【イベントレポート】桃園未来観光サミット開催レポート#CJDX2025

日台連携によるAIスマートツーリズムの未来を語る国際サミットが大盛況で閉幕

Vpon JAPAN株式会社

クールジャパンDXサミット実行委員会(運営事務局:Vpon、本社:東京都渋谷区、代表取締役グループCEO/クールジャパンDXサミットオーガナイザー:篠原 好孝)は、2025年8月21日(木)に、クールジャパンDXサミットの「Cool Japan Friends」が特別招待された、桃園市観光旅遊局主催イベント「桃園未来観光サミット」が盛況のうちに終了したことをお知らせいたします。

【開催概要】

日時: 2025年8月21日(木)
場所: COZZI Blu 和逸ホテル桃園館(〒32056 台湾 桃園市中壢区春德路101番地)
参加者: 約200名
主催: 桃園市観光旅遊局

(左から:桃園市政府観光旅遊局 局長 陳 静芳 氏、桃園市 市長 張 善政 氏、クールジャパンDXサミットオーガナイザー/Vpon CEO 篠原 好孝)

Cool Japan Friends講演実施報告

文化・デザイン・観光で築く未来競争力

KEARNEY日本法人 会長/CIC Japan 会長 梅澤 高明 氏

観光DX データ×万博で描く未来

公益財団法人大阪観光局 マーケティング戦略部 部長 牧田 拡樹 氏

クールジャパン発信拠点×AI活用​​

株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 執行役員 海外事業MD戦略担当 渡辺 和博 氏

デジタルの力で推進するスマートツーリズム: 高付加価値化への挑戦​

(左から:クールジャパンDXサミットオーガナイザー/Vpon CEO 篠原 好孝、KEARNEY日本法人 会長/CIC Japan 会長梅澤 高明 氏、公益財団法人大阪観光局 マーケティング戦略部 部長 牧田 拡樹 氏、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 執行役員 海外事業MD戦略担当 渡辺 和博 氏、桃園市政府觀光旅遊局 副局長 王 麗娟 氏)

本講演では、デジタル技術を活用した観光の活性化と高付加価値化について議論が行われました。スマートツーリズムとは、ビッグデータ、AI、IoTなどの技術により観光客の満足度向上と経済活性化を目指す取り組みです。

日本の観光DXにおいて、観光・交通・宿泊・物販・飲食の5要素のシームレス連携が重要課題となっています。大阪観光局マーケティング戦略部 部長の牧田氏は、特に交通分野のMaaS認証基盤連携が大きな障壁となっており、デジタル認証基盤の統一化が急務であると指摘しました。大阪観光局では7年前からDMP導入により先駆的な取り組みを実施しています。行政組織の縦割り構造を克服し、テストと検証を重ねることで市町村レベルまで普及に成功した実績があります。

高付加価値化はモノ消費から「コト・トキ消費」への転換により実現されます。自然観光ではアクティビティツーリズムによる延泊促進、文化観光では専門ガイドによる文化価値の深い理解が重要となります。ゴールデンルート以外の地域誘客が今後の大きなテーマです。高付加価値ガイドの人材として、KEARNEY日本法人 会長の梅澤氏は、日本に関心の高い海外人材、特に留学生の活用が効果的であると述べました。牧田氏も、単なる通訳ではなく「ワクワク感」を伝えるガイド育成と、行政支援後の民間移管スキーム構築が必要であると強調しました。

日本の観光消費額は世界トップ5圏内に到達予定ですが、経営力と資金調達力を持つ事業家が不足しています。この課題解決には国際連携が不可欠であり、日本事情に精通した台湾の実業家との協業が解決策の一つです。スマートツーリズムの成功には、技術導入だけでなく質の高いコンテンツ開発、専門人材育成、国際協業体制の構築が必要です。高付加価値化を通じた地域活性化とグローバルな視点での事業開発が、今後の日本観光業発展の鍵となることが示された講演となりました。

