【プロティアン×リスキリングイベントにて実態調査】リスキリングプログラムを実施している企業は4割未満、「従業員のスキルアップ」を期待する人が約8割の中、組織文化の変革の難しさに課題
人事部門・キャリア支援者・経営層を中心にリスキリングの実態調査を実施
調査サマリー
・リスキリングプログラムを実施している企業は4割未満
・リスキリング導入に関して「組織文化の変革の難しさ」へ課題がある人が約4割
・リスキリング導入の企業メリットとして「従業員のスキルアップ」を期待する人が約8割
・リスキリングを実施する上での効果的な教育プログラムとして研修・講座を想起する人が約9割
リスキリングプログラムを実施している企業は4割未満
「あなたの企業ではリスキリングプログラムを実施していますか?」(n=250)と質問したところ、「実施している」が36%、「実施していない」が64%という回答になりました。
「実施している」と回答した方をさらに従業員規模別で見たところ、大きな偏りはありませんでした。
リスキリング導入に関して「組織文化の変革の難しさ」へ課題がある人が約4割
「リスキリングを実施する上で、どのような課題がありますか?(複数回答)」(n=351)と質問したところ、「組織文化の変革の難しさ」が38%、「リソースの不足」が23%、「スキルの不足」が17%、「予算の不足」が15%という回答となりました。「組織文化の変革の難しさ」と回答した方をさらに職種別に見たところ、人事部門、キャリア支援者が70%にも達しました。従業員と密に関わる人事部門・キャリア支援者だからこそ、従来~現在の組織文化と今後あるべき組織の未来像との間にギャップを感じていると言えるでしょう。一方、経営陣においては、その他の属性に比べて「組織文化の変革の難しさ」に課題意識を持っている方は少ないという結果となりました。
その他の回答(自由記述)では「本人の理解不足」「会社の理解不足」「環境の準備不足」などがあげられました。
リスキリング導入の企業メリットとして「従業員のスキルアップ」を期待する人が約8割
「リスキリングに投資することで、企業にどのようなメリットがあると考えていますか?(複数回答)」(n=755)と質問したところ、「キャリアアップの機会提供」が24%、「従業員の能力向上」が23%、「新たな技術やビジネスモデルへの対応力の向上」が21%、「生産性向上」が17%、「組織の競争力向上」が15%という回答になりました。「キャリアアップの機会提供」を筆頭に従業員のためになるメリットを挙げ、その次に、組織にとってのメリットが挙げられていました。企業が個人のキャリア・能力向上を支援することで、結果として企業も恩恵を受けることができるという、人的資本経営(※)の考えが浮き上がってくる結果となりました。
労働人口の減少と共に、変化の激しい時代に対応できる人材が求められている中、従業員一人ひとりの成長に多くの期待が寄せられていると言えるでしょう。
※人的資本経営:人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方。(参考リンク:『経済産業省 人的資本経営 ~人材の価値を最大限に引き出す~』
https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinteki_shihon/index.html)
その他の回答(自由記述)では「選ばれる会社になるためにも必要」「シニア社員がイキイキと働ける環境づくり」「企業価値向上」などがあげられました。
リスキリングを実施する上での効果的な教育プログラムとして研修・講座を想起する人が約9割
「リスキリングを実施する上で、どのような教育プログラムが効果的だと考えていますか?(複数回答)」(n=555)と質問したところ、「専門家による実践的なワークショップ」が27%、「外部研修・トレーニング」が25%、「オンライン講座・動画教材」が22%、「社内研修・トレーニング」が15%、「現場でのOJT(On-The-Job Training)Mentorship」が10%という回答になりました。上位に挙げらた3点から、リスキリングを実施する教育プログラムとして、「専門家」や「外部講師」の力を活用することと、いつでもどこでも学べる「オンライン」「動画」コンテンツがより効果的であると考られていることがわかります。
前者からは自社で内製することの難しさが、後者からはニューノーマルな働き方に合わせた研修提供の重要性や、研修時間を確保することの難しさが伺えました。
その他の回答(自由記述)では「キャリアコンサルティング」「越境体験」「チームや組織を超えて会社横断で教え合う場」などがあげられました。
今回の調査を通じて
今回の調査結果を通じて、「リスキリングへの投資は企業にとって複数のメリットがあることがわかっているが、実施するうえでの課題などから実施には至っていない」企業が多く存在する可能性がわかりました。
前回、『人事関係者の人的資本に関する意識調査中間レポートを公開(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000109.000056057.html)』にて、調査・発表した際にも「人的資本の把握(社員のスキル・能力の把握とデータ化)」と「人的資本投資(社員のリスキリング、アップデートへの最適投資)」は、重要だと認識されているものの最重要課題には挙がらない(優先順位が低い)という結果が出ておりました。自社に必要なスキルを可視化する適切な手段の選定、可視化実施やその後のメンテナンス工数の確保に加えて、「組織文化の変革の難しさ」「リソースの不足」など、実現に向けて課題が複合的に重なっている実態が見えております。
