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株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
会社概要

【調査発表】上司・部下間コミュニケーションに関する実態調査

テレワーク下における上司・部下間のコミュニケーションのすれ違いが明らかに

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ

 企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援する株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都品川区 代表取締役社長:藤島 敬太郎 以下、当社)組織行動研究所は、2020年9月、443名の一般社員、286名の管理職に対し、「上司・部下間コミュニケーションに関する実態調査」を実施し、「上司・部下間のコミュニケーションのすれ違い」や「コミュニケーションの十分度・重要度に影響する要素」など、調査結果から見える実態について公表しました。
*詳細は2月22日に公表した当社Webサイトの調査レポート
 (https://www.recruit-ms.co.jp/issue/inquiry_report/0000000944/)からも参照できます。
1.調査背景と結果のポイント

 昨年11月に公表した「会社・上司への信頼に関する実態調査」(*1)では、テレワーク環境下で、上司が意図してコミュニケーションを積極的にとろうとしていることが信頼につながっているとのコメントが多く上がりました。上司・部下間のコミュニケーションについては、従前からあった課題とテレワークだからこそ浮き彫りになった課題との、両方が考えられることから、今回は、「週の半分、隔週など、概ね月の半分程度」もしくは「ほぼ毎日」テレワークを実施している会社に勤務している正社員を対象に、テレワーク環境下における「上司・部下間のコミュニケーション」に焦点をあてて、実態調査を行いました。

*1:11月30日に公表した「会社・上司への信頼に関する実態調査」https://www.recruit-ms.co.jp/issue/inquiry_report/0000000920/

■調査結果より一部抜粋 ※調査の詳細は、「3. 調査結果と考察」を参照ください 。
  • 管理職と一般社員が十分にコミュニケーションできていると認識しているもののなかで有意な差があったものについて比較した。管理職の方が高かったものは、「仕事の意味について説明」「期待をかけていることを伝える」「貢献に対して感謝」「会社や自部署の長期的な目標について話す」「意見やアイディアを求める」だった。一方で、一般社員の方が高かったものは、「間違いや足りない点を指摘」「世間話やプライベートに関する雑談」だった。(図表1)。
    ⇒どちらの方が高いにせよ、差がある内容については、相手に十分に伝わっていない可能性がある。
  • 管理職の方が一般社員よりコミュニケーションの重要度がほぼすべての項目において高く、「期待をかけていることを伝える」「貢献に対して感謝」「心身の健康状態について話をする」「意見やアイディアを求める」などを重要視していた(図表2)。
  • コミュニケーションの十分度・重要度を全体的に高めた要素について、一般社員は「上司信頼」「職務自律性」「心理的安全性」が高いことだった。管理職は「部下への評価」「部下の職務自律性」「心理的安全性」が高いことだった(図表4)。
  • 一般社員は、直属の上司に言いたかったのに言えなかったことについて、テレワークに関することとしては、「対面で話せないことでうまく伝えられない」「リマインドをしづらい」「なんとなく出社してしまっている」と回答した(図表5)。管理職は、部下に言うべきだったのに言えなかったことについて、「微妙なニュアンスを気にして対面でないと言いづらいことがある」と回答した(図表6)。
  • 上司・部下に言いたかった/言うべきだったのに言えなかった理由は、一般社員、管理職共に共通して「気分を害するから」「話すタイミングがなかったから」「リモートワークで、気軽に声をかけづらいから」と回答した(図表7)。
  • テレワークに対して、一般社員は「対人関係のストレスが減る」というポジティブな面を感じていて、「テレワークがもっと普及するといい」と思う傾向があった。管理職の方が「会社への愛着を感じにくくなる」「仕事の自己管理能力が求められる」という懸念や、「発想を広げたり、アイディアを出し合うのが難しい」「気持ちを察したうえでのコミュニケーションが難しい」といった課題を感じていた(図表8)。


