乃木坂46・Snow Manなど人気J-POPアイドルの「推し活」消費額、K-POPを上回る実態が明らかに!ファン心理や応援活動に大きな違い

ー現役大学生・大学院生350人を対象にした実態調査ー

テテマーチ株式会社

株式会社テテマーチ(本社:東京都目黒区、代表取締役:上田 大介)が運営するサキダチラボは、Z世代の「推し活」に関する実態調査を実施し、「J-POPアイドル」と「K-POPアイドル」のファン心理や応援活動の特徴を比較分析しました。本調査は、全国の現役大学生・大学院生350名にアンケートを実施したほか、現役大学生3名へのデプスインタビューを行いました。

■調査背景

「推し活」は世の中に広く浸透し、その対象も楽しみ方も多様化しています。なかでも「アイドル」は、多くの人々を惹きつけ、変わらぬ人気を誇る存在です。そこで、今回サキダチラボでは、Z世代の中心である現役大学生・大学院生350名を対象にアンケート調査を実施し、特に人気の高かった「アイドル」に焦点を当て、「J-POPアイドル」と「K-POPアイドル」のファンの特徴を比較分析しました。

前編では、大学生・大学院生350名へのアンケート調査から、最新の推し活事情を明らかにしました。

人々がアイドルを応援する深層心理を探るため、それぞれのファンの価値観や応援活動を分析し、推し活心理をマーケティングに活用するためのヒントを探ります。

■調査結果サマリー

今回の調査では、「J-POPアイドル」と「K-POPアイドル」のファン心理と応援活動には、以下の違いが見られました。

【主な応援活動】

・J-POPアイドル:直接会えるイベントやライブへの参加といった「リアル交流型」で、月1万円以上費やす人の割合は20%

・K-POPアイドル:YouTubeコンテンツの視聴やオンラインミーグリ(*1)への参加といった「オンライン視聴型」で、月1万円以上費やす人の割合は7.7%

【情報チャネルと発信傾向】

・J-POPアイドル:SNSだけでなく、テレビやラジオなどのマスメディアからも頻繁に情報を得て、感想をSNSで共有する傾向がある

・K-POPアイドル:主な情報チャネルはSNSで、YouTubeやTikTokでパフォーマンス動画を視聴し、気に入った動画をシェアする傾向がある

【アイドルの魅力】

・J-POPアイドル:人間味あふれる姿や成長過程への「共感」

・K-POPアイドル:完成度の高いパフォーマンスや世界観への「憧れ」

オンラインミーグリ(*1)ファンとスマートフォンやタブレットでビデオ通話を通じて、1対1の会話をするイベント

■調査結果

本調査の詳細レポートや前編のレポートについては、下記をご覧ください。

【前編】

消費を動かす「推し活」の現在地とは?大学生調査から読み解く、時間とお金の使い方

【後編】

アイドルを推す心理と応援活動を比較分析 〜「共感」のJ-POPと「憧れ」のK-POP〜

応援活動と消費行動:リアル交流のJ-POPとオンライン視聴のK-POP

1ヶ月あたり推し活に使う金額は、J-POPアイドルファンの方が、相対的に支出額が多いことが見て取れます。特に、月1万円以上費やす人の割合(計20%)が、K-POPアイドルファン(計7.7%)と比較して顕著に高いことが分かります。

インタビューにて、応援スタイルの違いに関してJ-POPアイドルを推すBさんは、「ライブツアーには毎年参戦し、うちわやペンライトなどのライブグッズもその都度購入しています。」と言い、同じくJ-POPアイドルを推すAさんは、「ライブでは、ファンも一緒に楽しめるダンスの振り付けがあり、それが会場全体の高揚感や一体感につながっていると感じます。」と話します。

J-POPアイドルファンにとって「直接会えるイベント」は、アイドルとの物理的な距離を縮めるだけでなく、ファン同士が感動を分かち合う中で、共感や一体感が育まれる特別な空間となっているようです。

一方で、K-POPアイドルを推すCさんは、「ライブに行きたい気持ちは山々なのですが、J-POPアイドルに比べて物理的に会える機会が限られていて、チケット価格もJ-POPアイドルのライブなら1万円以内が一般的ですが、K-POPアイドルの場合は2万円程度になることも珍しくありません。」と語ります。

