ヘルメット治療の前に、頭蓋縫合早期癒合症を見逃さないために 第35回日本外来小児科学会での「赤ちゃんの頭のかたち」ランチョンセミナーに125名が参加

― 乳児健診から専門施設への紹介判断を共有、アンケート満足度94.5%。「適正な頭蓋健診」から医師が必要と判断した乳児を「適正なヘルメット治療」へ ―

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー

┃本リリースのポイント

  • 第35回日本外来小児科学会年次集会のランチョンセミナーに、小児科医・看護師・助産師等125名が参加。アンケート回答94名、全体満足度94.5%

  • 乳児健診、専門施設での診察、形成外科・研究の三つの視点から、位置的頭蓋変形と頭蓋縫合早期癒合症等の病的頭蓋変形を見分け、必要な医療へつなぐ診療導線を共有

  • アンケートでは「どのラインで紹介すればよいか」「小児脳外がない地域はどうすべきか」との声。ヘルメット治療関与者15名の画像診断・紹介運用にもばらつきがみられた

  • 当社は、日本ヘルメット治療評価認定機構の認定を製品導入の条件とし、提携医療機関ではヘルメット治療の適応を検討する初診乳児に原則として全例で画像検査を含む頭蓋健診を実施

  • 研修・実地見学・画像診断・専門医療連携が実際に機能した事例として、三重中央医療センターが低線量頭部CTで頭蓋縫合早期癒合症を早期発見した診療体制も紹介


 株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー(東京都中央区、代表取締役CEO 大野秀晃、以下当社)は、2026年8月23日(日)、第35回日本外来小児科学会年次集会(札幌コンベンションセンター)において、ランチョンセミナー「その『頭のかたち』、どう診てどう繋ぐ? 乳児健診から専門施設への連携が示す未来」を共催しました。

 会場には、小児科医を中心に、看護師、助産師、薬剤師、病院事務等125名が参加しました。参加者アンケートは94名から回答を得て、回答率は75%、セミナー全体の「大変満足」「やや満足」の合計は94.5%となりました。

 本セミナーで共有したのは、すべての頭のゆがみにヘルメット治療が必要なわけではなく、

  • まず頭蓋縫合早期癒合症等の病的頭蓋変形を見逃さないこと

  • 乳児健診や外来小児科で「まず疑う」こと

  • そして適切なタイミングで専門施設へつなぐこと

の重要性です。

 当社は「頭のかたち外来」において重要なのは、ヘルメット治療を前提にすることではなく、適正な頭蓋健診によって必要な乳児を必要な医療へつなぐことだと考えています。病的頭蓋変形の有無を医学的に評価し、位置的頭蓋変形と判断された場合も月齢、重症度、自然経過、発達等を踏まえ、必要な乳児にのみ適正なヘルメット治療を提供することが基本です。

ランチョンセミナー終了後の座長・演者

┃アンケートが示した、紹介判断と地域格差の課題

 アンケートの自由記述では

「最後のご講演でこれまでの頭の健診の目が覚めました」

「冠状縫合とラムダ縫合にクリニックでは注意することが分かった」

といった声が寄せられました。一方、実際の紹介判断については、

「どのラインで紹介すればよいか」

「早期癒合症を実際みたことがないので診断疑い方が不安」

「小児脳神経外科がない地域はどうすべきか。遠方で現実的には難しい」

といった、現場で共有すべき論点も示されました。

 ヘルメット治療に「自施設で関与している」または「紹介先で実施している」と回答し、画像診断に関する設問へ回答した15名のうち、全例でX線による鑑別診断を行うとしたのは3名、全例を画像診断可能な医療機関へ紹介するとしたのは1名でした。必要と判断した乳児にのみ検査または紹介を行うとの回答が6名、行っていない1名、分からない4名で、運用にはばらつきがみられました。

 本アンケートは、セミナー参加者による任意回答であり、回答数も限られるため、全国の診療実態を代表するものではありません。しかし、病的頭蓋変形を疑う基準、専門施設へつなぐ判断、地域による専門医療へのアクセス差が、外来小児科の現場における具体的な課題であることを示す一つの結果です。

