【“リスキリング(学びなおし)”に関する調査】リスキリング=「学びなおし」の経験が「ある」27.3%・企業側のリスキリング支援は?…「支援あり」21.3%
リスキリング未経験者はリスキリングをやりたいとは「思わない」75.5%・その理由…「時間・余裕がない」「何をすればいいかわからない」「必要性がない」
「識学」を使った経営・組織コンサルティングや従業員向け研修を展開する株式会社識学(本社:東京都品川区、代表取締役社長:安藤広大)は、2024年10月17日(木)~18日(金)「“リスキリング(学びなおし)”に関する調査」を行いました。
20代~50代の会社員(従業員数10人以上)に、“リスキリング(学びなおし)”をしたことがあるか聞いたところ、リスキリングをしたことが「ある」は27.3%でした。またそのスキルについては「マネジメントスキル」、「語学スキル」が上位で、そのきっかけについては、53.6%が「キャリアアップのため」と回答しました。さらに企業の支援について、支援制度が「ある」は21.3%でした。
一方リスキリングの経験がない方に、リスキリングをしたいかどうか聞いてみると、したいと「思う」は24.5%、「思わない」は75.5%という結果でした。その理由として、時間や余裕がないという回答が多い中、どんなリスキリングが必要なのかイメージがわかないという方も多いようでした。
■調査背景
昨年6月に経済産業省が「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」として、「5年で1兆円」規模の支援対策がなされると発表するなど、“リスキリング”というワードが最近になって特に注目を集めています。リスキリングとは「re-skilling」が語源で、業務において必要なスキルを獲得する“学びなおし”のことを指し、昨今のAIなどの技術革新やビジネスモデルの変化に伴って、企業がそのスキル習得を支援するケースも増えています。
そこで今回は、リスキリング(学びなおし)の経験はあるかに加え、会社からの支援はあったのか、またリスキリングの経験がないという方にも、学びなおしをしたいと思うか?どんなスキルを身に着けたいか?など、さまざまな角度から調査を行いました。
Q1.あなたは「リスキリング」をしたことがありますか。
(自由回答、n=2235)
まず20代~50代の会社員の方(※従業員数10人以上の企業に勤めている)に、“リスキリング”の経験について、リスキリングとは『働く環境に合わせて必要とされるスキルを習得すること、“学びなおし”とも言われています』という説明を加えた上で、その有無について聞いたところ、リスキリングの経験が「ある」と回答したのは27.3%、「ない」は72.7%でした。
男女比では男性の経験率がやや高く、性年代別では男性20代が最も高く35.6%、次いで男性30代が33.8%と、男性かつ比較的若い世代がリスキリングへの関心がより高いことがわかりました。
【Q1でリスキリングの経験が「ある」と回答した方】
Q2.あなたが「リスキリング」したものであてはまるものをお答えください。
Q3.「リスキリング」をしようと思ったきっかけをお答えください。
(ともに複数回答、n=84)
次に前問でリスキリングの経験が「ある」と回答した方に、その習得したスキルについて聞いたところ、最も多かったのは「マネジメントスキル」の38.1%で、「語学スキル」が27.4%、「マーケティングスキル」「プログラミングスキル」が22.6%と続きました。
またそのきっかけについては、「キャリアアップのため」が53.6%と最も多く、前問の習得したスキルから鑑みても“プレイヤー”から“マネージャー”になることをきっかけとしてリスキリングをしたという方が多いようでした。
Q4.「リスキリング」によって得たスキルは、職場で役立っていますか。
Q5.「リスキリング」をやってよかったと思いますか。
(ともに単数回答、n=84)
では実際にリスキリングをしたことよる効果はどうなのでしょうか。そのスキルが職場で役に立っているかを聞いたところ、86.9%の方が「役に立っている」(「非常に役立っている」26.2%と「やや役立っている」60.7%の合計)と回答し、リスキリングをやってよかったかについても、よかったと「思う」は83.3%でした。スキルアップのための“学びなおし”なので当然ではありますが、やはりリスキリングの効果を実感した方は圧倒的に多いようでした。
【リスキリングの経験有無に関わらず全員が回答】
Q6.あなたがお勤めの会社では、「リスキリング」の支援はありますか。
(単数回答、n=300)
【リスキリングの「支援がある」と回答した方】
Q7.「リスキリング」の費用について当てはまるものをお答えください。
(単数回答、n=64)
続いて、最近では政府によるリスキリング施策が始まったこともあり、企業側の支援は進んでいるのでしょうか。その内訳を見てみると、リスキリングの「支援がある」と回答したのは21.3%でした。また「支援がある」と回答した方にその費用負担について聞いてみると、「会社が一部負担してくれる」が57.8%、「会社が全額負担してくれる」が40.6%と、ほとんどの企業がリスキリング費用の負担はしてくれるようでした。
【Q1でリスキリングの経験が「ない」と回答した方】
Q8.あなたが「リスキリング」するとしたら、どのようなことを学びたいですか。
(単数回答、n=216)
翻ってリスキリングの経験がないという方に、リスキリングをするとしたらどのようなことを学びたいかを聞いたところ、学びたい項目としては「語学スキル」が20.8%とトップでしたが、「あてはまるものはない」が56.9%と過半数を上回りました。
これは自らの業務でどんなことを“学びなおし”すればよいのか?イメージ出来ていない方が多いという仮説が立てられるでしょう。
Q9.あなたは「リスキリング」をしたいと思いますか。
(単数回答、n=216)
次にリスキリングの経験がないという方へ、率直にリスキリングをしたいかどうか聞いてみると、リスキリングをしたいと「思う」は24.5%、「思わない」は75.5%でした。