K-POPアイドルは、J-POPアイドルに比べ、オンライン上で楽しめるデジタルコンテンツがとても充実していて、特にSNS上では、パフォーマンス動画だけでもライブ映像、MV(ミュージックビデオ)、ダンスプラクティス(*2)、チッケム(*3)など、幅広いコンテンツが公開されています。そのため、結果的にSNS上のコンテンツ視聴がメインになっているのだと考えられます。

このようにJ-POPアイドルファンは「リアル交流型」の応援スタイルであるのに対し、K-POPアイドルファンは「デジタル視聴型」の応援スタイルであり、そこには異なる熱狂の姿が見られました。

ダンスプラクティス(*2):定点カメラで正面からダンスパフォーマンスを撮影した動画のこと

チッケム(*3):アイドルグループのパフォーマンス映像などで、特定の一人のメンバーだけを追いかけて撮影した「推し専用カメラ」のような動画のこと

情報チャネルと発信傾向:マスメディア起点のJ-POPとSNS起点のK-POP

2025年3月におけるX上の言及数が100万件を超えたアイドルグループは、乃木坂46、なにわ男子、JO1、Snow Manの4組で、いずれもJ-POPアイドルでした。

※ X上の「言及数」および「UGC数」は、ソーシャルメディア分析ツール「Meltwater」で集計 ※集計期間:2025年3月

これら4組のJ-POPアイドルに関する直近1年間のX上の投稿内容を分析したところ、テレビ番組やラジオ番組に関する話題が大きな割合を占めていることが分かりました。また、各グループの冠番組や、音楽番組での楽曲披露に関する言及は、その放送日当日に集中して投稿される傾向が見られました。

このことから、同じ時間に特定のコンテンツを見て共感し、その瞬間をSNSで共有して盛り上がるという、マスメディアだからこそ生まれる一体感のあるムーブメントがファンの間で定期的に発生していると考えられます。

J-POPアイドルはマスメディアへの露出機会が相対的に多く、「テレビ離れ」と言われる現代においても、依然としてSNS上の言及数を押し上げる要因になっていると推察されます。

※ X上で「乃木坂46」・「なにわ男子」と同時に最も頻繁に表示されるキーワード(ハッシュタグ、絵文字、人、場所、組織を含む)
※ 集計期間:2024年5月〜2025年4月までの1年間
※ X上で「JO1」・「Snow Man」と同時に最も頻繁に表示されるキーワード(ハッシュタグ、絵文字、人、場所、組織を含む)
※ 集計期間:2024年5月〜2025年4月までの1年間

一方で、K-POPアイドルは、J-POPアイドルに比べて日本国内のマスメディアへの露出は限定的です。そのため、K-POPアイドルファンは「結果的にSNS上のコンテンツ視聴がメインになっている」と言えそうです。

また、アンケート調査の結果によると、K-POPアイドルファンはJ-POPアイドルファンに比べて、推しの情報収集にYouTubeとTikTokを利用する人の割合が高いことが分かりました。

YouTubeはJ-POPアイドルファンが46.0%であるのに対し、K-POPアイドルファンは61.5%と15ポイント以上の差が見られます。同様にTikTokでも、J-POPアイドルファンが40.0%であるのに対し、K-POPファンは49.2%と、K-POPアイドルファンの方が動画プラットフォームを積極的に活用して情報を得ている様子が伺えます。

このように、J-POPアイドルファンはマスメディアを起点として情報に触れる機会が多く、その感想をSNSで共有する傾向があるのに対し、K-POPアイドルファンはSNS、特にYouTubeやTikTokといった動画プラットフォームを起点に情報に接触し、ファン同士で共有・拡散する、という違いが見られました。

ファンを惹きつけるアイドルの魅力:共感のJ-POPと憧れのK-POP

インタビューの結果、J-POPアイドルのファンのBさんは、「見た目の印象と違って、メンバーの性格が優しく、周囲に気遣いができるところに惹かれた」と、アイドルの人間味や成長過程に共感し、歌やダンスのスキルだけでなく、メンバー個々の人柄や個性、親しみやすさもファンを惹きつける大事な要素となっているようです。

