過去に発売された時計(アンティークウォッチ)に関するお問い合わせに関して(スイス時計ブランド「ファーブル・ルーバ」)
280年以上の歴史を有するスイス時計ブランド
スイス時計ブランド「ファーブル・ルーバ」のアンティークウォッチは、世界のアンティーク時計市場で注目を浴びています。ファーブル・ルーバでは、1737年の創業以来作られた全ての時計の修理を受け付けています。
近年のブランドの知名度上昇に伴い、過去に発売した時計に関する問い合わせも増えてきましたのでご回答させていただきます。過去に発売した時計について、現在の価値についてお問い合わせを受けることも多いのですが、お答えすることは差し控えさせていただいております。しかし現在、世界のアンティーク時計市場で人気のモデルや、Wネームを中心とした他ブランドとの関わりをご紹介させていただくことにより、現在時計をお持ちの方や、日本の時計のファンの方々が、その価値やストーリーを知る手助けになればと存じます。なお、過去に発売した時計の修理に関しても、ファーブル・ルーバでは1737年以降作られたすべての時計のメンテナンスを受けつけています。本年度はじめよりスイス本国のスタッフと当社メンテナンススタッフとの連携を強化し、この度、日本においてもスイス本国同様のメンテナンスを行える体制が整いました。
懐中時計(1737年~)
入手難易度 -
1920年代に、世界で腕時計が懐中時計のシェアを逆転した後も、しばらく作り続けていました。250年近く作っていたものなので、入手しやすいものから、国際時計博物館(MIH)に展示されているもの(写真)まで、その価値は様々と言えます。いわゆる「『グランド』コンプリケーション」は少なく、シンプルなものを多く作っていました。
※「グランドコンプリケーション」とは、「コンプリケーション」と呼ばれる機構(ミニッツリピーター、永久カレンダー、トゥールビヨン、スプリットセコンドクロノグラフ)を複数搭載しているものを指します。
レベルソ(1940年前後)
入手難易度 ☆☆☆☆☆
反転機構を有するケースが特徴のモデル。市場での人気も高いです。
シーキング、シーチーフ、シーレイダー(1956年~)
入手難易度 ☆
自社キャリバーFL101を搭載したモデル。左からシーチーフ、シーキング、シーレイダー。個体数が多いので、状態の良いものをお選びください。シーレイダーの高振動モデルについては後述。
ウォーターディープ(1960年~)
入手難易度 ☆☆☆☆
ブランド初のダイバーズウォッチ。このモデルの成功が、1963年より発売されるロングセラー「ディープブルー」シリーズへとつながります。
ビバーク(1962年~)
入手難易度 ☆☆☆☆
世界初の高度計搭載の腕時計。田部井淳子氏が、女性世界初のエベレスト登頂を成功させた時に着けていたモデル。空気を取り入れて気圧を測定し、高度に変換する構造上、非防水なので、湿気には気をつけてください。文字盤カラーは複数種類あります。
ディープブルー1stモデル(1963年~)
入手難易度 ☆☆☆☆
現代も続く「レイダー・ディープブルー」の1stモデル。
バシィ1stモデル(1968年~)
入手難易度 ☆☆☆☆☆
世界で初めての水深計搭載の腕時計。当時日本では「バーシー50」として販売されていました。クオーツショック直前に作られたこと、また、水を時計内部に取り入れる性質上、現存する個体は少ないです。
ディープブルー スーパーコンプレッサーケースモデル(1970年前後~)
入手難易度 ☆☆☆☆
現行の「レイダー・ディープブルー」とデザインに共通点が多く見られます。スーパーコンプレッサーケースのモデルや、ルーレットベゼルのモデルがあります。スーパーコンプレッサーケースのモデル(写真が実際に使われた実機)は、2018年に公開された映画「仮面ライダー 平成ジェネレーションズForever」にも登場しました。回転ベゼルタイプと、写真のモデルのように、回転ベゼルの代わりにインナーリングを2時位置のリューズにより操作し、潜水時間を計るタイプがありました。
ディープブルー ルーレットベゼルモデル(1960年代後半~)
入手難易度 ☆☆☆☆
現行の「レイダー・ディープブルー」とデザインや配色に共通点が多く見られます。こちらはルーレットベゼルのモデルです。
シースカイ1stモデル(1969年~)
入手難易度 ☆☆☆☆☆
ムーブメントにバルジュー72を搭載した防水クロノグラフ。当時は、200mの防水性を有するクロノグラフは珍しかったです。近年のバルジュー72人気により、市場に出てくるものは少ないです。
