26卒高卒採用 求人募集増やす3割超・初任給アップは7割超

【26卒・25卒】高校新卒採用に関するアンケートから読み解く就活アップデート

ジンジブ

   

高校生の就職を支援している「ジンジブ」(大阪市)では、7月から本格的に始まる2026年3月卒(以下、26卒)の高卒採用の動向トピックについて、当社で実施した高卒採用の担当者へのアンケートや厚生労働省データをもとにまとめました。

<トピックサマリー>

トピック1.高卒の求人倍率“25卒4.1倍”、26卒も採用競争の過熱を予測 

 26卒の求人募集人数を「増やす」「再開する」「新たに始める」予定の回答は36.2%

トピック2.「就職」が高校生の有力な進路選択へシフトしている。

 昨年と比較して26卒の初任給アップを予定する回答は72.1%。 

トピック3.就職活動アップデートと企業の「人的資本経営」への変化。

 強化する採用ツール「動画」32.6%、「企業公式SNS」31.7%、「求人サイト」30.3%と3割超。

◆調査概要

アンケート①:高卒採用担当者への25卒振り返りアンケート ※以下[①25卒振り返り]

アンケート②:高卒採用担当者への26卒採用動向アンケート ※以下[②26卒予定]

調査期間:[①25卒振り返り]2025年1月28日~2月25日 / [②26卒予定] 2025年5月19日~6月2日

有効回答数:[①25卒振り返り]517名(うち25卒実施431名)/ [②26卒予定]491名(うち26卒実施予定448名)

調査方法:インターネット調査法 /メールによるアンケート回収(共通)

調査対象:企業の高卒採用のご担当者 または準じる方(共通)

◆調査背景

少子化が加速し、若手採用のニーズが高まる中、企業の高卒採用に対する意識が大きく変化しています。初任給の引き上げなどの待遇向上や、新生活支援やキャリアアップの育成支援など、人に投資する「人的資本経営」が重要視されています。

高校でも「高卒就職」の進路選択や、就活のDX化、リアルな仕事体験など、ミスマッチのないキャリアを描くための新たな就職活動が進んでおります。自社アンケートの抜粋をもとに考察します。 

※アンケートの全文は、後日公開いたします。

<トピック1:高卒の求人倍率“25卒4.1倍”、26卒も採用競争の過熱を予測>

現在の高卒採用は、まさに「売り手市場」が加速しています。厚生労働省のデータ(*1)によると、令和7年3月末の高卒採用の求人倍率は4.10倍となりました。約12.1万人の就職者に対し、約49.9万人の求人があったことを示しており、企業が高校生の新卒人材を強く求めている状況が明らかです。

ジンジブが2025年2月に実施した、25卒振り返りアンケート [以下、①25卒振り返り]では、企業の約7割が採用計画に対して未達と回答がありました。計画通り採用できた企業は24.6%に留まり、60.6%は採用ができたものの採用計画に対して未達、14.8%は採用ができなかったと回答しています。

採用が充足しなかった理由の30.2%が「他社の求人増」と回答されており、企業間の人材採用競争が激化していることがうかがえます。

また、この傾向は26卒でも続く見込みです。

2025年5月に実施した26卒採用動向アンケート[以下、②26卒予定]では、26卒で求人募集人数を「増やす」と回答した企業は33.5%に達し、「再開する」「新たに始める」を含めると36.2%になります。一方で「減らす」と回答した企業はわずか3.3%でした。昨年実施した25卒動向のアンケート(*2)とほぼ同じ回答割合でした。

26卒で採用を増員する理由の約4割が「25卒で充足しなかったため」と回答しており、高卒採用への企業の意欲がますます高まっていることがわかります。

(*1)出典:厚生労働省 令和6年「高校者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」(令和7年3月末) 

(*2)出典:ジンジブ【25卒】高校新卒採用に関する企業動向調査(2024年4月)

<トピック2:「就職」が高校生の有力な進路選択へシフト>

企業の採用意欲の高まりに加え、高校生の進路選択にも変化の兆しが見られます。

厚生労働省のデータ(*1)によると、令和7年3月末時点の就職希望者数は、前年比で675人増とわずかに増加しました。人口減少もあり近年減少が続いていた中で、この増加は注目すべき変化と言えるでしょう。北海道、宮城、茨城、千葉、神奈川、新潟、長野、三重、岐阜、兵庫、広島、鹿児島などをはじめ、広範囲で就職希望者がわずかに増加しています。

1. 企業が高卒人材を熱望している

前トピックからも読み取れるように、高卒採用の求人募集件数は増加傾向です。

[②26卒予定]によると、企業が高卒人材を強く求める背景には、その若さや体力(69.5%)素直さ(55.4%)といった点で高く評価していることがあります。また、高卒採用を実施する理由では「若手人材の層を厚くするため」(69.2%)「人材不足のため」(52.0%)「高卒採用が自社に合っているため」(34.4%)が挙げられています。