2.【組織行動研究所の考察】テレワーク下においてコミュニケーションを円滑にする3つの方法

1.コミュニケーションにおける互いの期待をすりあわせる
 テレワーク下において管理職と一般社員では、立場の違いによるコミュニケーションの「すれ違い」が生じる可能性が示された。また、「仕事の進捗」や「健康やプライベート状況」など、コミュニケーションの内容によってもすれ違いの実態があった。テレワーク下においてコミュニケーションを円滑に進めるためには、上司と部下はコミュニケーションにおける互いの期待について、より意識的になり、すりあわせていくことが求められる。

2.お互いにコミュニケーションの十分度・重要度を高めるための土台を整える
 管理職・一般社員の間には前述「■調査結果より一部抜粋」で紹介したような違いが見られたものの、いずれにおいても、コミュニケーションの十分度・重視度の認識には、相手に対する評価や信頼、自律的に仕事が行われる程度、職場の心理的安全性の認識などが、ポジティブな影響を与えていることが示された。これらの要素については、立場の違いに関わらず、コミュニケーションの改善に役立つ可能性がある。
 例えば管理職は、部下との1対1のコミュニケーションの時だけでなく、普段から安心して発言できる職場づくりを意識することで、コミュニケーションを改善することができるだろう。

3.ネガティブフィードバックの難しさを認識したうえで、先送りせず丁寧にコミュニケーションする
 管理職・一般社員のいずれにおいても、テレワーク環境下においてネガティブフィードバックについて躊躇する、先送りにするなどの実態が確認された。また、管理職の方がより強くそのように感じている可能性が示された。言いたいこと、言うべきだと思ったことを控えた理由には、立場による違いも見られた。一般社員はちょっとした相談や考えを上司に伝えるタイミングが捉えづらく、管理職は部下の反応を見ながら微妙なニュアンスを伝えることが難しいと感じていた。この結果についても1点目と合わせて、コミュニケーションのすれ違いを改善するヒントになるだろう。
 特に一般社員については、単に上司とコミュニケーションするタイミングがないことも多いため、管理職は気軽に相談できる機会を設けることを心掛ける必要があるだろう。


3.調査結果と考察

●コミュニケーションの内容別 十分度(図表1)
・ 全体的に、一般社員より管理職の平均の方が高い傾向が見てとれる。
【一般社員】
 ・ 一般社員の方が十分であると認識しているものは、「3.間違いや足りない点を指摘」「15.世間話やプライベートに関する雑談」だった。
【管理職】
・管理職の方が十分にできていると認識しているものは、「5.仕事の意味について説明」「8.期待をかけていることを伝える」「9.貢献に対して感謝」「12.会社や自部署の長期的な目標について話す」「13.意見やアイディアを求める」だった。

⇒どちらの方が高いにせよ、差がある内容については、相手に十分に伝わっていない可能性がある。例えば、管理職は部下への期待を十分に伝えたつもりであっても、部下の側からすると不十分だと思っているかもしれない。部下は、自分の足りない点を十分指摘されたと思っているが、上司はもう少し指摘すべきだと考えていることもあるだろう。
 

図表1 コミュニケーションの内容別 十分度図表1 コミュニケーションの内容別 十分度

 

●コミュニケーションの内容別 重要度(図表2)

【一般社員】
・重要度に関しては、一般社員の方が高いものはほぼなかった。
管理職が重要だと思う項目について、前半の「1.仕事の進捗に応じたアドバイス」などの項目に比べると、重要度が低くなっている。
・「9.貢献に対して感謝」など、上司が部下に配慮することを示す内容でありながら、一般社員から見ると重要度が低くなっている。
【管理職】
・管理職の回答では、「8.期待をかけていることを伝える」「9.貢献に対して感謝」「11.心身の健康状態について話をする」「13.意見やアイディアを求める」の4つが高かった。

⇒「11.心身の健康状態について話をする」以外は、十分度においても管理職の方が有意に高くなっていることから、一般社員はこれらの内容について十分なコミュニケーションが得られなかったため、重要度が低くなった可能性も考えられる。
 

