【2024年定点調査】73.4%のママが、産休・育休によるキャリアへの影響を「不安視」 2021年コロナ禍と比べ、4.8ポイントダウン
〜自治体に求める産後支援や、男性の育休取得の実態も明らかに〜
株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)が運営する子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」は、第一子となる0歳児のお子様がいて産後の仕事復帰を考えている女性109名を対象に、産後の仕事復帰と自治体の産後支援に関する定点調査を実施しましたので、お知らせいたします。
なお、本調査では、2021年版の同内容調査(※1)と比較して発表いたします。
■調査サマリー
▼本調査のレポートダウンロードはこちら:https://bit.ly/3Y2fHd4
■調査概要
調査名称:産後の仕事復帰と自治体の産後支援に関する定点調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2024年8月6日〜同年8月27日
有効回答:第一子となる0歳児のお子様がいて産後の仕事復帰を考えている女性109名
※1|【2021年版】育児後の仕事復帰と自治体の産後支援に関する意識調査:2021年7月1日〜同年7月3日|https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000043389.html
※2|構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「子ねくとラボ」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
■73.4%が、産休・育休後のキャリアに「不安を感じる」と回答、2021年から4.8ポイントダウン
「Q1.あなたは、産休や育休など、仕事から一時的に離れることで、自身の仕事上でのキャリアに不安を感じていますか。」(n=109)と質問したところ、「とても感じる」が35.8%、「やや感じる」が37.6%という回答となりました。
<2024年(n=109)>
・とても感じる:35.8%
・やや感じる:37.6%
・あまり感じない:18.3%
・全く感じない:8.3%
<2021年(n=110)>
・とても感じる:38.2%
・やや感じる:40.0%
・あまり感じない:20.0%
・全く感じない:1.8%
■キャリアに不安を感じる理由、第1位「子育てと仕事の両立ができるか心配」
Q1で「とても感じる」「やや感じる」と回答した方に、「Q2.その理由を教えてください。(複数回答)」(n=80)と質問したところ、「子育てと仕事の両立ができるか心配」が82.5%、「収入面で不安」が68.8%、「仕事のカンが鈍くなる」が52.5%という回答となりました。
<2024年(n=80)>
・子育てと仕事の両立ができるか心配:82.5%
・収入面で不安:68.8%
・仕事のカンが鈍くなる:52.5%
・会社のことが把握できなくなる:25.0%
・今までのポジションがなくなると感じる:16.2%
・昇進チャンスが遠のく:6.2%
・その他:0.0%
<2021年(n=86)>
・子育てと仕事の両立ができるか心配:66.3%
・仕事のカンが鈍くなる:61.6%
・会社のことが把握できなくなる:60.5%
・収入面で不安:45.3%
・今までのポジションがなくなると感じる:40.7%
・昇進チャンスが遠のく:23.3%
・その他:1.2%
■「復帰するタイミングが難しい」や「社会から取り残されてしまうような感覚になる」などの理由も
Q1で「とても感じる」「やや感じる」と回答した方に、「Q3.Q2で回答した以外に理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=80)と質問したところ、「復帰するタイミングが難しいから」や「社会から取り残されてしまうような感覚になる」など52の回答を得ることができました。
<2024年(n=80):自由回答・一部抜粋>
-
体力的にやれるか。
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復帰するタイミングが難しいから。
-
妊娠出産を機に退職したため、再度就活しても採用してくれるか不安。幼い子供がいると足元を見られそう。
-
規定やルールが細かく、よく変わる職場なので少しでも休む期間があると仕事に慣れるのに時間がかかる。
-
子供の発熱などで急に休むことがあると周りに迷惑をかけてしまうこと。
-
職場の人間関係をもう一度築いていくこと。
-
社会から取り残されてしまうような感覚になる。