ドラマ・映画が生み出す秘境観光の可能性

俳優・映画監督​ 斎藤 工​ 氏

エンターテイメント分野での日台交流では、約15年前のテニスの王子様ミュージカル出演時の台湾での強い反響や、自身の監督作品「ブランク13」が憧れの台湾映画界の巨匠・侯 孝賢氏の映画館で1ヶ月間上映された経験を振り返られました。言葉ではなく感情を重視した作品作りが台湾の観客に深く受け入れられたことに感動を覚え、日台共同制作映画「KANO」に代表されるような両国間のエンターテイメント交流の歴史を感じているとのことです。
食文化・発酵食との関わりについては、コロナ禍での健康意識の高まりから腸内環境に注目し、発芽酵素玄米・味噌汁・納豆を中心とした発酵食生活を実践。花粉症改善や体臭の変化など体質改善を実感し、現在は撮影現場でも甘酒や発酵食を差し入れすることで「腸内環境改善合宿」のような現場作りを目指していると話されました。
台湾への想いとして、朝食屋台文化に象徴される「愛に溢れた国」という印象を語り、外食ではなく生活の一部として外で朝食をとる文化的景色に深く感銘を受けたと述べられました。
最後に台湾ファンへのメッセージとして、今後も台湾への作品展開を目標とし、3.11をはじめとする災害時に台湾から寄せられた温かい支援への感謝を表明。日台両国の文化が手を取り合い、新しい夢と希望のカルチャーを創造していきたいと心温まる講演となりました。

日本食文化の力 観光と国際交流をつなぐ

一般社団法人日本ガストロノミー学会 代表/株式会社フードロスバンク 代表取締役社長/Sports Doctors Network COO アジア代表 山田 早輝子 氏

AI時代、日本の精神性が導く未来​​

価値デザイナー/ナラティビスト/内閣府 クールジャパン官民連携プラットフォーム ディレクター/株式会社XPJP 代表取締役 ​​渡邉 賢一 氏

世界を席巻するIPコンテンツとAI時代のクリエイター論

エンタメ社会学者/事業家 中山 淳雄 氏

世界中を魅了する日本のIPコンテンツ、食、伝統文化:コンテンツが紡ぐ観光マーケティング

(左から:クールジャパンDXサミットオーガナイザー/Vpon CEO 篠原 好孝、一般社団法人日本ガストロノミー学会 代表/株式会社フードロスバンク 代表取締役社長/Sports Doctors Network COO アジア代表 山田 早輝子 氏、価値デザイナー/ナラティビスト/内閣府 クールジャパン官民連携プラットフォーム ディレクター/株式会社XPJP 代表取締役 ​​渡邉 賢一 氏、エンタメ社会学者/事業家 中山 淳雄 氏)

本講演では、日本のIPコンテンツ、食、伝統文化と観光マーケティングの関係について議論が行われました。IPコンテンツとは知的財産を基盤とした独自の創作物や知識を指し、日本はアニメ、ゲーム、キャラクター、デザイン、物語などの分野で世界的な強みを持っています。クールジャパン戦略の文脈では、サンリオのキャラクタービジネスに代表されるように、知的財産を世界中に広めて価値を創出する重要な文化的資産として位置づけられています。

日本食の世界展開については、2000年頃に全世界で5万店だった日本料理店が現在25万店まで拡大している現状が紹介されました。日本食が評価される背景には、季節感や無常感を味わう文化的魅力があります。四季を反映した食材や調理法は単なる栄養摂取を超えて文化的価値を提供し、ユネスコ無形文化遺産に登録されたサステナブルな食文化として、ウェルビーイングや持続可能性の観点から高く評価されています。日本食はヘルシーで美味しいだけでなく、ライフスタイル自体を体験できる点が大きな強みとなっています。

コンテンツの本質について、人間の脳は物語を好む構造を持っており、SVE要素(Soul、Visual、Emotion)が揃うと記憶に残りやすいことが説明されました。IPという概念が生まれる前はカルチャーという言葉で表現されており、本質的には文化そのものを指しています。

