【ICT活用は2022年から進展した?】約9割の保育園が、ICTデータを「運営改善や保育の質向上」に活用、2022年より14.9ポイント上昇
〜ICT活用における課題も明らかに〜
株式会社明日香(本社:東京都文京区、代表取締役:萩野 吉俗、https://www.g-asuka.co.jp/index.htm)が運営する子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ(https://konnect-labo.jp/)」は、保育園でICT関連業務に関わる人104名を対象に、【2025年版】「保育園におけるICT活用」に関する定点調査を実施しましたので、お知らせいたします。
なお、本調査では、2022年版の同内容調査(※1)と比較して発表いたします。
■調査サマリー
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01|8割強の保育園が、ICTデータの分析・振り返りを実施、2022年から9.3ポイント上昇
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02|運営改善や保育の質向上へのデータの活用率が88.5%まで拡大、2022年から14.9ポイント大幅増
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03|約7割の保育園が、今後も「子どもの生活リズム」のデータが欲しいと回答、2022年より16.3ポイント高い結果に
▼本調査のレポートダウンロードはこちら:https://bit.ly/4aqN9jc
■調査概要
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調査名称:【2025年版】「保育園におけるICT活用」に関する定点調査
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調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
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調査期間:2025年1月6日〜同年1月7日
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有効回答:保育園でICT関連業務に関わる人104名
※1|【2022年版】「保育園におけるICT活用」に関する実態調査:2022年1月19日〜同年1月21日|https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000064.000043389.html
※2|構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「子ねくとラボ」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
■約6割の保育園が、「園児台帳の作成・管理」のICTを導入、2022年比5.6ポイント増
「Q1.あなたが運営・勤める保育園では、どのようなICTを導入していますか。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「園児台帳の作成・管理」が57.7%、「保護者との連絡」が52.9%、「職員のシフト作成機能」が50.0%という回答となりました。
<2025年(n=104)>
・園児台帳の作成・管理:57.7%
・保護者との連絡:52.9%
・職員のシフト作成機能:50.0%
・登降園管理:49.0%
・保育日誌・指導案作成機能:41.3%
・保育料計算機能:29.8%
・プログラミング教材:13.5%
・翻訳機:9.6%
・その他:0.0%
<2022年(n=94)>
・登降園管理:58.5%
・職員のシフト作成機能:55.3%
・園児台帳の作成・管理:52.1%
・保育日誌・指導案作成機能:45.7%
・保護者との連絡:42.6%
・保育料計算機能:41.5%
・プログラミング教材:20.2%
・導入していない:7.4%
・翻訳機:5.3%
・その他:2.1%
■ICTを活用したデータ収集、「子どもの食物アレルギー」が55.8%で最多、「子どもの健康状態(体温や呼吸、心拍数など)」は2022年に比べ18.6ポイントダウン
「Q2.あなたが運営・勤める保育園では、どのような種類のデータを収集していますか。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「子どもの食物アレルギー」が55.8%、「子どもの興味・関心」が52.9%、「子どもの健康状態(体温や呼吸、心拍数など)」が48.1%という回答となりました。
<2025年(n=104)>
・子どもの食物アレルギー:55.8%
・子どもの興味・関心:52.9%
・子どもの健康状態(体温や呼吸、心拍数など):48.1%
・子どもの生活リズム:45.2%
・子どもの食事について:41.3%
・子ども同士の親密度:12.5%
・その他:0.0%
<2022年(n=87)>
・子どもの健康状態(体温や呼吸、心拍数など):66.7%
・子どもの食物アレルギー:63.2%
・子どもの興味・関心:54.0%
・子どもの生活リズム:48.3%
・子どもの食事について:48.3%
・子ども同士の親密度:19.5%
・その他:2.3%
■「行事のアンケート」や「登園スケジュール」などのデータ収集も
「Q3.Q2で回答した以外に、収集しているデータがあれば教えてください。(自由回答)」(n=104)と質問したところ、「行事のアンケート」や「登園スケジュール」など52の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
<2025年(n=104)>
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SNS。
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保護者の職種。
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行事のアンケート。
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登園チェック。
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子供の食べ物の好き嫌いとおやつの管理。
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登園スケジュール。
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子供の深層心理に関して。
<2022年(n=87)>
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送迎バスの利用の有無。
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検温記録表、行動記録表。
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コロナ対策。
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保護者との関係。
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兄弟関係、小学校通学区域。
