【レポート】子育てママの購買行動に変化「子どもの意見」を重視する新しいマーケティングトレンド

~「子どもの成長を支援する選択肢の提供」が新たなビジネスチャンスに~

株式会社ミンテルジャパン

 市場調査会社Mintel Groupの日本法人であるミンテルジャパン(東京都千代田区)が発表した「ママへのマーケティング – 日本 – 2025年」では、子どもを持つ母親への効果的なマーケティングアプローチが明らかになりました。

※ミンテル:ロンドン本社を含め14か国にオフィスを構え、美容やライフスタイル、食品・飲料分野における消費者調査に強みを持つ市場調査会社。2021年より日本市場向けにミンテルジャパンレポートを発刊。

 調査では、18歳未満の子どもを持つ母親が興味を示す広告として「自分と似た悩みを抱えている人」が登場するものが最も多い(「当てはまるものがない」を除く)回答となりました。また、子ども向け商品の購入時には食品・飲料は34%、ファッション・洋服では35%の母親が「子ども」の意見を尊重しており、子どもの影響力の大きさが浮き彫りになりました。

 海外では、アメリカの親の88%が、「子どもに独自の好みや嗜好を身につけてほしい」と望んでおり、子どもが自ら良い選択をできるよう支援するブランドの取り組みが広がっています。この流れは日本でも見られ始めており、「子どもに最適な選択を提供する」ことで、子どもの創造力や問題解決力、自己肯定感を育み、将来の進路選択にも影響を与える企業の取り組みが注目されています。

 子育て世代へのマーケティングは、親だけでなく子どもの選択権も重視したアプローチが求められており、従来の見た目や機能性にとどまらず、子どもの成長を支援するという新たな視点が重要となってきています。

※本リリースの調査結果をご利用いただく際には、必ず【ミンテルジャパンレポート『ママへのマーケティング – 日本 – 2025年』より】とご明記ください。

ミンテルジャパンレポートについて詳しくはこちら:https://www.mintel.com/jp/jr-sep-2025-2

ママへのマーケティングは「悩みへの共感」が成功の鍵             「自分と似た悩みを抱えている人」が登場する広告が最も響く

 ミンテルの調査において、18歳未満の子どもを持つ母親の4人に1人が「自分と似た悩みを抱えている人」が登場する広告やCMは興味を持つと回答しており、次に「安心、信頼」をアピールする製品と続いています。

ベース: 18-59歳の女性インターネットユーザーで、18歳未満の子を持つ母親1,000 人
出典: Mintel, 2025年1月

 世代別で見ると、30代は「ママに人気」や「同じような家族構成」に引かれる傾向があります。30代ママは、他の家族やママが使っているものに興味があるといえます。一方、50代は「安心」へ信頼を大きく置いており、その他「自分が子どもの頃に使っていた」ノスタルジア商品にも他世代より魅力を感じている結果となりました。

ベース: 18-59歳の女性インターネットユーザーで、18歳未満の子を持つ母親1,000 人
出典: Mintel, 2025年1月

子どもの購買決定への影響力が拡大                      子ども向け商品購入時、3割以上のママが「子ども」の意見を重視

 子どものための新商品や特定のブランドを買う決め手に関する調査では、食品・飲料は34%、ファッション・洋服では35%の母親が「子ども」の意見を尊重しており、子どもの影響力も大きいことがわかります。

調査対象: 18歳未満の子を持つ18-59歳の女性インターネットユーザー1,000人
出典:  Mintel, 2025年1月

 また、購入する製品のカテゴリーに関して、食品、パーソナルケア、スキンケア、ファッション全てにおいて、子どもの年齢が高ければ高いほど、子どもの影響力が強くなる傾向にあります。食品に関しては、0-5歳でも影響力が既に3割あることがわかります。

調査対象: 18歳未満の子を持つ18-59歳の女性インターネットユーザー1,000人
出典:  Mintel, 2025年1月

海外で加速する「子どもの選択への尊重」                  アメリカでは76%の親が新学期のための買い物を子どもに選択をさせる時代に

 アメリカの就学前から高校生の子どもを持つ親を対象とした調査では、「子どもにほとんどの品物を選ばせている」と答えた親は76%に及び、「選ばせない」とした11%の約7倍となりました。

 購入代金を支払うのは子どもたちではありませんが、子どもたちの好みを中心に消費が行なわれていることがわかります。これは、ブランドの好みについて強い意見を示し、それを両親に遠慮なく表現できる2010年以降生まれのα世代の子どもたちに特に当てはまります。

調査対象: 米国:2023-24年度のK~12年度(初等・中等教育)の新学期のために買い物をした、または2024~2025年度の新学期のために買い物を計画している、就学前~高校生の子どもがいる世帯に住む18歳以上のインターネットユーザー1,843人
出典:  Mintel、2023年12月

 また、イギリスにおける調査でも、多くの項目で親の過半数が子どもを家族の決定に関与させています。服、テレビ番組、週末何をするかは、6割以上の親が、子どもまたは子どもと親が決定していると回答しました。