企業の将来を担う人材として、高卒生への期待が高まっていることがわかります。

2. 「初任給アップ」や「生活応援」など就職後を後押し

企業は高校生を採用するための、具体的な待遇向上にも力を入れています。

[②26卒予定]では、25卒では83.1%が24卒より初任給を引き上げしたと回答し、26卒では72.1%が25卒と比較し、初任給の引き上げを予定していると回答しています。

その理由として「物価上昇に伴い社員の生活を支えるため」(54.6%)、「社員の定着のため」(51.0%)、「高卒採用の応募を増やすため」(49.0%)があげられています。

また、初任給の引き上げだけでなく、新生活を支援する制度も強化されています。

[②26卒予定]では、「社員食堂や昼食代支給」(28.3%)、「住宅補助」(26.1%)、「寮・社宅完備」(23.4%)といった福利厚生を充実させる企業が増えています。

加えて働き方の見直しに関する質問では、「残業時間の削減」や「休暇取得の促進」以外にも「働き方の選択肢(複数の求人を用意)」(31.9%)もあり、1社の中で、自分にあった働き方や、他職種にキャリアチェンジができる可能性が広がり、より柔軟な働き方を提示する企業も現れています。

<トピック3:就職活動アップデートと企業の「人的資本経営」への変化。>

不確実な時代において、スマートフォン世代である高校生に合わせた就職活動の多様化が進んでいます。企業側も高校側も、早期キャリア教育、仕事体験、そして入社後の長期育成といった「人的資本経営」を意識した取り組みを強化しています。

1.高校生の就職活動の多様化

高校生の就職活動において、企業情報の収集方法は大きく変化しています。

[①25卒振り返り]によると、応募のきっかけとなったものは依然として「学校の求人票」(68.1%)が最多であるものの、「自社HP」(38.1%)、「ハローワーク合同企業説明会」(31.6%)に加え、「求人サイト」(30.5%)、「民間企業の合同企業説明会」(25.9%)、「SNS」(11.7%)、「動画」(9.8%)といったデジタルツールや民間サービスから応募につながったという回答が増えています。

これに対応し、[②26卒予定]では、企業が強化する採用ツールとして「会社のホームページ」(57.0%)以外に、「採用動画」(32.6%)、「企業公式SNS」(31.7%)、「求人サイト」(30.3%)などデジタルを活用したツールが上がりました。

それぞれ昨年よりも注目が集まっており、デジタルでの情報発信が重要視されていることがわかります。

また、早期からの「仕事体験」が主流になりつつあります。

[②26卒予定]の7月の求人解禁前の取り組みについての質問で、「インターンシップ」(49.3%)、「オープン・カンパニー」(39.9%)を重視すると回答されており、高校生が実際に働く現場を体験する機会の需要が高いことが示されています。

[①25卒振り返り]では、応募前の高校生との接点について、43.5%の企業が「高校生への接点は足りない」と回答がありました。

さらに、高校側でも企業の多様な情報発信に対応する「求人管理DX」が進んでおり、自分に合った求人情報を探す仕組みも広がっています。

2.企業側の戦略的な採用と入社後育成の深化

企業は採用活動だけでなく、入社後の育成にも力を入れています。

[②26卒予定]によると、高卒社員のキャリアアップ支援の取り組みでは「資格取得の支援」(43.6%)、「キャリア面談の実施」(37.5%)、「研修・リスキリングの拡充」(29.1%)を重視していることがわかります。また、社会人スタートのフォローでの「社会人の基礎研修の拡充」(31.6%)、「メンター制度/ブラザー制度」(21.6%)という回答からも、手厚い育成・定着支援を具体的に推進しています。

3.就職活動でのミスマッチを防ぐ取り組み

ミスマッチを防ぐための「本音」と「体験」の開示も重要視されています。

[②26卒予定]では、ミスマッチ防止の取り組みで「業界について伝える」(44.6%)、「良いところだけではなく大変な部分を伝える」(39.5%)といった本音の情報開示を重視しています。加えて、「職場見学などで働く現場を見てもらう」(43.8%)、「仕事体験できる機会をつくる」(24.6%)など、実践的な体験の場を提供することで、入社後のギャップを減らす工夫がされています。

そして、採用機会の向上やミスマッチ軽減のためにも企業の高卒採用サービスの活用が一般化しています。

[①25卒振り返り]によると、4割(40.2%)の企業がハローワーク以外の高卒採用サービスを現在利用しており、「今後検討」(18.6%)している企業も少なくありません。サービス導入理由には「サポート体制」「予算」「ノウハウの蓄積」「自社でできないことがある」といった回答があり、採用課題解決への意欲が見て取れます。

ジンジブの提供サービスでの新しい就活・定着の広がり

  • 就活シーズン前に行う高校生のための職業体験イベント「おしごとフェア」では開催会場数・来場者数ともに年々増加しており、高校生の仕事体験への意欲が高まっていることが裏付けられています。

