「2024年度 新入社員意識調査」新入社員の上司・人事への期待は「定期的なフィードバック」「若いうちは進んで苦労すべき」と思う新入社員は4割で2人に1人以下
この調査は、4月2日~4月5日に実施し、673人から回答を得ています。
調査結果の詳細は次ページ以降をご覧ください。また、本調査の結果を受けてのコメントを最終ページに記載しています。
【トピックス】
1.自身の成長に向けて、上司・人事への期待の第1位は「成長や力量に対する定期的なフィードバック」で22.0%
2.「若いうちは進んで苦労すべき」と思う人は4割、そう思わない人は3割で、チャレンジ意欲が二極化
3.理想の上司、先輩の第1位は「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」で25.5%
4.新入社員が望む職場像は『成果や仕事の質で評価されることを望みつつ、チームワーク重視、仕事以外のことも相談でき、スキルアップも叶えられる職場』
5.大卒以上では国内転勤の受け入れは65.4%、海外転勤の受け入れは48.4%で、海外転勤への抵抗感あり
6.仕事をしていく上での不安について、トップ 3は「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」 「仕事に対する現在の自分の能力・スキル」「仕事での失敗やミス」
7.転職を考えるシチュエーションの第1位は「職場の人間関係が悪いとき」で15.7%、第2位は「社風や企業文化が自分に合わないと感じたとき」で14.3%
8.自分のキャリアについて10年後まで考えている人は3割(3年後までは2割、5年後が3割)
【調査概要】
調査名称 | 2024年度新入社員意識調査 |
調査期間 | 2024年4月2日~2024年4月5日 |
調査対象 | 日本能率協会の新入社員向け公開教育セミナー参加者 |
調査方法 | 研修実践時に記入(入力)・回収 |
回答数 | 673人 |
属 性 | [性別]男性:427人(63.4%)、女性:243人(36.1%)、その他3人(0.4%) [最終学歴]高校卒:163人(24.2%)、高専・専門・短大卒:89人(13.3%)、 大学卒:324人(48.1%)、大学院卒:94人(14%)、その他:3人(0.4%) [業種]製造業:262人(38.9%)、非製造業:411人(61.0%) |
※本調査データを引用・転載される場合は、出典:2024年度「新入社員意識調査」(一般社団法人日本能率協会)をご明記ください。
【調査結果の詳細】
集計結果は百分率(単位:%)で表示し、小数点第2位を四捨五入しました。そのため、合計が100%にならないものがあります。
また、最終学歴が「高校卒業」を「高校卒群」、その他を「高校卒外群」として割合を集計しており、詳細へ反映しております。
1.自身の成長に向けて、上司・人事への期待の第1位は「成長や力量に対する定期的なフィードバック」で22.0%
自身の成長に向けて、上司・人事へ期待することについて尋ねたところ、第1位は「成長や力量に対する定期的なフィードバック」で22.0%、第2位は「ワークライフバランスをとれる柔軟な働き方ができる環境づくり」で17.4%、第3位は「キャリアや価値観・強み/弱みについての定期的な話し合い」で17.3%となりました。経年別での大きな変化は見られませんでした。
属性別でみてみると、高校卒群に比べて高校卒外群は6.9pt「成長や力量に対する定期的なフィードバック」が高くなっています。性別による大きな差は見られませんでした。
Q.意欲や能力を高めるために、上司や人事へ期待することは何ですか。(1位~3位合算)
属性別集計:男性/女性(左) 高校卒群/高校卒外群(右)
2.「若いうちは進んで苦労すべき」と思う人は4割、そう思わない人は3割でチャレンジ意欲が二極化
新入社員のキャリア形成や将来についての設問にて、若いうちからの苦労について尋ねたところ、「進んで苦労すべきだ」は41.8%、「好んで苦労する必要はない」は36.8%、「どちらともいえない」は21.4%となりました。多様な就業意識により、多くの経験を求め、自らの成長を促す方と、そうでない方の二極化が見受けられます。
属性ごとにみてみると、高校卒外群は高校卒群より「進んで苦労すべきだ」」が8.1pt高くなっています。
また女性は男性より「好んで苦労する必要はない」が19.3pt高くなっています。
Q.「若いうちは自ら進んで苦労するぐらいの気持ちがなくてはならない」と思いますか。
属性別集計:高校卒群(青)/高校卒外群(オレンジ)/男性(グレー)/女性(黄色)
3.理想の上司、先輩の第 1 位は「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」で25.5%
