ビーズ・オブ・カレッジ プログラムを活用した、先天性心疾患の子どもたちの自立支援事業を開始します
小児がんや重い病気の子どもたちを支援する認定NPO法人シャイン・オン・キッズ(理事長:キンバリ・フォーサイス)は、社会福祉法人丸紅基金(理事長:柿木真澄/以下、「丸紅基金」)の助成のもと、先天性心疾患の子どもたちの自立支援事業を開始することとなりました。
先天性心疾患患者の自立支援とは
小児医療の進歩により多くの子どもたちの命が救われてきました。治療を継続しながら思春期や成人期を迎える患者が多くなっており、小児を中心とした医療から成人を対象とした医療に移行していくにあたり、患者の自立支援と医療体制の整備が大きな課題となっています。自立支援とは、小児の患者が成長する過程において、自らの健康情報や健康管理スキルを身につけ、医療について自己決定できる自立した患者となるための支援を指します(*)。近年、小児医療の現場では、患者の自立や成人医療へのスムーズな移行を目指して外来や入院中に面談を行い、病気の理解のための教育支援や、将来のキャリアビジョンの実行に必要な心的ケアなどを行なっています。
小児慢性疾患の一つである先天性心疾患においても、すでに50万人以上の患者が成人に達していると言われています。先天性心疾患患者の多くは、乳児期までに手術を終えていることもあり、自身の手術や入院加療での経験を覚えていないことがほとんどです。内科治療の継続や再手術を必要とすることも少なくない中、患者の自立支援はとても大切なケアの一つです(**)。
* 小児期発症慢性疾患を持つ患者のための成人移行支援コアガイド(Ver1.1)
( https://transition-support.jp/ )
**先天性心疾患の成人への移行医療に関する提言
( https://www.jsachd.org/guideline/domestic/ )
シャイン・オン!キッズではこのほど、丸紅基金の2022年度(第48回)社会福祉助成に選定いただき、「ビーズ・オブ・カレッジ プログラムを活用した『心疾患の子どもたちの自立支援』事業」を開始することとなりました。
2023年春のプログラム開始に向けて、2022年12月より準備を進めております。
このプログラムでは、心疾患を抱える子どもたちが面談や外来受診時に、治療の意味を持つ10種類ほどの「心疾患用ビーズ」の中から、自分が受けた治療のビーズを受け取り、繋いでいきます。ビーズ大使(***)と対話しながらビーズを繋ぐことによって、治療の軌跡を可視化し、また、これまで経験してきた勇気とがんばりを確認していきます。
2023年4月から1年間は2〜3病院でのトライアルを実施し、今後プログラムとして定着すれば、さらに他病院へ拡大する予定です。
***シャイン・オン!キッズが実施する研修を受けた医療スタッフ。国内で1000名以上が登録されている。
◆ビーズ・オブ・カレッジとは
ビーズ・オブ・カレッジ(勇気のビーズ)は、子どもたちが勇気を出してつらい治療を乗り越えていく過程を、色とりどりのガラスビーズで記録していくプログラムです。例えば、輸血したときは赤いビーズ、髪が抜け始めたときは顔のビーズなど、処置や治療ごとに決められたビーズを、ビーズ大使であるスタッフと会話をしながら子どもが自ら繋いでいきます。ビーズを繋ぐことを通して、自分が乗り越えてきた治療を振り返り、勇気や希望を実感できる効果をもたらします。シャイン・オン!キッズは、ビーズ・オブ・カレッジを展開できる組織として認証を受けた日本で唯一の組織で、2023年1月現在、全国で26病院に導入中です。
◆シャイン・オン!キッズとは
小児がんや重い病気の子どもたちとそのご家族を心のケアのプログラムで支援。ファシリティドッグ・プログラム(動物介在療法)、ビーズ・オブ・カレッジ プログラム(アート介在療法)、キャンプカレッジ(小児がん経験者のコミュニティ運営)、シャイン・オン!コネクションズ(オンラインで心のケアや学習支援アクティビティを提供)、シャイン・オン!フレンズ(小児がん経験者のWEBコミュニティ)などを運営。2006年設立、2023年1月現在全国27病院にて活動中。(https://ja.sokids.org/)
【関連リンク】
丸紅HP https://www.marubeni.com/jp/
丸紅基金HP https://www.marubeni.or.jp/
「2022年度(第48回)社会福祉助成先決定について」
丸紅HP:https://www.marubeni.com/jp/news/2022/release/00079.html
丸紅基金HP:https://www.marubeni.or.jp/topics/entry-82.html
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