スキンケア製品の心地よい感触が“五感で感じる魅力印象”を高める
感受性を高める感覚変容ツールとなる化粧品の開発へ
ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:片桐崇行)は、化粧品を自分の肌に塗った際(セルフタッチ)の脳反応を測定する研究を行い、スキンケア製品の新たな可能性を見出しました。
自分の肌に塗って心地よいと感じる(弾性が高い)スキンケア製品は、魅力に関わる脳部位の前部前頭前皮質(aPFC: anterior prefrontal cortex)を活性化し、顔や風景を見たときの魅力印象を高める。
化粧品において、弾性は使い心地に関連する物性の一つで「肌上に塗った際に感じるハリや弾力感」に関連します。本研究により、触覚を通じて感じる化粧品の使い心地が脳の特定部位を活性化し、触覚以外の感覚で感じる印象にも影響し得ることが明らかになりました。これは、五感で感じる全ての日常体験をより魅力的に感じさせるという、「化粧品の新たな可能性」にもつながる知見です。
化粧品は脳を介して、魅力認知に働きかける
我々は過去の研究から、aPFCが「魅力認知の要」であり、この部位が活性化すると視覚や触覚などいろいろな感覚(五感)で魅力を感じやすくなる可能性を示しています(※1)。この知見から、普段の生活で使用するものでaPFCを活性化できれば、日常生活がより豊かになるのではと考えました。
そこで、着目したものが毎日の肌の手入れに欠かせないスキンケア製品です。aPFCは心地よいと感じた時に活性化することが知られています。また、自分の肌に塗って心地よいと感じるスキンケア製品は弾性が高いことがわかっています(※2)。そこで、弾性が高いスキンケア製品を自分の肌に塗った際の脳反応について検証(補足資料1)したところ、aPFCを活性化する効果があることが分かりました(図1)。
※1 「化粧品の感覚変容ツールとしての可能性を発見」(2024年10月10日) https://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20241010_3.pdf
※2 「心地良さに重要な物性は触り方に応じて異なることを発見」(2024年10月7日) https://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20241007.pdf

化粧品で実際に視覚から感じる魅力印象が高まる
では、触覚でaPFCが活性化すると他の感覚での魅力の印象も実際に変化するのでしょうか。そこで、弾性の高いスキンケア製品を自分の肌に塗り、aPFCが活性化した時に、視覚から感じる魅力印象が高まるのか検証しました(補足資料2)。2種類(弾性が高い/低い)のスキンケア製品を肌に塗布した後に、ディスプレイ上に映る画像に対して評価していただいた結果、顔画像と風景画像に対する魅力印象が高まることを見出しました(図2)。

化粧品は一人ひとりのWell-beingを高める“感覚変容ツール”になり得る
今回の結果は、スキンケア製品の感触や使い心地といった触覚の感覚体験により、他の感覚で感じる魅力印象を高められる可能性を示しています。弾性の高さをコントロールしたスキンケア製品を使っていただくことで、aPFCを活性化し「五感で感じる全ての日常体験をより魅力的に彩ることができる」と考えています。なお、本研究の一部は、2024年10月14日~17日に開催された第34回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)世界大会で発表されました。
【補足資料1】スキンケア製品のaPFCの活性化効果の検証
スキンケア製品の物性(弾性)が魅力認知に与える影響を明らかにするために、磁気共鳴機能画像法(functional magnetic resonance imaging, fMRI)を用いた検証を行いました。
2種類(弾性が高い/低い)のスキンケア製品をセルフタッチしている最中の脳反応の差から、aPFCを含む脳部位の活性化を解析しました。

【補足資料2】 スキンケア製品の視覚で感じる魅力印象の向上効果の検証
スキンケア製品を自身の肌に塗った際の視覚の魅力印象への影響を検証しました。
検証には2種類(弾性が高い/低い)のスキンケア製品を用い、被験者に自身でスキンケア製品を塗っていただいた後に、ディスプレイ上に表示された顔画像または風景画像を見て魅力印象を評価していただきました。弾性の異なるスキンケア製品を塗った時に、魅力印象に差が出るかを解析し、弾性が魅力認知に影響するかを確認しました。

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