<アンケート調査:車の定額制サービス「サブスク」「リース」に関する意識>
56%がサブスク認知、74%がカーリース認知、利用検討意向は共に1割未満
顧客満足度(CS)調査や消費者動向に関するリサーチ・コンサルティング会社である株式会社J.D. パワー ジャパン (本社:東京都港区、代表取締役社長:山本浩二、略称:J.D. パワー)は、2021年6月に、コロナ禍でのカーライフやクルマの意向に関するアンケート調査を実施しました。
今回は第一弾として、アンケート結果から、車の定額制サービス「サブスクリプション」と「カーリース」に関する一般消費者の考えについて紹介します。
「サブスクリプション(サブスク)」は、定額料金を支払ってコンテンツやサービスを利用することで、商品を「所有」せず、一定期間「利用」するビジネスモデルを指します。音楽や動画、ファッション、食品など様々なジャンルで利用が広がっています。車のサブスクはトヨタが2019年にスタートした「KINTO(キント)」を始め、「ホンダマンスリーオーナー」や「NOREL(ノレル)」などが代表的です。
一方、「カーリース」は歴史が古く、法人向けカーリースが日本で登場したのは1960年代、個人向けカーリースが登場したのは1980年代のことです。利用者が選んだ新車の月々の使用料金をカーリース会社に支払い利用するシステムです。
※本リリース内容の転載にあたりましては、出典として「J.D. パワー調べ」という表記をお使い頂けますようお願い申し上げます。
【注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することは禁じます。
半数以上が車のサブスクリプションサービスを認知
近頃よく耳にするようになった、KINTOを代表する車のサブスクリプションサービス(定額サービス)。
車のサブスクリプションサービスについて知っているか尋ねたところ、「名前は見聞きしたことがある」が33%、「サービス内容を知っている」が23%(何となくは知っている:18%、詳しく知っている:5%の合計)という結果になりました。全体の半数以上(56%)の人が車のサブスクリプションサービスの存在を少なからず認識していることになります。
サブスク各社は主に若者やクルマを保有していない層をターゲットにした施策を実施している印象ですが、本調査ではどの世代で見てもサブスクの認知率(「名前は見聞きしたことがある」「何となくは知っている」「詳しく知っている」の合計)が55~56%という結果になり、世代による開きは見られませんでした。
一方、現在車を保有している層と保有していない層で比較すると、車保有層でのサブスクの認知率が59%であるのに対し、非保有層でのサブスクの認知率が45%となり、現在車を保有している層のほうがサブスクに馴染みがあることが分かりました。
今後、サブスクの利用を検討する人は一割未満
次に、車の保有や利用の仕方について今後検討するものを尋ねたところ、サブスクリプションサービスの利用を「検討する」と回答したのは全体の4%にとどまりました。現在車を保有している層だけで見ても5%という結果で、あまり差は見られませんでした。
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに車のサブスクリプションサービスの利用や関心が高まっていると言われています。この調査から、車離れと言われる若年層(20~34歳)からシニア層(60~69歳)までの全世代、また車の保有層だけではなく、車の非保有層においても一定の認知を得ているものの、実際の利用検討にまで踏み切れないという人がまだ大多数であることが確認できました。
7割以上が車のカーリースを認知
カーリースについて知っているか尋ねたところ、「名前は見聞きしたことがある」が39%、 「サービス内容を知っている」が35%(何となくは知っている:26%、詳しく知っている:9%の合計)となりました。全体の7割以上(74%)がカーリースの存在を少なからず認識していることが確認できました。
世代別に見ると、シニア層(60~69歳)では85%が認知しているのに対し、若年層(20~34歳)では67%となり、世代間で大きな開きがあることが確認できました。
また現在車を保有している層と保有していない層で比較すると、保有層の認知率(「名前は見聞きしたことがある」「何となくは知っている」「詳しく知っている」の合計)は80%、非保有層の認知率は58%と大きな開きがありました。
サブスクと異なり、車を保有している層やシニア層では特にその存在が認識されているようです。
今後、カーリースの利用を検討する人は一割未満
次に、車の保有や利用の仕方について今後検討するものを尋ねたところ、カーリースの利用を「検討する」と回答したのは全体の5%にとどまりました。 現在車を保有している層だけで見ても6%という結果で、あまり差は見られませんでした。