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家族事項、食べ物の嗜好、病歴。
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家庭環境のチェック。
■8割以上の保育園で、「収集したデータの分析や振り返り」を実施、2022年より9.3ポイント上昇
「Q4.あなたが運営・勤める保育園では、収集したデータの分析やデータに基づいた振り返りができていると思いますか。」(n=104)と質問したところ、「非常にできている」が39.5%、「ややできている」が42.3%という回答となりました。
<2025年(n=104)>
・非常にできている:39.5%
・ややできている:42.3%
・あまりできていない:14.4%
・全くできていない:3.8%
<2022年(n=87)>
・非常にできている:18.5%
・ややできている:54.0%
・あまりできていない:24.1%
・全くできていない:3.4%
■収集したデータで、「データを活用しながら園児の情報を管理している」や「割り振りして・会議で話し合い」などを実施
Q4で「非常にできている」「ややできている」と回答した方に、「Q5.具体的にどのようなことを行っているか、教えてください。(自由回答)」(n=85)と質問したところ、「データを活用しながら園児の情報を管理している」や「割り振りして・会議で話し合い」など38の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
<2025年(n=85)>
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データを活用しながら園児の情報を管理している。
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一人一人に対応する努力をしている。
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タブレットで共有、分析。
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複数人で確認を重ねている。
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子供の体調管理や、おやつをあげる際にアレルギーや好き嫌いに気をつけたりしながら提供できている。
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割り振りして・会議で話し合い。
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週に1度集まり意見交換もしています。
<2022年(n=63)>
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情報に基づくミーティング。
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面接や職員との面談で検証している。
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日々の子供の変化に対応。
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保育士の数を増やし、子供の感情を緻密に連絡し合っている。
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毎日集めた情報で園児の健康観察に役立てている。
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家庭への対応方法など、個別にだんどりできている。
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職員間で情報を簡単に共有、活用している。
■88.5%の保育園が、ICTデータを「運営改善や保育の質向上」に活用、2022年に比べ14.9ポイント大幅アップ
「Q6.あなたが運営・勤める保育園では、収集したデータを保育園の運営改善や保育の質向上に十分に活用できていると思いますか。」(n=104)と質問したところ、「非常にそう思う」が34.7%、「ややそう思う」が53.8%という回答となりました。
<2025年(n=104)>
・非常にそう思う:34.7%
・ややそう思う:53.8%
・あまりそう思わない:9.6%
・全くそう思わない:1.9%
<2022年(n=87)>
・非常にそう思う:19.5%
・ややそう思う:54.1%
・あまりそう思わない:21.8%
・全くそう思わない:4.6%
■ICTで収集したデータの活用方法、「子ども一人ひとりに合った保育環境作り」や「保育士の職場環境の改善」が変わらず上位
Q6で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q7.現在、収集したデータをどのように活用していますか。(複数回答)」(n=92)と質問したところ、「子ども一人ひとりに合った保育環境作り」が62.0%、「保育士の職場環境の改善」が50.0%、「保育士の人材不足対応」が41.3%という回答となりました。
<2025年(n=92)>
・子ども一人ひとりに合った保育環境作り:62.0%
・保育士の職場環境の改善:50.0%
・保育士の人材不足対応:41.3%
・保護者への支援向上:30.4%
・園児の集客:13.0%
・その他:0.0%
<2022年(n=64)>
・保育士の職場環境の改善:65.6%
・子ども一人ひとりに合った保育環境作り:57.8%
・保育士の人材不足対応:50.0%
・保護者への支援向上:42.2%
・園児の集客:12.5%
・その他:1.6%
■「保育日誌の管理を効率よくできることにより、従業員の負担を軽減している」などの声も
Q6で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q8.Q7で回答した以外に、活用していることがあれば教えてください。(自由回答)」(n=92)と質問したところ、「保育日誌の管理を効率よくできることにより、従業員の負担を軽減している」など40の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
<2025年(n=92)>
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DX。
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保育日誌の管理を効率よくできることにより、従業員の負担を軽減している。
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集まってのヒアリングの効果の高さを実感しています。
<2022年(n=64)>
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園児と保育士のコミュニケーション。
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子どもの健康把握。
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賃金やモチベーション管理。
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保護者との密な関係を築く。
