社会福祉法人 ウエル清光会がClipLineを全拠点に導入 法定研修をオンライン化し、均質化と負荷削減を実現
地域社会で認知症患者を見守り、共生できる福祉を目指して 認知症学習教材「3分クリップス」を作成、一部無償公開
ウエル清光会では、対面で実施していた法定研修を一部オンライン化することにより、研修内容の均質化と現場の負荷削減を実現しました。また、増え続ける認知症患者対応のため、両社協業により認知症患者を理解し支援するための動画教材「3分クリップス」を作成し、ClipLine導入企業へ無償提供します。
- 認知症対応についての概要
高齢化が急速に進む現代において、認知症の患者数も増加しています。調査報告書「日本における認知症高齢者の将来予測」によると、2020年時点で65歳以上の認知症患者数は約602万人であり、2025年には約675万人に達し、5.4人に1人程度が認知症になると予測されています。
ウエル清光会では介護福祉施設の運営に加え、教育機関の「ウエルアカデミー」を設立し、認知症患者の自立した生活の実現を目指し、知識や心がまえに関する教材「3分クリップス」の作成に取り組んでいます。「3分クリップス」は、3分以内の短い動画で構成され、隙間時間に気軽に学習することができます。
また、弘前大学医学部 心理支援科学科 准教授 大庭 輝 氏が監修を務めており、専門家による知識や学術的理論の裏付けがなされた教材となっています。
内閣府「65歳以上の認知症患者数と有病率の将来設計」
- 認知症学習動画教材 「3分クリップス」
1.コンテンツ例
記憶の分類 (8コンテンツ) |
短期記憶障害、エピソード記憶障害、視空間認識障害など、認知症の基礎知識を学ぶ |
認知機能障害と具体例 (7コンテンツ) |
見当識障害、実行機能障害など、実際の症状の事例を学ぶ |
・短期記憶障害
短い間(数十秒~1分)に起きた新しい情報を記憶する脳機能が低下してしまう障害
ポイント:短期記憶障害は概念として広く知られているが、図と動画を組み合わせることにより、視聴者がより「腹落ち」しやすい学習教材をつくることができる。 |
・視空間認知障害
物体の距離感などが分からなくなり、視覚からの情報を処理し空間を認識することができなくなる障害
ポイント:正常な認知をもつ人には高次の認知障害は理解しづらいが、動画で視覚的に学ぶことにより、当事者の理解を深めることができる。 |
実際の動画をこちらからご覧いただけます。
https://youtu.be/uhWh1K1JOdU
2.今後追加予定の認知症コンテンツ
現時点では、認知症の基本症状に関する動画を一部公開しております。今後は、日常生活における認知症患者の姿を再現した動画を作成、公開について検討してまいります。
認知症患者が地域社会でより自分らしく生活していくためには、何よりも周囲の理解が必要です。例えば、レジでの支払い時にありがちな動作など、日常生活の具体的なシーン動画を作成していくことで、地域社会の理解を促進できるよう努めます。
- ウエル清光会 各拠点での活用
1.介護技術のバラツキを解消し、利用者と介助者を笑顔にする「ボディメカニクス」を実施
ウエル清光会では認知症対応のほかに、もうひとつ課題がありました。それは、中途入職者の多くが「我流」で習得した介護技術で介助を行っており、技量のバラツキがみられたことです。
介護技術の正解はひとつではありませんが、明らかに誤った動作を続けていると、利用者に負担がかかるだけでなく、介助者も腰痛などの症状を患います。ウエルアカデミーでは、中途社員への定期的な研修を実施していますが、その中に介護技術指導コンテンツである「ボディメカニクス」を組み込み、利用者と介護者双方の負担を和らげる取り組みを行っています。ボディメカニクスは、動作時における骨、筋肉、関節の力学的関係に基づいて考案された介護技術です。いつも身体を起こすときに顔をしかめるようなそぶりを見せる利用者の表情が和らいだり、それによって使用者と介助者の関係性がより近くなったりという事例があります。
・コンテンツ例
重心移動に関する知識、押す/引くの力点、身体を中心に引き寄せ摩擦を減らす、てこの原理の理解、など
「てこの原理の理解」
実際の動画をこちらからご覧いただけます。
https://youtu.be/uhWh1K1JOdU?t=338
2.法定研修の統一、研修時間削減
従来、拠点ごとに対面型で行っていた法定研修をオンラインに置き換えました。これにより、研修内容が均一になり、拠点ごとに作成していた教材を全拠点で利用できるようになったため職員の負担が削減されました。研修後はWebアンケートと対面で理解度の確認を行っています。
