエンタープライズAI
※本報道資料は米国スノーフレイク社が10月2日に発表した内容の抄訳です。

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Snowflake Cortex AI for Financial Servicesにより、金融機関は社内のデータエコシステムを統合し、Snowflake内のAI-Readyなデータに基づきAIモデル、アプリ、エージェントを簡単に展開可能に
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SnowflakeのMCP Serverにより、FactSet、MSCI、Nasdaq eVestment®、The Associated Pressなどのパートナー企業から提供されるサードパーティデータを接続。これにより顧客はAnthropic、CrewAI、Cursor、Devin by Cognition、SalesforceのAgentforce、Windsurfなどのアプリやエージェントプラットフォームでこれらのデータを活用し、コンテキストリッチなAIアプリやエージェントの展開を加速
AIデータクラウド企業であるSnowflake(ニューヨーク証券取引所:SNOW)は本日、金融サービス企業が規制業界で要求される厳格なセキュリティおよびコンプライアンス管理を提供しつつ、金融データのエコシステムを一元化し、そのデータを用いてAIモデル、アプリ、エージェントを安全に展開できるよう支援する、AI機能とパートナーシップによる総合的なソリューション群であるSnowflake Cortex AI for Financial Servicesを発表しました。
また、組織が自社データや、FactSet、MSCI、Nasdaq eVestment®、The Associated Pressといったパートナーから提供されるSnowflake内のサードパーティデータを簡単かつ安全に活用できるようになる、新たなマネージドサーバー、Model Context Protocol(MCP)Server(現在一般プレビュー)を発表しました。顧客は、マネージドMCPサーバーを介してAnthropic、CrewAI、Cursor、Devin by Cognition、SalesforceのAgentforce、Windsurfなどのアプリやエージェントプラットフォームとデータを接続し、コンテキストリッチなAIエージェントやアプリを構築することができます。このイノベーションにより、金融サービスをはじめとする各業界の顧客は、各社サービスのニーズに特化して構築されたソリューションを活用して、信頼性の高いAIを迅速に展開できるようになり、さらに広い業界においてデータおよびAIエコシステム全体を網羅するシームレスで安全な接続性を確保できるようになります。
SnowflakeのAI担当バイスプレジデントのBaris Gultekinは次のように述べています。「金融サービス業界は長年にわたり、いち早く新しいテクノロジーを取り入れてきた実績があり、AIも例外ではありません。一方で、分断されたデータ、厳しいコンプライアンス要件、万全のセキュリティとガバナンスの必要性など、独自の課題に直面しています。Snowflakeは、データがすでに存在する場所で直接AIを活用できるようにし、リモートエージェントとの安全な相互運用性を確保することで、金融サービスなどの厳しく規制された業界の顧客がビジネスクリティカルなユースケースにAIを採用し、データ、AI、アプリのベストオブブリードが一元化されたエコシステムを活用できるようにします」
Cortex AI for Financial Servicesを発表
Cortex AI for Financial Servicesにより、市場分析、クオンツリサーチ、不正検出、カスタマーサポート、クレーム対応などの複雑な金融業務をエンタープライズ対応エージェントによって高速化し、企業の時間や運用コストを削減し、より迅速にインサイトを提供できるようになります。SnowflakeのMCP Serverはこの機能を拡張し、業界全体で相互運用性を確保して、Snowflakeのデータや、サードパーティのデータおよびアプリと安全に接続します。
Cortex AI for Financial Servicesのエコシステムでは、主要な金融データのプロバイダーや出版社から提供される質と信頼性の高いデータを、企業が有するAIアプリやエージェントとシームレスに統合できます。CB Insights、Cotality™、Deutsche Börse、MSCI、Nasdaq eVestment®の構造化データをSharing of Semantic Views(まもなく一般提供開始)を通して、CB Insights、FactSet、Investopedia、The Associated Press、The Washington Postの非構造化データをCortex Knowledge Extensions(現在一般提供中)を通して提供します。市場分析、専門調査、ビジネスコンテンツ、ニュースなど、主要な金融機関や出版社から提供される業界データを、金融サービス企業がSnowflake内に有する自社データと組み合わせ、より深いインサイト、正確な情報、結果をAIから得られるようにします。
Cortex AI for Financial Servicesの一連のソリューションでは、以下のような特長を備え、金融業界の顧客がビジネスクリティカルなユースケースに活用できるよう支援します。
