【オリックス・リビング】「外国人実習生」「介護離職ゼロ」「介護ロボット」等、「介護の日」(11月11日)に合わせ第10回「介護に関する意識調査」を実施
本調査は、「介護の日」が制定された2008年から毎年実施しており、10回目を迎えた今回の主な傾向として、外国人が介護業界で働くことについては、半数以上がポジティブな回答を挙げ、「介護離職ゼロ」の意味については、半数以上が誤認している結果となりました。また、初年度より取り続けている家族の介護に対する不安については、不安を感じる人が10年間で最も少ないことが分かる結果となりました。
今回のアンケートでは、11月11日が「介護の日」に制定されていることを「聞いたことはある」「内容まで理解している」と回答した人は23.6%(参考資料:①)で、過去最高でした。「介護の日」が今後広く認知され、人々が将来や介護について考えるきっかけとして、今回のアンケート結果をご活用いただければと思います。
オリックス・リビングは、「介護に関する意識調査」の結果を踏まえ、お客さまの声に耳を傾け、今後もサービス向上に努めてまいります。
調査結果
1.外国人技能実習生について
【外国人が介護業界で働くことについて、51.9%が「人手不足解消につながる」】
今年11月より施行される「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)」にて介護職種が追加されるにあたり、外国人が介護業界で働くことについて聞いたところ「人材不足が解消されて良い」と回答をした人が最も多く、全体の51.9%となり、男女別に見ると、男性56.6%に対し、女性は43.2%でした。逆にネガティブな回答としては「言葉が通じないのではないかという不安がある」(43.2%)、「文化の違いによる不安がある」(43.2%)という結果となりました。(参考資料:②)
2.介護と仕事について
【「介護離職ゼロ」について、56.7%は正しく理解せず】
政府が一昨年発表した「新三本の矢」の一つに掲げる、仕事と介護の両立ができず介護により離職する人をなくすための政策である「介護離職ゼロ」の内容について聞いたところ、「わからない」(34.9%)という回答と「介護職員の離職を防いで、介護業界の人手不足を解消するための政策」(21.8%)といった間違った解釈を合わせ56.7%が正しく理解をしていませんでした。昨年から結果に大きな差は見られず、国民の理解が進んでいないことがわかる結果となりました。(参考資料:③)
就業している人へ、家族を介護する必要が生じた場合の「仕事」と「介護」の両立について聞いたところ、「できると思う」と回答した人は8.6%となり、調査開始以来4年連続で1割未満となりました。男女別に見ると、男性(55.6%)よりも女性(64.8%)の方が「できないと思う」と回答した人が多く、2016年4月に施行された「女性活躍推進法」の効果はいまだ見られない結果となりました。(参考資料:④)
【介護休業制度について、78.4%は内容を知らない】
介護休業制度について、「聞いたことはあるが、内容まではわからない」(49.2%)、「知らない」(29.2%)と合わせて78.4%が、内容を知らないという結果となりました。一方「内容を知っている」と回答した人は、女性(18.2%)よりも男性(23.4%)の方が多い傾向にありました。(参考資料:⑤)
介護休暇を利用する場合、障害となる事項について聞いたところ、「収入が減少するかもしれないという不安」(43.8%)、「介護休暇を取得すると復帰しづらい」(39.3%)、「実際に利用している人がいない」(28.1%)という結果となりました。また男女年代別にみると、「介護休暇を取得すると復帰しづらい」と回答したのは、男性40代が35.5%に対し、女性40代は50.0%と差が開いており、女性活躍推進法の基本原則である「仕事と家庭の両立を図るために必要な環境の整備」については、喫緊の課題となっていることがうかがわれました。(参考資料:⑥)
3.家族と自身の介護ついて
【半数以上が介護経験なし】
家族や親族などを介護した経験の有無について聞いたところ、「介護した経験はない」と回答した人は、54.4%と半数を超え、10年前の2008年と比較し16.0%(38.4%→54.4%)増加しました。(参考資料:⑦)
介護経験のある人が大変だった事柄は、全体では「精神的な負担」(63.8%)が最も多く、2番目に多く挙がった事柄は、男性は「費用がかかる」(40.7%)、女性は「体力的な負担」(45.1%)と、男女間に差が出る結果となりました。(参考資料:⑧)
【介護は配偶者に相談。男性は年齢が上がるごとに増加、女性は減少】
