自主企画調査『みそ汁から見る食文化』~関西圏編~

関西圏のみそ汁を作る時の重視ポイントは、
「食卓の品数を増やす」、「冷蔵庫の残り物を処理する」、「量を多めに作る」
みそはだし入りみそ、具材には簡便具材(豆腐+乾燥わかめ)が最も使われる
関西圏内で「無駄を嫌う」、「合理的な」関西マインドを色濃く持つのは、河内人
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、みそ汁で日本の食文化・嗜好の地域差を探ることを目的に、自主企画調査『みそ汁から見る食文化』を実施しました。
本調査は、2015年12月4日~7日に、インテージ・ネットモニター“マイティモニター”のうち全国の30~69歳の既婚女性(家事主担当、週3回以上みそ汁を手作りする人)5,009名を対象にインターネット調査を実施しました。ここでは関西にスポットを当て、「関西圏」と「その他の地域」および「関西圏内」を比較し、結果をまとめました。

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まとめ
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みそ汁について、作る時の重視点、だし、みそ、具材に関して「関西圏」と「その他の地域」を比較。また、日本の伝統食として受け継がれていることから、関西圏(2府4県)を旧国名で分類して地域差を比較した結果、食文化・嗜好の違いが見えた。

◆みそ汁の作り方にも気質が出ている
関西圏では、その他の地域と比較して、みそ汁を作る時の重視点で「食卓の品数を増やす」、「冷蔵庫の残り物を処理する」、「(次の食事や間食でも食べられるように)量を多めに作る」の割合が高く、みそ汁の作り方に「無駄を嫌う」、「合理的な」気質が見て取れる。
その一方、全国的に重視点の上位にあがる、「家族の健康を配慮した具材を入れる」、「家族が好きな具材を入れる」、「季節の具材を取り入れる」などの“できる主婦”を思わせる項目に関しても、関西圏ではしっかり押さえており、本音と建て前の両面を包み隠さない気質が見て取れる。

◆関西マインドを色濃く持つのは、河内人
関西圏がその他の地域よりみそ汁作りの重視点として高い割合を占める、「(次の食事や間食でも食べられるように)量を多めに作る」が、関西圏内でも最も高いのが河内(大阪府東部地域)である。また河内では、最もよく使用する具材で「じゃがいも」のポイントが丹波/丹後/但馬に次いで高く、1回あたりに作る量に加え、1杯で食べ応えがあることも重視される傾向が読み取れる。
さらに、河内のみそ汁の特徴としては、「だし入りみそ」の使用率が播磨に次いで高い。その他の地域と比較して使用率の高い具材の組み合わせ「絹豆腐/乾燥わかめ」が、関西圏内でも河内が最も高い。
「豆腐とわかめ」の組み合わせは、みそ汁の具材でも定番中の定番であり、悩むことなく作ることができる組み合わせであるが、豆腐の中でも、戦前は京都や東京の一部で高値で販売されていたというかつての高級品「絹豆腐」と、簡便で保存も効く「乾燥わかめ」を組み合わせることで、自分の手軽さと食卓の見栄えの両方を担保していることがうかがえる。
河内地域とは、従来より大阪都市圏として経済的・文化的に大阪市との結び付きを強く影響を受けている 東大阪市、八尾市、枚方市などを指す。摂津(現大阪市を含む)の都市化が進む中で、現在でもその文化を残しているのが河内である可能性が見て取れ、「無駄を嫌う」、「合理的な」気質が、食卓やみそ汁の作り方にまで表れているようだ。

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調査概要
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調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
調査実施機関:株式会社インテージ
調査期間:2015年12月4日(金)~12月7日(月)
調査対象者:インテージ・ネットモニター“マイティモニター”のうち、30~69歳の既婚女性
(家事主担当、週3回以上みそ汁を手作りする人)

※みそ汁を手作りする=「缶詰・レトルト食品」「フリーズドライ」「冷凍食品」などの加工食品を除き、
対象者が基本的に包丁を使って素材を切り、味付けをして作ることと定義

サンプル数:全国5,009名(関西圏763名/その他の地域4,246名)