- ウエル清光会 法人本部 人材育成担当 ご担当者様のコメント
ウエルアカデミー統括責任者 高橋 秀政 氏
最近は認知症の利用者さんがとても増えており、私たち受け入れ側の知識や体制を強化する必要性を感じていました。いま11拠点ありますが、認知症だけでなく基本的な介護技術についても、職員ごとの差がかなりあることが気になっており、ClipLine導入を機に、動画で学習できる環境をつくろうと思いました。
「3分クリップス」は現場での経験をもとに私が草案を作成し、認知症を専門に研究している弘前大学の大庭先生にアドバイスを受けて作成しました。ですので、「3分クリップス」はどんな方にでも参考にしてもらえるような教材になったと自負しています。
基本の介護技術も同様に再構築したいと考えました。我流介護は、利用者さんと介助者の双方に負担がかかります。ボディメカニクスを体得すればお互いが楽になります。
認知症のコンテンツは、基本症状の部分が出来上がったところで、進捗率は10%程度です。認知症の人たちが特別扱いされるのではなく、暖かな見守りの中で普通に暮らせる環境を目指し、地域社会に理解をしてもらえるための動画をこれからも作っていきたいと思っています。
介護福祉士 久田 めぐみ氏
私自身がかつてそうだったように、介護業界では、「先輩に言われたとおりに介助を行っている」という方も多いのではないかと思います。ですが、自分の中でなぜそうなのかを理解し、根拠を学んで実施していくことにより、ご利用者の負担を軽くしたり、自分自身のスキルアップにもつながることを実感しています。ボディメカニクスを身に着けていただくと同時に、前職での経験も活かしながら活躍していただきたいと願っています。
社会福祉士 キャリアコンサルタント 小俣 ひふみ氏
法人としての基準を作るという観点から、介護の基本についての教科書づくりや法定研修をオンライン化する仕組みづくりなどに取り組んできました。法定研修については、各現場の職員が資料作りや集合研修の作業が省略されたことにより、負担感がかなり軽減されました。今後は虐待や事故防止に関する注意喚起や好事例について、法人全体で共有する仕組みなども検討していきます。
福祉の行きつく先のひとつが「幸せな普通の暮らし」を支えることだと思います。「幸せ」や「普通」は、とても広い概念ではありますが、知識や情報を上手に取り入れることで、自分の幅が広がり、多様な生活を支える手助けになると考えています。
インタビュー動画をこちらからご覧いただけます。
https://youtu.be/wJOYeodNisE
- 弘前大学医学部 心理支援科学科 准教授 大庭 輝 氏のコメント
より良い認知症のケアを行うためには、認知症により引き起こされる脳機能(認知機能)の障害について理解することが欠かせません。しかし、脳は複雑な構造や機能により構成されているため、いざ勉強を始めても難解で挫折してしまうことも少なくありません。この教材は動画を観ながら認知機能について学ぶことができます。日頃のケアの中で、不思議に思える認知症の人の言動はないでしょうか?本教材を用いて学ぶことで、「なぜ?」、「どうしたらいいの?」と疑問に感じていた認知症の人の理解がきっと深まることでしょう。
- ClipLineについて
ClipLineは多店舗・多拠点展開企業における経営課題の可視化から解決策の実行までを、一気通貫してサポートする、利益向上のためのプラットフォームです。提供するサービスや商品の品質維持・向上と人件費や原価などの運営変動費を適切に設定し、長期利益創出に必要な体制をインストールします。
約15,000店舗、41万人に活用されています。
サービス紹介動画: https://www.youtube.com/watch?v=pigLh4SRQrE
- ClipLine株式会社について
代表者 :代表取締役社長 高橋 勇人
設立 :2013年7月11日
所在地 :〒101-0035 東京都千代田区神田紺屋町 15 グランファースト神田紺屋町 5F
資本金 :7億4,063万円(資本準備金含む。2022年3月31日現在)
企業URL :https://corp.clipline.com/
サービスサイト:https://service.clipline.com/
事業内容 :「ClipLine(クリップライン)」「ClipLineサーベイ」の開発・運営、及び経営コンサルティング
- 本件に関するお問い合わせ
ClipLine株式会社 担当:井上
TEL:03-6809-3305 Email: pr@clipline.jp
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