【岡山大学】「忘れ貝」可憐な新種とそのゆくえ ~万葉集・土佐日記にいう貝たちの「もののあはれ」と「鎖国の名残」~
岡山大学と大阪市立自然史博物館、西宮市貝類館、香川県水産試験場、国立科学博物館の共同研究チームの研究成果です!
2021(令和3)年 7月 29日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
<発表のポイント>
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)学術研究院環境生命科学学域(農)の福田宏准教授、大阪市立自然史博物館の石田惣主任学芸員、西宮市貝類館の渡部哲也学芸員、香川県水産試験場の吉松定昭元場長、国立科学博物館の芳賀拓真研究員の共同研究チームは、従来分類が極端に混乱していた日本周辺産ワスレガイ属(Sunetta)貝類の網羅的な分類学的再検討を行い、3新種(現生:ベニワスレ、化石:モシオワスレ・シチヘイワスレ)ほか5種(タイワンワスレ・シマワスレ・ランフォードワスレ・ワスレガイ・ミワスレ)の計8種を認知して、それらの種の実体、定義、識別点、分布域等を初めて明確化しました。
現生種のうちミワスレを除く5種は日本周辺に固有で、それら全てが浅海環境の悪化によって減少傾向にあるか、またはもともと産出例の少ない稀少種と判明しました。
この研究成果は2021年7月14日、日豪共同刊行の軟体動物学雑誌「Molluscan Research」にオンラインで掲載されました。
◆福田宏准教授からのひとこと
2020年は県境を越えての移動が制限された時期もあり、野外調査も控えざるを得ませんでした。ただ、ワスレガイ属の多くの種はどのみち稀少で、平時でも野外での新規標本入手はあまり期待できません。そこで室内で古文献の精読に集中するとともに、全国の博物館へ所蔵標本の借用を依頼し、共著者間で頻繁に連絡を取り合って、データ解析を分担するなどして過ごしました。つまり、ほぼテレワークで完成したのが今回の論文です。
私たちが探求すべき「自然」は野外だけにあるのでなく、書物・ネットや標本庫の中にも、底知れない深さと奥行きを持って広がっていることを再認識しました。
分類学は本来、過ぎ去った歴史を回顧して検討する分野であり、その意味では、未来は過去(文献、標本)の中にこそ息吹いているかのごとく、今の私は感じています。
◆論文情報
論文名:The bivalve genus Sunetta Link, 1807 (Heterodonta: Veneridae) of Japan and the neighbouring waters – a taxonomic revision with the descriptions of three new species
掲載誌:Molluscan Research
著 者:Hiroshi Fukuda, So Ishida, Tetsuya Watanabe, Sadaaki Yoshimatsu and Takuma Haga
DOI:10.1080/13235818.2021.1937016
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/13235818.2021.1937016?journalCode=tmos20
◆詳しいプレスリリースについて
「忘れ貝」可憐な新種とそのゆくえ 万葉集・土佐日記にいう貝たちの「もののあはれ」と「鎖国の名残」
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20210716.pdf
◆参 考
・岡山大学大学院環境生命科学研究科
http://www.gels.okayama-u.ac.jp/
・大阪市立自然史博物館
http://www.mus-nh.city.osaka.jp/
・西宮市貝類館
https://www.nishi.or.jp/bunka/bunka/kairuikan/index.html
・香川県水産試験場
https://www.pref.kagawa.lg.jp/suisanshiken/
・国立科学博物館
https://www.kahaku.go.jp/
◆参考情報
・驚異の新種! アキラマイマイ~「晴れの国おかやま」を象徴するかたつむり~
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id263.html
・驚愕の新種! その名は「サザエ」 〜 250年にわたる壮大な伝言ゲーム 〜
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id468.html
・またしても、新種と知らずに食べていた!-食用海産巻貝類「シッタカ」の一種、クサイロクマノコガイ-
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id799.html
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 環境生命科学学域(農)准教授 福田 宏
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス
TEL:086-251-8370
FAX:086-251-8370
<岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学連携・知的財産本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えて下さい
TEL: 086-251-8463
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学Image Movie (2020):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2021年8月期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000197.000072793.html
岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
<発表のポイント>
- アサリ・ハマグリ等と同じくマルスダレガイ科に属すワスレガイ属(Sunetta)は、万葉集や土佐日記等にも繰り返し登場するなど、日本人には古くから馴染みの深い海産二枚貝類の一群です。