◇関西圏(2府4県)の旧国名でのサンプル構成

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調査結果
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1. みそ汁を作る時の重視点
・「関西圏」と「その他の地域」比較
  関西圏では、その他の地域と比較して、みそ汁を作る時に「食卓の品数を増やす」(39.2%)、
 「冷蔵庫の残り物を処理する」(32.2%)、「(次の食事や間食でも食べられるように)量を多めに作る」
 (18.5%)などを重視する割合が高い。
・「関西圏内」比較
  関西圏内での地域差を比較すると、播磨では特に「短時間でつくる」が53.6%と高く、河内では
  「(次の食事や間食でも食べられるように)量を多めにつくる」(30.6%)ことが他の地域より
  重視される。

[表1]みそ汁を作る時の重視点(複数回答)

2. みそ汁に使うだし

・「関西圏」と「その他の地域」比較
 関西圏では、その他の地域と比較すると、みそ汁に使うだしに、「合わせ・ブレンドのだしの素・パック」、
 「昆布(そのもの)」を使用する割合が高い。一方、「かつお味のだしの素」、「煮干し・いりこ
 (そのもの)」の使用は、その他の地域より割合が低い。
・「関西圏内」比較
 関西圏内全体で、だしに使用する割合が最も高いのは「かつお味のだしの素」(43.1%)だが、
 中でも、丹波/丹後/但馬では「かつお味のだしの素」が64.3%と6割を超え、関西圏内で最も高い。
 「かつお節(そのもの)」の使用は、全体的には約1割だが、和泉では2割近くを占める。

[表2]みそ汁に使うだし(複数回答)

3. みそ汁に使うみそ
・「関西圏」と「その他の地域」比較

 関西圏では、だし入り・だしが入っていないを問わず、合わせみその使用が高い。
 また、みその種類を“だし入り”と“だしが入っていない”で分類すると、「だし入りみそ」の使用率が
 57.5%とその他の地域より高い。

・「関西圏内」比較
 「だし入りみそ」の使用率を関西圏内で比較すると、播磨が70.1%と最も高い割合を占め、
 次いで河内が61.2%となった。

[表3-1]みそ汁に使うみそ(複数回答)

[表3-2]だし入り/だしが入っていないみその使用率(複数回答)

4.みそ汁に使う具材
・「関西圏」と「その他の地域」比較

 関西圏では、「(絹)豆腐/乾燥わかめ」、「(絹)豆腐/たまねぎ」の組み合わせがその他の
 地域より高い。具材の中でも豆腐にフォーカスしてみると、関西圏はその他の地域より
 「絹豆腐」の使用率が高い。
・「関西圏内」比較
 関西圏で高かった具材の組み合わせ「(絹)豆腐/乾燥わかめ」は、関西圏内では河内が最も高く
 28.6%。みそ汁に最も多く使う具材は、関西圏内のどの地域も「(絹)豆腐」の割合が高いが、
 その他の具材には地域差が表れている。
 播磨は、玉ねぎの有数な産地である淡路島に隣接していることからも、「玉ねぎ」の使用率が高い。
 その他にも、紀伊では「(木綿)豆腐」、丹波/丹後/但馬および河内は「じゃがいも」が高い。

[表4-1]使う具材の組み合わせ(複数回答)

[表4-2]具材としての豆腐の使用状況(複数回答)

[表4-3]みそ汁に最も使う具材(単一回答)

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株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:石塚 純晃)は、インテージグループ各社とともに、リサーチノウハウ、データ解析力、システム化技術と、これらに基づく情報評価力をコア・コンピタンスとして、経営およびマーケティング上の意思決定に役立つ情報(Intelligence)を提供。生活者とお客様を「情報」でつなぎ、お客様のビジネスの成功に貢献することによって、その先の生活者の暮らしを豊かにすることを目指します。

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会社概要

URL
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業種
情報通信
本社所在地
東京都 千代田区神田練塀町3番地 インテージ秋葉原ビル
電話番号
03-5294-7411
代表者名
仁司 与志矢
上場
東証1部
資本金
16億8140万円
設立
1960年03月