微細藻類ユーグレナの水抽出物が、マウスの肺がんの増殖を抑制することを示唆する研究結果を確認しました
株式会社ユーグレナ(本社:東京都港区、社長:出雲充)は、米国のカンザス州立大学田村正明教授との共同研究により、微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ、以下「ユーグレナ」)粉末の水抽出物※1が免疫を介して肺がんの増殖を抑制することを示唆する研究成果を確認しました。
なお、今回の研究結果は、2020年4月28日に『Biomedicine & Pharmacotherapy』オンライン版に掲載されました(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0753332220303589)。
※1 ユーグレナ粉末から水で抽出した物質で、ユーグレナ粉末の水溶性成分が含まれている
なお、今回の研究結果は、2020年4月28日に『Biomedicine & Pharmacotherapy』オンライン版に掲載されました(https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0753332220303589)。
※1 ユーグレナ粉末から水で抽出した物質で、ユーグレナ粉末の水溶性成分が含まれている
■研究の背景と目的
肺がんは、日本を含めた先進国で罹患率、死亡率ともに高く、日本全国で1年間に約125,000人が罹患していると診断されています。肺がんの罹患率は喫煙習慣との関連性が高いことが報告されていますが、喫煙以外でもアスベストなどの有害化学物質への暴露や大気汚染なども原因になると言われています。また、肺がんは他の臓器に転移を起こしやすく、更に、他の臓器がんの転移による肺がんの発症も多いという特徴もあり、予防や治療による対策が求められています。
がんの抑制には免疫の活動が関わっているとされていますが、当社ではこれまでにユーグレナの特有成分パラミロンの継続摂取が免疫バランスを保ち、疾患の発症を予防できる可能性※2などを報告しています。今回の研究における試験では、パラミロンを含まないユーグレナの水溶性の成分に着目し、肺がんマウスにユーグレナ粉末の水抽出物を摂取させ、肺がんに対する影響を検討しました。
※2 2014年4月17日のリリース https://www.euglena.jp/news/n20140417/
■研究の内容と結果
マウスに肺がんを発症させる3週間前からユーグレナ粉末の水抽出物を飲用水に混ぜて摂取させたところ、肺がん発症後、2週間経過したマウスの肺がんの増殖を抑制したことが分かりました(図1)。また、ユーグレナ粉末の水抽出物を摂取させたマウスの末梢血中の白血球数を測定すると、腫瘍成長の促進に関わるとされている顆粒球※3の数が有意に減少していることが分かりました(図2)。
以上のことから、ユーグレナ粉末の水抽出物の摂取が、顆粒球などのミエロイド※4由来の細胞集団を減少させることで抗腫瘍免疫を高め、肺がんの増殖を抑制したことが示唆されました。
さらに、マウスから採取した骨髄※5を用いてユーグレナ粉末の水抽出物が骨髄に含まれているさまざまな免疫細胞に及ぼす影響を確認しました。骨髄由来の細胞を培養する際に、ユーグレナ粉末の水抽出物を添加すると、添加48時間後に顆粒球が有意に減少し、その中でも特に、免疫を抑制することが知られている顆粒球性MDSC※6が有意に減少したことが示唆されました(図3)。
この結果は、上記したマウスの末梢血の白血球数の測定によって得られた結果と一致し、ユーグレナ粉末の水抽出物の摂取が、抗腫瘍免疫系を介して、肺がんの増殖を抑制することが示唆されました。
※3 白血球の一種。
※4 好中球(顆粒球の一種)、樹状細胞、マクロファージなどの骨髄で分化する免疫細胞のこと。
※5 白血球、赤血球などに分化できる造血幹細胞が含まれる組織である。
※6 myeloid-derived suppressor cellsの略で、好中球、樹状細胞、マクロファージなどの前駆細胞であり、免疫寛容を誘導する細胞として知られている。
※7 PBSはリン酸緩衝生理食塩水のことで、Phosphate-buffered saline の略。本実験におけるコントロールとして使用。
※8 EWEはユーグレナ粉末の水抽出物のことでEuglena water extractの略。
※9 LPSはリポ多糖のことで、Lipopolysaccharide の略。本実験におけるポジティブコントロ―ルとして使用。
今後は、ユーグレナ粉末の水抽出物の摂取により、抗腫瘍免疫が高まるメカニズムと、その生理学的な意義の解明をさらに進めてまいります。
なお、当社では、微細藻類ユーグレナおよびその含有成分の健康食品、医療分野等での利活用や食材としての付加価値向上を目指し、研究開発を行っていきます。
<微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)について>
ユーグレナは、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持っており、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んでいます。なお、ユーグレナ特有の成分でβ-グルカンの一種であるパラミロンは、近年機能性についての研究が進み、食品や化粧品などのヘルスケア分野などでの活用が期待されています。ユーグレナが含まれる「からだにユーグレナ」シリーズは、「栄養不足」「心身の疲労」「免疫力低下」の相互関係の事実をとらえ、健康の基盤を妨げる複合的要因に着目しています。健康の基盤を妨げる要因に左右されずに、からだが本来持つ“つくる・はたらく・まもる”のサイクルを保ち、よりよい状態へ高めることで、一時的ではなく、持続的な健康を叶えることが大切と考えています。
