上場企業の62.5%、非上場企業の37.2%が人的資本経営を「重視」
(上場/非上場企業別)「人的資本経営」実態調査
主な調査結果
■上場企業の62.5%、非上場企業の37.2%が人的資本経営を「重視」
「貴社では人的資本経営を重視していると思いますか」という質問に対して、「重視している」と回答した上場企業の人事担当者は62.5%<「重視」(29.2%)、「やや重視」(33.3%)>、一方で「重視している」と回答した非上場企業の人事担当者は37.2%<「重視」(12.6%)、「やや重視」(24.6%)>という結果でした。2023年3月期決算より有価証券報告書における人的資本情報の開示が義務化されましたが、現状の対象は上場企業に限られるとあって、上場企業と非上場企業で回答に大きな差が出る結果となりました。
Q. 貴社では人的資本経営を重視していると思いますか。
■「人的資本経営」という言葉が出てくる以前から、4割強もの上場企業が取り組みを実施
人的資本経営の取り組み状況について聞いてみたところ、10年以上前から実施している上場企業は16.2%、3年以上前から実施している企業は27.2%という結果でした。人的資本経営という言葉が出たきっかけは、2020年9月に経産省から発表された「人材版伊藤レポート」といえますが、43.4%もの上場企業は、それ以前から取り組みを行っていたということになります。また、非上場企業に関しても、2割弱の企業が3年以上前から取り組みを実施しているという結果でした<「10年以上前から実施」(5.6%)、「3年以上前から実施」(14.3%)>。一方で、上場企業の27.9%の人事担当者は「わからない」と回答しました。人的資本経営は人事部門が中心となって行う企業が多いと予想されますが、上場企業でも少なくない人事担当者が自社の取り組み状況を理解できていない背景には、人事部門の仕事の「分業化」があるのかもしれません。
Q.貴社における人的資本経営の取り組み状況を教えてください。
■社外への開示が進んでいるのは、「コンプライアンス・倫理」「育児休業」「ダイバーシティ」「採用」
人的資本経営の開示状況について7分野19項目で聞いてみたところ、上場企業で「社外に開示している」が多かった項目は、「コンプライアンス・倫理」(45.5%)、「育児休業」(39.6%)、「ダイバーシティ」(37.7%)、「採用」(36.6%)でした。また、非上場企業では、「育児休業」(33.5%)、「コンプライアンス・倫理」(31.9%)、「採用」(25.4%)という結果でした。一方、上場企業で社外への開示が進んでいない項目は「サクセッション」(17.9%)、「スキル・経験」(18.7%)、「エンゲージメント」(18.7%)。とはいえ、一番取り組みが進んでいない「サクセッション」でも、取り組みそのものは77.9%の企業が行っているという結果に(「社外に開示」「社内にのみ開示」「部署内にのみ開示」「取り組みをしているが、開示情報やデータはとっていない」の合計)。取り組み内容をどのような指標で伝えていくのか、というのが人的資本情報開示の難しいところであり、企業の独自性をアピールするための鍵でもあります。今年は開示元年ですが、取り組みを開示する指標については、今後も検討していくべきポイントになるでしょう。
Q. 貴社では人的資本経営においてどのような取り組みと開示をされていますか。
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【アンケート概要】
調査形式:Webアンケート方式
調査時期:2023年6月
調査対象:上場企業の人事担当者408名、非上場企業の人事担当者629名
■日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)
1942年創立の一般社団法人日本能率協会(JMA)から1991年に分社化し、創立。主な事業は、通信教育・研修・アセスメント・eラーニングを柱とした人材育成支援事業、『NOLTY』や『PAGEM』を代表とする手帳事業、ビジネス書籍の発行を中心とした出版事業。JMAMは、一人ひとりが成長することを通じて、自分らしい豊かな人生と幸せを感じられる社会をつくりたい。そのために、「思い描く未来」に向かって一歩踏み出す人のパートナーとして伴走することを目指します。
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■人材開発専門誌「Learning Design」
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