■36.2%が、キャリアへの不安から「子育てのモチベーションが高まらない」と実感、2021年より13.8ポイント減少
Q1で「とても感じる」「やや感じる」と回答した方に、「Q4.キャリアに不安があるために、子育てのモチベーションが高まらないなどと感じることがありますか。」(n=80)と質問したところ、「とてもある」が5.0%、「ややある」が31.2%という回答となりました。
<2024年(n=80)>
・とてもある:5.0%
・ややある:31.2%
・あまりない:55.0%
・全くない:8.8%
<2021年(n=86)>
・とてもある:14.0%
・ややある:36.0%
・あまりない:33.7%
・全くない:16.3%
■モチベーションが高まらない現状について、「言語化できない不安」や「働いていないことで自分自身が成長しないと感じる」などの声も
Q4で「とてもある」「ややある」と回答した方に、「Q5.モチベーションが高まらないと感じる現状について、思うことを自由に教えてください。(自由回答)」(n=29)と質問したところ、「言語化できない不安」や「働いていないことで自分自身が成長しないと感じる」など18の回答を得ることができました。
<2024年(n=29):自由回答・一部抜粋>
-
毎日が似たような感じ。
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子供に自分の時間が奪われていると感じるから。
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言語化できない不安。
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働いていないことで自分自身が成長しないと感じる。そして、その成長していない自分の少ない狭い知識だけで、子供の未来が開けるのかと思うとモチベーションが高まらない。
-
子育てはとても楽しく、やり甲斐はあるものの、自分の今後の就職や、収入、就職した際の保育園など子どもの環境は整えることができるのかと漠然とした不安がある。
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気持ちが不安定で子育てや仕事に専念できない。
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誰に褒められるわけでもないから。
■仕事復帰に対する考えの変化、「産前はすぐ仕事ができたら良いと考えていたが、産後は両立できるかの不安が強くなった」や「仕事内容より、勤務形態、勤務時間や休みやすさを重視したいと思うようになった」など
「Q6.産前と産後で、仕事復帰に対する考えが変わりましたか。お考えの変化について自由に教えてください。(自由回答)」(n=109)と質問したところ、「産前はすぐ仕事ができたら良いと考えていたが、産後は両立できるかの不安が強くなった」や「仕事内容より、勤務形態、勤務時間や休みやすさを重視したいと思うようになった」など84の回答を得ることができました。
<2024年(n=109):自由回答・一部抜粋>
-
ワンオペ育児をしていると働きたくなってくる。
-
産前はすぐ仕事ができたら良いと考えていたが、産後は両立できるかの不安が強くなった。
-
育児に必要なものや光熱費が思いの外かかると感じたので、産後の方が働かないといけないと思った。(育休手当だけでは不安なので)
-
産前は産んだ後に仕事に復帰してもいいかと思っていたが、産後は育児が大変なので子供が小さいうちは仕事に復帰できないと思うようになった。
-
産前は今しか味わえない子育ての楽しみや子どもの成長を味わうために育児に専念してもいいかなと思っていたが、産後はそのような考えを持つ時もあれば、やはり自分自身が社会復帰して成長する姿を見せることも必要かなと思ったり日々揺れ動いている。
-
仕事内容より、勤務形態、勤務時間や休みやすさを重視したいと思うようになった。
-
子供が1歳頃に復帰を考えていた。しかし、なるべく成長を見守りたいので復帰を遅らせたい気持ちと、経済的な心配で早めに復帰したい気持ちとで揺らいでいる。
■自治体の産後支援の充実度、48.6%から「足りない」の声、2021年比12.4ポイント減で改善傾向
「Q7.あなたがお住まいの自治体の産後支援について、充実度を教えてください。」(n=109)と質問したところ、「やや足りない」が37.6%、「非常に足りない」が11.0%という回答となりました。
<2024年(n=109)>
・非常に十分:2.8%
・十分:38.5%
・やや足りない:37.6%
・非常に足りない:11.0%
・わからない:10.1%
<2021年(n=110)>
