地域の老舗豆腐店が、旅館の中にお店を開く意味
~佐賀の食文化を全国に届ける、和多屋別荘と佐嘉平川屋の挑戦~
株式会社和多屋別荘(佐賀県嬉野市、代表取締役:小原嘉元)は、佐賀県を代表する老舗豆腐店「株式会社佐嘉平川屋」(所在地:佐賀県武雄市、代表取締役:平川大計)を迎え、2025年11月、館内に新店舗をオープンいたします。
旅館と豆腐という共創が生み出すのは、日本の食文化を深め、地域を全国へ発信する新たな可能性。
今回は、このプロジェクトにかける想いや狙いを両社代表のことばで、そして空間づくりについて深掘りしてお伝えします。
和多屋別荘が考える、地域の名店を迎える価値
豆腐は、日本の食文化を象徴する存在のひとつです。
なかでも「温泉湯豆腐」は、佐賀・嬉野の風土と温泉資源によって育まれた、地域独自の食文化です。
とろりととろける温泉湯豆腐は、単なる料理ではなく、「温泉の恩恵」を食として味わう体験であり、旅の特別な時間と密接に結びついています。
和多屋別荘は、こうした地域文化の魅力を「文化の器」として伝えるべく、旅館の可能性を常に探り続けてきました。
その思いに、佐嘉平川屋が守り続けてきた食文化と、進化への姿勢が重なり、この共創が生まれました。
空間で価値を伝える、ケース・リアルの設計
今回、この構想を体現する空間設計を担うのは、空間・プロダクトデザイナーの二俣公一氏が主宰する設計事務所「ケース・リアル」です。素材の質感や余白を生かしたミニマルなデザインに定評があり、商業空間からギャラリー、宿泊施設まで、国内外で高い評価を得ています。
豆腐という素材の持つ余白や静けさを、空間にどう翻訳するか。無駄をそぎ落とし、五感に集中する設計思想が、文化体験としての食と調和する空間へと結実しています。
公式サイト:https://www.casereal.com/ja



◆特別対談 和多屋別荘 × 佐嘉平川屋 〜共創の背景にあるもの〜
今回のプロジェクトに先立ち、和多屋別荘 代表取締役・小原嘉元氏と、佐嘉平川屋 代表取締役・平川大計氏による対談が行われました。以下はその要旨です。
― なぜ今、豆腐なのか?
小原(和多屋別荘):日本の旅館は、基本的に「1泊2食付」を標準商品としており、その中心には夕食があります。 これまでは、地産地消や身土不二といったストーリーを大切にしながらも、「贅を尽くす」ことに重点を置いてきたのも事実です。 しかし近年、食生活の多様化や、宿泊施設に求められる食の地域性・文化の深耕とともに、私たちはロンジェビティ(長寿)時代を迎えています。 嬉野には、江戸時代を起源とし、当時の湯治客から現代に至るまで親しまれてきた名物料理「温泉湯豆腐」があります。 私は、この長い時間を経てなお愛され続ける湯豆腐(豆腐)の価値を改めて見つめ直し、 これから嬉野を訪れるツーリストの食を考えるとき、「豆腐」が持つ可能性を強く感じています。
平川(佐嘉平川屋):世界の2大課題は、人口増加に伴う食糧問題と気候変動などの環境問題と言われています。大豆を原料とするお豆腐はこれらの課題に貢献できる食品であり、世界的に今後さらに注目されていくことは間違いありません。 私たちは、そのようなお豆腐を佐賀で作り続けてきた豆腐屋であり、「佐賀を豆腐の聖地にする」というビジョンを掲げ活動しています。 佐賀は、温泉湯豆腐をはじめとする多彩なお豆腐文化に恵まれ、全国有数の大豆の栽培地でもあります。そのような地域は全国的にも珍しく、豆腐の聖地になる大きな可能性を秘めています。
ー 共創の意味とは?
小原:嬉野には、1,300年前から湧き続ける温泉、500年前から続く嬉野茶の栽培、 そして400年の歴史を誇る肥前吉田焼という、豊かな地域文化があります。 この目には見えない文化をひとつの形に結晶させた存在こそが「旅館」だと捉えています。 旅館は、文化や地域資源の価値を最大化し、次代へとつなぐ役割を担っています。 佐嘉平川屋の平川代表から「佐賀を豆腐の聖地にする」という強い思いを伺ったとき、 弊社の敷地内に「平川屋」があることで、その思いを形にできると確信しました。 今回の共創ビジネスは、大きな一歩であると同時に、まだ最初の一歩にすぎません。 これから幾重にも時間を重ねながら、「佐賀を豆腐の聖地にする」という目標を、共に実現してまいります。
平川:「佐賀を豆腐の聖地にする」ためには、佐賀のお豆腐文化の代表ともいうべき温泉湯豆腐を、もっと全国、もっと世界の人たちに体験してもらわなければなりません。 単に温泉湯豆腐を召し上がるだけでなく、温泉湯豆腐が生まれた嬉野に来て、宿泊し、温泉やお茶、焼き物などさまざまな地域文化と一体的に温泉湯豆腐を体感し、理解を深めていただく。多くの方がこうした体験をすることで、佐賀とお豆腐が密接に結びついていくのだと考えています。 和多屋別荘は、長い歴史を経て生み出された地域文化が集積した場です。ここで様々な地域文化が有機的に結びつくことで、他の地域にない価値を生み出しています。同じ75年の歴史を持つ私たちが和多屋別荘と共創することで、佐賀の豆腐文化と地域文化が融合し再編集され、世界に通用する新たな価値を生み出していけるものと確信しています。
◆代表者コメント

佐賀を「豆腐の聖地」にするという強い思いに共感し、旅館という文化の器でその挑戦を後押ししたいと考えました。今回の共創は、大きな一歩であり、これから幾重にも重ねていく第一歩です。
温泉湯豆腐と地域文化を一体で体験してもらうことが、佐賀と豆腐を結びつける鍵だと考えています。和多屋別荘との共創で、この価値を世界に届けていきます。

◆文化を「味わう旅」から「深める旅」へ
和多屋別荘は、この共創を通じて「文化の器」としての旅館の可能性をさらに広げ、地域の歴史や文化、人を結びつけるハブとして、その魅力を全国へ、そして世界へ発信してまいります。 2025年11月の開業に向け、最新情報を引き続きお届けしてまいります。
【店舗概要(予定)】
店舗名:佐嘉平川屋 in 和多屋別荘(仮)
開業予定:2025年11月上旬
場所:和多屋別荘 館内(佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿乙738)
空間設計:ケース・リアル
業態:湯豆腐を中心とした豆腐料理の提供
【株式会社和多屋別荘 会社概要】
代表取締役 : 小原 嘉元
会社設立 : 1950年11月3日
事業内容 : 旅館業、飲食事業、リーシング事業
所在地 : 〒843-0301 佐賀県嬉野市嬉野町下宿乙738
公式サイト :https://wataya.co.jp/
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