【講演レポート】心のバリアフリーが溢れる街づくりの実現を目指すE&Jラボ主催「合理的配慮への対応何からすればいい?」に登壇しました
障害者雇用支援を通じて“誰もが自分らしく生きる社会“を目指す株式会社スタートライン (本社:東京都三鷹市、代表取締役:西村賢治)は、2024年5月30日(木)に、大丸有エリアの「心のバリアフリーが溢れる街づくりの実現」を目指す「E&Jラボ」の2024年第1回目となる実践的事例トーク「合理的配慮への対応 何からすればいい?」に登壇したことをお知らせします。
【講演レポート】
スタートラインは、三菱地所グループとの協業を通じて、障害の有無に関わらず「心のバリアフリーが溢れる街」をより体現できる丸の内エリアの実現を目指しています。三菱地所株式会社が実行委員長を務めるSDGs推進プロジェクト「大丸有SDGs ACT5」では、当プロジェクトが取り組むテーマを5つ設定しています。そのテーマの一つである「ダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)」を推進するアクションとして、2021年度にE&Jラボは立ち上がりました。
E&JラボはD&Iの取り組みを、一歩先に進めて、誰もが楽しみながらE&J(エンジョイ&ジョイン)で未来の多様性について考えるAllyコミュニティです。大丸有エリアの「心のバリアフリーが溢れる街づくりの実現」(誰もが働きやすい街)を目指しています。
この度、2024年4月の障害者差別解消法の改正法施行により、民間事業者による障害者への「合理的配慮の提供」が義務化されたことを背景に、E&Jラボ2024年第1回目は障害者への「合理的配慮の提供」をテーマに開催され、合計112名が視聴しました。
E&Jラボとは:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000131.000016002.html
第1部では、株式会社ミライロの代表取締役社長である垣内氏が、障害者差別解消法の改正法が2024年4月1日に施行されたことによる、社会の変化について講演しました。改正障害者差別解消法は、障害者に対する差別を禁止し、合理的配慮の提供を義務付ける法律です。民間事業者においては、障害者差別解消法と障害者雇用促進法の2つの法律を踏まえて、差別の禁止と合理的配慮を提供するための対応を進めています。垣内氏は、世間にはあまり着目されていませんが、事前的改善措置を取ることの重要性を訴えました。事前的改善措置とは、オフィスや施設のバリアフリー化、視覚障害・聴覚障害者が訪れやすい環境、ウェブアクセシビリティの向上など、合理的配慮を提供するための環境の整備のことです。合理的配慮というのは、本人から求められた場合に個別対応を取ることになりますが、個別対応を生じさせる以前に、不特定多数の方が利用することを想定して事前的改善措置を取ることの重要性を説きました。
第2部では、当社のマーケティングユニット障害者雇用エバンジェリストの吉田が登壇し、障害者就労支援の現場で得られた知見をもとに、雇用分野における具体的事例を用いた合理的配慮について講演しました。関連した法制度には、障害者雇用促進法における「合理的配慮の提供」「障害者差別の禁止」そして、障害者虐待防止法における「虐待の防止」などがあります。雇用する障害者一人ひとりの異なる障害特性を踏まえ、あらゆる場面で合理的配慮の提供を行うためには、各法制度を正しく理解する多くの時間を要します。
その上で、障害者雇用における接し方についてどのような点を意識しておくべきか、3つのステップに分けて解説しました。1つ目は、「受け止める(否定しない)」ことです。「受け止める=共感する、認める」ということではなく、相手の考えに寄り添い「そう考えているんですね」と受け止めることです。そうすることで心理的安全性が確保され、信頼関係の構築に繋がります。2つ目は、「対話する」ことです。ある事象について、本人の意見を一方的に聞くだけではなく、会社の状況を本人にも伝え、双方で現状を確認し合います。そして、改善策を検討し、関係者と連携し課題解決に向けてアクションを起こしていきます。3つ目は「見える化する」ことです。2つ目の「対話する」で行われた議論や、改善策に関するアクションは議事録などで見える化し、組織で共有します。課題解決に取り組むにあたり、課題が起きている原因を個人の責任にしてしまうのではなく、障害特性上どのような障壁があり、チームや組織として何ができるのかを考える学習の機会と捉えることが大切です。障害者雇用で起きた失敗を組織的に解決しようと取り組むことで、結果的に誰もが働きやすく生産性の高い組織づくりに繋がっていくと考えています。これこそが障害者雇用に取り組む意義であり、障害者雇用が事業発展、企業価値になると解説しました。
