Indeed Hiring Lab、2025年5月の求人掲載賃金動向を発表。求人掲載賃金の上昇率は前年同月比+3.3%。春闘効果の一巡や企業の慎重姿勢の広がりで上昇率はやや鈍化
世界No.1求人サイト*「Indeed (インディード)」の日本法人であるIndeed Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:淺野 健、https://jp.indeed.com 以下 Indeed )は、国際的なエコノミックリサーチ機関であるIndeed Hiring Labのエコノミスト 青木 雄介によるレポート「2025年5月の求人掲載賃金の上昇率:鈍化傾向であるが、なお高水準を維持」(日本時間7月4日公開)の主要ポイントをまとめました。
※Indeed Hiring Labレポートでは、本プレスリリースに掲載している分析内容の他、求人掲載賃金上昇率と公的統計データとの比較、および、より流動性の高い時給の賃金上昇率の推移も掲載しています。
■レポート主要ポイント
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Indeed 上での求人掲載賃金の上昇率は、2025年5月時点で前年同月比+3.3%。4月時点(+3.6%)からは上昇幅がやや鈍化。2023年までの水準と比べると高水準を維持しているが、賃金上昇率は「加速」から「鈍化」の転換点へ。
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鈍化の背景には、春闘の効果が一巡したことや、景気・政策をめぐる不確実性などにより企業の慎重姿勢の広がりの影響があるものと考えられる。
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多くの職種で賃金上昇率は鈍化しているが、「保険」「観光」「マーケティング」などでは賃金上昇幅が拡大している。これは、一部地域での人手不足、季節性要因、業種特性などが要因と考えられる。
■レポート概要
・求人掲載賃金の上昇率は、2024年以降の「加速」から「鈍化」への転換点を迎えつつある
Indeed Hiring Labでは、 Indeed に掲載された求人情報の賃金データ(求人掲載賃金)を元に、賃金動向の分析を行なっています。求人掲載賃金は、2024年を通じて右肩上がりに上昇していました。これには、インフレを背景に高まった賃金上昇への期待や、労働市場の流動性が高まっていること(離職率の上昇)、継続的な春闘効果などの複数の要因が考えられます。前年からの掲載賃金上昇率も、2019年から2023年までは2%を超えていなかった中で、2024年には4%を超えるなど力強い伸びを見せました。
一方で、2025年に入ると求人掲載賃金の上昇率は鈍化に転じました。最新の2025年5月では前年同月比+3.3%と、4月の+3.6%からさらに鈍化が進んでいます。しかし、それでも+3%は維持しており、2019年から2024年初頭までの期間(最大上昇率+2.0%)に比べると、未だ高い水準を維持しています。

・求人掲載賃金の鈍化の背景には、春闘効果の一巡や、慎重姿勢の広がりの可能性
2025年の春闘賃上げ率は5.25%(春季生活闘争データ第7回(最終)回答集計)となり、2024年の5.1%からは小幅な上昇にとどまります。春闘による賃上げのムードが、外部労働市場(転職市場)における採用賃金に波及する動きは、一巡した感があります。
また、4月までの採用のピークが過ぎ、5月には採用需要がやや落ち着いた可能性もあります。さらに、世界経済の先行き不透明感や地政学的リスクを背景に、企業が慎重な姿勢を取り戻していることも、更なる賃金上昇においては抑制要因となっているでしょう。
・多くの職種で賃金上昇率は鈍化しているが、 例外的に上昇率を維持している職種も
職種別に、求人掲載賃金の上昇率動向を分析したところ、多くの職種で賃金上昇の鈍化が見られました。一定以上の求人掲載数がある(全体の求人数の中で0.1%以上のシェアがある)職種のうち、83%(35職種中29職種)で、5月は4月よりも上昇率が鈍化していました。今回の鈍化は職種別の動向というよりは、全体的な賃金トレンドの変化として捉えられます。
特に求人数が多い職種である「事務」(2025年5月時点求人シェア:5.8%)の5月時点の上昇率は4.8%と高い賃金上昇率を維持していますが、4月からは上昇率が0.9ポイント下がっています。同じく「小売り」(2025年5月時点求人シェア:13.7%)の5月時点の上昇率は4.7%ですが、4月からは0.3ポイント下がっていました。
一方で、一部の職種では、5月に入ってからも賃金上昇が続いています。「保険」は5月の賃金上昇率が7.3%で、前月比+1.9ポイントと賃金上昇が加速しています。「ホスピタリティ・観光」は5月の賃金上昇率が4.0%で前月比+0.3ポイント、「マーケティング」は5月の賃金上昇率が3.0%で前月比+0.4ポイントでした。これらの要因としては、一部の地域で人手不足がより逼迫していることや、季節性によるもの(例:観光需要の準備)、一部の職種での労働需要の上昇などの業種特性が考えられます。

■ Indeed Hiring Labについて
Indeed Hiring Labは、世界No.1求人サイト*「 Indeed 」の国際的なエコノミックリサーチ機関です。Indeed の保有する豊富な独自データと一般公開されている各種ソースをもとに、労働市場に関するさまざまな調査・研究を実施し、メディア、研究者、政策立案者、求職者、採用企業の皆様に向けて知見を提供。グローバル労働市場に関する革新的なデータインサイトを発信し、仕事の現状について新たな議論が交わされる土壌を作り出します。Indeed Hiring Labの日本向けウェブサイト(https://www.hiringlab.org/jp/)では、日本における労働市場の状況や、仕事探しにおける最新トピック、注視すべき求職者行動などの調査・分析結果をレポートとしてまとめ、有益な情報を発信しています。
*Comscore 2024年3月総訪問数
Indeed(インディード)について
Indeed は、最も多くの人が仕事を見つけている世界No.1求人サイト(Comscore 2024年3月総訪問数)です。 Indeed には、5億9,500万件の求職者プロフィールがあり、28言語で60か国以上の人々が Indeed で仕事を探したり、履歴書を投稿したり、企業を調べたりしています。350万以上の雇用主が Indeed を利用して新しい従業員を見つけ、採用しています。詳細はhttps://jp.indeed.comをご覧ください。
※本プレスリリースは、以下からもご確認いただけます。
Indeed Japan Press Room:https://jp.indeed.com/press/releases/20250710
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