ローデ・シュワルツとIMST社の特許技術であるアンテナ・デジタル・ツイン・ソリューションで自動車の接続性を最適に
ローデ・シュワルツは、無線通信技術のエキスパートであるIMST GmbH社と協力して、特許技術のアンテナ・デジタル・ツイン・ソリューションを開発しました。これにより、自動車メーカーとそのサプライヤの皆様は、車載機器の接続性を最適化するうえでの課題に効果的に対処でき、大きなメリットが得られるようなります。同ソリューションでは、アンテナ特性の測定と電磁波伝搬シミュレーションを組み合わせて、アンテナの設計と配置を最適化し、たとえば車内の最適なWiFiカバレッジなどを確保できるようにします。
ローデ・シュワルツはIMST社と協力して、3ステップからなるプロセスを開発しました。最初のステップは、電波暗室チャンバとR&S ZNAベクトル・ネットワーク・アナライザ、R&S AMS32ソフトウェアなど、ローデ・シュワルツのテスト機器を使用したアンテナの物理的な特性評価です。第2ステップの中心は、扱いやすい近傍界・遠方界変換アルゴリズム(Near Field to Far Field Transformation Algorithm:FIAFTA)を使ったデジタルツインの構築です。これに続いて、IMST社のEM-TWINTMソフトウェアを用いて仮想シナリオの3D電磁界シミュレーションを行います。
ローデ・シュワルツとIMST社のアンテナ・デジタル・ツイン・ソリューションには、多数の利点があります。なにより特筆すべきは、測定とシミュレーションの組み合わせによってアンテナの検証をフロントローディング化して、アンテナのサプライヤと自動車メーカーいずれもがコストと時間を大幅に削減できる点です。測定には、電波暗室チャンバとベクトル・ネットワーク・アナライザをR&S AMS32自動化ソフトウェアと合わせて使うことで、物理的なアンテナの高確度かつ一貫性のある特性評価を保証します。
そのうえ、EM-TWINTMのシミュレーションは幾日もかかるようなことはなく、結果を数時間で得られるため、開発時間を大幅に短縮できます。製造上の公差や車体からの反射を考慮したうえで、アンテナ性能を向上させることが可能です。この特許取得済みのEM-TWINTMデジタル・アンテナ・ツイン・ソース技術では、非常に高水準なモデリング精度を実現しているからです。
また同ソリューションを使えば、実際の車両の製作に先立ってアンテナの最適な配置が見出せるため、費用と時間のかかる開発サイクルを回避できます。特に従来の測定が車両の物理的制約から極めて困難で信頼性も低いことを考えると、このようにアンテナ最適配置の特定や車載ワイヤレス機器のカバレッジ検証ができることは非常に重要な利点です。繰り返しになりますが、ローデ・シュワルツとIMST社の特許技術であるアンテナ・デジタル・ツイン・ソリューションなら、プロトタイプの車両やシャーシを準備する前に車載アンテナの配置を最適化でき、設計サイクルが加速するとともに、カバレジと性能の向上も図れます。
詳しくは、www.rohde-schwarz.com/automotive/antenna-digital-twin をご覧ください。
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IMST社について
ドイツのIMST社は大きな企業ではありませんが、無線通信システムにおける国際的なデザインハウスとして活躍しています。150名以上のエンジニアと技術エキスパートが、最初のアイデアからプロトタイプの製作や製品化までに対応したハイレベルな技術的ソリューションに向けて取り組んでいます。同社の技術的な専門性は、モバイル通信や衛星通信、レーダーのためのRF設計、複雑なアンテナ・システムやフェーズド・アレイ、RF ICやASICの設計、電磁界モデリング・ソフトウェア、特殊なOTA測定システム、さらには認定IMSTテストセンターでのソリューション測定サービスにも及んでいます。そのIMST社の技術が応用されている代表的な分野には、自動車、電気通信、医療、産業用通信、センシング、航空・宇宙用の通信およびレーダー・ソリューションなどがあります。
自動車向けテスト・ソリューション―テストするから、信頼できる
ローデ・シュワルツは試験・計測に関するソフトウェアや計測器、システムの世界的なトップメーカーとして、その高い専門技術を応用しながら、自動車の先行開発から生産まで全ライフサイクルに向けて革新的なソリューションを開発しています。世界中のOEM企業やティア1サプライヤ、半導体メーカー、技術サービス企業など皆様が、車載用レーダーや接続性、インフォテインメント、高性能コンピューティング、さらにはEMC適合性に対する当社の実績豊かな試験ソリューションに信頼をお寄せいただいています。とりわけ、レーダーの開発・統合・生産における革新的なテスト・ソリューションを通じて、ローデ・シュワルツは次世代のADAS/AD(先進運転支援/自動運転)システムを市場投入しようと取り組んでいるお客様の確かなパートナーとしてお応えしています。そのほか、ワイヤレス通信の分野で長年にわたり積み重ねてきた経験と技術をもとに、5GやC-V2XからUWB、Wi-Fi、GNSSまで、あらゆる規格によるロバストな接続性の実現を支えています。当社の計測器は最先端のバス速度に対応するほか、高性能ドメイン・コントローラなどのECUを備えた車載ネットワークを開発・デバッグでき、さらにはEMC問題の解消にも貢献しています。ローデ・シュワルツは、CISPRやISOのあらゆる主要な規格、メーカー指定のEMC規格に沿って車両やその部品のEMIおよびEMS測定を実行できる電子計測機器はもとより、カスタムなターンキー試験システムも提供しています。こうしたシステムや機器をもとに、お客様独自のシステムと計測器による車載アンテナ・テストや無線共存テストを完全にサポートしているのです。さらにECU生産時の部品や基板レベルのテストに対応できる極めて優れたソリューションもご用意しています。世界中のパートナー企業やお客様がこれらの試験ソリューションを活用して、自動車部品とシステムの正確な機能や円滑で不備のない相互作用、外部との完全な通信が実現するように保証しています。
ローデ・シュワルツについて
ローデ・シュワルツは、電子計測、技術システム、ネットワークおよびサイバーセキュリティの各部門を通じ、より安全に“つながる”社会の実現に向けて努力を重ねています。グローバルな技術指向のグループとして、90年にわたって先端技術の開発を続け技術の限界を押し広げてきました。当社の最新製品やソリューションは、産業界や規制当局および行政機関のお客様がデジタル技術の主権を得るためのお力添えをしています。ドイツ・ミュンヘンを拠点としたプライベートな独立企業であり、長期的かつ持続的な経営を行える体制を構築しています。ローデ・シュワルツは、2022/2023会計年度(昨年7月から本年6月まで)には27.8億ユーロの純収益を上げました。また、2023年6月30日現在、ローデ・シュワルツでは約13,800名の従業員が全世界で活躍しています。
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