講演終了後には多くの質問を頂戴し、垣内氏と吉田がそれぞれの立場から見解を述べました。
・企業として合理的配慮の取り組みはまず何からやればよいか
・実際にあった企業や現場の具体的事例についてもう少し詳しく教えて欲しい
・「合理的配慮」と「特別扱い」の違いや線引きはどのように考えればよいか
・多様な方とコミュニケーションをとるうえで、押さえておいた方がいいポイントがあれば教えて欲しい
参加者アンケート
以下のようなご意見を頂戴しました。
・「接し方」の3つのポイントが参考になった
・「合理的配慮と特別扱い」は誰にも決められず、一人ひとりとの対話で決まるという話が参考になった
・これまでの対応はやや「特別扱い」だったのではないかと反省し、配慮をしたうえで平等・公平な対応を心掛けたい
・障害者対応で必要なのは、当事者との丁寧な対話であることがわかった
・障害者雇用を法令対応とするのではなく、経営発展につなげる視点についてはマネジメント層に共有したい
登壇者紹介
・株式会社ミライロ
代表取締役社長 垣内 俊哉様
2010年、立命館大学経営学部在学中に株式会社ミライロを設立。障害者や高齢者のサポート方法などを 伝える「ユニバーサルマナー検定」や、障害者手帳をデジタル化した「ミライロ ID」など、障害者をは じめ多様な方々に向けたサービスを展開している。2022年には財界「経営者賞」を受賞。国家戦略特別区域諮問会議へ参画し、ユニバーサルデザインの推 進に関する提言を行う。テレビ東京「ガイアの夜明け」などのメディア出演も多数。
・株式会社スタートライン
マーケティングユニット 障害者雇用エバンジェリスト 吉田 瑛史
パナソニックグループ、マイナビ、パーソルグループを経て株式会社スタートラインへ参画。 企業支援、障害者支援、人事、組織管理、業務開発、就労移行支援、研修/講師、 農福連携、マーケティング、エバンジェリストなど、多岐にわたる役割で、500社/5,000名 以上の障害者雇用に携わった経験を「障害者雇用」をより良くするために伝道する「障害者雇用エバンジェリスト」。
モデレーター
・株式会社アカルク
代表取締役社長 堀川 歩様
1990年生まれ。大阪府出身。トランスジェンダー。高校卒業後に陸上自衛隊に入隊し、任期満了後は自分の目で世界の現状を確かめる為に世界一周の旅に出る。帰国後はLGBTの方の総合サポート事業を個人で立ち上げる。その後、ユニバーサルデザインのコンサルティング会社で人事部長を務め株式会社アカルクを設立。現在は全国各地で年間100本以上の研修や講演を行いながら他社のD&I推進に関するアドバイザーも務める。
株式会社スタートライン
ABA(応用行動分析)と第三世代の認知行動療法に基づいた効果的で専門的な支援で、障害者雇用の新しい「場」づくりから定着支援までワンストップで実現する会社です。
「自分をおもいやり、人をおもいやり、その先をおもいやる。」の企業理念のもと、2009年創業以来、障害者雇用支援の領域において障害者の「採用」と「定着」に重きを置き、障害者雇用支援サービスサポート付きサテライトオフィス「INCLU」を運営。障害者雇用に関する総合コンサルティングを軸に、屋内農園型障害者雇用支援サービス「IBUKI」、ロースタリー型障害者雇用支援サービス 「BYSN」、企業/障害当事者向けカスタマイズ研修、在宅雇用支援、障害者採用支援などサービスメニューを拡充しています。一つでも多くの選択肢をつくり、多様な人々の可能性を拡張することで、誰もが自分らしく生きる社会を目指しています。
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