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複雑な機械学習のワークフロー:金融サービス企業では、データサイエンティストがリスクモデリング、予測、取引の分析、コンプライアンスを担当していますが、その時間のほとんどはデータの準備や反復的なコーディング作業に費やされています。Snowflake Data Science AgentはAIコーディングエージェントとして、データクレンジング、特徴量エンジニアリング、モデルの試作、検証を自動化するため、生データから実運用モデルへの移行の迅速化が可能となります。これによりクオンツリサーチ、不正検出、顧客の全体像の把握、引受業務の土台となるモデルを自動化、簡素化します。
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非構造化データの分析:金融機関は、市場調査、業績発表の書き起こし、取引内容など、分析の前に手作業での確認や複雑なETLが必要な、膨大な非構造化データを有しています。Snowflake Cortex AISQLにAIによる抽出や書き起こし機能が追加され、膨大な文書、音声、画像を効率的に処理し、インサイトを得ることが可能となり、カスタマーサービス、投資分析、クレーム対応、ネクストベストアクションなど、エンドツーエンドのワークフローを変革します。
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柔軟なインサイトへの容易なアクセス:Data Science AgentおよびCortex AISQLがテクニカル部門やリサーチ部門のワークフローを高速化する一方で、Snowflake Intelligence(一般プレビュー)はビジネス部門のユーザーにとっての直感的な会話インターフェースを提供します。自然言語を使ってSnowflakeに保存されたデータやサードパーティのデータ、アプリ、エージェントからインサイトを得て、素早く実用的なインサイトを構造化テーブルと非構造化文書の双方から見つけ出すことができます。これにより金融機関全体でデータやインサイトへのアクセスを民主化し、事業上の判断を遅らせる技術的な負担を取り除きます。
Snowflake MCP Serverを全業界に拡大し、接続された相互運用可能なAIを実現
AIエージェントは外部ツールと連携し、複雑な業務を完遂し、組織のより広い文脈を把握することで、大規模言語モデル(LLM)の機能を拡張します。一方、これらのAIエージェントを既存のエンタープライズシステムと接続することには課題が存在し、各接続に個別の解決策が必要な場合も多く、AI採用が遅れる原因となっています。こういった問題に対する解決策としてこの数か月で浮上したMCPは、LLMとデータ、API、サービスを統合する標準化手法です。Snowflake MCP Serverの導入により、企業は以下を実現することができます。
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MCP ServerによりSnowflake上に構築されたツールと接続する:Snowflake MCP Serverは、標準ベースのMCPインターフェースを介してCortex AnalystおよびCortex Searchを外部のAIエージェントと接続し、構造化データと非構造化データの取得を一元化します。これにより企業のアプリケーションアーキテクチャを簡素化し、個別の統合作業が不要になり、コンテキストリッチなAIアプリやエージェントの展開を加速します。
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外部ツールを利用して自社データやSnowflake上のサードパーティデータにアクセスする:Snowflake MCP Serverにより、リモートエージェントをSnowflakeデータと接続し、さらにCortex Knowledge Extensionsを通してSnowflakeマーケットプレイスで共有されるサードパーティデータとも接続できるようになり、より広範にAIエコシステムとの相互運用を可能にします。
セキュリティやガバナンスを犠牲にすることなく、企業がすでに使用しているツール、アプリ、データソースと合わせて、サードパーティデータの共有も可能になります。Snowflake MCP ServerはAnthropic、Augment Code、Amazon Bedrock AgentCore、CrewAI、Cursor、Devin by Cognition、Glean、Kumo、Mistral AI、SalesforceのAgentforce、UiPath、Windsurf、Workday、WRITERなど、さまざまなエージェント型アプリケーションとプラットフォームの接続に使用することができます。
この発表に関するコメント
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Anthropicの金融サービス業界責任者のJonathan Pelosi氏は次のように述べています。「企業はAIの試用から実運用に移行しつつありますが、これまで、AIを安全に自社データと接続することが大きな障壁でした。Snowflakeとのパートナーシップにより、MCPを活用して各組織が管理するデータを直接Claudeに接続することで、この課題に対処しています。顧客は、エンタープライズセキュリティ基準を満たしつつ、Cortex AnalystとCortex Searchを介して、Claudeの高度な推論機能(reasoning)を構造化データ分析と非構造化ドキュメントの両方に活用することができます。両社の顧客は、ClaudeとSnowflakeにより、自社データを活用して競争力を高めることができます」