シースカイ2ndモデル(1970年~)
入手難易度 ☆☆☆☆☆
現行の「レイダー・シースカイ」と多くのデザインを共有する、いわば現行モデルの原点ともいえるモデル。
ペットネームなしのクロノグラフ(1960年代後半~)
入手難易度 ☆☆☆
インダイヤルに特徴的なカラーリングがされているものは、日本において「ヨットグラフ」というペットネームで販売されているものもありました。
バシィ2ndモデル(1970年前後~)
入手難易度 ☆☆☆☆☆
クオーツショックの最中に作られたモデル。世界初の水深計搭載モデルの2ndモデル。当時日本においては「ニューバーシー50」という名前で販売されていました。1stモデルとの大きな違いは、現行モデル同様のクッションケース。
シーレイダー(1960年代後半~)
入手難易度 ☆☆
1956年に発売されたシーレイダーの高振動(毎時36,000振動)モデル。時代を反映した宇宙を感じさせるスぺ―シ―なデザインのモデル。下記のメモレイダーと同時期に販売されていたシーレイダーⅡというモデルも存在。写真は左からメモレイダーとシーレイダーⅡ。
メモレイダー、シーバード(1960年代後半~)
入手難易度 ☆☆
機械式アラームウォッチ。写真はシーバード。メモレイダーは、当時同じグループであったジャガー・ルクルトのメモボックスの影響が色濃く見られます。当時日本ではメモレーダーとして標記されていました。
ハープーン(1960年代~)
入手難易度 ☆☆
Harpoon、HarpoonⅡ、Harpoon77、Harpoon99などが存在。現代の「レイダー・ハープーン」の名前の由来となったモデルです。
クオーツ1stモデル(1970年前半)
入手難易度 ☆☆☆☆☆
1970年前半に日本でも発売されたようです。機械式時計の前に、クオーツ時計は驚異的な精度を誇りました。日本だけでなく、スイスでもクオーツムーブメントが作られたのですが、ファーブル・ルーバも最初期のスイス製クオーツムーブメントを搭載したモデルを角型の金無垢ケースで発売しました。「驚異の精度0.3秒以下/日」のフレーズのもと、販売価格は85万円と当時としてはとても高額でした。
他ブランドとのWネームもしくは協業
ZENITH:1900年代前半にWネームが良く見られます。懐中時計や、トレンチウォッチ(1910年代の懐中時計から移行期にある腕時計)が多く見られます。国際市場に販路を持っていたファーブル・ルーバが輸入商社としてディストリビューションをしていたため、Wネームになったと思われます。
BOVET:1948年~1950年、ファーブル・ルーバはBOVETを傘下に持っていました。アンティークのBOVET名義のクロノグラフは主にこの年代に作られました。
ジャガー・ルクルト:1969年に創業家のファーブル家が、ジャガー・ルクルト等所属していた「サフィールグループ」のオーナーに就任。1978年ファーブル家が、サフィールグループおよびファーブル・ルーバのビジネスを手放すまでその関係は続きました。1969年以前にも協業することはあったようです。
■アンティークモデルの修理に関して
ファーブル・ルーバは1737年以降作られた時計の修理を受け付けています。日本にてスイス本国のスタッフより技能研修を受けた職人、もしくは、スイス本国にて修理させていただきます。本年はじめより、スイス本国のスタッフと日本のメンテナンススタッフが打ち合わせを重ねることで、スイス同様のメンテナンスを日本でも行えるようになりました。アンティークモデルに関しては、全国のファーブル・ルーバ正規販売店もしくは、日本総代理店のスイスプライムブランズにご相談ください。
①お見積もりに関して
お見積もり後、キャンセルとなった場合でも、職人が時計をチェックするなど、諸手続きを要するため、キャンセル料をいただく場合があります。
②修理が難しい場合に関して
ストックのパーツがないものに関しては、高額もしくは修理を承るのが難しい場合がございます。
本リリースに関する問い合わせ先
ファーブル・ルーバ日本総代理店 スイスプライムブランズ株式会社
〒104-0061
東京都中央区銀座1-16-7 銀座大栄ビル5階
TEL:03-4360-866
ファーブル・ルーバ公式サイト
http://favre-leuba.com/jp/
ファーブル・ルーバ日本版サイト
https://www.gressive.jp/satellite_site/favre-leuba/
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