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ITで仕事が業務削減できれば良い。
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子どもの生活記録をデータ化する事で書類の簡素化。
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いじめ対策。
■約7割の保育園が、今後も「子どもの生活リズム」のデータが欲しいと回答、2022年より16.3ポイント高い結果に
「Q9.今後もデータを収集するにあたり、どのようなデータが欲しいですか。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「子どもの生活リズム」が66.3%、「子どもの食物アレルギー」が52.9%、「子どもの健康状態(体温や呼吸、心拍数など)」が47.1%という回答となりました。
<2025年(n=104)>
・子どもの生活リズム:66.3%
・子どもの食物アレルギー:52.9%
・子どもの健康状態(体温や呼吸、心拍数など):47.1%
・子どもの興味・関心:38.5%
・子どもの食事について:29.8%
・その他:0.0%
・特になし:1.9%
<2022年(n=94)>
・子どもの健康状態(体温や呼吸、心拍数など):57.4%
・子どもの食物アレルギー:51.1%
・子どもの生活リズム:50.0%
・子どもの興味・関心:48.8%
・子どもの食事について:29.8%
・その他:0.0%
・特になし:12.8%
■98%の保育園が、「保育に関するデータ活用を導入するべき」と実感
「Q10.保育に関するデータ活用に関して、あなたの考えに最も当てはまるものを教えてください。」(n=104)と質問したところ、「絶対に導入するべき」が45.1%、「導入するべき」が52.9%という回答となりました。
<2025年(n=104)>
・絶対に導入するべき:45.1%
・導入するべき:52.9%
・導入しない方が良い:1.0%
・絶対に導入しない方が良い:1.0%
<2022年(n=94)>
・絶対に導入するべき:30.9%
・導入するべき:61.7%
・導入しない方が良い:5.3%
・絶対に導入しない方が良い:2.1%
■ICTの導入や活用における課題、職員の理解・協力が得られない」や「導入・運用コストが高い」など
「Q11.ICTの導入や活用において、現在課題に感じていることがあれば教えてください。(複数回答)」(n=104)と質問したところ、「職員の理解・協力が得られない」が50.0%、「導入・運用コストが高い」が44.2%、「操作が複雑で使いこなせない」が43.3%という回答となりました。
・職員の理解・協力が得られない:50.0%
・導入・運用コストが高い:44.2%
・操作が複雑で使いこなせない:43.3%
・セキュリティ面の不安:41.3%
・導入効果が不明確:23.1%
・保護者の理解が得られない:14.4%
・その他:0.0%
・特に課題は感じていない:1.0%
■まとめ
今回は、保育園でICT関連業務に関わる人104名を対象に、【2025年版】「保育園におけるICT活用」に関する定点調査を実施しました。
まず、保育園で導入されているICTの状況について「園児台帳の作成・管理」が57.7%と最多で、2022年と比較して5.6ポイント増加しました。次に、収集データの種類では、「子どもの食物アレルギー」が55.8%で最も多く、「子どもの健康状態」は48.1%と2022年より18.6ポイント減少しています。一方、収集したデータで分析や振り返りを行う園は81.7%と、2022年比で9.2ポイント上昇しました。さらに、収集したデータを「運営改善や保育の質向上」を目的に活用する保育園が88.4%に達し、14.8ポイント増加しています。最後に、ICT活用に関する課題として、「職員の理解・協力が得られない」が50.0%、「導入・運用コストが高い」が44.2%と上位に挙がりました。
今回の調査では、ICT導入が保育園で進展している一方、職員の理解不足やコスト面での課題が明らかになりました。保育の質向上と業務効率化を図るには、現場での課題解決が不可欠です。調査結果を踏まえ、保育業界全体のデジタルトランスフォーメーションを推進する取り組みが求められています。
■調査結果から読み解く|「子ねくとラボ」所長 末廣剛の見解コメント
ICTや生成AIなどの技術は急速に進展している昨今ですが、重要なのはそれをいかに利用して生活を豊かにするかです。これは文部科学省によるGIGAスクール構想でも強調されている通り、あくまで手段であり目的ではありません。これまでの保育分野におけるICTシステムは主に業務効率化が主な狙いであり、保育者の業務負荷を軽減することで人材確保に繋げることが大きなテーマとなっていました。
これによってコンタクトタイム・ノンコンタクトタイムの双方が確保できるため、間接的ではありますが保育の質も向上してきたわけです。これは保育分野においてとても良い流れではありますが、保育者の技術力や保育の質を直接的に向上させるような技術活用も今後期待したいところです。例えば動画等を使ったAIによる感情分析や行動分析ツールといったものがあれば、手段として活用する限り、保育者の考察力向上に大いに役立つと考えられます。そのように保育者自身が主体的にAIやICTを活用し、テクノロジーと”人の手”が融合できるような環境が、従来の保育現場に新たな世界観を生み、社会の変化にマッチした保育・幼児教育を実践できるのかもしれません。
私共、子ねくとラボにおいても、保育分野外の企業様のサービスや技術が、保育現場や子育てを豊かにできる可能性を探る実証実験などを行っております。「こどもまんなか社会」の実現に向け、様々な垣根を越えた共創が今後さらに求められるのではないでしょうか。
▼本調査のレポートダウンロードはこちら:https://bit.ly/4aqN9jc
■「子ねくとラボ」について
「子ねくとラボ」は、「子ども+Nursery(保育)+Education(教育)・Entertainment(エンターテインメント)+Creation(創造)+Trend(トレンド)」の要素から構成された、子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクトです。子育てや保育に関する「調査レポート」や「ニュース/記事」、また「子ねくとラボ」が提供しているサービスについて発信しております。
事業名 :子ねくとラボ
事業責任者 :末廣 剛
サービス内容:・選ばれる園づくりコンサルティングサービス
・保育施設向け研修&巡回サービス
・保育専門実証実験 コーディネートサービス
・スタートアップ支援サービス
■会社概要
会社名 :株式会社 明日香
設立 :1994年8月30日
代表取締役:萩野 吉俗
所在地 :東京都文京区小石川5丁目2番2号 明日香ビル3F
事業内容 :■保育室の設置・運営(院内保育室、企業内保育室、認可保育所)
■自治体と連携した子育て支援事業
(児童館、放課後児童クラブ、子育て支援拠点、こども広場等の運営)
■保育に関わる人材の派遣・紹介
(保育士・幼稚園教諭・看護師・栄養士など)
■居宅訪問型子育て支援
(ベビー・キッズシッターサービス、家事代行サービス、自治体の委託業務)
■臨時保育室の設置・運営(イベント時保育サービス)
■保育に関わる人材の教育(研修会、講演会、各種セミナーの開催)
■新規保育事業の開発及びコンサルティング
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