<株式会社ユーグレナについて>
2005年に世界で初めて石垣島でユーグレナの食用屋外大量培養技術の確立に成功。石垣島で生産したユーグレナやクロレラなどを活用した機能性食品、化粧品等の開発・販売を行うほか、バイオ燃料の生産に向けた研究を行っています。2012 年 12 月東証マザーズに上場。2014 年 12 月に東証一部に市場変更。経営理念は「人と地球を健康にする」。https://euglena.jp
肺がんは、日本を含めた先進国で罹患率、死亡率ともに高く、日本全国で1年間に約125,000人が罹患していると診断されています。肺がんの罹患率は喫煙習慣との関連性が高いことが報告されていますが、喫煙以外でもアスベストなどの有害化学物質への暴露や大気汚染なども原因になると言われています。また、肺がんは他の臓器に転移を起こしやすく、更に、他の臓器がんの転移による肺がんの発症も多いという特徴もあり、予防や治療による対策が求められています。
がんの抑制には免疫の活動が関わっているとされていますが、当社ではこれまでにユーグレナの特有成分パラミロンの継続摂取が免疫バランスを保ち、疾患の発症を予防できる可能性※2などを報告しています。今回の研究における試験では、パラミロンを含まないユーグレナの水溶性の成分に着目し、肺がんマウスにユーグレナ粉末の水抽出物を摂取させ、肺がんに対する影響を検討しました。
※2 2014年4月17日のリリース https://www.euglena.jp/news/n20140417/
■研究の内容と結果
マウスに肺がんを発症させる3週間前からユーグレナ粉末の水抽出物を飲用水に混ぜて摂取させたところ、肺がん発症後、2週間経過したマウスの肺がんの増殖を抑制したことが分かりました(図1)。また、ユーグレナ粉末の水抽出物を摂取させたマウスの末梢血中の白血球数を測定すると、腫瘍成長の促進に関わるとされている顆粒球※3の数が有意に減少していることが分かりました(図2)。
以上のことから、ユーグレナ粉末の水抽出物の摂取が、顆粒球などのミエロイド※4由来の細胞集団を減少させることで抗腫瘍免疫を高め、肺がんの増殖を抑制したことが示唆されました。
さらに、マウスから採取した骨髄※5を用いてユーグレナ粉末の水抽出物が骨髄に含まれているさまざまな免疫細胞に及ぼす影響を確認しました。骨髄由来の細胞を培養する際に、ユーグレナ粉末の水抽出物を添加すると、添加48時間後に顆粒球が有意に減少し、その中でも特に、免疫を抑制することが知られている顆粒球性MDSC※6が有意に減少したことが示唆されました(図3)。
この結果は、上記したマウスの末梢血の白血球数の測定によって得られた結果と一致し、ユーグレナ粉末の水抽出物の摂取が、抗腫瘍免疫系を介して、肺がんの増殖を抑制することが示唆されました。
※3 白血球の一種。
※4 好中球(顆粒球の一種)、樹状細胞、マクロファージなどの骨髄で分化する免疫細胞のこと。
※5 白血球、赤血球などに分化できる造血幹細胞が含まれる組織である。
※6 myeloid-derived suppressor cellsの略で、好中球、樹状細胞、マクロファージなどの前駆細胞であり、免疫寛容を誘導する細胞として知られている。
※7 PBSはリン酸緩衝生理食塩水のことで、Phosphate-buffered saline の略。本実験におけるコントロールとして使用。
※8 EWEはユーグレナ粉末の水抽出物のことでEuglena water extractの略。
※9 LPSはリポ多糖のことで、Lipopolysaccharide の略。本実験におけるポジティブコントロ―ルとして使用。
今後は、ユーグレナ粉末の水抽出物の摂取により、抗腫瘍免疫が高まるメカニズムと、その生理学的な意義の解明をさらに進めてまいります。
なお、当社では、微細藻類ユーグレナおよびその含有成分の健康食品、医療分野等での利活用や食材としての付加価値向上を目指し、研究開発を行っていきます。
<微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)について>
ユーグレナは、ワカメや昆布、クロレラと同じ藻の一種で、動物と植物の両方の特徴を持っており、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んでいます。なお、ユーグレナ特有の成分でβ-グルカンの一種であるパラミロンは、近年機能性についての研究が進み、食品や化粧品などのヘルスケア分野などでの活用が期待されています。ユーグレナが含まれる「からだにユーグレナ」シリーズは、「栄養不足」「心身の疲労」「免疫力低下」の相互関係の事実をとらえ、健康の基盤を妨げる複合的要因に着目しています。健康の基盤を妨げる要因に左右されずに、からだが本来持つ“つくる・はたらく・まもる”のサイクルを保ち、よりよい状態へ高めることで、一時的ではなく、持続的な健康を叶えることが大切と考えています。
<株式会社ユーグレナについて>
2005年に世界で初めて石垣島でユーグレナの食用屋外大量培養技術の確立に成功。石垣島で生産したユーグレナやクロレラなどを活用した機能性食品、化粧品等の開発・販売を行うほか、バイオ燃料の生産に向けた研究を行っています。2012 年 12 月東証マザーズに上場。2014 年 12 月に東証一部に市場変更。経営理念は「人と地球を健康にする」。https://euglena.jp
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