イマドキの男性のスキンケア事情
5年間で市場規模が109%に拡大の男性用化粧品、けん引するのは「基礎化粧品」 男性による「女性用」基礎化粧品の購入も若年層中心に増加
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩、以下インテージ)は、拡大している男性用化粧品の市場実態をあきらかにすべく、全国15歳~79歳の男女52,500人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データSCI®(全国消費者パネル調査)の分析を行いました。その結果をここにご紹介します。
[ポイント]
男性が自分用に購入している男性用化粧品の市場規模は、直近5年間は右肩上がりで、2019年における対2015年比は109%となっています(図表1)。
図表1
図表2
この背景の一つとして推測されるのが、女性の社会進出です。女性の就業率は2015年から2019年にかけて、約7ポイント増え、70.8%となりました(総務省統計局 労働力調査より)。働く女性の増加により、職場や取引先など社内外のあらゆる場所で男性が女性と接する機会が増えてきたことから、身だしなみに気を遣って基礎化粧品を購入するといった行動も増えているのではないでしょうか。
さらに、図表4で「女性用」の購入率と購入者あたり年間購入金額を年代別に比較してみました。
図表4
図表2で、若年層の「男性用」の購入の伸びが上の年代に比べ鈍かった理由は、「女性用」を購入していたからだと思われます。
「女性用」の方が口コミも見つけやすく、かつ、ラインナップも豊富な傾向にあります。情報に敏感な若年層は、自分の悩みに答えてくれる化粧品を探した結果、女性用に行き着いたのではないでしょうか。つまりは、現在の「男性用」基礎化粧品の商品や情報の伝え方などが、若年男性のニーズに応えきれていないとも考えられます。
ここまで見てきた、20代を中心とした若年層は「女性用」、40~60代を中心とした中高年層は「男性用」の基礎化粧品を購入して使っている傾向は、購入金額の構成比で表すことでさらにクリアに見えました(図表5)。
図表5
男性による基礎化粧品の購買行動は全ての年代で広がっており、引き続き市場は拡大を続けていくと思われます。「男性による女性用基礎化粧品の購買行動」の理解は男性用商品づくりのヒントをもたらしてくれるのではないでしょうか。
また、今回はコロナ禍以前のデータを分析しましたが、コロナ禍による生活・ワークスタイル変化を受け、男性の化粧品購買行動にも何かしらの変化が表れてくるかもしれません。
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使用したデータ
【SCI®(全国個人消費者パネル調査)】 https://www.intage.co.jp/service/platform/sci/
全国15歳~79歳の男女52,500人のパネルモニターによる食品(生鮮・惣菜・弁当などを除く)・飲料・日用雑貨品・医薬品に関する消費者市場動向のトラッキングサービスです。 このデータからは、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「いくらで買った」のかがわかります。消費者の顔を詳細に捉え、消費者を起点としたブランドマーケティングや店頭マーケティングにご活用いただけます。
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【株式会社インテージ】 https://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩)は、「Create Consumer-centric Values ~お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、さまざまな業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、共に生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点に立ったマーケティングの実現を支援してまいります。
【報道機関からのお問い合わせ先】
■株式会社インテージ 広報担当:下河原・西澤
TEL: 03-5294-6000 サイト「お問い合わせフォーム」 https://www.intage.co.jp/contact/
[ポイント]
- 男性用化粧品市場はこの5年で109%と伸長、最も伸びたカテゴリーは「基礎化粧品」
- 男性による男性用基礎化粧品の購入率の伸びが特に大きい年代層は40~60代
- 一方、男性による「女性用」基礎化粧品購入の市場は5年前と比べて111%に伸長、特に伸びが大きいのは20代を中心とした若年層
- 男性の基礎化粧品購入金額に占める「女性用」の割合は、10代では66%、20代では55%と過半を占める
男性用化粧品市場はこの5年で109%と伸長、なかでも「基礎化粧品」は115%と特に大きく伸長 |
女性用化粧品の高価格帯ブランドからメンズラインが登場したり、男性向けの美容を紹介するインフルエンサーが注目されるようになったりと、最近は男性の美容に対する意識や環境が変化してきています。
男性が自分用に購入している男性用化粧品の市場規模は、直近5年間は右肩上がりで、2019年における対2015年比は109%となっています(図表1)。
図表1