カーリース利用率は2%、顧客満足度にも課題
新車購入から2~13カ月の保有者を対象にした別のJ.D. パワー調査( 2020年8月発表、J.D. パワー 2020年日本自動車セールス満足度調査SM )によると、新車購入の際の支払い方法として実際にカーリースを利用した人はわずか2%でした。
購入時の満足度について、支払方法(現金、購入店のローン、残価設定型ローン、購入店のリース、購入店以外のローン)別に総合満足度を見ると、購入店でリース契約を利用した層の総合満足度は最も低くなっています。
特に、商談時における「購入価格の妥当感」「質問への回答/要望への対応」、契約手続き時における「契約書類・内容のわかりやすさ」「契約手続きに要した時間」などが、他の支払い方法に比べて低い満足度となっています。
自動車メーカー各社には、カーリースの魅力や仕組みについてわかりやすい情報の提供や、高い満足度が得られるような工夫を期待したいですね。
まとめ
ローンの利用や現金での支払いという従来の支払い方法から、残価設定型ローンの利用が大きく伸長しています。
この傾向は、この数年で起きた「自動車の購入」における大きな変化の一つと言えるでしょう。
自動車の購入価格が上昇している中で、購入のハードルを下げる方法の一つして人気が出てきたものと思われます。
そんな中、カーリースやサブスクはどうでしょうか。今回の結果では、認知率はサブスクリプションサービスで2人に1人、カーリースで4人中3人という結果が出たものの、その内訳を見ると「名前を見聞きしたことがある」程度にとどまっている人が過半数を占めており、現状ではカーリースやサブスクといったサービスへの馴染みが薄いことがうかがえます。また、利用に関する関心度についても、世代や車の保有有無を問わず、まだ低い水準にあることが明らかになりました。
各社が消費者に向け、幅広いモビリティスタイルを提案していく中で、サービス内容やメリットをどう効果的に訴求していけるかが、今後車のサブスクリプションサービスやカーリースの普及のカギとなるでしょう。
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。
今回は第一弾として、アンケート結果から、車の定額制サービス「サブスクリプション」と「カーリース」に関する一般消費者の考えについて紹介します。
「サブスク」「リース」とは?
「サブスクリプションサービス」も「カーリース」も月額制で車を利用できる定額制サービスですが、その違いについてご存じでしょうか。「サブスクリプション(サブスク)」は、定額料金を支払ってコンテンツやサービスを利用することで、商品を「所有」せず、一定期間「利用」するビジネスモデルを指します。音楽や動画、ファッション、食品など様々なジャンルで利用が広がっています。車のサブスクはトヨタが2019年にスタートした「KINTO(キント)」を始め、「ホンダマンスリーオーナー」や「NOREL(ノレル)」などが代表的です。
一方、「カーリース」は歴史が古く、法人向けカーリースが日本で登場したのは1960年代、個人向けカーリースが登場したのは1980年代のことです。利用者が選んだ新車の月々の使用料金をカーリース会社に支払い利用するシステムです。
※本リリース内容の転載にあたりましては、出典として「J.D. パワー調べ」という表記をお使い頂けますようお願い申し上げます。
【注意】本紙は報道用資料です。弊社の許可なく本資料に掲載されている情報や結果を広告や販促活動に転用することは禁じます。
半数以上が車のサブスクリプションサービスを認知
近頃よく耳にするようになった、KINTOを代表する車のサブスクリプションサービス(定額サービス)。
車のサブスクリプションサービスについて知っているか尋ねたところ、「名前は見聞きしたことがある」が33%、「サービス内容を知っている」が23%(何となくは知っている:18%、詳しく知っている:5%の合計)という結果になりました。全体の半数以上(56%)の人が車のサブスクリプションサービスの存在を少なからず認識していることになります。
サブスク各社は主に若者やクルマを保有していない層をターゲットにした施策を実施している印象ですが、本調査ではどの世代で見てもサブスクの認知率(「名前は見聞きしたことがある」「何となくは知っている」「詳しく知っている」の合計)が55~56%という結果になり、世代による開きは見られませんでした。
一方、現在車を保有している層と保有していない層で比較すると、車保有層でのサブスクの認知率が59%であるのに対し、非保有層でのサブスクの認知率が45%となり、現在車を保有している層のほうがサブスクに馴染みがあることが分かりました。
*若年層:20~34歳、ミドル層:35~44歳、プレシニア層:45~59歳、シニア層:60~69歳
今後、サブスクの利用を検討する人は一割未満
