中小企業の若手83%が「福利厚生が充実していれば、基本給が上がらなくても辞めない」と回答——4人に1人が"出社のたびに昼食を抜く"実態も。4月の非課税枠倍増で「第三の賃上げ」に追い風

〜出社インフレに苦しむ20代と、賃上げだけでは届かない「人材定着」の本質。ミツモアが中小企業の若手社員に調査〜

株式会社ミツモア

 ビジネス製品・サービスのオンライン比較サービス「ミツモア」を運営する株式会社ミツモア(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:石川彩子)は、従業員数300名未満の中小企業に勤務する20代正社員(週1日以上出社)116名を対象に、「出社インフレと第三の賃上げ」に関する実態調査を実施しました。

 物価高とオフィス回帰が同時進行する中、中小企業の若手社員の84%が出社時のランチ代を「負担」と感じ、4人に1人が昼食を抜いた経験があることが明らかになりました。節約のために同僚からのランチの誘いを断る若手も15%にのぼり、物価高が職場コミュニケーションにまで影を落としています。

 一方で、若手の83%が「福利厚生が充実していれば、基本給が大きく上がらなくても働き続ける」と回答。大企業との賃上げ競争に苦しむ中小企業にとって、福利厚生の充実が人材定着の有力な打ち手であることが浮き彫りになりました。2026年4月には食事補助の非課税枠が月3,500円から7,500円へ倍増する法改正が施行される予定です。本調査は、「第三の賃上げ」としての食事補助が持つ可能性を、若手社員の本音データから検証するものです。


※参考:食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げについて|国税庁

調査サマリー

  • 84%が「出社時のランチ代が負担」。約7割が「ワンコイン以下」を理想とするが、現実は約6割が500円超え——年間約36,000円の"出社インフレ"が若手を直撃

  • 4人に1人(26%)が「昼食を抜く」、3人に1人(34%)が「菓子パン・カップ麺のみ」——出社インフレが若手の食生活を直撃

  • 約15%が「節約のために同僚とのランチの誘いを断っている」。物価高が職場のコミュニケーションまで分断

  • 83%が「福利厚生が充実していれば、基本給が大きく上がらなくても働き続ける」——中小企業の人材定着、鍵は賃上げだけではなかった

  • 若手が最も求める福利厚生は「住宅手当」(58%)が圧倒的1位。食事補助(33%)は3番手——万能薬ではないが「最もすぐ始められる第三の賃上げ」に

  • 月7,500円の食事補助が出たら、53%が「業務モチベーション向上」、41%が「同僚とのランチを増やしたい」——出社ストレスの軽減とコミュニケーション回復を同時に実現

84%が「出社時のランチ代が負担」。約7割が「ワンコイン以下」を理想とするが、現実は約6割が500円超え——年間約36,000円の"出社インフレ"が若手を直撃

 中小企業の若手社員に、昨今の物価高のもとで出社時のランチ代がどの程度負担になっているかを聞いたところ、「非常に負担に感じている」「やや負担に感じている」を合わせて84%が「負担」と回答しました。

 さらにランチ代の「理想」と「現実」を聞いたところ、大きなギャップが浮かび上がりました。

理想のランチ代は「301〜500円」が最多(44.8%)で、約7割(68.1%)が「500円以下」に抑えたいと考えています。しかし現実には約6割(61.2%)が「501円以上」を支出しており、最多ボリュームゾーンは「501〜700円」(33.6%)でした。

 多くの若手が「ワンコインで済ませたい」と考えているのに、現実には500円を超えてしまう——。年間に換算すると約36,000円の"見えない出社コスト"が若手の家計を圧迫している計算になります。

 なお、調査対象の中小企業のうち食事補助制度を導入しているのは約6割にとどまり、残り4割の企業では従業員が自助努力のみでランチ代に対応している状況です。

 調査では「値上げがひどい時、好きなものが食べられなくてつらい」(20代)といった声も寄せられており、出社するだけで家計が圧迫される"出社インフレ"の実態が浮き彫りになっています。

4人に1人(26%)が「昼食を抜く」、3人に1人(34%)が「菓子パン・カップ麺のみ」——出社インフレが若手の食生活を直撃

 出社インフレへの対処として、若手社員がどのような節約行動を取っているかを聞いたところ、最も多かったのは「自宅から弁当や水筒を持参する」(35%)でしたが、これに続いて深刻な回答が並びました。

