リバスタとアスエネ、業務提携契約を締結 建設現場から会社全体のCO2排出量をワンストップで可視化・管理できる仕組みを構築
~建設業界の脱炭素経営支援を強化~
株式会社リバスタ(本社:東京都江東区、代表取締役:高橋巧、以下 当社)とアスエネ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:西和田浩平、以下 アスエネ)は、建設業界の脱炭素経営支援を強化するため、業務提携契約を締結したことをお知らせします。
このたびの提携により、当社が提供する、建設業界に特化したCO2排出量の算出・可視化クラウドサービス「TansoMiru(タンソミル)」で管理する建設現場単位のCO2排出量データを、アスエネ提供の「ASUENE(アスエネ)」に連携させることが可能になります。これにより、建設現場レベルから、グループ会社や海外拠点を含めたグループ全体におけるCO2排出量の一元管理だけでなく、ダッシュボードによる分析を通じてその実態をより精緻に把握できるようになります。当社とアスエネはCO2排出量の効率的な可視化を支援し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

■業務提携契約締結の背景
2050年カーボンニュートラルが世界の潮流となり、我が国においても2050 年カーボンニュートラルの実現が宣言されています。このような国内外における環境政策の情勢を踏まえ、国土交通省は2021年7月にグリーン社会の実現に向けた重点プロジェクトを「国土交通グリーンチャレンジ」(※1)として取りまとめると共に、同年12月には「国土交通省環境行動計画」(※2)を全面的に改定しました。グリーン社会の実現に向けた国土交通省の取り組みの一つとして、例えば建設施工分野においては、国土交通省の直轄工事でCO2削減に資するコンクリート等の建設材料の現場試行や、「インフラ分野における建設時のGHG排出量算定マニュアル案」に基づいてCO2排出削減量を算定する試行工事の実施等が行われています(※3)。
また、入札段階や工事成績評点(※4)で、施工時や竣工後の建築物のCO2排出量削減が評価され、加点につながる動きも生じてきており、CO2排出量の開示と削減方針が、発注者から施工者として選ばれる大きな要素となっております。このように、建設業界全体としてCO2排出量の可視化・削減は喫緊の課題であり、各企業には自社だけでなく取引先も含めたサプライチェーン全体でのCO2排出量可視化・削減が求められています。
しかしながら、各建設現場に加え、本社・支店を含めた会社全体でのCO2排出量データ収集や集計・分析には膨大かつ煩雑な作業とノウハウが必要とされ、現場担当者の業務負担が増大していることも課題の一つです。建設業界では、建設現場の施工規模や工期がそれぞれ異なるため、個別にデータ集計や管理を行う必要があります。2024年4月からは建設業界でも時間外労働の上限規制が適用されており、CO2排出量のより効率的な可視化や削減施策の検討・推進が求められています。
当社とアスエネは2024年9月に業務提携に関する基本合意書を締結し、建設業界における脱炭素経営支援の実現に向けた検討を進めてきました。(※5)そしてこのたび基本合意内容のうち、クラウドサービス上でのデータ連携等について当社とアスエネの提携内容が具体化したため、業務提携契約締結に至りました。
■業務提携の内容
当社は、建設現場で発生するCO2排出量管理の標準化を目指し、2022年12月より大成建設株式会社と共同で「建設現場で発生するCO2排出量の計測管理サービス」を開発してまいりました。大成建設がこれまで培ってきたCO2排出量計測管理のノウハウと、当社が建設業界のさまざまなお客様にご利用いただけるように提供してきたクラウドサービスのノウハウや、蓄積された豊富な現場データを活用することで、2024年4月より建設業界に特化したCO2排出量の算定・可視化クラウドサービス「TansoMiru」の提供を開始しました。「TansoMiru」は、これまでに「TansoMiru 管理」「TansoMiru 産廃」「TansoMiru 電力」の3サービスを提供しております。
「TansoMiru 産廃」や「TansoMiru 電力」では、産業廃棄物の収集運搬・処理時や電力使用時に発生するCO2排出量を自動で算定することができ、それらのサービスを「TansoMiru 管理」と連携することにより、建設現場や支店、会社単位でCO2排出量を一元管理することが可能です。これにより各現場や支店単位でのCO2排出量を効率的に把握することができ、従来の業務負担を大幅に軽減します。
一方でアスエネが提供する「ASUENE」は、幅広い業界の企業を対象にGHGプロトコルにおけるスコープ1-3のサプライチェーン全体のCO2排出量見える化・削減・報告クラウドサービスとSX(※6)コンサルティングを行っています。アスエネの強みである脱炭素のワンストップソリューションにより、企業の脱炭素経営推進に向けた包括的なサービスを提供しています。
当社とアスエネは両社の強みを生かし、以下のサービスを提供してまいります。
・クラウドサービス上でのデータ連携と、両社での提案
当社が提供する「TansoMiru 管理」から、アスエネ提供の「ASUENE」にデータを連携することで、「TansoMiru 管理」のデータを「ASUENE」で統合し分析できる状態を構築します。さらに両社で連携し、お客様に対してCO2排出量削減等に向けた提案に取り組んでいきます。
・脱炭素コンサルティング等での連携
お客様から会社全体での規模でCO2排出量削減や国際イニシアチブ認定取得、ESG経営等に関するコンサルティングを要望いただいた際は、当社からアスエネに連携し、アスエネが主導でサービスを提供します。
■両サービス導入によるメリット
1.業務効率の向上
建設現場ごとの電力使用量や燃料使用量等のデータを集約でき、データ収集・管理の手間を大幅に削減できます。