家族の介護について誰に相談するかを聞いたところ、男女ともに「配偶者」が最も多く、全体の55.4%の人が回答しました。年代別に見ると、男性は年代が上がるごとに「配偶者に相談する」と回答した人が増加傾向にあることに比べ、女性は年代が上がるごとに「配偶者に相談する」と回答した人は減少傾向にあり、男女間に差が出る結果となりました。(参考資料:⑨)
【男性の82.9%は配偶者を介護したいが、女性は64.2%に留まる】
配偶者の介護については、「配偶者を介護したい」(48.8%)、「配偶者を介護したい気持ちはあるが、現状を考えると難しい」(27.5%)を合わせ76.3%が配偶者を介護したい意向となりました。男女別に見ると、配偶者を介護したい意向を示す男性が82.9%に対し、女性は64.2%となりました。(参考資料:⑩)
配偶者を介護できる自信については、「自信はない」、「自信はあまりない」と回答した人は、男性が82.8%、女性が90.0%となり、前問の介護をしたい意向の数字と乖離のある結果となりました。(参考資料:⑪)
【男性の67.9%は配偶者に介護されたいが、女性は61.1%が介護されたくない】
配偶者による介護については、「配偶者に介護されたい」(27.3%)と「配偶者に介護されたい気持ちはあるが、現状を考えると難しい」(30.4%)を合わせると、全体の57.7%が配偶者による介護を希望する意向となりました。男女別に見ると、男性の67.9%が配偶者による介護を希望していることに対し、女性の61.1%は配偶者に介護されたくないと答えており、男女間に差が出る結果となりました。(参考資料:⑫)
配偶者に介護されたい理由は、「配偶者を信頼しているから」(34.7%)、「配偶者は安心(安全)だから」(26.8%)で、介護されたくない理由は、「配偶者以外に介護された方がいいから」(37.0%)となりました。(参考資料:⑬)
【夫婦での有料老人ホーム入居、女性の36.8%が別室希望】
夫婦で有料老人ホームへ入居する場合、「夫婦で同じ居室に入居したい」と回答した人は、71.4%でした。男女別に見ると、男性(24.1%)よりも女性(36.8%)の方が別室を希望する人が多く、調査を開始した2010年から変わらず男女間で差が出る結果となりました。(参考資料:⑭)
【シニアマンションやサービス付き高齢者向け住宅にも看取りを希望、35.4%】
シニアマンションやサービス付き高齢者向け住宅に入居を考えた場合、看取りまで希望するかを聞いたところ、「希望する」と回答した人は全体の35.4%でした。男女別に見ると、男性(30.5%)よりも女性(44.3%)が多く希望しており、特に60代以上では半数近く(48.0%)が「終の棲家」としての住まいを求めていることがうかがえる結果となりました。(参考資料:⑮)
【家族の介護、84.3%が不安。男性は費用面、女性は精神的な負担】
家族の介護について、「不安を感じる」(36.6%)、「やや不安を感じる」(47.7%)と、84.3%が不安を感じると回答しました。調査開始以来、不安を感じる人が減少傾向にあり、今年は10年間で最も少ない結果となりました。(参考資料:⑯)
家族の介護に対する不安について、66.2%が「精神的な負担」と回答しました。男女で比較すると、一番大きな不安は、男性は「費用面」(62.7%)であるのに対し、女性は「精神的な負担」(74.0%)と回答しており、前述の「介護経験がある人が大変だった事項(参考資料:⑧)」と同様の結果となりました。(参考資料:⑰)
【自身の介護、81.3%が不安を感じるも具体的な準備をせず。理由はまだまだ先だと思いイメージがつかないから】
自身の介護について聞いたところ、「不安を感じる」(34.0%)、「やや不安を感じる」(47.3%)となり、不安を感じた人は、2009年の調査開始以来、最も少ない結果(90%→81.3%)となりました。(参考資料:⑱)
自身に介護が必要になったときについて「まだ何も考えていない」と回答した人は、2010年に比べ最も多い結果(51.5%→68.9%)となりました。一方、「在宅介護か施設介護かを、家族に伝えている」は6.9%、「具体的な、介護方法や施設まで家族に伝えている」は2.6%となり、90.5%が、具体的には家族に伝えていない結果となりました。(参考資料:⑲)
将来に不安を感じながらも具体的な準備をしていない理由は、「イメージがつかないから」(46.0%)が最も多く挙げられました。また、男女年代別に見ると「イメージがつかないから」と回答した女性は60代以上が52.4%と最も多く、「まだまだ先だと思うから」と回答した男性は60代以上が43.0%と最も多い結果となり、男女ともに介護に最も近いと思われる年代ほど、自分ごとには捉えられていないことがうかがわれる結果となりました。(参考資料:⑳)