「栄養バランスを考慮せず、菓子パンやカップ麺など一番安いもので済ませる」が34%、「昼食を抜く(食べない)」が26%にのぼり、4人に1人が出社のたびに欠食を経験していることがわかりました。

 さらに12%は「出社日の朝食や夕食を減らして、1日トータルで帳尻を合わせる」と回答しており、ランチ代の負担が食生活全体に波及している実態が明らかになっています。

「食べたいものが目の前にあるのに、節約しないといけなくて我慢した時が辛かった」(20代)

「空腹になった時、なんで食べなかったんだろうと後悔する時があった」(20代)

約15%が「節約のために同僚とのランチの誘いを断っている」。物価高が職場のコミュニケーションまで分断

 出社インフレの影響は、個人の食生活にとどまりません。約15%の若手社員が「同僚とのランチ(外食)の誘いを、何かと理由をつけて断っている」と回答しました。

 特に20代の若手社員にとって、ランチの場は業務上の相談や先輩との関係構築など、職場に馴染むための重要な機会でもあります。節約を優先するあまりこうした機会を手放さざるを得ない現状は、個人の問題にとどまらず、チームの一体感や情報共有にも影響を及ぼしかねません。

83%が「福利厚生が充実していれば、基本給が大きく上がらなくても働き続ける」——中小企業の人材定着、鍵は賃上げだけではなかった

 ここまで出社インフレの深刻な実態を見てきましたが、本調査で最も注目すべきデータが明らかになりました。

「食事補助などの福利厚生が充実していれば、基本給(ベースアップ)が希望通りでなくても、今の会社で働き続けたいと思いますか?」と聞いたところ、約83%が「思う(福利厚生が充実していれば、基本給が大きく上がらなくても働き続ける)」と回答しました。

 連日メディアを賑わせる大企業の春闘・大幅ベースアップ。中小企業はこの賃上げ競争で不利な立場に置かれていますが、本調査の結果は、若手社員の定着に必要なのは「大企業と同等の賃上げ」だけではないことを示しています。

 なお、「思わない」と回答した17%(20名)に定着の決め手を聞いたところ、「基本給」が45%で最多となりました。一方で「あてはまるものはない(何があっても定着の決め手にならない)」が30%にのぼっており、こうした層は福利厚生・賃上げいずれのアプローチでも引き留めが難しい可能性を示唆しています。裏を返せば、企業が注力すべきは「福利厚生に価値を感じている83%」をいかに満足させるかにあると言えそうです。

 もちろん83%という数字は、「福利厚生さえあれば賃金はどうでもいい」という意味ではありません。中小企業で働く若手社員が「基本給が大幅に上がることは難しいかもしれない」という現実を受け入れた上で、それを補う福利厚生に大きな価値を見出している——というのが、データが示す実像と読み取れます。

 中小企業にとっては、大企業と"賃上げの土俵"で競い合わなくとも、"福利厚生の土俵"で人材をつなぎ止める道があるということです。

若手が最も求める福利厚生は「住宅手当」(58%)が圧倒的1位。食事補助(33%)は3番手——万能薬ではないが、非課税メリットを持つ食事補助が労使の「落としどころ」に

 では、若手社員はどのような福利厚生を求めているのでしょうか。「今、会社に最も導入・充実させてほしい福利厚生」を聞いたところ、1位は「住宅手当・家賃補助」(58%)、2位が「休暇制度の充実」(34%)、3位が「食事補助」(33%)でした。

 若手が最も求める福利厚生は住宅手当であり、食事補助は3番手という結果です。食事補助だけで若手の期待にすべて応えられるわけではありません。

 しかし、住宅手当は企業にとって固定費負担が大きく、一度導入すると廃止・変更が難しいという特性があります。中小企業の福利厚生担当者への参考調査(※n=28)でも、賃上げの最大のハードルとして「一度上げると下げられない固定費増のリスク」(61%)が挙がっており、導入には慎重な判断が求められます。

 若手は住宅手当を求めている。しかし企業側は固定費リスクからすぐには踏み切れない——。その中で、非課税メリットがあり企業負担も抑えられる食事補助は、労使双方にとっての現実的な「落としどころ」としての位置づけが見えてきます。

月7,500円の食事補助が出たら、53%が「業務モチベーション向上」、41%が「同僚とのランチを増やしたい」——出社ストレスの軽減とコミュニケーション回復を同時に実現

 もし会社から月額7,500円(4月から非課税限度額として適用される予定の金額)の食事補助が支給されたら、日々の意識はどう変わるか——。

 若手社員に聞いたところ、「日々の業務モチベーションが上がる」が53.4%と過半数を超えました。「出社することへの憂鬱さ(ストレス)が軽減される」も36.2%にのぼっています。