理想的だと思う上司・先輩について尋ねたところ、第1位は「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」で25.5%、第2位は「仕事の結果に対するねぎらい・褒め言葉を忘れない上司・先輩」で10.9%、第3位は「部下の意見・要望を傾聴する上司・先輩」で10.8%でした。いずれの項目でも属性別に大きな差はありませんでした。
第4位の「言動が一致している上司・先輩」は男性7.4%、女性16.1%で、2倍以上のポイント差があります。女性の方が「言動が一致している上司・先輩」をより重視している傾向にあると考えられます。
Q.あなたが理想的だと思うのはどのような上司や先輩ですか。(1位~3位合算)
4.新入社員が望む職場像は『成果や仕事の質で評価されることを望みつつ、チームワーク重視、仕事以外のことも相談でき、スキルアップも叶えられる職場』
新入社員に働きたい職場について、5つの設問で方向性を尋ねたところ、実力・成果主義/年功主義では「個人が評価され、年齢・経験に関係なく処遇される実力・成果主義の職場」が全体の72.2%、チームワーク重視/個人裁量重視では「チームワークを重視する職場」が全体の79.2%、アットホーム/ビジネスライクでは「仕事以外のことも相談できる職場」が全体の77.7%、評価軸は仕事の「量」/評価軸は仕事の「質」では「働いた仕事の「質」で評価される職場」が全体の77.0%、業務の中でスキルアップ/業務の外でスキルアップについては「苦労は多いが、確実にスキルアップできる職場」が全体の66.0%となりました。
5つの設問の結果を踏まえると、新入社員が望む職場像は『成果や仕事の質で評価されることを望みつつ、チームワーク重視、仕事以外のことも相談でき、スキルアップも叶えられる職場』であると推察できます。
Q.あなた自身の仕事・働き方に対する考えはAとBのどちらに近いですか。
5.大卒以上では国内転勤の受け入れは65.4%、海外転勤の受け入れは48.4%で、海外転勤への抵抗感あり
働き方に対する考え方について、「国内転勤は受け入れる」(Aに近い+どちらかというとAに近い)は69.1%、「国外転勤は受け入れる」(Aに近い+どちらかというとAに近い)は46.5%となりました。
属性別に見てみると、高校卒群では「国内転勤は受け入れる」については80.4%、「国外転勤は受け入れる」は40.5%で、「国外転勤は受け入れる」の方が39.9pt低くなっています。高校卒外群においても 「国内転勤は受け入れる」が65.4%、「国外転勤は受け入れる」が48.4%で、国外転勤への受け入れが低い傾向にあります。
Q.あなた自身の仕事・働き方に対する考えはAとBのどちらに近いですか。
①A:国内の転勤は受け入れる B:国内の転勤は受け入れない
②A:海外の転勤は受け入れる B:海外の転勤は受け入れない
6.仕事をしていく上での不安について、トップ3は「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」 「仕事に対する現在の自分の能力・スキル」「仕事での失敗やミス」
仕事をしていく上での不安について尋ねたところ、第1位は「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」で23.2%、第2位は「仕事に対する現在の自分の能力・スキル」で20.3%、第3 位は「仕事での失敗やミス」で10.4%でした。
属性別について、高校卒群/高校卒外群では「仕事に対する現在の自分の能力・スキル」では高校卒外群の方が、「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」「仕事での失敗やミス」では高校卒群の方がそれぞれ約5.0pt大きくなっています。性別では大きな差は見受けられませんでした。
3位の「仕事での失敗やミス」については、他の設問で新入社員にとって抵抗のある行動を訪ねた際に「上司や先輩からの指示が曖昧でも、質問をしないで、とりあえず作業を進める」が全体の22.1%で第1位であったことから、ミスをしたくないことと、曖昧なまま作業をすすめたくないことの関連性が見受けられます。
Q.これから仕事をしていく上で、どのようなことに不安がありますか。(1位~3位合算)
7.転職を考えるシチュエーションの第1位は「職場の人間関係が悪いとき」で15.7%、第2位は「社風や企業文化が自分に合わないと感じたとき」で14.3%