確認できている課題に対して、どのような対策が考えられるのかは、本調査の入り口となったオンラインセミナー『持続的成長を実現するためのプロティアン・リスキリングについて』にて言及されています。この機会にぜひご視聴頂ければ幸いです。
■視聴申込ページ:
https://protean-career.or.jp/archives/seminor-information/archive20230607
アンケート回答者属性
2023年6月7日に「持続的成長を実現するためのプロティアン・リスキリングについて」のイベントを実施しました。イベント応募参加者・メールマガジンでのアンケート回答者を対象にアンケートを実施しています。
詳細:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000121.000056057.html
調査概要
調査概要:リスキリングの実態調査
調査方法:イベント時のアンケート調査
調査期間:2023年5月16日〜2023年6月7日
対象者:イベント応募者、メールマガジンでのアンケート回答者
有効回答:277人
(複数回答項目もあるため各設問のn数が異なります)
総括
田中 研之輔
一般社団法人プロティアン・キャリア協会 代表理事/法政大学キャリアデザイン学部教授
リスキリングは本来、個⼈が⾃由に好きなことを学ぶ「学び直し」 とは異なり、DX・AI化などの社会変化に伴い、新しいことを学び、新しいスキルを身に着け実践し、新しい業務や職業に就くことを指します。つまり、新しいことを学ぶだけではリスキリングとは言えず、「習得・実践」することに意味があります。
今回のアンケート結果から「リスキリング」という言葉が世の中に浸透する中、企業としての実践フェーズにはまだ到達していないことがわかります。また、「キャリアは会社から与えられるもの」から「一人ひとりが自らのキャリアを選択する」時代となってきており、キャリアに関しての考え方も大きく変化しています。リスキリングをはじめ、組織が人への投資と真剣に向き合い、人的資本の最大化を図ることが、個人と組織のよりよい関係性を創ることになると当協会は考えています。
一人ひとりの価値を最大限に発揮できるよう、これからも自律型キャリア形成の伴走・支援を続けてまいります。
<プロフィール>
一橋大学大学院社会学研究科博士課程を経て、UC. Berkeley元客員研究員 University of Melbourne元客員研究員 日本学術振興会特別研究員SPD 東京大学/博士:社会学。大学と企業をつなぐ連携プロジェクトを数多く手がける。専門はキャリア論、組織論。社外取締役・社外顧問を33社歴任。個人投資家。著書31冊。主な著書に『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本論』『キャリアの悩みを解決する13のシンプルな方法 Career Workout』がある。
協会概要
正式名称:一般社団法人プロティアン・キャリア協会
所在地:東京都新宿区西新宿3-2-9新宿ワシントンホテルビル本館2F
事業概要:キャリア対話型組織開発支援サービス/個人向けキャリア支援サービス/認定資格制度運営
代表理事:田中 研之輔(法政大学キャリアデザイン学部 教授)/有山 徹 (4designs株式会社 代表取締役CEO)
設立年月:2020年3月
協会WEBサイト:https://protean-career.or.jp/
Twitter:https://twitter.com/officialprotean
Facebook:https://www.facebook.com/protean.fb
Linkdln:https://www.linkedin.com/company/72986319/admin/
【本件に関するお問合せ先】
一般社団法人プロティアンキャリア協会
お問い合わせ先:info@protean-career.or.jp
【報道関係者の皆様へ】
「キャリアは会社から与えられるもの」から「一人ひとりが自らのキャリアを選択する」時代となってきています。このような「自律型キャリア」を形成していくために、組織と個人はどのように向き合っていけばよいのか。このような変化が激しい世の中を生き抜くための最先端キャリア理論”現代版プロティアン・キャリア理論・実践手法”を2020年3月の設立から3年、研修・eラーニングを通じてを20万人・100社以上に導入してきました。理論、実践方法、または実践をしている個人への取材ネタなど、情報提供が可能です。ぜひご連絡ください。
【ご提供できるネタの一例】
・リスキリングとキャリア自律の関係性
・「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」についての考察
・人的資本経営における企業が取り組むべき内容
・「キャリア自律」を実現するための企業と個人へのアプローチ方法
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