図表2 コミュニケーションの内容別 重要度図表2 コミュニケーションの内容別 重要度


次に、図表3に挙げた各変数(A~H)の群別に、コミュニケーションの十分度・重要度の平均に違いがあるかどうかを確認した。

図表3 コミュニケーションの十分度・重要度の認識に影響する変数一覧図表3 コミュニケーションの十分度・重要度の認識に影響する変数一覧


●コミュニケーションの十分度・重要度を全体的に高めたもの(図表4)
【一般社員】

・一般社員については、十分度、重要度共に、すべての項目において差があったのは、「E.上司信頼」と「G.心理的安全性」だった。
・「F.職務自律性」についても、重要度の1項目(15)を除いて、自分の判断で仕事を進められると感じているほど、上司とのコミュニケーションも十分かつ重要であると回答している。
【管理職】
・管理職については、十分度、重要度共に、すべての項目において差があったのは、「E.部下評価」と「F.部下の職務自律性」だった。
・「G.心理的安全性」については、それぞれ1項目を除いて、自分が管轄している職場の心理的安全性が高いと感じているほど、部下とのコミュニケーションの十分度・重要度に関しても高いと認識している。

⇒管理職は部下を評価、信頼し、部下が自らの判断で業務を遂行していると思っているほど、コミュニケーションの十分度・重要度共に高いと認識しているようだ。一般社員だけでなく、管理職においても、職場の「心理的安全性」と特定部下とのコミュニケーションとの間に関係が見られるようだ。

図表4 コミュニケーションの十分度・重要度を全体的に高めたもの図表4 コミュニケーションの十分度・重要度を全体的に高めたもの


●その他の上司・部下の関係性、置かれた環境の変数の影響
【一般社員】
・上司との関係の長さである「D.上司期間」は、長い(半年以上)群の方が「13.意見やアイディアを求める」が十分であるとしている点としていて、短い(半年未満)群の方が「15.世間話やプライベートに関する雑談」を重要であるとしていた。
・「H.テレワーク頻度」については、「月の半分程度」に比べて「ほぼ毎日」テレワークを実施している方が、十分度の「3.間違いや足りない点を指摘」が低かった。

【管理職】
・管理職においては、部下との関係の長さである「D.部下期間」は、長い(半年以上)群の方が「1.仕事の進捗に応じたアドバイス」「4.困っていることや必要な支援を確認」「5.仕事の意味について説明」「9.貢献に対して感謝」「10.キャリアや成長課題について話す」「12.長期的な目標について話す」「13.意見やアイディアを求める」が十分であるとの認識で、一般社員と比べると、期間の長さとコミュニケーションの十分度との関係が強い傾向があった。
・重要度は、一般社員同様に「15.世間話やプライベートに関する雑談」に加えて、「11.心身の健康について話をする」が、「D.部下期間」が短い(半年未満)ほど重要だと認識していた。
・「H.テレワーク頻度」については、「ほぼ毎日」の方が「15.世間話やプライベートに関する雑談」が十分でないとの認識だった。
・重要度は、「2.ほめる」「6.要望する」「7.関心事や仕事のやりがいについて話をする」「10.キャリアや成長課題について話す」「14.上司に対する要望を確認」という5つの項目で「ほぼ毎日」の方が重要である傾向が高かった。対面でコミュニケーションできないことで、意識してとろうとしている傾向があることが示唆される。

●直属の上司に言いたかったのに言えなかったこと <一般社員>(図表5)
・テレワークに関連したものとして、「対面で話せないことでうまく伝えられなかった」、「リマインドをしづらい」、「なんとなく出社してしまっている」といった声があった。
・テレワークであるかどうかにかかわらず、「言えない」、「言いづらい」ことが挙げられていたが、「業務に関してちょっとした質問や相談がしづらい」というのは、テレワークの影響もあるかもしれない。
・「上司に対して間違いを指摘したり異なる意見を述べたりする」、「ネガティブフィードバックをすることの難しさ」を挙げるコメントもとても多かった。