 さらに注目すべきは、浮いたお金の使い道です。最も多かった回答は「同僚や上司とのランチの機会を増やしたい」(41.4%)でした。

 先述のとおり、出社インフレの影響で約15%の若手が「同僚からのランチの誘いを断っている」現状があります。しかし食事補助が導入されれば、41.4%が「ランチの機会を増やしたい」と考えている——このBefore/Afterは、食事補助が単なる「食費の補填」にとどまらないことを示しています。

 出社時のストレス軽減、業務モチベーションの向上、そして職場コミュニケーションの回復。食事補助は、この3つの効果を同時にもたらす施策としての可能性を持っています。

【参考】4月の非課税枠倍増を受け、中小企業の75%が「食事補助を前向きに検討」。一方で導入のネックは「労務管理の手間」(54%)

 2026年4月1日より、企業が従業員に支給する食事補助の非課税限度額が月額3,500円から7,500円に引き上げられる予定です(令和8年度税制改正)。

 食事補助は非課税であるため、基本給のベースアップとは異なり、企業・従業員の双方で社会保険料が増えません。企業にとっては「最も効率よく従業員の手取りを増やせる施策」であり、中小企業の福利厚生担当者への参考調査(※n=28)でも75%が「食事補助を前向きに検討したい」と回答しています。

 一方で、導入を阻むハードルも見えています。同調査で導入の最大のネックとして挙がったのは「非課税枠の計算や給与天引きなど、人事総務の労務管理が面倒」(54%)でした。制度に対する期待は高いものの、"実行のハードル"が残されている状況です。

 中小企業の現場からはこうした声が寄せられています。

「周りの会社が賃上げすると、こちらもしなければ人員が流れるリスクがある」(中小企業経営者)

「社員の待遇改善を経営者側に要望しても、なかなか受け入れてもらえず平行線」(中小企業人事担当者)

 賃上げの必要性は理解しつつも、原資の確保や固定費増のリスクに阻まれ、踏み切れない——。食事補助の非課税枠倍増は、こうしたジレンマを抱える中小企業にとって、一つの突破口になり得ます。

まとめ

 本調査を通じて、3つのことが明らかになりました。

 第一に、物価高とオフィス回帰により、中小企業の若手社員は「出社するだけでお金がかかる」出社インフレに直面しており、食生活だけでなく職場の人間関係にまで影響が及んでいること。

 第二に、それでも若手の83%は「福利厚生が充実していれば辞めない」と考えており、賃上げだけが人材定着の唯一の解ではないこと。

 第三に、若手が最も求める福利厚生は住宅手当(58%)だが、企業側の固定費リスクを考慮すると、非課税メリットのある食事補助が労使双方にとって現実的な「第三の賃上げ」の第一歩となり得ること。

 4月に予定されている非課税枠の倍増は、中小企業にとっての追い風です。食事補助を皮切りに、住宅手当や休暇制度といった若手が最も求める福利厚生へ段階的に拡充していくことが、大企業との賃上げ競争とは異なる、中小企業ならではの人材戦略につながると考えられます。

調査概要

  • 調査期間:2026年3月3日〜3月5日

  • 調査対象:

    【従業員調査】従業員数300名未満の中小企業に勤務する20代正社員(週1日以上出社)(116名)

    【企業調査】従業員数300名未満の中小企業で、福利厚生の決裁・選定・提案に関わる経営者・役員・人事総務担当者(28名)

  • 調査方法:インターネット調査(Fastask)

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株式会社ミツモアについて

 サービス産業の生産性向上を通じて、ミッションである「日本のGDPを増やし 明日がもっといい日になると思える社会に」の達成を目指すスタートアップ企業です。

 2017年2月創業以来、オンラインで見積もり比較から受発注までワンストップで完結するサービス「ミツモア」や、現場業界特化のオールインワンSaaSサービス「プロワン」を開発・提供をしています。

 経済産業省主催の「日本スタートアップ大賞2023」にて経済産業大臣賞(ダイバーシティ賞)を受賞。また週刊東洋経済が主催する「すごいベンチャー100」2023年版にも選出されました。

ミツモア公式HP:https://company.meetsmore.com/

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情報通信
本社所在地
東京都中央区銀座7丁目16-12 G-7ビルディング8階
電話番号
-
代表者名
石川彩子
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2017年02月