文部科学省の研究不正告発窓口に「調査要請書(兼 所管照会)」を提出しました ― 紅麹関連事案における「プベルル酸」の同定・含有に関する研究成果の公表について(回答期限:令和8年9月11日)

「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(平成26年8月26日文部科学大臣決定)に基づく調査と、所管の照会を求めました。

株式会社薫製倶楽部

厚生労働省は、当該紅麹にプベルル酸が含まれていたことを示す科学的証拠文書と、独立に検証可能な同定根拠資料を「作成又は取得した事実はなく、実際に保有していない」と回答しています(発健生0729第5号・0731第4号)。一方、国立医薬品食品衛生研究所の分析報告書では、製品・原料中の物質の同定は推定表現にとどまり、NMRによる構造確認の対象は原因企業から入手した標品でした。この状態で「プベルル酸」の名を用いた研究成果が国の名で公表され続けていることについて、「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(平成26年8月26日文部科学大臣決定)に基づく調査と、所管の照会を求めました。

 

■ 令和8年8月25日、文部科学省へ調査要請書を提出

株式会社薫製倶楽部(岡山県早島町、代表取締役・薬剤師 森雅昭)は、令和8年8月25日、文部科学省科学技術・学術政策局参事官(研究環境担当)付「研究に関する不正の告発受付窓口」に対し、「調査要請書(兼 所管照会)」を電子メールにより提出しました。本申立ては顕名で行っています。

提出した書面は、本文2頁に、厚生労働省及び国立医薬品食品衛生研究所(以下「国衛研」)から当社が受けた情報公開の各決定通知書の写し4通と、開示された分析報告書の第3章・第4章の写しを添付したものです。回答期限は令和8年9月11日(金)としています。

■ 調査を要請した対象

次の3点を、調査を要請する研究成果として特定しました。

・国衛研「紅麹を含む健康食品による健康被害の原因物質特定にかかる分析 令和6年度(2024年度)報告書」(厚生労働省発健生0731第4号及び衛研発第0807001号により開示)

・Yoshinari T. et al., Proc. Jpn. Acad., Ser. B 101: 302–316 (2025)(掲載誌の記載によれば研究資金は厚生労働省、課題番号 JPMH22KA2001)

・厚生労働省ウェブサイト掲載「小林製薬社製の紅麹を含む食品の事案に係る取組について(国立医薬品食品衛生研究所)」(令和6年5月28日及び同年9月18日公表)

■ 申立ての要旨

令和6年3月以降、厚生労働省及び国衛研は、小林製薬株式会社製造の紅麹を含む食品による健康被害事案について、原因物質の候補として「プベルル酸」の名を用い、その毒性試験の結果等を公表してきました。

しかし、当社が情報公開法に基づき厚生労働省から受けた各決定によれば、同省は、当該紅麹にプベルル酸が含まれていたことを示す科学的証拠文書、及び世界中の科学者が独立に検証できる形でのプベルル酸同定根拠資料を「作成又は取得した事実はなく、実際に保有していない」と回答しています。また、国衛研から開示された分析報告書においても、製品・原料中の物質の同定は推定表現にとどまり、構造確認の対象は原因企業から入手した標品でした。

当社は、独立検証可能な同定・含有のデータを保有しないまま、特定の物質名を用いた研究成果が国の名で公表され、現在も訂正されていない状態は、上記ガイドラインにいう研究成果の信頼性に関わる問題に当たると考え、調査を要請しました。

■ 開示された分析報告書に記載されていること

要請書では、令和6年度報告書の開示済み部分(第3章・第4章)から、次の5点を摘示しています。いずれも報告書の記載そのものです。

・第3章「プベルル酸(PA)標品の構造確認」において、NMR及びUHPLC/HRMSによる構造確認の対象は、小林製薬株式会社から入手した単離品(標品B1)及び北里大学から入手した合成品(標品B2)である。

・製品・原料検体(検体A1)については、標品と同一の保持時間及びMSスペクトルを示すピークを認めたことから「PAが含まれると考えられた」との推定表現にとどまり、検体から単離した物質のNMRによる構造決定の記載はない。

・第4章冒頭に、分析に供した検体は「小林製薬から入手した検体」である旨が明記されている。

・簡易定量の検量線に用いた標準溶液は標品B1(小林製薬から入手した単離品)のみから調製されている。

・第4章に「本LC/UV条件では、PAを定量するのに十分なピーク形状は得られなかった」との記載がある。

■ 厚生労働省の各決定との関係

・発健生0422第2号(令和8年4月22日):「プベルル酸」を原因物質として位置付け、公表した事実はない旨を記載。

・発健生0729第5号(令和8年7月29日):紅麹にプベルル酸が含まれていたことを示す科学的証拠文書(国衛研等から受領した報告書を含む)は「作成又は取得した事実はなく、実際に保有していない」。

