~接客力には「データ化」が必要だ~ファッション店舗へのCS調査から見えてきたこと
最短2週間で店舗の改善ポイントがわかる、業界初のファッション・ビューティー企業向けCS・ES改善クラウド『SEEP(シープ)』が2020年に実施した全3回の全国調査の結果を分析。CS調査を通じてファッション店舗での接客力をデータ化することではじめて見えてきた事とは?
- 2020年の総合スコアはいずれも67点、「指標」となることが示せた
2020年、6月、9月、11月の3回に渡って実施したSEEPのCS調査にて、店舗の運営力を表す総合スコアは、3回とも同一で67点という結果となった。一般的に、個別の店舗やブランドのスコアについては、「調査ごと」「ブランドごと」「店舗ごと」に異なることが当たり前で、さらに言うと「接客する販売員」「接客のタイミング」によっても結果は全く変わってくる。実際に、2020年に実施した3回の調査でも同じ店舗のスコアは毎回異なっていた。
しかし、全国規模で調査を実施したときに「点数がほぼ変化しない」という事実は、部分的に見ると変化があるようにみえる接客力も、マクロ的な視点でみると「大きな変化がない」ことを示しており、個別店舗が自分のお店のCS調査のスコアを見るとき、全国平均と比較することが、自分自身の状況を客観視するときに参考とすべき「指標」となることが示せたのではないかと考えている。
- 自店を「データ化」することで、打ち手が180度変わる
2店舗は同じブランドの店舗で、同じタイミングでCS調査に入っている。店舗AについてはCS調査を実施した後に、自分たちのお店の客観的な評価を店舗のメンバーにインプットし、優先順位のつけ方から、改善に向けた行動設定まで実行可能な内容で落し込んだ。もう1店舗の店舗Bについては、調査結果を開示せずに今まで通りに店舗を運営し必要だと思う改善を実施した。
3か月後に改めて実施したCS調査結果の差は歴然としていた。店舗Aは改善すべきだと定めた接客アクションについて明確な行動の変化が結果として現れたのに対して、店舗Bのスコアは上がった部分もあるが、下がった部分もあり、店舗の意識していた改善ポイントとは連動していなかった。
店舗Aと店舗Bの接客力を分けた要因はなんだったのだろうか?店舗にいるスタッフの姿勢、店長のリーダーシップ、CS調査結果を知っていたという事実、色々な要因が考えられるが、明らかに行動変容につながった大きなポイントとしては、自店舗における課題を全国データと比較することで、「課題別の難易度を見極め」て、「改善にむけた取組の優先順位に反映させた」ことが挙げられる。実際店舗Aについて、調査前には「そこまで大きな改善ポイントではない」と感じていた課題が調査後に「他店舗と比較して明確に弱みになっている」と認識し、優先順位をNo.1に繰り上げて改善に取り組んだ。
- ミライのリアル店舗が「ワクワクする空間」になるかは「今」にかかっている
SEEPは、CS調査後に接客・運営改善に向けた伴走型コンサルを行っている。その中で、接客・運営改善に向けた取組に対する優先順位のつけ方が残念なシーンをよく目にする。
右の図では、「取り組みやすさ」と「店舗・ブランドでの重要度」の2軸で優先順位を表している。
改善にあたっては当然様々な困難があるが、「勘違い」が最も頻繁に起きているのが改善の取り組みやすさ、の部分となる。SEEPでは取り組みやすさの指標として全国調査のスコアを採用している。指標としての使い方はシンプルで、全国調査において「いつも評価が高い」設問は、取り組みやすくはあるが「他のお店も当たり前にできている」ことが多く、一方で「いつも評価が低い」設問は「他のお店でもできていない」ため取り組むのが難しいことが多いという解釈になる。
CS調査の結果、「改善して成果を出したい課題」が出てきたときに全国調査のスコアと比較することで、改善への取組が短期的に結果の出せそうなもの(図中のIおよびⅡ)なのか、それとも、中長期的に腰を据えてじっくり取り組むべきもの(図中のⅢおよびⅣ)なのか、の判断の精度を上げることができる。
コロナ禍において、店頭のモチベーションが下がる要因が溢れ返っている中では、取り組みやすい改善を進めて成功事例をメンバーと共有することと、時間がかかっても継続的に行動につなげていく行動を並走させることがとても重要だ。
2021年以降、リアル店舗が接客や運営力の精度を高め、お客様へより素晴らしい接客を届けていくためには、接客力を指標としてとりながら、店舗がこれからどのように変わっていくべきなのか?を心にとめながら、最新の情報をインプットし、前向きな姿勢をもつチームづくりをしていくことがこれから必ず必要なはずだ。