調査対象: 英国:18歳以下の自分の子どもと常にまたはほぼ常に同居している16歳以上のインターネットユーザー563人
出典:  Mintel、2024年6月

 

 さらに、ミンテルのレポート「Kids‘ Impact on Household Decisions - US - 2022」によると、親のほぼ10人中9人である88%が、子どもに独自の好みや嗜好を身につけてほしいと望んでいます。家庭での買い物は共同作業になる場合があり、親は買い物をする前に家族や子どもの意見を求めることがよくあります。

 親は、子どもが自分で選択できる余地が必要であるという視点を持っており、子どもが自分でよい選択をするように教えるサービスや、そのようなツールを提供するブランドの取り組みは、親の心に最も響くと考えられます。

調査対象: 米国:18歳未満の子どもがいる家庭の親で、18歳以上のインターネットユーザー2,000人
出典:  Mintel、2022年1月

ビジネスチャンス

子どもに最適な選択肢を与える

日本でも子どもに選択肢を与える潮流は見られ、新たなビジネスチャンスとして注目されています。

ジェンダーレスな遊び環境

 子育て支援サービスのここるくは、保育園の子どもたちと企業とが協同して持続可能な社会づくりに取り組む「こどもSDGsプログラム」を実施しています。例えば女児用おもちゃの外箱はピンク色で女の子モデルが掲載されているため予めパッケージを外しておき、子どもたちが好きなおもちゃを主体的に選択して遊べる状態を整え、約11週間にわたって観察しました。

 その結果、人形、ドールハウス、将棋など、全て女の子が遊び始めたおもちゃも、その後男の子もグループで遊ぶ姿が見受けられました。家庭内でのきょうだい構成も新しいおもちゃに関心を持つ一因となっており、将棋を始めた女の子グループの多くには兄がいたり、ドールハウスで遊ぶ男の子のきょうだい全員が同性きょうだいのみであることが分かり、自宅にはない遊びとしての新鮮さがあったことが推察されています。

 遊びへの導入の段階で、パッケージや広告、周りからの言葉などをきっかけに好奇心に蓋をさせてしまうことがある事実を踏まえ、「男の子だから」「女の子なのに」などと決めつけず、子どもが自分の好きを表現できる環境が「誰も置き去りにしない」SDGsアクションを生むのでしょう。これはジェンダーによる役割意識の軽減につながり、創造力や問題解決力、対人スキルなど多様な能力がバランスよく育ち、将来的な職業選択や自己肯定感にもよい影響を与えるきっかけとなるでしょう。

出典: ピープル ニュースリリース(PR TIMES)

■ミンテル ジャパンレポートについて

新製品開発のヒントになるグローバルトレンドと日本におけるその意味について理解を促し、日本市場における商機を探るレポートシリーズ。「美容・化粧品」、「ライフスタイル」、「食品・飲料」分野のレポートをサブスクリプション方式でご提供しています。グローバルと日本、双方の視点でトレンドを捉えることが可能です。

■ミンテル 市場調査レポートシリーズについて

アメリカ,イギリスレポートなど、アジア、ヨーロッパ、欧米における各国の市場トレンドを把握できるオンラインレポートシリーズ。現地の消費者を対象にした消費者調査の結果から、各国の消費動向を把握することができます。世界各国のマーケターや市場戦略の担当者、商品開発に関わるインサイトを扱う部署の方々に広く活用されています。

■市場調査会社ミンテルの強み

ミンテルに在籍する各分野の専門家であるアナリストは、 ミンテルグローバル消費者調査のデータや各国で独自に行う消費者調査、外部データなどを組み合わせて、消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測を行い、レポートを執筆しています。ミンテルは常に「消費者」に焦点を当て各サービスを展開しており、「消費者が何をなぜ求めているかを探るエキスパート(Experts in what consumers want and why.)」をコーポレートスローガンとしています。

■株式会社Mintel Japan(ミンテルジャパン)

ミンテルジャパンは、ロンドンに本社を置く大手市場調査会社「Mintel Group」の日本法人です。専門分野のアナリストと新商品の調査員を世界各国に配置し、独自の消費者調査や新商品情報の収集を行っております。

その独自のデータを基にした消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測に強みがあります。日本では主に「美容・化粧品」「食品・飲料」「ライフスタイル」の3分野に注力し、サービスを展開しています。

≪ご利用条件≫

情報の出典元として【ミンテルジャパンレポート『ママへのマーケティング – 日本 – 2025年』より】の明記をお願いいたします。

■会社概要

企業名   :株式会社ミンテルジャパン

本社所在地 :東京都千代田区丸の内二丁目4番1号

       丸の内ビルディング18階

代表    :リチャード・カー

設立日   :2008年03月

事業概要  :トレンドレポートの販売、市場調査、市場分析等

WEBサイト  :https://japan.mintel.com/

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会社概要

株式会社ミンテルジャパン

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URL
https://www.mintel.com/jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区丸の内二丁目4番1号 丸の内ビルディング18階
電話番号
03-6228-6595
代表者名
リチャード・カー
上場
未上場
資本金
-
設立
2008年03月