次に、車の保有や利用の仕方について今後検討するものを尋ねたところ、サブスクリプションサービスの利用を「検討する」と回答したのは全体の4%にとどまりました。現在車を保有している層だけで見ても5%という結果で、あまり差は見られませんでした。
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに車のサブスクリプションサービスの利用や関心が高まっていると言われています。この調査から、車離れと言われる若年層(20~34歳)からシニア層(60~69歳)までの全世代、また車の保有層だけではなく、車の非保有層においても一定の認知を得ているものの、実際の利用検討にまで踏み切れないという人がまだ大多数であることが確認できました。
7割以上が車のカーリースを認知
カーリースについて知っているか尋ねたところ、「名前は見聞きしたことがある」が39%、 「サービス内容を知っている」が35%(何となくは知っている:26%、詳しく知っている:9%の合計)となりました。全体の7割以上(74%)がカーリースの存在を少なからず認識していることが確認できました。
世代別に見ると、シニア層(60~69歳)では85%が認知しているのに対し、若年層(20~34歳)では67%となり、世代間で大きな開きがあることが確認できました。
また現在車を保有している層と保有していない層で比較すると、保有層の認知率(「名前は見聞きしたことがある」「何となくは知っている」「詳しく知っている」の合計)は80%、非保有層の認知率は58%と大きな開きがありました。
サブスクと異なり、車を保有している層やシニア層では特にその存在が認識されているようです。
*若年層:20~34歳、ミドル層:35~44歳、プレシニア層:45~59歳、シニア層:60~69歳
今後、カーリースの利用を検討する人は一割未満
次に、車の保有や利用の仕方について今後検討するものを尋ねたところ、カーリースの利用を「検討する」と回答したのは全体の5%にとどまりました。 現在車を保有している層だけで見ても6%という結果で、あまり差は見られませんでした。
カーリース利用率は2%、顧客満足度にも課題
新車購入から2~13カ月の保有者を対象にした別のJ.D. パワー調査( 2020年8月発表、J.D. パワー 2020年日本自動車セールス満足度調査SM )によると、新車購入の際の支払い方法として実際にカーリースを利用した人はわずか2%でした。
購入時の満足度について、支払方法(現金、購入店のローン、残価設定型ローン、購入店のリース、購入店以外のローン)別に総合満足度を見ると、購入店でリース契約を利用した層の総合満足度は最も低くなっています。
特に、商談時における「購入価格の妥当感」「質問への回答/要望への対応」、契約手続き時における「契約書類・内容のわかりやすさ」「契約手続きに要した時間」などが、他の支払い方法に比べて低い満足度となっています。
自動車メーカー各社には、カーリースの魅力や仕組みについてわかりやすい情報の提供や、高い満足度が得られるような工夫を期待したいですね。
調査概要 「コロナ禍でのカーライフやクルマの意向」に関するアンケート ■調査方法:インターネット調査 ■調査期間:2021年6月 ■対象者 :20~69歳の計2,800名 引用:J.D. パワー 2020年日本自動車セールス満足度(Sales Satisfaction Index、略称SSI)調査℠ ■調査方法:インターネット調査 ■調査期間:2020年5~6月 ■対象者 :メーカー正規ディーラーから新車購入後、2~13ヶ月経過したユーザー7,180名 |
まとめ
ローンの利用や現金での支払いという従来の支払い方法から、残価設定型ローンの利用が大きく伸長しています。
この傾向は、この数年で起きた「自動車の購入」における大きな変化の一つと言えるでしょう。
自動車の購入価格が上昇している中で、購入のハードルを下げる方法の一つして人気が出てきたものと思われます。
そんな中、カーリースやサブスクはどうでしょうか。今回の結果では、認知率はサブスクリプションサービスで2人に1人、カーリースで4人中3人という結果が出たものの、その内訳を見ると「名前を見聞きしたことがある」程度にとどまっている人が過半数を占めており、現状ではカーリースやサブスクといったサービスへの馴染みが薄いことがうかがえます。また、利用に関する関心度についても、世代や車の保有有無を問わず、まだ低い水準にあることが明らかになりました。
各社が消費者に向け、幅広いモビリティスタイルを提案していく中で、サービス内容やメリットをどう効果的に訴求していけるかが、今後車のサブスクリプションサービスやカーリースの普及のカギとなるでしょう。
J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。
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