日本のコンテンツが持つ独自性についても言及され、「となりのトトロ」のロンドン公演では、英国人が日本人の精神性をリスペクトしているそうです。アメリカのコンテンツが白黒をはっきりさせる傾向にあるのに対し、日本は異なる価値観を重視する作品が多く、現在この特徴が見直されています。そして、韓国ドラマやK-POP、Kコスメなど韓国コンテンツが2010年頃からSNS・ネット時代を機に急速に人気を獲得している状況も指摘されましたが、外で売れているものばかりに惑わされず日本人が持つ独自の精神性を活かすことが重要であると強調されました。

観光マーケティングの観点では、IPコンテンツが日本への訪問動機を生み出している実例として、「君の名は。」の聖地となった岐阜県や東京四ツ谷が観光地化している現象が紹介されました。食においても、単に美味しいだけでなく料理の背景にある物語や歴史文化に触れることで観光体験が深まり、リピート訪問につながる効果が説明されました。

講演の最後には、先月発表されたアニメツーリズムの全国200ヶ所選定により経済効果1兆円が見込まれることが紹介され、この取り組みでは、ファンと一緒に価値を創造していく戦略に舵を切った点がポイントであり、コンテンツ×ツーリズムが最重要戦略として格上げされたことが強調されたました。今後は各国のファン層の分析や、ストーリーライン・キャラクターの人気動向を台湾などの国際パートナーと協力して明らかにしていくことが重要と示され、日本のIPコンテンツと観光の融合による新たな価値創造の可能性が期待される講演となりました。


〜ご参加いただきました皆様ありがとうございました!〜

〜登壇者、運営スタッフで参加した桃園ツアー〜

青埔兒童美術館(桃園市兒童美術館青埔館)。青埔兒童美術館は2024年4月に桃園高鉄駅近くに開館した新しい児童向け美術館で、日本のプリツカー賞受賞建築家・山本理顯氏と台湾の石昭永氏が共同設計した三角屋根が特徴的な建物です。インタラクティブな展示や図書スペース、ワークショップなどがあり、子どもたちが芸術を通じて感性を育みながら親子で楽しめる多機能な文化施設として注目を集めています。
A8創新基地(A8桃園智慧產業加速器)。A8創新基地は桃園市政府が設立したAI中心のスマート産業加速器施設で、スマート製造・医療・グリーンテクノロジーの3分野に重点を置き、スタートアップ企業の技術産業化と既存企業のデジタルトランスフォーメーションを支援しています。台湾のAI産業ゴールデンコリドーの中心に位置し、国内外の技術資源を連携させながら15の新興チームが入居し、AI時代における産業革新と国際競争力強化を目指す重要な拠点です。

運営事務局Vponについて

Vponは、アジアをリードするクロスボーダーDX企業です。独自のAI技術とデータを強みに、国境を超えたビジネス成長を支援。日本法人は「日本の魅力で世界を元気に!」をミッションに、インバウンド促進や海外展開を支援するデジタルマーケティングソリューションを提供し、現在200以上の自治体・民間企業と連携しています。さらに、クールジャパン市場の50兆円創出を目指し、「クールジャパンDXサミット」も主催しています。

【会社概要】

- 社名:Vpon JAPAN株式会社

- 本社所在地:東京都渋谷区千駄ケ谷3丁目15-7 AMBRE6F

- 代表取締役社長:篠原 好孝

- 事業内容:独自AI技術によるビッグデータ解析事業、スマートフォン広告プラットフォーム事業、インバウンド・アウトバウンドマーケティング支援事業、DMP構築事業、クールジャパンDXサミット運営事務局、内閣府 クールジャパン官民連携プラットフォーム(CJPF)事務局

- 設立:2014年6月

- Webサイト:https://www.vpon.com/jp/

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会社概要

Vpon JAPAN株式会社

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URL
https://www.vpon.com/jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-15-7 AMBRE6F
電話番号
03-6361-0252
代表者名
篠原好孝
上場
未上場
資本金
2億3250万円
設立
2014年08月