Q10.上記のように回答した理由についてお答えください。
(自由回答、n=216)
リスキリングをしたいかどうかの理由については以下のようなものが挙がりました。
【リスキリングをしたいと「思う」理由】
・生き残るには必要だと思うから。(27歳男性・保険業)
・バリエーションが増えるし、仕事以外にも役立ちそう。(36歳女性・電気 ガス 熱供給 水道業)
・自分をしっかりと見つめ直して、価値のある自分になりたい。(28歳女性・金融業)
・人生いくつになっても勉強すれば、イキイキしてくるから。(47歳女性・卸売り小売業)
【リスキリングをしたいと「思わない」理由】
・リスキリングに割く時間がないから。(24歳男性・サービス業)
・余裕がない。(50歳女性・製造業)
・働きながらだと大変そう。(28歳男性・運送輸送業)
・現在の仕事をきちんとこなすことが一番重要だから。(29歳男性・製造業)
・何をしたらいいか分からない。(35歳男性・ソフトウェア・情報サービス業)
・必用性を感じない。(34歳男性・医療業)
・今の業務に必要ない。(49歳女性・製造業 )
リスキリングをしたいと「思わない」理由はQ8での仮説の通り、自らの業務においてどんなリスキリングが必要なのかイメージがわいていないこと、そして何より、日々の業務に追われ、リスキリングにまで考えが及んでいないということでした。
【リスキリングの経験有無に関わらず全員が回答】
Q11.今後のキャリアの中で、「リスキリング」はどの程度重要だと思いますか。
(単数回答、n=300)
最後に、回答者全員にリスキリングが今後のキャリアにおいてどの程度重要なのかを聞いたところ、「重要」は48.3%(「非常に重要」16.3%、「やや重要」32.0%の合計)と過半数を下回りました。
Q12.上記のように回答した理由についてお答えください。
(自由回答、n=300)
前問のリスキリングの重要性について、その理由について聞いてみると、以下のような意見が挙がりました。
【「重要だと思う」理由】
・選択肢が広がり、競争力を維持することができるから。(34歳男性・ソフトウェア情報サービス業)
・時代に即したスキルを身につける必要があると思うから。(42歳女性・製造業)
・実際に営業方法が変わっていったり、今までと違う営業支援ツールなどを利用する機会も出てきたので、学び直しをした方がより効率的な業務ができると思うから。また、海外の顧客も増えているため、
英語を主として言語なども学んでいく必要があると感じているから。(32歳男性・不動産)
【「重要だと思わない」理由】
・キャリア志向ではないので。(33歳男性・卸売り小売業)
・今の会社ではそのような技術は必要とされていないので。(49歳女性・製造業)
・スキルアップに繋がるイメージがわかない。(34歳・医療業)
・今の業務で満足しているから。(26歳男性・サービス業)
・現状維持で構わないから。(49歳女性・保険業)
・一般事務には関係ないので。(50歳女性・その他)
やはりリスキリングの具体的なイメージがわかず、その重要性について理解できている人は多くないようでした。
【調査結果まとめ】
今回の調査で、3割弱の方が何らかのリスキリング経験を持ち、そのうち8割以上の方がリスキリングをやって「よかった」と感じています。しかし、リスキリング未経験者の方に焦点を当ててみると、そもそも「そんな時間が作れない」という方もいますが、「何を学びなおすべきかわからない」「学びなおす意味が見出せない」という声もあり、リスキリングの必要性を感じていない人が目立ちました。この結果から、リスキリングの重要性に対する理解が十分でないことがわかります。
現代の働き方において、業務の自動化やデジタル化が進む一方、新しいスキルを求められる場面が増えています。こうした変化に対応するためにも、リスキリングは必須です。また企業が成長を続けるためにも、従業員が常に新しい知識や技術を習得する体制を整えることが求められます。
では、企業はどのようにして従業員にリスキリングを促すべきでしょうか。まず、リスキリングの具体的なメリットを明確に伝えることが大切でしょう。新しいスキルを習得することでキャリアアップが可能となり、職務の幅が広がることを実感できるようにするべきです。また、具体的な学習プランを提示し、何を学べばよいのかを具体的に示すことも有効です。さらに、学び直しをサポートする環境づくりも重要で、企業内でのオンラインコースや外部講師を招いた研修、メンター制度など、学びやすい体制を整えることで、従業員の意欲を引き出すことができるでしょう。
今後の働き方を見据え、企業はリスキリングを積極的に支援し、個人と組織の成長を共に推進していく必要があると言えるでしょう。
■調査概要
調査機関:株式会社識学
調査対象:20歳~59歳の会社員(従業員数10人以上の会社にお勤めの正社員)
有効回答数:スクリーニング調査…2235サンプル/本調査…300サンプル
調査期間:2024年10月17日(木)~18日(金)
調査方法:インターネット調査
※本調査では、小数点第2位を四捨五入しています。そのため、数字の合計が100%とならない場合があります。
■引用・転載時のクレジット表記のお願い
本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「株式会社識学が実施した調査結果によると……」
■識学について
【会社概要】
会社名:株式会社識学(SHIKIGAKU. Co., Ltd.)
本社所在地:〒141-0032 東京都品川区大崎2-9-3 大崎ウエストシティビル1階
電話番号:03-6821-7560
事業内容:「識学」を使った経営、組織コンサルティング
「識学」を使った従業員向け研修
「識学」をベースとしたwebサービスの開発、提供
「識学」関連書籍の出版
設立:2015年3月
代表者:代表取締役社長 安藤 広大
従業員数:224名(※役員・パートアルバイト除く) ※2024/8/31 時点
支店情報:
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