一方で、K-POPアイドルのファンのCさんは、「メンバーのビジュアルが好みで、自分と年齢がほとんど変わらないのに、かわいさの次元が違いすぎる」と、まるで手の届かない理想像としての憧れから推し始めたと言い、完成度の高いパフォーマンスやビジュアル、世界観に憧れを抱く傾向が見られました。

このように、J-POPアイドルのファンは人間味あふれる姿や成長していく過程に心を惹かれ「共感」するのに対し、K-POPアイドルのファンは完成度の高いパフォーマンスやビジュアル、そして独自の世界観に心を奪われ「憧れ」を抱くという、価値観の違いが明らかになりました。

■サキダチラボ所長コメント

本調査から、J-POPアイドルファンの「共感」とK-POPアイドルファンの「憧れ」という異なるファン心理が、それぞれの応援活動や消費行動に違いをもたらしていることが明らかになりました。

多くの商品やサービスでコモディティ化が進む現代において、企業が顧客エンゲージメントを高めるためには、本調査で示したようなファン心理への深い理解と、それに基づいたコンテンツ提供やコミュニケーション設計が不可欠です。

しかしながら、現代のアイドル市場では、J-POPやK-POPといったカテゴリーの境界が曖昧になる「ボーダーレス化」も同時に進んでいます。この背景には、音楽ストリーミングサービスや動画プラットフォームの普及により、世界中の音楽やコンテンツへのアクセスが格段に容易になったことが考えられます。さらに、SNSを通じていろんなアイドルに出会う機会が増え、国や地域を越えたファン同士の交流が盛んになったことも、このボーダーレス化を後押ししていると言えるでしょう。

こうした市場の変化によって、人々の価値観も多様化しています。そのため、「推し活」に代表されるようなファン心理を理解しようとする際、全体の傾向だけを見て「ファンとはこういうものだ」と安易に一般化してしまうと、その本質を見誤る可能性があります。だからこそ、N1調査などを活用して、ファンそれぞれが抱える多様な心理を丁寧に読み解くことが、今後ますます重要になっていくでしょう。

サキダチラボ 所長 上市 愛(かみいち めぐ)

■調査概要

⑴推し活をしている現役大学生・大学院生350名へのアンケート調査
※詳細は【前編】参照
調査名:「推し活」に関するアンケート調査

調査方法:「サークルアップ」内のアンケートオファーによる調査

調査対象:全国の現役大学生・大学院生(大学1年生〜大学院2年生)のうち、「推し」がいると回答した方

有効回答数:350名

性別:男性 109名、女性 241名

学年:大学1年生 120名、大学2年生 123名、大学3年生 77名、大学4年生 27名、大学院生 3名

調査期間:2025年3月12日~13日

⑵アイドル推しの現役大学生3名へのデプスインタビュー調査

⑶ソーシャルリスニングツール「Meltwater」を活用したJ-POP・K-POPアイドルグループに関するX(Twitter)上の言及データ分析

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■本調査に関するお問い合わせ

〇担当:上市(かみいち)
連絡先:info@tetemarche.co.jp
サキダチラボ:https://tetemarche.co.jp/sakidachi_lab

テテマーチ株式会社とは

テテマーチ株式会社とは

テテマーチ株式会社は企業向けにSNSマーケティング支援を中心としたビジネスを展開しています。「サキダチ、ヤクダツ。」をコンセプトに「これから世の中に広く普及するものをテテマーチが先立ってノウハウを習得し、世の中に役立てていこう」という願いを実現すべく活動をしています。2015年の創業時より、SNS領域に注目し、700社以上のサポートを実施。アカウントのコンサルティング、分析ツール開発など、さまざまなサービスをもって企業のSNS活用を支援しています。 今後も、企業のマーケティング活動を一気通貫してサポートすべく、プロダクトやサービスの開発に注力しています。

会社概要
〇社名 :テテマーチ株式会社
〇所在地:東京都目黒区目黒1-24-12 オリックス目黒ビル6F
〇代表者:代表取締役 上田 大介
〇設立 :2015年6月12日
〇社員数:88名(パート・アルバイト含む)(2025年4月末時点)
〇事業 :SNSマーケティング支援/プロダクト開発/プロモーション支援/ブランドプロデュース
〇URL :https://tetemarche.co.jp

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設立
2015年06月