SEEP事業責任者の新井も登壇!WWD主催「ミライのカレッジ」について
ファッション・ビューティーニュースを独自の切り口で届ける専門メディア「WWDジャパン」、人の心に火をつける“トーチング”を手掛けるトーチリレーとともに、DXやOMO時代におけるリアル店舗のあり方を考える連続セミナー「店舗もリア充!!ミライのカレッジ ―DX、OMO、接客力アップ、スタッフ&本部との意思疎通……共に悩み、学び、心に火をつけよう―」を今春開講。
隔週ペースで秋までの6カ月に及ぶセミナーで考えるのは、数百単位の閉店にまつわるニュースが飛び交う中、「DX」や「OMO」「スタッフのインフルエンサー&ライバー化」などの課題が浮上する一方で、「接客力アップ」や「スタッフ間、本社と店舗の意思疎通」という悩みは尽きることのないリアル店舗のミライ。「SEEP」は調査員による覆面調査で把握した現状の問題点をデータを交えて指摘しながら改善策を提案、 「WWDジャパン」はリアル店舗を取り巻く状況や将来に向けた先行他社の取組などを解説、トーチリレーは改革に向けた販売員のマインドセットやコミュニケーションに際する心構えの伝授など、それぞれがリアル店舗のミライを考える上で欠かせないパズルのピースを持ち寄り、受講企業の皆さんと学び、悩み、心に火をつけ、実践することで、リアル店舗はもちろん、ショップスタッフや店舗運営責任者の“リア充”という壮大なパズルの完成を目指します。
詳細は「店舗もリア充!!ミライのカレッジ」特設ページよりご確認ください。
URL:https://www.wwdjapan.com/c/future-college2021/
■調査概要
対象業種:ラグジュアリー、セレクトショップ、カジュアル、アクセサリーブランド
実施調査数:各150~200調査
調査時期:2020年6月、9月、11月
調査方法:SEEPのCS基本調査(ファッション)
■SEEPとは
最短2週間で店舗の改善ポイントがわかる、業界初のファッション・コスメ企業向けCS・ES改善クラウド。ファッション、コスメ、ライフスタイルに関心の高いiDA登録者20万人の中から調査員を選定。スマホで簡単に顧客満足度調査を実施することができ、結果はクラウドで一括管理が可能。販売スタッフの接客を数値化することで、売れる販売員のロールモデルを見える化、2020年からは調査結果への伴走型コンサルもオンライン、オフライン両軸で提供。「わかりやすい」「早い」そして「接客の改善につながる」ことを目的とした、店舗スタッフのためのPDCA改善プラットフォームです。
■過去のSEEP NEWS はこちら
Vol.1|セール時のセレクトショップ接客調査レポート
https://prtimes.jp/a/?f=d10360-20200221-7214.pdf
Vol.2|アイウェア店舗 接客調査レポート
https://prtimes.jp/a/?f=d10360-20200326-5295.pdf
Vol.3|自宅待機中の販売スタッフ就業調査レポート
https://prtimes.jp/a/?f=d10360-20200423-8592.pdf
Vol.4|再開直後のファッション店舗実態調査レポート
https://prtimes.jp/a/?f=d10360-20200618-4583.pdf
Vol.5|ファッション店舗の接客力調査レポート
https://prtimes.jp/a/?f=d10360-20200720-4914.pdf
Vol.6|2020年秋冬立ち上がりの接客力調査レポート
https://prtimes.jp/a/?f=d10360-20200928-6681.pdf
Vol.7|2020年秋冬 コスメ店舗接客力調査レポート
https://prtimes.jp/a/?f=d10360-20201216-7814.pdf
Vol.8|店頭の「モチベーション」ファッション接客力最新レポート
https://prtimes.jp/a/?f=d10360-20210112-7830.pdf
Vol.9|ファッション店舗のCS調査から見えてきたこと
https://prtimes.jp/a/?f=d10360-20210308-3974.pdf
【SEEPに関するお問い合わせ先】
株式会社iDA 店舗コンサルティング事業部 田村 TEL:03-5354-8739
MAIL:seep@ida-mode.com URL:https://seep.jp/
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