- しかしその分類は混乱を極め、図鑑や論文ごとに種名と種そのもの(個体・標本)との組合せにまるで一貫性がなく、誰も種の同定 を正確になしえないまま、長く放置されてきました。
- 今回再検討を行った結果、日本周辺から3新種(現生1・化石2)を含む8種が認識されました。新種の一つベニワスレは、近年の環境悪化によって絶滅の危機にあることも判明しました。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)学術研究院環境生命科学学域(農)の福田宏准教授、大阪市立自然史博物館の石田惣主任学芸員、西宮市貝類館の渡部哲也学芸員、香川県水産試験場の吉松定昭元場長、国立科学博物館の芳賀拓真研究員の共同研究チームは、従来分類が極端に混乱していた日本周辺産ワスレガイ属(Sunetta)貝類の網羅的な分類学的再検討を行い、3新種(現生:ベニワスレ、化石:モシオワスレ・シチヘイワスレ)ほか5種(タイワンワスレ・シマワスレ・ランフォードワスレ・ワスレガイ・ミワスレ)の計8種を認知して、それらの種の実体、定義、識別点、分布域等を初めて明確化しました。
現生種のうちミワスレを除く5種は日本周辺に固有で、それら全てが浅海環境の悪化によって減少傾向にあるか、またはもともと産出例の少ない稀少種と判明しました。
この研究成果は2021年7月14日、日豪共同刊行の軟体動物学雑誌「Molluscan Research」にオンラインで掲載されました。
◆福田宏准教授からのひとこと
2020年は県境を越えての移動が制限された時期もあり、野外調査も控えざるを得ませんでした。ただ、ワスレガイ属の多くの種はどのみち稀少で、平時でも野外での新規標本入手はあまり期待できません。そこで室内で古文献の精読に集中するとともに、全国の博物館へ所蔵標本の借用を依頼し、共著者間で頻繁に連絡を取り合って、データ解析を分担するなどして過ごしました。つまり、ほぼテレワークで完成したのが今回の論文です。
私たちが探求すべき「自然」は野外だけにあるのでなく、書物・ネットや標本庫の中にも、底知れない深さと奥行きを持って広がっていることを再認識しました。
分類学は本来、過ぎ去った歴史を回顧して検討する分野であり、その意味では、未来は過去(文献、標本)の中にこそ息吹いているかのごとく、今の私は感じています。
◆論文情報
論文名:The bivalve genus Sunetta Link, 1807 (Heterodonta: Veneridae) of Japan and the neighbouring waters – a taxonomic revision with the descriptions of three new species
掲載誌:Molluscan Research
著 者:Hiroshi Fukuda, So Ishida, Tetsuya Watanabe, Sadaaki Yoshimatsu and Takuma Haga
DOI:10.1080/13235818.2021.1937016
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/13235818.2021.1937016?journalCode=tmos20
◆詳しいプレスリリースについて
「忘れ貝」可憐な新種とそのゆくえ 万葉集・土佐日記にいう貝たちの「もののあはれ」と「鎖国の名残」
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20210716.pdf
◆参 考
・岡山大学大学院環境生命科学研究科
http://www.gels.okayama-u.ac.jp/
・大阪市立自然史博物館
http://www.mus-nh.city.osaka.jp/
・西宮市貝類館
https://www.nishi.or.jp/bunka/bunka/kairuikan/index.html
・香川県水産試験場
https://www.pref.kagawa.lg.jp/suisanshiken/
・国立科学博物館
https://www.kahaku.go.jp/
◆参考情報
・驚異の新種! アキラマイマイ~「晴れの国おかやま」を象徴するかたつむり~
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id263.html
・驚愕の新種! その名は「サザエ」 〜 250年にわたる壮大な伝言ゲーム 〜
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id468.html
・またしても、新種と知らずに食べていた!-食用海産巻貝類「シッタカ」の一種、クサイロクマノコガイ-
https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id799.html
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 環境生命科学学域(農)准教授 福田 宏
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス
TEL:086-251-8370
FAX:086-251-8370
<岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学連携・知的財産本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えて下さい
TEL: 086-251-8463
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学Image Movie (2020):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2021年8月期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000197.000072793.html
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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
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