株式会社JEPLANが、日立造船の協力を得て使用済衣類のさらなる循環を目指す混紡繊維の熱分解ガス化の実証を開始
― 「北九州市環境未来技術開発助成制度」の対象として採択決定 ―
JEPLANは、日立造船株式会社(取締役社長兼CEO:三野禎男)の協力を得て、混紡繊維の熱分解ガス化の実証を北九州響灘工場(福岡県北九州市若松区響町1-120-6)にて実施します。循環を実現するためには段階的な実証が必要となりますが、最終的には、使用済衣類から得られたガスを再生ポリエステルの原料として利用することを目指します。なお、本実証は「北九州市環境未来技術開発助成制度」の令和5年度対象テーマとして採択されました。
世界における繊維製品の繊維to繊維リサイクル率は1%未満*にすぎず、この数字には工場廃棄品(Pre-consumer waste)が含まれているため、消費者が使用した後の使用済衣類(Post-consumer waste)の繊維to繊維のリサイクル率はさらに低い状況です。ポリエステル等の単一素材であればリサイクルが可能な技術はあるものの、現在のアパレル業界においては、混紡繊維等の様々な混率の素材が製品に使用されていることがリサイクルを困難にする要因となっています。
JEPLANは「あらゆるものを循環させる」というビジョンを掲げ、広くサプライチェーンに携わりながら資源循環を推進しています。繊維の分野においては、2010年よりアパレル等のパートナー企業と連携した使用済衣類の店頭回収を始めて、北九州響灘工場にてポリエステルをケミカルリサイクルという手法で高度に精製する独自技術を活用し、再生ポリエステル樹脂を製造販売しています。B2B向けに100%繊維由来の再生ポリエステル樹脂を販売するほか、D2C向けの自社アパレルブランド「BRING™」を展開しています。2021年には東京・恵比寿に直営店「BRING EBISU」を開店し、サーキュラーエコノミーを社会に実装する取り組みを推進しています。
本実証事業では、混紡繊維等の再資源化を段階的に進めることを予定しています。まず、第一段階として混紡繊維からの熱分解ガス化をベンチスケールの装置で検討します。次に第二段階として、得られたガスを北九州響灘工場にて熱利用することを検討します。そして第三段階では、更に得られたガスを化学原料に変換して、テレフタル酸を生成し、同工場の再生ポリエステルの原料にすることを想定しており、混紡繊維から再度消費者が手にする繊維製品を作ることを目指します。
今後もJEPLANグループでは「あらゆるものを循環させる」というビジョンの実現に向けて、引き続き国内外のパートナーとの連携を進め、グループ一丸となりサーキュラーエコノミーを牽引していくことに努めてまいります。
*¹第1回 繊維製品の資源循環システムの検討会
「繊維製品の資源循環システムの構築に向けた技術開発について」P.5参照
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/resource_recycling/pdf/001_05_00.pdf
混紡繊維等の再資源化を段階的に実施
■ 北九州市環境未来技術開発助成制度(https://www.city.kitakyushu.lg.jp/kankyou/file_0474.html)
循環型社会・脱炭素社会の実現に向け、環境産業の振興を図り、環境分野の課題の解決に先導的役割を果たすことを目的として、北九州市の環境未来税を財源とした制度
■ 株式会社JEPLAN(https://www.jeplan.co.jp)
代表取締役 執行役員社長:髙尾 正樹
設立:2007年1月
主な事業内容:PETケミカルリサイクル技術関連事業(対象:PETボトル・ポリエステル)など
「あらゆるものを循環させる」をビジョンに掲げ、広くサプライチェーンに携わりながら、独自のPETケミカルリサイクル技術「BRING Technology™」を用いたものづくり、事業開発や技術ライセンスの展開を推進することで、限りある資源の循環を実現し、CO₂の排出量削減に寄与しています。
繊維以外の分野でも、自治体や企業との連携によりペットボトルを何度でも繰り返しリサイクルを実現する資源循環の事業に取り組んでいます。
■ 北九州響灘工場
住所:福岡県北九州市若松区響町1-120-6
設立:2017年竣工
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像