2.正確性の向上
手作業による誤入力を防ぐことができ、また手作業に比べて算出精度の高いCO2排出量データを使用いただけます。信頼性の高いデータを基にTCFD(※7)やCDP(※8)の報告書作成が可能です。
3.環境目標達成の加速
各建設現場のCO2排出量が可視化され、迅速な改善策の検討・実施が可能です。スコープ3を含めた、サプライチェーン全体での脱炭素経営推進に寄与します。

■両社からのコメント
アスエネ株式会社 Founder 代表取締役CEO兼COO 西和田浩平氏
建設業界の脱炭素化には、建設現場ごとに異なる条件や煩雑なデータ管理といった構造的な課題が立ちはだかっています。今回、当社の豊富な実績と知見に加え、リバスタの『TansoMiru 管理』と弊社のCO2見える化クラウドのデータ連携が実現したことで、業界全体における脱炭素経営の業務効率化とコスト削減を、現実的かつ力強く後押しできる体制が整いました。
今後も、建設業界の特性に深く寄り添いながら、CO2排出量の見える化・削減・報告までをワンストップで支援し、建設業界全体のGXを確実に前進させてまいります。
株式会社リバスタ 代表取締役 高橋巧
今回の業務提携により、アスエネと共に、建設業界のお客様に対して脱炭素経営の支援を強化できることを大変光栄に思っております。アスエネの強みであるCO2見える化・削減、SXコンサルティングのノウハウと、当社が築いてきた建設業界のお客様との深い関係性や、業界に特化したCO2排出量可視化のノウハウ等を掛け合わせることで、建設業界の脱炭素化に向けたソリューションをワンストップで提供してまいります。このたび当社がアスエネと提携することは、業界全体にとっても新たな可能性を切り拓く一歩になると確信しており、持続可能な社会の実現に貢献できるよう邁進してまいります。
■今後の展開
今回の業務提携に伴い、両サービスの連携に向けた機能開発を進めており、サービス提供の開始時期は2025年の秋頃を予定しております。なお、今後当社はアスエネ支援のもと、建設現場における脱炭素コンサルティングのサービス開発および提供を行っていく予定です。
当社とアスエネは今後もより一層の協力関係を構築することで、建設業界のさらなる脱炭素経営の推進と、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
(※1)出典:グリーン社会の実現に向けた 「国土交通グリーンチャレンジ」
(※2)出典:国土交通省 環境行動計画
(※3)出典:グリーン社会の実現に向けた国土交通省の取組概要
(※4)工事成績評点:一般的に公共工事で取り入れられており、発注者が竣工時に工事の出来栄えや施工状況等を総合的に評価する制度。
(※5)リバスタとアスエネ、業務提携に向け基本合意 ~建設業の脱炭素経営を支援するため、連携を強化~(2024年9月18日)
(※6)SX:Sustainability Transformation(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の略。企業が持続可能性を重視した経営方針へと切り替える取り組み。
(※7)TCFD:気候関連財務情報開示タスクフォース。各社の財務情報に環境リスクなどに対する対応状況や事例を併記して開示する取り組みのこと。
(※8)CDP:イギリスで設立された国際的な環境非営利団体(NGO)。世界の企業に対し、二酸化炭素排出量や気候変動への取り組みに関する質問書を出すことで情報を収集し、その情報を開示している。
■関連リリース
・建設業界に特化した、CO₂排出量の算出・可視化クラウドサービス「TansoMiru」提供開始 ~ 第一弾として、CO₂排出量を一元管理できる「TansoMiru管理」を新たにリリース ~(2024年4月1日)
・リバスタ、建設現場等のスマートメーターの電力データを活用し 電力使用量・CO2排出量を算定・可視化可能なクラウドサービス「TansoMiru電力」を提供開始 ~CO2排出量算定方法において第三者評価機関による妥当性評価を取得~(2025年2月26日)
■両社の概要
<リバスタについて>
株式会社リバスタは、【「つくる」の現場から、世界を変える。】のミッションのもと、建設業界が抱えるさまざまな課題をICTで解決するため、お客様に寄り添い共に創造する姿勢で、幅広いソリューションを提供しています。電子マニフェストサービス「e-reverse.com」は1万社を超えるお客様にご利用いただいており、その他にも建設現場施工管理サービス「Buildee」、建設現場ICT機器ソリューション「BANKEN」などを通じ、建設現場の生産性向上に貢献しています。また、建設現場のCO2算定サービス「TansoMiru」や、建設技能者向けポイントサービス「ビルダーズポイント」、施工管理業務の標準化、ノウハウ継承を支援するサービス「GENBATON」の提供を通じ、脱炭素化や労働環境などの課題改善も支援することで、サステナブルな社会の実現を目指します。
会社名:株式会社リバスタ
代表者:代表取締役 高橋巧
所在地:東京都江東区豊洲5-6-36 豊洲プライムスクエア9F
資本金:1億円
<アスエネについて>
「次世代によりよい世界を」をミッションに掲げるクライメートテック企業。導入社数9,000社超のCO2排出量見える化・削減クラウド「ASUENE」は、AI-OCRを活用したScope1-3までの算出やCFP算定、削減・オフセット、環境データ管理、報告が可能。ESG評価クラウド「ASUENE ESG」、GX・ESG人材特化型転職プラットフォーム「ASUENE CAREER」、カーボンクレジット取引所「Carbon EX」を通じ、企業のサステナビリティ経営をワンストップで支援。
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