男性用化粧品の好調は、洗顔クリームや化粧水などの「基礎化粧品」によるところが大きくなっています。基礎化粧品は男性用化粧品市場の約6割を占め、2015年比で115%と最も伸長しました。
さらに詳しく、男性の基礎化粧品の購入事情を見ていきましょう。
男性による男性用基礎化粧品の購入率の伸びが特に大きい年代層は40~60代 |
どの年代層での購入が伸びているのでしょうか。図表2は、2015年と2019年の男性用基礎化粧品の購入率と購入者あたり年間購入金額のデータを年代別に比較したものです。
図表2
40~60代の中高年層による購入率が特に上昇していることがわかります。これまであまりスキンケアをしていなかった年代が基礎化粧品を使用するようになったと考えられます。
この背景の一つとして推測されるのが、女性の社会進出です。女性の就業率は2015年から2019年にかけて、約7ポイント増え、70.8%となりました(総務省統計局 労働力調査より)。働く女性の増加により、職場や取引先など社内外のあらゆる場所で男性が女性と接する機会が増えてきたことから、身だしなみに気を遣って基礎化粧品を購入するといった行動も増えているのではないでしょうか。
一方で、気になるのが20代での購入率の低下です。その理由を探っていきましょう。
・男性による「女性用」基礎化粧品購入の市場は5年前と比べて111%に伸長、特に伸びが大きいのは20代を中心とした若年層 ・男性の基礎化粧品購入金額に占める「女性用」の割合は、10代では66%、20代では55%と過半を占める |
ここからは男性の「女性用」基礎化粧品(以下、「女性用」と記述)の購入状況に目を向けます。図表3は、男性が自分用に購入している基礎化粧品の市場規模です。
「女性用」の購入金額は全体の4割程度を占め、2015年比で見ると111%と「男性用」同様に大きく伸びていることがわかります。
さらに、図表4で「女性用」の購入率と購入者あたり年間購入金額を年代別に比較してみました。
図表4
20代を中心とした若年層の男性による「女性用」基礎化粧品の購入率が特に増加していることがわかります。
図表2で、若年層の「男性用」の購入の伸びが上の年代に比べ鈍かった理由は、「女性用」を購入していたからだと思われます。
「女性用」の方が口コミも見つけやすく、かつ、ラインナップも豊富な傾向にあります。情報に敏感な若年層は、自分の悩みに答えてくれる化粧品を探した結果、女性用に行き着いたのではないでしょうか。つまりは、現在の「男性用」基礎化粧品の商品や情報の伝え方などが、若年男性のニーズに応えきれていないとも考えられます。
ここまで見てきた、20代を中心とした若年層は「女性用」、40~60代を中心とした中高年層は「男性用」の基礎化粧品を購入して使っている傾向は、購入金額の構成比で表すことでさらにクリアに見えました(図表5)。
図表5
10代・20代の男性は、「男性用」基礎化粧品より「女性用」基礎化粧品を多く購入しており、10代では購入金額の7割近くを「女性用」が占めています。
男性による基礎化粧品の購買行動は全ての年代で広がっており、引き続き市場は拡大を続けていくと思われます。「男性による女性用基礎化粧品の購買行動」の理解は男性用商品づくりのヒントをもたらしてくれるのではないでしょうか。
また、今回はコロナ禍以前のデータを分析しましたが、コロナ禍による生活・ワークスタイル変化を受け、男性の化粧品購買行動にも何かしらの変化が表れてくるかもしれません。
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使用したデータ
【SCI®(全国個人消費者パネル調査)】 https://www.intage.co.jp/service/platform/sci/
全国15歳~79歳の男女52,500人のパネルモニターによる食品(生鮮・惣菜・弁当などを除く)・飲料・日用雑貨品・医薬品に関する消費者市場動向のトラッキングサービスです。 このデータからは、「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「いくらで買った」のかがわかります。消費者の顔を詳細に捉え、消費者を起点としたブランドマーケティングや店頭マーケティングにご活用いただけます。
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【株式会社インテージ】 https://www.intage.co.jp/
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩)は、「Create Consumer-centric Values ~お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、さまざまな業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、共に生活者の幸せに貢献することを目指します。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点に立ったマーケティングの実現を支援してまいります。
【報道機関からのお問い合わせ先】
■株式会社インテージ 広報担当:下河原・西澤
TEL: 03-5294-6000 サイト「お問い合わせフォーム」 https://www.intage.co.jp/contact/
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