職場で遭遇するいくつかのシチュエーションに対して、どの程度転職を考えるか尋ねたところ「職場の人間関係が悪い時」に、「転職を考える」(そう思う+どちらかと言えば、そう思う)が15.7%で第1位、「社風や企業文化が自分に合わないと感じたとき」が第2位で14.3%、「会社の将来性が見込めなくなったとき」が第3位で13.9%となりました。新入社員自身での改善が難しいシチュエーションが上位を占めていると考えられます。年度別では大きな差はありませんでした。
第1位の「職場の人間関係が悪い時」について属性別でみると、「転職を考える」が高校卒群/高校卒外群では高校卒群の方が7.2pt、男性/女性では女性の方が7.6pt高くなっていました。
Q.年度別:以下のシチュエーションに遭遇した際に、どの程度転職したいと思いますか。
(「そう思う」「どちらかと言えば、そう思う」を選択)
シチュエーション:職場の人間関係が悪いとき(高校卒群/高校卒外群(右) 男性/女性(左))
8.自分のキャリアについて10年後まで考えている人は3割(3年後までは2割、5年後が3割)
将来のキャリアイメージについて尋ねたところ、全体の61.0%が「将来のキャリアイメージを描いている」(描いている+どちらかと言えば描いている)と回答しました。属性別に見ていくと、高校卒外群は高校卒群より24.7pt「将来のキャリアイメージを描いている」が高くなりました。
「将来のキャリアイメージを描いている」の詳細を見ていくと、3年後までキャリアイメージを描いている人は20.8%、3年後までキャリアイメージを描いている人は33.3%、3年後までキャリアイメージを描いている人は32.8%となりました。属性別に見ていくと、3年後までは高校卒群の方がポイントが高く、それ以上は高校卒外群の方がポイントが高くなりました。
Q.あなたは現時点において、将来のキャリアイメージを描いていますか。
Q.何年先までのキャリアイメージを描いていますか。
結果を受けてコメント
2024年度の新入社員意識調査では、新入社員は上司・人事へ新入社員自身の成長や力量に対する定期的なフィードバックを期待する傾向が見られます。
これは新入社員の理想の上司・先輩を聞く設問で「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」「仕事の結果に対するねぎらい・褒め言葉を忘れない上司・先輩」「部下の意見・要望を傾聴する上司・先輩」が上位に来ていたことからも推察できる通り、新入社員はしっかりと自分たちの業務を評価し、フィードバックを行って欲しいという強い期待があることが示されています。
また「仕事について丁寧な指導をする」上司・先輩が求められていることは、新入社員が仕事をしていく上での不安に「仕事に対する現在の自分の能力・スキル」「仕事での失敗やミス」を上げていることからも、その業務への不安を解消するために必要な上司・先輩の姿勢と言えるでしょう。
次に、キャリア形成や将来についての設問のうち、「若いうちは進んで苦労すべき」と思う新入社員は 4 割、そう思わない新入社員は 3 割で、チャレンジ意欲の二極化の傾向が見られます。
「若いうちは進んで苦労すべき」と思う新入社員は 4 割となりましたが、別設問で新入社員が望む職場像について尋ねたときは、「苦労は多いが、確実にスキルアップできる職場」の方が「苦労は少ないが、スキルアップは自身の努力による職場」よりも約16pt高くなっています。苦労がスキルアップに繋がる努力や経験だと分かる場合においては、より多くの新入社員が苦労(努力・経験)を厭わないと推察されます。
様々な業務を始めて行うことになる新入社員には、業務を「苦労」ではなく「スキルアップのための努力や経験」と捉えられるように個々の意欲に応じた柔軟な育成・指導方針を採用することが必要です。
さらに、職場の人間関係が、新入社員にとって仕事を続けていく上での重要なポイントになっています。
調査の中では、仕事をしていく上で新入社員が一番不安な事柄は「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」 であり、転職を考えるシチュエーションの第1位は「職場の人間関係が悪いとき」となっている通り、「職場の人間関係」が新入社員の定着率に大きく関わっています。
新入社員のうち、自身のキャリアについて 10 年後まで考えている人は3割程度であり、魅力的なキャリアパスを提案し、サポートしていくことが重要です。
彼らの業務、チャレンジの機会、人間関係等を考慮し、成長の機会を提供することで、長期的なキャリア形成を支援していくことが貴社の発展に繋っていくでしょう。
◆詳細プレスリリースは下記からダウンロード可能です。
https://prtimes.jp/a/?f=d16501-136-19e2ffc1d9deb4bf72e48913a068ffc7.pdf
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