・発健生0731第4号(令和8年7月31日):上記報告書を開示する一方、「対象紅麹にプベルル酸が含まれていたことを示す科学的根拠資料」及び「独立して検証可能な形でのプベルル酸同定根拠資料」は保有していない。

0729第5号の2日後に0731第4号で当該報告書が開示されていることから、厚生労働省は当該報告書を保有しつつも、これを「含有を示す科学的根拠資料」とは扱っていないことになります。研究成果を公表した機関の所管省庁自身が、その成果の根拠資料を保有しないと回答している状態です。

■ 調査を要請した事項

・各研究成果において「プベルル酸」の同定及び含有を記述するに当たり、原因企業から入手した標品及び検体以外に、独立に検証可能な同定根拠(検体由来物質の構造決定データ、標準品の来歴、検体の入手経路の記録)が存在するか。

・存在しない場合、推定表現にとどまる分析結果が、公表資料及び論文において確定的な同定・含有として記述されるに至った経緯。

・上記論文における比較参照株(株11-1及びE-6-2)が原因企業提供であることと、その旨の利益相反の開示の有無。

・以上について、当該研究機関において予備調査を行う必要があるか否かの判断と、その理由。

■ 所管について照会していること

上記の研究成果は厚生労働省の資金又は同省の施設等機関によるものであり、文部科学省の競争的研究費に係るものではない可能性があります。当社はこの点を承知の上で、ガイドラインの策定省庁である文部科学省に対し、本申立てが同省窓口の対象となるか、対象外の場合はいずれの指針・窓口に申し立てるべきか、及び所管機関への回付とその結果の通知の可否を、あわせて照会しています。

■ 本リリースで述べていること・述べていないこと

述べていること:

文部科学省の告発受付窓口に、上記の内容で調査要請書(兼 所管照会)を提出したこと。

厚生労働省の各決定通知書及び国衛研の開示決定通知書、並びに開示された報告書に、上記の記載があること。

述べていないこと:

研究不正が存在すると当社が断定していること。要請書は、ガイドラインに基づく予備調査の要否の判断を求めるものです。

プベルル酸が当該製品に含まれていなかったこと。当社が指摘しているのは、含まれていたことを独立に検証できる文書を行政が保有していないと回答している、という点です。

健康被害との因果関係や、関係者の法的責任についての判断。

■ 直近1か月に提出した書面と回答期限

・8月23日付 科学的疑義申立書(大阪健康安全基盤研究所理事長宛)― 回答期限9月11日(金)

・8月25日付 調査要請書(兼 所管照会)(文部科学省告発受付窓口宛)― 回答期限9月11日(金)

各回答(無回答の場合はその旨)は、期限後に当社ウェブサイト及び報道発表において公表します。

■ 本リリースについて

・本文中の「不存在」「保有していない」は、情報公開法に基づく開示請求に対する各行政機関の回答であり、文書の保有の有無に関するものです。科学的知見一般の存否について行政機関が判断を示したものではありません。

・要請書の対象は、開示請求の範囲で特定された文書に限られます。当社が請求していない範囲の文書の有無については述べていません。

・国と自治体の間には健生食監発0326第6号等の連絡経路が存在します。本リリースは「一切の連絡がなかった」ことを述べるものではありません。

・研究資金の区分は掲載誌の記載によるものであり、要請書が文部科学省の窓口の対象となるか否かは同省の判断に委ねています。

・要請書の全文及び添付書類は、当社ウェブサイト(下記)で公開しています。

■ 会社概要

社名:株式会社薫製倶楽部

代表者:代表取締役 森 雅昭(薬剤師)

所在地:〒701-0303 岡山県都窪郡早島町前潟611-1

事業内容:薫製食品の製造・販売(ブランド:倉敷ソーセージ)

TEL:086-483-0602 E-mail:sales@kunsei.co.jp

紅麹関連情報:https://kunsei.com/archives/category/benikoji

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会社概要

株式会社薫製倶楽部

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URL
https://kunsei.com
業種
製造業
本社所在地
岡山県都窪郡早島町前潟611-1
電話番号
086-483-0602
代表者名
森雅昭
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
1998年06月