~ よりよい「食」を目指し、新しい世界を築き上げた作品や個人を顕彰 ~ 第12回辻󠄀静雄食文化賞/専門技術者賞 贈賞式開催
書籍『わさびの日本史』、川田 智也氏(「茶禅華」エグゼクティブシェフ)が受賞
公益財団法人辻󠄀静雄食文化財団は、2021年6月28日(月)13:00より、第12回辻󠄀静雄食文化賞贈賞式をオンラインで実施いたしました。
第12回辻󠄀静雄食文化賞の本賞には、わさびの歴史を広範に紐解いた食文化の本として優れ、日本固有種のわさびを初めて総合的に論じた点が高く評価された、山根京子氏の著書 『わさびの日本史』(文一総合出版)が、専門技術者賞には、中国古典料理に関する深い理解と日本の美意識を融合させ、高い技術力を用いて中国料理の新たな世界を切り開いている「茶禅華」エグゼクティブシェフ 川田智也氏が選定され、同財団より表彰を受けました。
記 名称 : 第12回辻󠄀静雄食文化賞 贈賞式 日時 : 2021年6月28日(月) 13:00 ~ 14:30 場所 : オンライン(Zoomウェビナー) 出席者: ■第12回辻󠄀静雄食文化賞 受賞者 『わさびの日本史』著者 山根 京子氏 (岐阜大学応用生物科学部准教授、農学博士) 「茶禅華」 エグゼクティブシェフ 川田 智也氏 ■辻󠄀静雄食文化賞 選考委員会 石毛 直道 (選考委員長) 門上 武司 (専門技術者賞小委員会委員) ■主催代表 辻󠄀 芳樹 (公益財団法人辻󠄀静雄食文化財団代表理事) 主催: 公益財団法人辻󠄀静雄食文化財団 後援: 学校法人辻󠄀料理学館 辻󠄀調理師専門学校 |
- 第12回辻󠄀静雄食文化賞 受賞作・受賞者コメント
■『わさびの日本史』
山根 京子/著 文一総合出版/刊
「この度は名誉ある賞をいただき、心よりお礼申し上げます。『わさびの日本史』はその名の通り、わさびだけをテーマにした本ですが、予想外に反響があって大変驚きました。日頃、わさびを普及するため「わさび応援隊長」を名乗っていますが、わさびファンは意外といることを実感できました。わさびがひとつの文化として、食の豊かさにつながっているとしたらこんなに素晴らしいことはありません。日本人は食べることに必死だった時代に、わさびを見出し、実に多様な使い方をしてきました。その血を絶やさぬよう、日本人が大切にしてきた心とともにわさびを次に繋いでいきたいと改めて感じました。私はわさびという狭い世界で生きていますが、この賞をいただいて、少しは食文化を背負う必要性を感じています。わさびを中心に、日本の心や食文化を受け継げるような活動をこれからも続けていきたいと思います。この決意表明をもって挨拶にかえさせていただきます。この度は誠にありがとうございました。」
【受賞理由】
文献を網羅的に調べ上げ、わさびの歴史を広範に紐解いた食文化の本として優れており、日本固有種のわさびを初めて総合的に論じた点が高く評価できる。また、年表や資料も充実し、読んで楽しめる。
【著者と作品について】
わさびは日本の野生植物を栽培化した、数少ない食材の一つ。歴史資料を渉猟し、フィールドワークも組み合わせ、わさびの植物としての由来から、栽培、利用の歴史を綴る。わさびに対する思いと好奇心に満ちた読み物。著者は岐阜大学応用生物科学部准教授、農学博士。
<第12回 辻󠄀静雄食文化賞 専門技術者賞>
■川田 智也 (かわだ ともや)
「茶禅華」 エグゼクティブシェフ
「この度は非常に輝かしい賞をいただき心より光栄に感じ嬉しく思います。修業時代には、中国料理の壮大さ、奥深さ、技術力の高さを教わり、日本料理からも日本の豊かさ、日本人の精神性を学んできました。技術というものは僕自身が一人で表現しているのではなく、先人の想いや苦労やいろんなものがあって今に受け継がれている、そのことに感謝したいですし、自分も未来につないでいきたいと考えています。自分自身、若き日から料理という道を志してきて、いろんな方から教えをいただき、辻󠄀静雄先生の本からもたくさん学ばせていただきました。日本人として異文化を勉強していく者の心構えや、日本の食材を理解せずして日本における何かを成就したことにならないという解釈に至れたのはとても大きかったと思っています。今回の受賞はもっと料理に向き合って精進しなさいというメッセージをいただいたと受け止めています。この度は素晴らしい賞をいただき、素晴らしい刺激をいただき、誠にありがとうございました。」
【受賞理由】
中国古典料理に関する深い理解と日本の美意識を融合させ、高い技術力を用いて中国料理の新たな世界を切り開いている。チーム組織を主導して緻密な料理を提供する姿は現代的料理店の一つのあり方を示している。
茶禅華(さぜんか)
〒106-0047 東京都港区南麻布4-7-5
https://sazenka.com/
- 辻󠄀静雄食文化賞とは・・・
日本の食文化の幅広い領域に注目し、よりよい「食」を目指した目覚しい活動を通じ、新しい世界を築き上げた作品、もしくは個人・団体の活動を対象に選考し、これに賞を贈るもの。また特別部門として専門技術者賞を設け、調理や 製菓等の現場で活躍する技術者を顕彰する。辻󠄀調グループ創設者・辻󠄀静雄の食文化普及の活動を記念し、またその志を受け継ぎ、食文化の多様で豊かな発展に寄与することを目的として、2010年に辻󠄀調グループ創立50周年記念事業として創設された。以後、毎年実施。
(公式サイト) https://tsujishizuo.or.jp/award/
第12回辻󠄀静雄食文化賞 選考委員会(敬称略)
委員長:石毛直道(国立民族学博物館名誉教授、文化人類学者)
委員 :鹿島茂(フランス文学者)/湯山玲子(著述家、プロデューサー)/
福岡伸一(青山学院大学教授、分子生物学者)/
辻󠄀芳樹(辻󠄀調グループ代表、学校法人辻󠄀料理学館理事長、辻󠄀調理師専門学校校長)/
八木尚子(辻󠄀調グループ 辻󠄀静雄料理教育研究所副所長)
第12回辻󠄀静雄食文化賞 小委員会(敬称略)
委員:犬養裕美子(レストランジャーナリスト)/門上武司(「あまから手帖」編集顧問)/
君島佐和子(「料理通信」編集主幹)/柴田泉(フードジャーナリスト)/
戸田顕司(日経BP社 ビジネスメディア編集部長)/長沢美津子(朝日新聞編集委員)/
山田健(サントリーホールディングス株式会社CSR推進部チーフスペシャリスト
兼 サントリーグローバルイノベーションセンター株式会社 水科学研究所主席研究員)/
淀野晃一(「月刊専門料理」編集長)/
山内秀文(元辻󠄀調グループ 辻󠄀静雄料理教育研究所研究顧問)/
八木尚子(辻󠄀調グループ 辻󠄀静雄料理教育研究所副所長)
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