人生設計の中に介護費用が「含まれていない」と回答した人は、69.6%でした。男女別に見ると、男性の74.4%に対し、女性は60.9%となり、女性の方が、介護にかかる費用感をイメージしている人が多いことがうかがえる結果となりました。(参考資料:㉑)
自身の高齢期以降に発生する事項で既に家族に伝えていることについて、「何も伝えていない」(58.8%)が最も多く、次いで「延命治療の要・不要」(29.6%)、「葬儀について」(22.4%)、「重大病名の告知の要・不要」(14.9%)という結果になりました。男女別に見ると、男性の64.9%が「何も伝えていない」に対し、女性は47.7%と、男女間に差が出る結果となりました。(参考資料:㉒)
【エンディングノート、96.2%が作成していない】
エンディングノートを作成しているか聞いたところ、「作成している」のは全体の3.8%に留まりました。作成していない人のうち、男性の58.5%が「作成する予定はない」と回答しましたが、女性は53.4%が「作成する予定はある」と回答し、女性の方がエンディングノートの作成について前向きに捉えていることがわかりました。(参考資料:㉓)
4.認知症ついて
【認知症になった場合、女性の84.3%が施設入居を希望。理由は大切な人に迷惑をかけたくないから】
自身が認知症を発症し、大切な人を忘れてしまった場合、「施設に入る」と回答した人は、75.4%でした。男女別に見ると、男性(70.6%)よりも女性(84.3%)が多く、男女間に差が出る結果となりました。(参考資料:㉔)
施設に入りたい理由は、「大切な人に迷惑をかけたくないから」が65.8%、介護してほしい理由は、「自宅にいたいから」が41.7%という結果となりました。(参考資料:㉕)
5.介護ロボットについて
【介護ロボットは、人手より気を使わないため、80.2%が肯定的】
介護ロボットによる身体介護については、「推奨されていれば受けてもよい」(71.8%)、「積極的に受けたい」(8.4%)を合わせると、80.2%が介護ロボットについて肯定的な結果となりました。また「ロボットによる身体介護は受けたくない」と回答した人は17.3%で、2011年の調査開始以来最も少なく、介護ロボットに対しての抵抗感が薄れていることがうかがえる結果となりました。(参考資料:㉖)
介護ロボットに肯定的な理由としては、「ロボットは気を使わないから」(53.7%)、「本当は人の手が良いが気を使うから」(24.2%)となり、例年通り、人の手による介護を受けることに心理的負担がある様子がうかがえました。(参考資料:㉗)
6.消費税について
【消費税増税、肯定意見が3年連続増加】
福祉・介護などの社会保障制度を充実させるための消費税増税について聞いたところ、「増税しても良いと思う」と回答した人は36.7%で、2014年から3年連続(18.9%→22.0%→26.8%→36.7%)の増加傾向がみられました。一方で「分からない」と回答した人は、昨年よりも14.6%(39.3%→24.7%)減少しており、消費税増税について積極的な意見を持つ人が増えた結果となりました。(参考資料:㉘)
増税に対して、肯定的な理由としては「すぐに対応すべき問題だと思うから」(56.0%)が調査開始以来最も多く、否定的な理由である「使われ方がわからないから」(48.3%)が最も少ない結果となりました。(参考資料:㉙)
7.高齢期のファッションについて
【高齢になっても70.6%がおしゃれを続けたい】
両親(義父母を含む)がおしゃれをすることに対しては、「若々しくてよい」(69.8%)、「もっとおしゃれをしてほしい」(17.4%)と、87.2%が肯定的な考えとなりました。(参考資料:㉚)
自身が高齢者になったとき、おしゃれを続けたいか聞いたところ、「積極的に続けたい」(18.3%)、「ある程度は続けていたい」(46.7%)、「おしゃれはしたいが高齢者の服は地味なので諦めている」(2.2%)、「おしゃれはしたいが仕方がわからない」(3.5%)と、全体の70.6%が「おしゃれを続けたい・したい」と答える結果となりました。男女別に見ると、男性は62.3%、女性は85.7%と差があり、女性の方がおしゃれに対して意識が高いことがうかがえる結果となりました。(参考資料:㉛)
◆第10回「介護に関する意識調査」参考資料
https://prtimes.jp/a/?f=d23075-20171030-8263.pdf
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