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CrewAIの共同創業者でCEOであるJoão Moura氏は次のように述べています。「エンタープライズAIの新たな波の鍵となるのは、特化型エージェントの連携体制の構築により、複雑なプロセスを自動化できるかどうかです。このようなエージェント型のワークフローを社内で成功させるためには、エージェントが安全で質の高いデータのもとに構築されている必要があります。Snowflakeが投入したマネージドMCP Serverは、当社のエージェント部門がAI Data Cloud内で管理されているデータにアクセスし、解析し、行動を起こすために必要な安全なパイプラインとなります。このパートナーシップは、両社の顧客にとって、マルチエージェントシステムを理論的なコンセプトから実際のエンタープライズ対応の運用に移行させるものであり、当社はそのローンチパートナーとなれることを非常に嬉しく思います」
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Cursorのフィールドエンジニアリング担当責任者のRicky Doar氏は次のように述べています。「AIコーディングアシスタントのインテリジェンスは、基本的には、そのアシスタントがアクセスできる文脈によって決まります。Snowflakeなどが提供するマネージドMCPサーバーは、Cursorなどのツールにとって、重要なデータコンテキストを活用し、より正確で安全な実稼働向けのコードをより迅速に書くための、充実したライブデータ環境です」
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FactSetのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼チーフ・データ・オフィサーであるJohn Costigan氏は次のように述べています。「業界をリードするマーケットデータプロバイダーとして、私たちはMCPのような業界全体の革新の最前線に立っていることを誇りに思います。顧客にAI-Readyのデータ製品へのアクセスを提供することは、顧客にとって大きな前進であり、現代のクラウド環境でデータを統合・強化するための技術的基盤となります。この協業は、金融機関が進化する市場を乗り越え、リスクをより効果的に管理し、持続的な価値創造を促進するために必要なツールを提供するというFactSetのコミットメントを強調するものです」
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Rampのアナリティクス責任者のIan Macomber氏は次のように述べています。「Rampは、顧客が時間とコストを節約できるように支援することをミッションとしています。その実現にとって重要なのは、当社に届く何千ものフィードバックから、企業のニーズを深く把握することです。Snowflake Cortex AIにより、当社の非構造化データを安全に活用して解析することができ、当社の社員は簡単な英語で質問をして即座に回答を得ることができます。Snowflakeにより、データによる意思決定をより簡単に民主化し、顧客のためにより迅速にイノベーションを進め、可能な限り最高のプラットフォームの構築できます」
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SalesforceのAgentforce担当プロダクトアーキテクチャ担当バイスプレジデントであるGary Lerhaupt氏は次のように述べています。「Snowflakeとのパートナーシップを拡大し、MCPなどのプロトコルを通じてエージェント間の相互運用性を実現できることを嬉しく思います。これにより、より深いクロスプラットフォーム接続が可能となり、Agentforce内でのよりインテリジェントなエージェント体験が実現されます。顧客はSalesforce AgentExchange内で直接SnowflakeのMCPサーバーを簡単に発見・接続できるようになり、AIエージェントの開発と展開が加速されます」
関連情報:
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Snowflake Cortex AI for Financial Servicesがビジネスに不可欠なユースケースをいかに効率化しているか、こちらのブログ投稿をお読みください。
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Snowflake MCP Serverが企業データ上でのAIエージェント構築・展開をいかに容易にしているか、こちらのブログ投稿をお読みください。
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グローバル企業がSnowflake Intelligenceを今すぐ導入し、企業データの民主化を実現する方法について、こちらのクイックスタートで学びましょう。
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Snowflakeについて
Snowflakeは、AI時代のためのプラットフォームとして、企業がより迅速にイノベーションを実現し、データからより多くの価値を引き出すことを支援します。数百の世界最大規模の企業を含む12,000社以上のお客様が、SnowflakeのAIデータクラウドを活用し、データやアプリケーション、AIの構築・活用・共有を実践しています。Snowflakeにより、データとAIはすべての人にとって変革の力となります。詳しくは snowflake.com/ja(ニューヨーク証券取引所:SNOW)をご覧ください。
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