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独立行政法人国立高等専門学校機構
会社概要

大分高専生が次世代パワー半導体デバイスの開発に挑戦!

〜大分高専生と地元企業による電界特性解析を利用した半導体開発〜

独立行政法人国立高等専門学校機構

大分工業高等専門学校(大分県大分市、校長・山口利幸、以下「大分高専」)電気電子工学科 石川誠司 助教と、大分デバイステクノロジー株式会社(大分県大分市、代表取締役 安部征吾、以下「ODT」)は、「次世代パワー半導体デバイスの開発」に挑戦しました。この共同研究では高専の特色を活かして、在学中の5年生が主体となって研究開発に取組みました。

所属研究室内で形状を作成する高専学生所属研究室内で形状を作成する高専学生

学生がパソコン上で作成したデバイス学生がパソコン上で作成したデバイス

共同研究先にて高専学生がODT役員へ成果発表会を行っている様子共同研究先にて高専学生がODT役員へ成果発表会を行っている様子


特徴
 電気自動車を始めとする様々な電気機器の制御に使用されている半導体は、私たちの豊かな生活を支えています。次世代の電気機器開発において重要な素子である半導体には多くの課題があり、半導体の損失や、半導体をパッケージする構成部品の耐圧不足や、高温における動作の誤作動などがあります。現在、解析技術の発展により、コンピュータシミュレーションを駆使することで、従来の半導体を発展させた「次世代パワー半導体」が注目され、現在様々な研究開発が進んでいます。

 本研究は次世代パワー半導体の製造技術構築を目的として、特異形状の半導体接合構造の電界特性解析を行い、実装可能な技術知見を追求するとともに、不定形構造の電界評価に関する理論展開を検討したものです。この研究開発が進むことで、複雑な形状における半導体の性能評価や、構成する部品の材料を変更したときの性能評価をすることが可能となり、短期間における次世代パワー半導体の開発が期待されています。

 研究の実施にあたっては、学生が主体となって、企業技術者と議論を行うことで、高専から即戦力となる技術者を育成することを目的としています。

電界解析結果を共有しながらのオンライン研究打合せの様子電界解析結果を共有しながらのオンライン研究打合せの様子

パワーデバイスに適したリード線形状の選定パワーデバイスに適したリード線形状の選定

 リード線とは、機器を構成している一部の導線で、導線に電流を流すことによって機器を動作させます。導線の種類は、長さ、太さ、形状に違いがあり、機器に最適な導線を選定する必要があります。リード線の条件を変更しながら電界解析を行うと、リード線に流れる電流の変化や、機器の中で発生する電界の違いを色の変化で確認することができます。

研究の背景・内容
 SiC(Silicon Carbide)等のワイドギャップ半導体は、従来の半導体と比較して、低損失、高耐圧、高速スイッチング動作および高温動作が可能という特徴があることから次世代パワーデバイスとして期待されています。しかし、全ての特徴を達成するには、使用されている素子の形状や材料を選定し、コンピュータシミュレーションによって電界解析を繰り返し行うことで、性能評価を行い、従来と比較検討をする必要があります。

 研究に従事した学生は、様々なパターンの電界解析を行い、素子が変わると電界にどのような影響を与えるのかを観察し、研究結果を積み重ねてきました。様々なデータが揃ってくると、形状による影響がどこに出てくるかを予想できるようになるため、更に工夫を凝らし、素子の形状や材料をより良いものへ改善していきます。

 図のリード線は、学生が研究を積み重ねたどり着いた形状です。全体的に丸みを帯びていますが、接地面である両端部分の断面は丸型ではなく、特異な形状になっています。この工夫により機器内部の電界をコントロールし、求められる性能を満足できるようになっています。

リード線形状における電界特性解析例リード線形状における電界特性解析例

今後の展望
 本共同研究は、大分県の半導体産業の活力創造を目的とした、大分県LSIクラスター形成推進会議の取組の一部であり、「大学・高専との連携推進補助事業」を利用することで、企業が抱える技術課題を共同研究のテーマとして公募し、実現したものです。さらに,本研究は高専機構が推進するGEAR5.0事業(未来技術の社会実装教育の高度化)の一環としても取り組んでいるものです。

 大分高専とODTとの共同研究は始まったばかりで、2021年度の研究結果から、リード線形状における機器の内部に現れる電界特性を表現することができましたが、実用に至るには磁気特性の解明も必要であり、2022年度は機器内の電界特性と磁気特性の関係性を解明するべく、引き続き共同研究を行います。特に、今後は詳細な電界特性解析や磁気特性解析、実測を交えた研究を行い、より社会実装を見据えた研究を行うことを予定しています。

 また、日本政府による半導体に関する生産等への支援や、九州・沖縄地区の9高専を中心とする「半導体人材育成事業」の取り組みが始まることから、今後は産官学が連携し、本研究が更なる大きな事業へ展開することが期待されます。

左:ODT 開発部部長 杉木様  中:大分高専5年生 繁松君  右:大分高専電気電子工学科 石川助教左:ODT 開発部部長 杉木様  中:大分高専5年生 繁松君  右:大分高専電気電子工学科 石川助教

【URL】 https://ee.oita-ct.ac.jp/staff/ishikawa (大分高専担当教員 石川誠司)
     https://www.odt.co.jp/corp/education/ (大分デバイステクノロジー株式会社)
     https://www.oita-lsi.jp/ (大分県LSIクラスター形成推進会議)
     https://www.oita-ct.ac.jp/gear5/jigyogaiyo/ (大分高専 GEAR 5.0 未来技術の社会実装教育の高度化)

 【大分デバイステクノロジー株式会社概要】
会社名:大分デバイステクノロジー株式会社
所在地:大分県大分市野津原1660
代表者:代表取締役 安部 征吾
設立:1970年7月
URL:https://www.odt.co.jp/
事業内容:半導体アセンブリ事業、半導体試作・開発サポート事業、半導体前工程製造事業

大分工業高等専門学校について
機械工学科、電気電子工学科、情報工学科、都市・環境工学科の4つの学科及び機械・環境システム工学専攻、電気電子情報工学専攻の2専攻からなる専攻科を有しており、「人間性に溢れ国際感覚を備え、探求心、創造性、表現能力を有する技術者の養成」を教育目的としています。

【学校概要】
学校名: 独立行政法人国立高等専門学校機構 大分工業高等専門学校(大分高専)
所在地: 大分県大分市大字牧1666番地
代表者: 校長 山口 利幸
設立: 1963年4月
URL: https://www.oita-ct.ac.jp/
事業内容: 高等教育機関(高専)

【お問い合わせ先】
大分工業高等専門学校 総務課総務係
TEL:097-552-6075(受付時間:平日9:00~17:00)
e-mail: somu@oita-ct.ac.jp
 

~2022年度、高等専門学校制度は創設60周年を迎えます~
https://www.kosen-k.go.jp/Portals/0/60th/

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業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都八王子市東浅川町 701-2
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代表者名
谷口 功
上場
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資本金
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設立
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