Indeed、週休3日の求人動向・ニーズ変化を調査。「週休3日」ニーズが拡大。5年で求人5.3倍、仕事検索3.6倍に。医療・運輸などリモート困難職種を中心に導入進み、柔軟な働き方の選択肢が拡大
世界No.1求人サイト(*1)「Indeed (インディード)」の日本法人であるIndeed Japan株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:淺野 健、https://jp.indeed.com 以下 Indeed )は、「週休3日」や「週4日勤務」の正社員求人動向、および求職者による仕事検索動向について調査しました。
少子高齢化や人手不足を背景に、日本の労働市場では、生産性の向上や多様な人材の活用を目的として、柔軟な働き方を模索する動きが拡大しています。その中で注目を集めている取り組みの一つに「週休3日制」の導入があります。
そこで、本調査では、 Indeed に掲載された求人内容や求職者の仕事検索内容などの最新データを基に、「週休3日制」への関心の変化を時系列で分析しました。制度の認知が広がる中、企業と求職者双方におけるニーズの広がりを可視化し、今後の働き方のあり方を考えるための一助とすることを目的としています。
■調査・分析結果 主要ポイント
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「週休3日」求人が拡大
:「週休3日」や「週4日勤務」に言及する求人割合は、2020年5月から2025年5月の5年間で5.3倍に増加。コロナ禍を通じて柔軟な働き方が浸透した2023年以降、着実に増加 -
リモート困難職種ほど「週休3日」求人が多い
:医療、歯科、ドライバーなど、リモートワークの実施が難しい職種ほど「週休3日」に言及する求人割合が高い傾向にあり、働き方の選択肢を広げる動きが見られる -
求職者の関心も拡大。「週休3日」の仕事探しは増加
:「週休3日」「週4日勤務」関連のキーワードで仕事を探す割合は、2020年5月から2025年5月の5年間で3.6倍に増加。求職者の関心も右肩上がりに拡大中 -
「週休3日」への求職者関心が高いのは首都圏
:都道府県別では、千葉、埼玉、東京、神奈川など首都圏を中心に検索割合が高く、最も割合が高い千葉は全国に先駆けて全県職員を対象に週休3日制を導入した地域
■ Indeed Hiring Lab エコノミスト 青木 雄介のコメント
従業員の人数か、労働時間か――企業のアウトプットを高めるために本来両方を確保することが企業にとって理想ですが、人手不足のもとで両立は難しく、労働時間を短くしたとしても人数確保を優先しようと考える企業が現れるのは自然です。特に、事業の性質上人手が不可欠で、かつ働き方改革に伴う労働時間規制に直面する場合、その傾向は一層強まります。「週休3日」は、こうした企業にとって、人材確保の有力な戦略となり得ます。 Indeed の求人データによれば、「週休3日」や「週4日勤務」に言及する正社員求人の割合は、過去5年間で5倍以上に増加し、2023年以降その伸びが顕著です。
職種別に見ると、医療、歯科、ドライバー、介護、運送など、働き方改革による労働時間規制の影響を受けやすく、かつリモートワークが困難な現場型の職種で「週休3日」の言及求人割合が高い傾向です。リモートワークによる柔軟性が提供できない代わりに、勤務日数の調整によって働き方の選択肢を広げているとみられます。
求職者側の関心も高まっており、特に、千葉、埼玉、東京、神奈川といった首都圏での検索割合が高く、また一部では地域施策(例:自治体職員全員を対象とした選択的週休3日制の導入)が関心を後押ししている可能性があります。興味深いのは、リモートワークの関心では地方からの越県的な動きが多かったのに対し、週休3日への関心では都市圏を中心に、より地域密着型の志向が表れている点です。このことは「働き方」の内容によって、地域間の関心分布や広がり方が大きく異なることを示しています。
<Indeed Hiring Labエコノミスト 青木 雄介(あおき ゆうすけ)プロフィール>
英国UCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)経済学修士。その後、外資系コンサルティングファーム等でエコノミスト・データサイエンティストとして政府・民間・司法機関に向けた経済統計分析及び報告書作成に従事。2022年8月より現職。 Indeed のデータを活用してOECD各国及び日本の労働市場を分析し、外部関係者に向けて分析結果・インサイトを発信している。

■ 調査・分析結果 詳細
・「週休3日」の言及求人割合は、2023年以降に明確な増加傾向。2025年5月には5年間で5.3倍に
Indeed 上で「週休3日」や「週4日勤務」に関連するワードを含む正社員求人の掲載割合を調査しました。2020年1月以降の求人全体に占める「週休3日」関連の言及求人の推移をみると、徐々に割合が高まってきている様子がわかります。特に、2023年に入ってからはおおむね右肩上がりで推移しており、2025年5月時点では、2020年5月と比較して5年間で5.3倍に増加しています。
求人内で「週休3日」の言及が増加してきた背景には、国や自治体の動きも影響していると考えられます。2021年6月に閣議決定した骨太方針(*2)では企業への選択的週休3日制度の推進方針が打ち出されており、2024年4月以降各自治体でも週休3日制度の導入や推進が広がり始めています(*3)。また、慢性的な人手不足が続く中で、週休3日制を打ち出すことが採用競争力の向上や多様な人材の確保につながる手段として、企業側に浸透しつつあることも要因の一つと言えるでしょう。