    参加実績:2022年4会場616名 ・ 2023年14会場2,796名 ・ 2024年12会場3,167名・2025年19会場6,002名

  • 高校向け求人管理システム「ジョブドラフトTeacher」の導入高校数は、2023年3月期の283校から2025年3月期には801校へと増加してお、システムやアプリを活用した効率的な求人管理と情報提供が浸透しつつあります。

  • 高校生の新卒1年目の集合研修「ルーキーズクラブ」の実施会場が9会場に拡大しております。企業が入社後の定着を重視していることがうかがえます。

  • 企業の人事力アップ(人的資本経営)が採用にも定着にも重要になっていることを背景に、2024年9月より人事支援サービス「人事部パック」を提供開始しました。

<まとめ:アンケートから見える「令和の高校就活アップデート」”今”と”未来”>

2026年3月卒の高卒採用市場は、求人募集を増やすという回答が36.2%だったことからさらに求人活動が過熱することが予想されます。

しかし、企業はこの課題に対し、初任給の賃上げや入社後の生活支援、キャリア育成支援といった、若手人材の採用と定着に向けた「人的資本経営」の取り組みを進めています。高卒人材を長期的な戦力として捉え、積極的に投資する企業が増えていると言えます。

採用活動の手法においても、デジタルツールの活用や就職活動シーズンより早い時期の体験型プログラム、そしてリアルな情報開示を通じて、高校生へのアプローチを多角化し、就職後のミスマッチ防止に努めています。

このような企業に対し、高校側もキャリア教育の重要性を深く認識し、企業との接点機会の増加や体験イベントやインターンシップへの参加、さらには求人情報のDX化といった取り組みに積極的です。

これらの「令和の高校就活アップデート」も要因して、これまで減少傾向だった就職希望者がわずかながら増加する地域が増えているのではないかと推察しています。

高校生の就職活動のあり方や企業の採用戦略の変化に、高校生のキャリアの歩み方に変革のきっかけが見えてきます。

株式会社ジンジブでは、今後もこの変革を支援し、高校生一人ひとりが夢や希望を持ってキャリアに向けた進路選択ができるよう、就職環境の向上や企業の人的資本経営に貢献するべくサービス提供に尽力してまいります。

【回答者属性】

<ジンジブについて>

株式会社ジンジブ

代表取締役:佐々木 満秀(ささき みつひで)

本社所在地:大阪府大阪市中央区南本町2-6-12 サンマリオンタワー14階

拠点:大阪本社・東京・福岡・名古屋・仙台・広島・新潟・岡山・熊本・静岡

設立:2015年3月23日(グループ創業1998年9月1日)

株式情報:東京証券取引所 グロース市場(証券コード:142A)

HP:https://jinjib.co.jp/

ジンジブは「高卒」の若者のための社会課題解決企業です。同じく「高卒社長」である佐々木が、「夢は、18才から始まる。」をスローガンに掲げて事業をはじめました。高校生のキャリア教育や、就活の情報提供、就職後の定着やスキルアップやキャリア形成、転職時の情報提供やサポートを行います。

■サービスについて

●高卒就活採用支援サービス 「ジョブドラフト」

将来について考えるきっかけを与えるキャリア教育支援「ジョブドラフトCareer」や、これまでは文字情報のみの求人票でしか収集できなかった求人情報を、高校生に向けた発信をする就職情報アプリ「ジョブドラフトNavi」や、高校生のための合同企業説明会「ジョブドラフトFes」を運営し高校生が未来を自分の意思で形作るためのサービスを展開しております。

また、卒業後の生徒には、高卒第二新卒や既卒者へのリスキリングと就職・転職を支援する「ジョブドラフトSchool」「ジョブドラフトNext」を運営し、社会に出た後にも寄り添ってまいります。

2023年12月「第13回キャリア教育アワード※」(主催:経済産業省主催)にて「優秀賞」を受賞。

※ジンジブ https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000129.000048030.html

●人材育成サービス

社会人として必要となる基礎スキルやマインド、DXを始めとしたこれからの社会で必要になるスキルの学び直しの講座を開発し、高校生や高卒社会人が人生100年時代の中、キャリアアップを実現するためのサポートを運営しております。 Z世代の採用育成を行う企業向けには、入社後の定着のための研修「ROOKIE’S CLUB(ルーキーズクラブ)」を行っています。デジタルマーケティング講座「DMU」などのスキルアップ講座も提供し、企業発展を促す若手人財の育成を支援してまいります。

●人事支援サービス「人事部パック」

これまでの「高卒採用」の支援にとどまらず、「採用戦略策定」「教育」「定着」「評価」「福利厚生」など、中小企業の「人的資本経営」を支える人事にまつわる業務のサポートをする月額サービスです。日本の根幹を支える中小企業にとっての「人事部」としてのパートナーとなり企業の成長をサポートします。

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会社概要

株式会社ジンジブ

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URL
https://jinjib.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
大阪府大阪市中央区南本町2-6-12 サンマリオンタワー14階
電話番号
06-7777-7779
代表者名
佐々木満秀
上場
東証グロース
資本金
301万円
設立
2014年02月