"しつけ"としての体罰は容認しない62.5%、家庭は自分の居場所だ83.4%/日本財団18歳意識調査「子どもと家族」

公益財団法人 日本財団

日本財団(会長:笹川陽平)は3月中旬、「子どもと家族」をテーマに24回目の18歳意識調査を実施しました。この結果、8割以上が育った家庭や施設などを自分の居場所と感じる一方で、1割弱は居場所と感じる場所がどこにもないと答えています。
体罰に関しては6人に1人弱が受けた経験を持ち、3分の2近くが”しつけ“としての体罰を「容認しない」と回答。その理由としては「痛みや苦しみでは何も解決しない」、「暴力は全て許されない」などが高い数字となっています。また、厚生労働省が体罰に当たる行為として示した8つのガイドライン全てを体罰と考える人は約3割にとどまっています。
全国で虐待が相次いでいる事実は8割が知っており、「親の特性や虐待経験によるもの」、「体罰を『しつけ』と容認する社会の価値観」などが原因の上位に並んでいます。改正児童虐待防止法と改正児童福祉法の今年4月からの施行を知っていた人は4人に1人、この法律で虐待が減ると思う人は全体の6分の1にとどまっています。

▼調査結果ポイント
・育った家庭は自分の居場所だ 83.4%
 どこにも居場所がない 8.6%
・体罰を受けた経験あり 15.1%
・”しつけ”としての体罰 容認しない62.5%、容認する12.3%
 体罰を受けた人の容認派、受けてない人の約2倍
・虐待事件が相次いでいることを知っている 80.8%
 虐待が起こる原因 「親の特性や虐待経験によるもの」53.3%、「体罰をしつけと容認する社会」  47.4%
・児童福祉法、児童虐待防止法の改正で虐待は減ると思うか 
 いいえ31.7% はい16.3%
  • 育った家庭(施設など)を自分の居場所と感じる 83.4%

  • 居場所と感じる理由のトップは「普段から会話する」70.6%
  •  居場所と感じない理由は「安心して生活​ができない」42.2%

  • どこにも居場所がない人 8.6%
  • 家庭以外の居場所のトップは「友達」で84.3%

  • 自分の居場所がないと感じる人の理由
「周りと合わない」「排除されているから」「常に否定され続けているから」「信用できる人がいないから」など、周囲の人(特に親)との関係性から、疎外感や孤独感を感じている回答が多い。また、「自分の自由にできないから」「色々制限されるから」など、自分の行動を自由に決められない環境であることに不満を抱いている人も。
  • 体罰を受けたことがある人15.1%  育った家庭(施設)が76.8%で最多

  • 「しつけ」としての体罰を容認しない62.5% 容認する12.3%
  •   体罰を受けた経験がある人の容認派は19.2%に上る

  • 体罰を容認しない派「痛みや苦しみでは何も解決しない」62.9%
  • 体罰を容認する派「子どもが危険な行動をしたとき」61.0%

  • 体罰防止ガイドライン全てを「体罰だと思う」と回答したのは31.4%。
 最も少ないのは「他人のものを取ったので、お尻を叩いた」(体罰だと思う:56.7%)

  • 相次ぐ虐待事件の認知 80.8%
  • 「親の特性や虐待経験によるもの」53.3%、「体罰をしつけと容認する社会」47.4%

  • 児童福祉法・児童虐待防止法の改正 認知24.4%
  • この法律により虐待は減ると思う16.3%

  • 虐待・体罰をなくし、子育てを社会全体で支援するための考え
・「地域全体で協力して子育てを行うことができる社会づくりを行う」「家庭だけでなく、学校や行政もが一体となって子を見守っていく」など、学校や地域社会と連携して子育てをするべきという意見が多く挙がった。
・「親が相談できる場所を増やして負担がかかりすぎないような環境を作る」といった親の負担を軽減したいという意見や、子どもに対しては「体罰を受けたときに助けを求められる相談の窓口をしっかり用意するのが必要」「子供が体罰を他の人に言える環境」など、親子それぞれをサポートする場所や支援が必要との回答が目立った。
・子育てへの理解を深めるべく「子どもへの接し方を学校できちんと教える」「子供に対する教育を子供の頃から行う。子供を持つとはどういうことでどんな責任を伴うのかを理解できる環境を作るべき」「性教育をきちんと行い、望まない妊娠を避けること」など子どもの頃から子育てや性について教育をする必要があるとの意見が多く挙がった。
・「体罰をよく知ること」「虐待についての認識を深める」「一人一人の大人が虐待とは何かを理解することが大切だと思う」など社会が虐待の問題をしっかり認識する必要があるという声や、「体罰について一人一人が考えるべきだ」「子育てをすることの意味や責任を一人ひとりが考える」といった声も寄せられた。
・また、虐待への厳罰化や監視による防止の声も挙がる。

■調査報告書について
詳細については、プロジェクトページに掲載している報告書をご覧ください。
https://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/eighteen_survey/

■18歳意識調査について
2015年の改正公職選挙法で選挙権年齢が20歳から18歳に引き下げられ、翌年の参院選から新たに「18~19歳」が投票に参加しました。民法の改正に伴い2022年4月には成人年齢も18歳に変わります。そこで日本財団では、18歳の若者が何を考え、何を思っているのか、継続して調べる意識調査を2018 年10月からスタートさせました。次代を担う18歳の意識を幅広く知ることで新しい社会づくりに役立てるのが狙いです。

■お問い合わせ
日本財団  広報チーム 坂本
メールアドレス:pr@ps.nippon-foundation.or.jp

■過去の調査
・第1回:18歳成人 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000025872.html
・第2回:新聞 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000025872.html
・第3回:恋愛・結婚観 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000025872.html
・第4回:働く https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000025872.html
・第5回:障害 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000025872.html
・第6回:セックス https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000025872.html
・第7回:成人式 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000025872.html  
・第8回:大学入試 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000025872.html
・第9回:国の借金 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000025872.html
・第10回:地方創生 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000025872.html
・第11回:災害・防災 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000025872.html
・第12回:国会改革 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000025872.html
・第13回:憲法 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000025872.html
・第14回:海外と日本 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000025872.html
・第15回:国政選挙    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000025872.html
・第16回:東京オリンピック・パラリンピック    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000025872.html
・第17回:消費税 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000064.000025872.html
・第18回:働く https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000067.000025872.html
・第19回:メディア https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000025872.html
・第20回:国や社会に対する意識 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000025872.html
・第21回:気候変動https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000085.000025872.html
・第22回:食品ロスhttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000090.000025872.html
・第23回:格差社会https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000094.000025872.html

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1962年10月