・特にリモートワークが難しい職種で「週休3日」への言及が目立つ
正社員求人の職種別に「週休3日」言及求人と「リモートワーク」言及求人の割合を分析しました。44職種における言及割合の平均は、「週休3日」は1.6%、「リモートワーク」が9.6%でした。
これに対し、「医療」「歯科」「ドライバー」といったリモート勤務が難しい職種においては、「リモートワーク」言及求人割合が平均よりも低い一方で、「週休3日」は平均を大きく上回る傾向が見られました。
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医療(リモートワーク:1.5%、週休3日:5.9%)
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歯科(リモートワーク:2.1%、週休3日:4.8%)
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ドライバー(リモートワーク:1.5%、週休3日:4.3%)
一方で、「ソフトウェア開発」や「情報システム」などのリモートワークが定着している職種では、「リモートワーク」言及求人の割合が高く「週休3日」は非常に低い傾向にありました。
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ソフトウェア開発(リモートワーク:47.7%、週休3日:0.3%)
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情報システム(リモートワーク:31.4%、週休3日:0.0%)
このように、リモートワークによる柔軟な働き方の提供が困難な現場職や対面職種においては、勤務日数を減らすことで柔軟性を確保しようとする動きが広がっていると考えられます。人材確保や定着率向上を目的とした企業の対応や、長時間労働の是正といった課題への取り組みもあり、週休3日制が、現場型職種における柔軟な働き方の新たな選択肢として定着し始めていることがうかがえます。

・求職者の「週休3日」検索割合も増加傾向。2025年5月には5年間で3.6倍に
続いて、求職者のニーズの変化を探るため、 Indeed 上での「週休3日」や「週4日勤務」関連キーワードの仕事検索割合を調査しました。2020年7月以降「週休3日」関連キーワードの検索割合はおおむね右肩上がりで推移しており、2025年5月時点では、2020年5月と比較して5年間で3.6倍に増加しています。
コロナ禍を通じて働き方に対する価値観や柔軟な働き方の選択肢が広がったことに加え、国や自治体における「週休3日制」の導入推進や企業における制度導入の広がりにより、正社員でも「週休3日」という働き方があることを知る人が増加し、それとともに「週休3日」の働き方に興味関心を抱く人が増えてきているものと考えられます。

・求職者の「週休3日」への関心が高いのは首都圏。居住地域での制度導入が影響している可能性も
都道府県別の「週休3日」関連の仕事検索割合を分析した結果、検索割合が高い上位5都県は、千葉県、埼玉県、東京都、神奈川県、奈良県でした。上位4都県は企業や人材が集中する首都圏であり、多様な働き方の浸透や関心の高さが影響していると考えられます。
なお、上位5都県のうち、千葉県(*3)、埼玉県(*3)、東京都(*3)、奈良県(*3)では自治体職員向けに週休3日制度やそれに類する制度が導入済または導入予定とされており、特に1位の千葉県は、2024年6月から全職員を対象に選択式週休3日制を開始しており、全国に先駆けて制度を導入した地域の一つです。こういった居住地域の自治体における「週休3日制」の導入やそれに関する報道なども、求職者の制度認知や興味関心の向上に影響した可能性もあります。

■ 調査概要
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調査主体: Indeed
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調査対象期間:
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求人動向:2020年1月~2025年5月
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仕事検索動向:2020年1月~2025年5月
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調査対象:
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求人動向:日本の Indeed 上に掲載されている全求人に対する「週休3日」関連ワードに言及している求人の割合(100万件あたりの求人数、3か月移動平均)
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仕事検索動向:日本の Indeed 上の「週休3日」に関連するキーワードを含む仕事検索割合(100万件あたりの検索数、3か月移動平均)
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*1:Comscore 2025年3月総訪問数
*2:厚生労働省「経済財政運営と改革の基本方針2021」
*3:以下は週休3日制度を導入済・導入予定の自治体の例
千葉県「職員が働きやすい職場環境の整備について」、埼玉県「令和7年2月定例会 「総務県民生活委員長報告」」
東京都「職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例」、奈良県「働く環境・制度」
Indeed(インディード)について
Indeed は、最も多くの人が仕事を見つけている世界No.1求人サイト(Comscore 2025年3月総訪問数)です。 Indeed には、6億1,000万件の求職者プロフィールがあり、28言語で60か国以上の人々が Indeed で仕事を探したり、履歴書を投稿したり、企業を調べたりしています。350万以上の雇用主が Indeed を利用して新しい従業員を見つけ、採用しています。詳細はhttps://jp.indeed.comをご覧ください。
※本プレスリリースは、以下からもご確認いただけます。
Indeed Japan Press Room:https://jp.indeed.com/news/releases/20250912
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