・非常に十分:8.2%
・十分:23.6%
・やや足りない:48.2%
・非常に足りない:12.8%
・わからない:7.2%
■自治体に求める支援、「ブランクがあり、子どもがいる人への就職活動のサポート」や「病児保育の場所が少ない、希望の保育園に入れない」など
Q7で「非常に足りない」「やや足りない」と回答した方に、「Q8.産後支援について、自治体に行って欲しいこと・サポートして欲しいことがあれば教えてください。(自由回答)」(n=53)と質問したところ、「ブランクがあり、子どもがいる人への就職活動のサポート」や「病児保育の場所が少ない、希望の保育園に入れない」など29の回答を得ることができました。
<2024年(n=53):自由回答・一部抜粋>
-
保育園無償化や無痛分娩補助制度の構築。
-
ブランクがあり、子どもがいる人への就職活動のサポート。
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病児保育の場所が少ない、希望の保育園に入れない。
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保育園や幼稚園以外でも子供を短時間あずかってもらえるシステムを作ってほしい。
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地域によって保育所が不足しているため、保育所の充実を図ってほしい。
-
現金給付をもっと増やしてほしい。ベビー用品、消耗品の配布を希望。
-
気軽に相談できる場所がほしい。
■2021年に続き、半数以上が、仕事を「できるだけ早期に復帰したい」と希望
「Q9.あなたは、仕事をできるだけ早期に復帰したいと思いますか。」(n=109)と質問したところ、「とても思う」が7.4%、「やや思う」が43.1%という回答となりました。
<2024年(n=109)>
・とても思う:7.4%
・やや思う:43.1%
・あまり思わない:42.2%
・全く思わない:7.3%
<2021年(n=110)>
・とても思う:11.9%
・やや思う:42.7%
・あまり思わない:34.5%
・全く思わない:10.9%
■早期に仕事復帰したい理由、「ブランクが長くなるほど復帰しづらくなる」や「子供の成長を見守りたいが、金銭面の不安がある」など
Q9で「とても思う」「やや思う」と回答した方に、「Q10.その理由を自由に教えてください。(自由回答)」(n=55)と質問したところ、「ブランクが長くなるほど復帰しづらくなると思うから」や「子供の成長を見守りたいが、金銭面の不安があるから」など44の回答を得ることができました。
<2024年(n=55):自由回答・一部抜粋>
-
経済面と精神面。
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ブランクが長くなるほど復帰しづらくなると思うから。
-
子供の成長を見守りたいが、金銭面の不安があるから。
-
将来の教育費を考えたら早く働きたい。仕事の勘を鈍らせたくない。
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自分でも稼ぐ力をつけたいから。
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ルールや規定が細かく、変わることも多い為、職場を離れると仕事に慣れるのが大変になるから。
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収入面での不安、復帰が遅れるほど気持ち的に復帰しにくくなる。
■育休取得経験がある夫(パートナー)は、35.8%に留まる
「Q11.あなたの夫(パートナー)は、育休を取得していますか。」(n=109)と質問したところ、「現在取得している」が5.5%、「過去に取得したことがある」が30.3%という回答となりました。
・現在取得している:5.5%
・過去に取得したことがある:30.3%
・取得したことはない:64.2%
■61.5%が、夫(パートナー)は「育休を取得しづらい」と回答
「Q12.あなたの夫(パートナー)は育休を取得しやすい環境にあると感じますか。」(n=109)と質問したところ、「全く感じない」が40.4%、「あまり感じない」が21.1%という回答となりました。
・非常に感じる:13.7%
・やや感じる:20.2%
・あまり感じない:21.1%
・全く感じない:40.4%
・わからない:4.6%
■夫(パートナー)の育休取得期間、「1か月以内」が64.2%で最多