┃乳児健診から専門医療まで、それぞれが担う役割

地域の乳児健診・外来小児科

頭のかたち専門施設

高次・専門医療機関

頭のかたちへの気づき、視診・触診、保護者への説明、向きぐせ予防や生活支援、病的頭蓋変形が疑われる乳児の専門施設への紹介

問診・診察・頭蓋形状評価と画像診断を組み合わせ、位置的頭蓋変形と病的頭蓋変形を鑑別。経過観察、生活支援、理学療法、ヘルメット治療等から適応を判断

頭蓋縫合早期癒合症等の確定診断、外科治療、術後管理。地域の小児科・専門外来と連携し、乳児と家族の通院負担にも配慮した継続診療

 この役割分担は、乳児健診を受けるすべての乳児に画像検査を行うという意味ではありません。地域の小児科医は、病的頭蓋変形を「知り、疑い、つなぐ」入口を担います。一方、当社提携医療機関では、ヘルメット治療の適応を検討する初診乳児について、原則として全例にX線等の画像検査を含む頭蓋健診を行い、病的頭蓋変形の有無を確認した上で治療方針を判断します。

┃ジャパン・メディカル・カンパニーが目指す「適正な頭蓋健診」と「適正なヘルメット治療」

 当社は、製品を納入できることと、適正な医療を提供できることは同じではないと考えています。そのため、当社製頭蓋形状矯正ヘルメットを新たに導入する提携医療機関には、一般社団法人日本ヘルメット治療評価認定機構の認定医療機関となることを導入条件としています。

 認定には、認定研修の修了、大学病院・こども病院等の先行医療施設における実地見学、位置的頭蓋変形と頭蓋縫合早期癒合症等の病的頭蓋変形を鑑別できる画像診断設備・診療体制の整備が必要です。病的頭蓋変形が疑われた場合には、位置的頭蓋変形に対するヘルメット治療を開始せず、脳神経外科・形成外科等の専門医療へつなぎます。

 位置的頭蓋変形と判断された場合も、すべての乳児にヘルメット治療を行うわけではありません。月齢、変形の程度、自然経過、発達、頸部の状態、保護者の意向等を総合し、経過観察、体位変換、抱っこやタミータイム等の生活支援、理学療法、ヘルメット治療等から適切な方針を選択します。治療が必要な場合には、医師が定期的に診察し、装着状態、皮膚状態、成長と頭蓋形状の変化を確認しながら調整します。

 当社スタッフは、医師の指示のもと、3D計測、データ処理、患者別設計・製造、装着・調整、診療データと製造データの連携を技術面・運用面から支援します。診断、治療適応、患者・家族への説明、診察等の医療行為は、各医療機関の医師・医療従事者が行います。

一般社団法人日本ヘルメット治療評価認定機構:https://jcqht.org/

┃診療導線が実際に機能した例:三重中央医療センター

 本セミナーで議論された「気づき、鑑別し、専門医療へつなぐ」診療導線は、地域の実臨床でも機能し始めています。当社提携先医療機関である三重中央医療センターでは、担当医が認定研修を修了し、富山大学附属病院の頭のかたち外来と放射線部門を実地見学した上で、放射線技師と低線量頭部CTを院内へ実装しました。

 外来開始後2回目の診療日、累計初診3例目で頭蓋縫合早期癒合症を早期に捉え、あいち小児保健医療総合センターへ速やかに紹介しました。これは、研修、実地見学、画像診断体制、医療機関連携が形式的な条件ではなく、病的頭蓋変形を見逃さず、乳児を必要な治療へつなぐ仕組みとして実際に機能した事例です。

関連プレスリリース:三重中央医療センター、低線量頭部CTで頭蓋縫合早期癒合症を早期発見

┃講演内容:早期乳児健診、専門施設の診察、医師対象研究を一気通貫で共有

 座長は、日本外来小児科学会会長で、いなみつこどもクリニック院長の稲光毅先生にお務めいただきました。

 九州大学名誉教授の大賀正一先生は、「早期乳児健診とあたまのかたち」をテーマに、出生から100日までの早期乳児期と、予防接種等で始まる「小児科デビュー」を、保護者が気軽に相談できる頭蓋健診の機会として捉える視点を示しました。

 0歳からの頭のかたちクリニック表参道神宮前 院長・研究室長の西巻滋先生は、視診・触診の具体的なポイント、冠状縫合・ラムダ縫合の早期癒合を疑う所見、画像診断を経ずに安易にヘルメット治療へ進むことを避ける重要性を解説しました。

