【イベント開催レポート】製造業におけるデジタル帳票活用をテーマにしたオンラインイベントを初開催
デジタル現場帳票サービス導入企業による事例発表も実施
デスクレスワーカー向け現場支援システムtebikiを提供するTebiki株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:貴山敬 / 以下、Tebiki)は、2025年6月25日(水)に「製造業におけるデジタル帳票活用」をテーマにしたオンラインイベントを初めて開催しました。Tebikiが提供するデジタル現場帳票サービス「tebiki現場分析」のユーザー企業である株式会社日本電気化学工業所(本社:大阪府豊中市、代表取締役社長:倉智真平 / 以下、NACL)の長崎雅史氏が登壇し、デジタル帳票の活用による品質不良の未然防止への取り組みについて解説しました。

以下に、当日のイベントの様子をご紹介します。当日は、オンラインで132名が参加しました。
■ ユーザー企業講演
アルミニウム表面処理加工メーカーであるNACLの品質保証部 次長の長崎雅史氏より、「品質不良の未然防止をリアルタイムデータで実現! ~製造業におけるデジタル帳票活用術~」と題して講演していただきました。

同社の製造工場では、機械の設備点検記録や表面処理に用いる処理液の温度や薬品の濃度の記録などを帳票に作業者が手書きで記録していましたが、責任者が現場を巡回して帳票を回収して承認作業を行うために時間がかかっていました。特に、週次点検など頻度の低い点検項目では、異常発見が遅れるケースが多発していました。また、本社の担当者が現場の紙記録を確認するためには、各工場まで出向くかデータを送付してもらう必要があるため、時間的なロスによって異常検出が遅れ、その結果として色調異常やムラなどの外観不良が発生して、納期遅延や再手配といった無駄な業務が生じていました。
また、ISO 9001の認証を維持する中で、毎年の改善や顧客からの指摘により記録項目が増加し続けており、紙に記録したデータをExcelに入力する作業も増加して、データを入力することだけが仕事になってしまうという悪循環に陥っていました。
システムの導入後、現場で入力されたデータがリアルタイムで反映されるため、紙に記録したものを入力するプロセスがなくなり、あらかじめ指定された正常値から外れた異常値が記録された際にアラートを出す機能によって記録ミスも減少しています。また、現場でリアルタイムにグラフを確認できるため、データを活用した改善活動が促進され、現場の改善意識の向上とともに、不具合の大幅な減少につながっています。
処理時の熱により液温が管理範囲を超えて上昇した際に、即座にアラートが発報。週の始めに冷却液バルブの開け忘れが発生していたことを特定し、従来であれば不良品発生まで気づかなかった問題を早期発見し、迅速な現場対応により品質トラブルを未然に防止できたという事例も紹介していただきました。

■ パネルディスカッション
NACLの長崎氏とTebikiの貴山によるパネルディスカッションを実施しました。実際に利用しているグラフの画面を見せていただきながら、システム導入のきっかけやその成果について議論しました。
まず、長崎氏からはシステムの導入効果について解説していただきました。自動車のアルミホイール製造に関する検査記録について、不良が発生したラック位置を紙に手作業で記録していましたが、1日に15枚ほどデータを記録するため、集計時に入力しなおさなければいけないなど、現場にとって非常に大きな負担となっていました。

システムを導入した結果、詳細な位置別分析が可能になり、21個のラック位置のうち、特定の位置で不良が多発していることが可視化されました。そして、検査を担当している作業者は、その傾向を既に把握していたものの、それが組織全体で共有されていなかったことも判明しました。
この事例からは、単なるデジタル化による成果だけではなく、現場の知見を組織全体で活用するための仕組み作りが重要であり、データの可視化とともに、そのデータを活用して分析できる環境の整備が現場改善につながることを話していただきました。
また、参加者からの「現場で前向きに活用してもらうために、どのようにモチベーションをあげる取り組みをしましたか?」という質問に対しても、実際の生々しいやり取りを明かしていただきました。
現場で記録を取っているメンバーに困っていることがないか聞いたところ、「記録することに意味があるのか?」言われ、その意味や重要性が伝わっていないことにショックを受けたと話した長崎氏。システム導入によって実際に異常が発見され始めたことで現場の意識が変わり、記録に取り組むモチベーションになっていったと話しました。
また長崎氏の発表を受けて、「優秀な担当者がいる現場は運用できますが、その人がいなくなった瞬間にすべてが停止してしまいます。これが属人化の真の問題で、人がいなくなって初めて課題が明らかになり、DXへの取り組みが頓挫している現場が多くあります。現場での記録後にExcelへの転記が必要だったり、分析のための複雑な設定や学習が必要なシステムは、結局は使われなくなってしまいます。現場で継続的に使われるシステムには、複雑な機能よりも直感的な操作性と、誰でも使える簡単さが不可欠です」と貴山は締め括りました。
■ イベント概要
イベント名:リアルタイムデータで品質不良の未然防止を実現!~製造業におけるデジタル帳票活用術~
開催日時 :2025年6月25日(水)14:00 - 15:00
開催形式 :オンライン(Zoomでの配信)
主催 :Tebiki株式会社
■ デジタル現場帳票「tebiki現場分析」
tebiki現場分析は、製造業などの現場で用いられる製造日報、稼働日報、設備点検表といった現場帳票の作成、記録、承認、分析が簡単にできるクラウドサービスです。帳票作成や記録入力がしやすく、紙では難しかった画像の記録や、遠隔地・リアルタイムでの記録も可能になります。
また、データ分析の専門知識がなくても蓄積したデータの可視化や分析が可能で、分析結果を製造プロセスの改善や設備の異常予防などにつなげることができます。
サービスサイト:https://tebiki.jp/skp

■ Tebiki株式会社について
「現場の未来を切り拓く」をミッションに掲げ、デスクレスワーカー向けの現場支援システムを開発・提供しています。
簡単に動画マニュアルが作成でき、閲覧データや習熟度を可視化できる動画教育システム「tebiki現場教育」や、現場帳票の雛形作成から蓄まったデータの可視化・分析まで可能な電子帳票システム「tebiki現場分析」を提供しており、現場における安全・品質・効率といった現場KPIの改善に貢献しています。
代表者名 :貴山 敬
事業内容 :デスクレスワーカー向け現場支援システム tebiki の開発・提供
企業サイト :https://tebiki.co.jp/
採用ページ :https://tebiki.co.jp/recruit.html
※ 本リリースに記載されている会社名および製品名は、各社の商標または登録商標です
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像