Q11で「現在取得している」「過去に取得したことがある」と回答した方に、「Q13.あなたの夫(パートナー)の育休取得期間について教えてください。」(n=39)と質問したところ、「1か月以内」が64.2%、「3か月以内」が28.2%という回答となりました。
・1か月以内:64.2%
・3か月以内:28.2%
・6か月以内:5.1%
・1年以内:2.6%
■まとめ
今回は、第一子となる0歳児のお子様がいて産後の仕事復帰を考えている女性109名を対象に、産後の仕事復帰と自治体の産後支援に関する定点調査を実施しました。
まず、仕事復帰を考えている女性の73.4%が、産休・育休後のキャリアに「不安を感じる」と回答しており、2021年から4.8ポイントの減少となりました。その理由としては、第1位「子育てと仕事の両立ができるか心配」(82.5%)、第2位「収入面で不安」(68.8%)の結果が出ています。また、自治体の産後支援に不満を感じる女性は48.6%で、2021年比12.4ポイント減と改善傾向ですが、「ブランクがあり、子どもがいる人への就職活動のサポート」や「病児保育の場所が少ない、希望の保育園に入れない」などの支援を求める声が挙がりました。さらに、仕事復帰に関しては、2021年に続き、半数以上が「できるだけ早期に仕事復帰したい」と希望しています。最後に、夫(パートナー)の育休取得の実態について尋ねたところ、育休取得経験がある人は35.8%に留まり、61.5%が、「男性が育休を取得しづらい環境である」と回答しました。
◼️調査結果から読み解く|「子ねくとラボ」所長|末廣剛の見解コメント
今回の調査では、産後のキャリアに対する不安や、自治体による支援の物足りなさが前回の調査結果から変わらず課題となり続けていることが明らかになりました。また、男性の育休取得についても、取得しづらい環境に置かれている方の割合が高く、取得期間も1ヶ月以内の短期間に留まっています。少子化による人口減少は将来的に経済規模を縮小させるネガティブ要因であることから、国は積極的な少子化対策を長きにわたって謳ってきたわけですが、働き方改革や女性の活躍が促進されるにあたって「産みやすい環境」や「育てやすい環境」が不可欠であるとして、少子化抑止の基盤となる保育の受け皿整備に注力してきました。 しかし現状はどうでしょう。共働き世帯数が上昇を続ける(※3)一方、少子化の加速が止まらないのが今の姿です。
理想と現実のギャップを埋めるのは極めて困難なことかもしれません。アンケート内にも「産前はすぐ仕事ができたら良いと考えていたが、産後は両立できるかの不安が強くなった。」という声がありました。こういった声が減少しない間は、少子化も改善されないと感じます。企業と自治体が連携し、仕事と育児を両立できる本格的な環境づくりが急務と言えるでしょう。
※3|厚生労働省|共働き等世帯数の年次推移|https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/backdata/02-01-01-03.html
▼本調査のレポートダウンロードはこちら:https://bit.ly/3Y2fHd4
■「子ねくとラボ」について
「子ねくとラボ」は、「子ども+Nursery(保育)+Education(教育)・Entertainment(エンターテインメント)+Creation(創造)+Trend(トレンド)」の要素から構成された、子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクトです。子育てや保育に関する「調査レポート」や「ニュース/記事」、また「子ねくとラボ」が提供しているサービスについて発信しております。
事業名 :子ねくとラボ
事業責任者 :末廣 剛
サービス内容:・選ばれる園づくりコンサルティングサービス
・保育施設向け研修&巡回サービス
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■会社概要
会社名 :株式会社 明日香
設立 :1994年8月30日
代表取締役:萩野 吉俗
所在地 :東京都文京区小石川5丁目2番2号 明日香ビル3F
事業内容 :■保育室の設置・運営(院内保育室、企業内保育室、認可保育所)
■自治体と連携した子育て支援事業
(児童館、放課後児童クラブ、子育て支援拠点、こども広場等の運営)
■保育に関わる人材の派遣・紹介
(保育士・幼稚園教諭・看護師・栄養士など)
■居宅訪問型子育て支援
(ベビー・キッズシッターサービス、家事代行サービス、自治体の委託業務)
■臨時保育室の設置・運営(イベント時保育サービス)
■保育に関わる人材の教育(研修会、講演会、各種セミナーの開催)
■新規保育事業の開発及びコンサルティング
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