 慶應義塾大学形成外科専任講師の坂本好昭先生は、小児科医を対象とした研究で、正常例を正しく見分けられた割合が7.9%にとどまったことを紹介し、見逃しと不要なCT被ばくの双方を防ぐため、疑わしい場合には専門施設へ紹介する必要性と、学会主導の資格制度の課題を提示しました。

┃ランチョンセミナー概要

名称

第35回日本外来小児科学会年次集会 ランチョンセミナー12

テーマ

その「頭のかたち」、どう診てどう繋ぐ? 乳児健診から専門施設への連携が示す未来

日時

2026年8月23日(日)11:50~12:40

会場

札幌コンベンションセンター 特別会議場

座長

稲光 毅 先生

共催

第35回日本外来小児科学会年次集会

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー

参加者数

125名

演者と演題

・大賀 正一先生  「早期乳児健診とあたまのかたち」

・西巻 滋先生   「頭のかたちの診察 そのコツとツボ −専門施設での豊富な経験からお話しします−」

・坂本 好昭先生  「医師対象研究からみる 赤ちゃんの頭のかたちをめぐる現状と展望」

┃座長・演者コメント

  

稲光 毅 先生

日本外来小児科学会 会長

いなみつこどもクリニック 院長

8月23日、札幌で開催された第35回日本外来小児科学会において、「その『頭のかたち』、どう診てどう繋ぐ?:乳児健診から専門施設への連携が示す未来」をテーマにランチョンセミナーが開催され、座長を務める機会をいただきました。   

近年、養育者の「あたまの形」への関心が高まっており、予防接種や乳児健診の際に相談を受ける機会も増えています。   

今回のセミナーでは、頭蓋形態の評価、乳児期早期からの位置的頭蓋変形への対応、病的頭蓋変形の鑑別・早期診断の重要性とその難しさ、さらに専門施設との連携について、3名の先生方からそれぞれの専門的な立場からご講演いただきました。「まず疑うこと」、そして適切なタイミングで専門施設につなぐことの重要性を学ぶことができました。

小児のプライマリーケアを担う医療者が多く参加する日本外来小児科学会において、「あたまの形」診療について、このように体系的に学ぶ機会を得られたことは大変有意義であったと感じています。明日からの乳児健診や外来診療に活かせる、非常に実りの多いセミナーとなりました。

大賀 正一 先生

九州大学 名誉教授

ご開業の小児科の先生とスタッフに、早期乳児の頭蓋健診の視点からお話させていただきました。出生から100日まで、ご家族も慌ただしい中で小児科デビューが始まります。予防接種のとき、小児科で気軽に何でも相談できる環境を整えることが重要だと思います。準備していた個性や発達のお話にまでは至らなかったので、また機会がございましたらお伝えしたいと存じます。このような機会をいただき感謝申し上げます。

西巻 滋 先生

0歳からの頭のかたちクリニック表参道神宮前 院長・研究室長

横浜市立大学 名誉教授

このセミナーでは、赤ちゃんの頭のかたちの診察についてお話ししました。   

頭のかたちの診察の基本は視診、触診です。上から後頭部に平坦な部分があるかを診る以外に、前額部や頬が前に出ていないか、耳の位置が前に出ていないか、などを診ます。加えて、正面からは目の開きの大きさや頬の大きさの左右差を診ます。後ろからや横からは後頭部の平坦な部分の程度を評価します。

次に頭蓋縫合早期癒合症の見逃し予防が大切です。当院で診断した頭蓋縫合早期癒合症例は、矢状縫合19%、冠状縫合32%、ラムダ縫合48%で、冠状縫合やラムダ縫合の早期癒合例で3/4以上になります。頭蓋形状の変形を訴える児の診察では冠状縫合とラムダ縫合の早期癒合の有無を確認しましょう。片側冠状縫合早期癒合を見逃さないためには、正面からの診察で患側の眼裂高の拡大、健側への鼻梁・顎の片側屈曲を診ます。片側ラムダ縫合早期癒合例を見逃さないためには、後からの診察で患側の後頭部の平坦化、耳介低位、乳様突起の突出、健側の頭の突出などを診ます。