⇒もともと難しいところに、テレワークにより、相手の反応が即時で見えない、メールやチャットなど文書で伝える必要があることは、そのハードルを上げているように思える。

図表5 直属の上司に言いたかったのに言えなかったこと <一般社員>図表5 直属の上司に言いたかったのに言えなかったこと <一般社員>


●部下に言うべきだったのに言えなかったこと <管理職>(図表6)
・テレワークに関連するものとして、「微妙なニュアンスを気にして対面でないと言いづらいことがある」というのは、一般社員以上に管理職の方が多かった。

⇒テレワークでは、相手の反応を見ながら言えないので、言う機会を逸して管理職自らミスをカバーしたり、タイミング良く言えなかったりという葛藤があるようだ。仕事の様子がこれまで以上に見えないことから、主体性を尊重して任せて進めたいことや、こまめに報告を求めるようなマイクロマネジメントとの間での迷いもあるようだ。

図表6 部下に言うべきだったのに言えなかったこと <管理職>図表6 部下に言うべきだったのに言えなかったこと <管理職>

●上司・部下に言いたかった/言うべきだったのに言えなかった理由(図表7)

・一般社員、管理職が共通して選択していたのは、「3.気分を害するから」「4.話すタイミングがなかったから」「9.リモートワークで、気軽に声をかけづらいから」だった。

・一般社員は「1.言っても聞いてもらえないから」「2.反論されるのが嫌だから」「8.忙しそうで気が引けるから」、管理職は「5.対面で会う機会がなかったから」を選択した割合が多かった。
【一般社員】
・技術系は「3.気分を害するから」が低く、営業系は「5.対面で会う機会がなかったから」が高い。
・上司信頼が低いと「1.言っても聞いてもらえないから」「2.反論されるのが嫌だから」「3.気分を害するから」が高い。
・上司期間が長いと「1.言っても聞いてもらえないから」が高く、短いと「5.対面で会う機会がなかったから」「8.忙しそうで気が引けるから」「9.リモートワークで、気軽に声をかけづらいから」が高い。
・職務自律性が低いと「1.言っても聞いてもらえないから」が高く、職務自律性が高いと「8.忙しそうで気が引けるから」「9.リモートワークで、気軽に声をかけづらいから」が高い。
・心理的安全性が低いと「1.言っても聞いてもらえないから」「3.気分を害するから」が高く、心理的安全性が高いと「8.忙しそうで気が引けるから」が高い。
【管理職】
・事務系は「5.対面で会う機会がなかったから」「7.忙しくて時間がとれなかったから」「8.忙しそうで気が引けるから」「9.リモートワークで、気軽に声をかけづらいから」が高い。
・心理的安全性が低いと「1.言っても聞いてもらえないから」「2.反論されるのが嫌だから」「4.話すタイミングがなかったから」が高い。
・テレワーク頻度が「ほぼ毎日」だと「6.部下の判断に任せたいから」が低い。

図表7 上司・部下に言いたかった/言うべきだったのに言えなかった理由図表7 上司・部下に言いたかった/言うべきだったのに言えなかった理由

●一般社員・管理職間でのテレワークに対する考えの違い(図表8)
【一般社員】
・一般社員は、「8.対人関係のストレスが減る」というポジティブな面を感じていて、「11.テレワークがもっと普及するといい」と思っているようだ。
【管理職】
・管理職の方が、「2.会社への愛着を感じにくくなる」「3.仕事の自己管理能力が求められる」という懸念を感じていたり、「7.発想を広げたり、アイディアを出し合うのが難しい」「9.気持ちを察したうえでのコミュニケーションが難しい」といったコミュニケーション上の課題を感じたりしている。

図表8 一般社員・管理職間でのテレワークに対する考えの違い図表8 一般社員・管理職間でのテレワークに対する考えの違い


4. 調査概要

 

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