私たち小児科医は頭蓋縫合早期癒合症の臨床経験がほとんどありません。頭蓋縫合早期癒合症を知り疑うことを心がけましょう。最終的には画像診断が必須であり、その過程を経ないで、即ち早期癒合症を見逃すリスクを放置したまま、軽々にヘルメット治療に進むことは避けなければならないことを強調したいです。

坂本 好昭 先生

慶應義塾大学形成外科 専任講師

向き癖による位置的頭蓋変形と、治療を要する頭蓋縫合早期癒合症の鑑別は容易ではありません。赤ちゃんの頭の形のセミナーが増え、そこでは頭蓋縫合早期癒合症との鑑別方法の講義が行われますが、果たしてそれで鑑別ができるようになるのでしょうか?小児科医を対象とした私たちの研究では、正常を正しく見分けられた割合は7.9%にとどまり、見逃しや不要なCT被曝が高頻度に生じていることが示唆されております。頭のかたちへの関心が高まる一方、鑑別を伴わないヘルメット治療が自由診療化し、成長阻害など不適切な例も散見されます。病気を知らずして正常は診断できません。地域の先生方には、適正な健診を適正な治療へつなぐ入口として、疑わしければ専門施設へのご紹介をお願いしたい。学会主導の資格制度づくりも今後、喫緊の課題と考えております。

┃関連研究・関連情報

┃今後の展望:全国での均てん化と、都道府県・広域地方単位での集約化へ

 当社は、地域の小児科医、助産師、保健師等が、頭のかたちに関する相談を受け止め、病的頭蓋変形を疑い、必要な乳児を専門医療へつなぐための知識を全国へ広げる「均てん化」を進めます。

 一方、画像診断、頭蓋縫合早期癒合症等の確定診断、外科治療、術後管理、高度な治療判断等をすべての医療機関が個別に持つことは現実的ではありません。専門的な診療機能、症例、知見、教育・研究機能を、都道府県またはそれを越える広域地方単位の中核医療機関へ集約し、地域の一次接点と切れ目なく結ぶ必要があります。

 今後も、学会、専門医、地域の小児医療関係者と連携し、セミナー、認定研修、実地見学、共同研究、医療機関への継続支援を通じて、全国での適正な頭蓋健診と適正なヘルメット治療の均てん化と、専門機能の集約化を両輪で進めてまいります。


・株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーについて

 ジャパン・メディカル・カンパニーは、3Dプリンティング、3D計測、患者別設計技術を活用し、乳児用頭蓋形状矯正ヘルメットと、手術前シミュレーション・外科手術トレーニング用モデルを開発・製造する医療機器メーカーです。1897年創業の大野興業を前身とし、約130年のものづくりの技術を受け継いでいます。

 2012年に初の国産頭蓋形状矯正ヘルメットAimet(アイメット)を脳神経外科医と共同開発し、2018年にジャパン・メディカル・カンパニーとして独立しました。

 現在は、乳児用頭蓋形状矯正ヘルメットQurum Fit(クルクフィット)、赤ちゃんの頭のかたち測定アプリ、治療支援アプリmetto、医療用精密立体モデルKEZLEX等を開発・製造・販売しています。

 当社製頭蓋形状矯正ヘルメットによる累計治療症例は21,000症例以上です。大学病院・こども病院等の採用施設数は国内最多(2026年7月当社調べ)で、適正な頭蓋健診と適正なヘルメット治療の普及、診療水準の均てん化と集約化に取り組んでいます。

■社名:株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー

■設⽴:2018年5⽉

■代表取締役:⼤野秀晃

■事業内容:医療機器・医療雑品の開発・製造・販売

■URL:https://japanmedicalcompany.co.jp

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーのプレスリリース⼀覧

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/46445

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セミナー写真、匿名化したアンケート集計資料、適正な頭蓋健診から専門医療へつなぐ診療導線に関する補足資料を、報道関係者へ提供可能です。

株式会社ジャパン・メディカル・カンパニー コーポレイト・デザイン室 柳本

TEL:03-5829-8342 / choice@japanmedicalcompany.co.jp

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会社概要

URL
https://japanmedicalcompany.co.jp/
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都中央区東日本橋2-24-12 東日本橋槇町ビル2F
電話番号
03-5829-8342
代表者名
大野秀晃
上場
未上場
資本金
2323万円
設立
2018年05月