NPO法人ライフリンクが運営するSNS相談窓口の技術支援を開始、「PKSHA FAQ」及び生成AIを活用したメンテナンスシステムを提供
月間1万アクセスのSNS相談窓口「生きづらびっと」などと連携するFAQページ「LIFEヒント」を9月16日リリース。AI活用により、人への相談とは異なる選択肢や、受付時間外でもアクセス可能な場の提供へ
株式会社PKSHA Technology(読み:パークシャ・テクノロジー、本社:東京都文京区、代表取締役:上野山 勝也、以下PKSHA)は、特定非営利活動法人 自殺対策支援センター ライフリンク(代表:清水 康之、以下NPO法人ライフリンク)の運営するSNS相談窓口「生きづらびっと」などの取り組みに対し、この度、同社の製品である「PKSHA FAQ(パークシャ エフエーキュー)」及び生成AI活用でFAQ(※1)を拡充・更新するソリューションを提供し、その活動を支援します。 さまざまな悩みについて、AIを活用し、具体的な対処のヒントを探せるようにQ&A形式で情報が提供されます。2025年9月16日より、この技術を活用したFAQページを公開します。また、同ページはSNS相談窓口「生きづらびっと」などからもアクセスができるようになります。PKSHAとライフリンクは、人とAIが協調することで、生きづらさを感じている方々への支援を拡大していきます。
なお、今回の取り組みは、2025年6月に公布された改正自殺対策基本法で示された、自殺の防止に対する人工知能関連技術の活用促進という理念に沿った取組です。
導入の背景:相談窓口が慢性的に抱える課題解決を目指し、AI活用を促進
近年、自殺者の総数は減少傾向にあるものの、依然として年間2万人を超える人たちが自殺で亡くなっています。特に2024年には小中高生の自殺者数が過去最多の529人を記録(※2)するなど、社会全体で深刻な課題となっています。こうした状況を受け、SNSを活用した相談窓口の需要が年々高まっています。
20年以上にわたって自殺対策に取り組むNPO法人ライフリンクが運営するSNS相談窓口「生きづらびっと」においても、毎月約1万人から相談が寄せられているものの、その対応率は40%〜50%に留まっています。
ライフリンクでは、「支援を必要とするできる限り多くの人に、必要な情報を届けたい」という想いから、これまでも相談対応の質を担保した上で相談の受け皿を拡充し、相談対応率を上げることに取り組んできました。しかし、相談アクセス数が年々増加していることや相談員の育成には一定の時間を要することなどから、対応率を向上させることができず、それにより相談にアクセスした人のうち、50%~60%の人が相談につながることができないという課題が生じていました。
導入の概要:「PKSHA FAQ」と生成AIによるメンテナンスシステムの同時活用、1000件以上のQ&Aにより情報支援を強化
このような状況の改善にむけ、PKSHAの提供するFAQシステム「PKSHA FAQ」と、相談内容のデータから自動でFAQを拡充・更新するソリューションの導入が、ライフリンクにより決定されました。
「PKSHA FAQ」を活用し、「生きづらびっと」などと連携させた独自のFAQページ「LIFEヒント」を作成しました。このページは、さまざまな悩みについて、具体的な対処のヒントを探せるようにQ&A形式の情報が1000件以上まとめられています。「いじめで悩んでいて、消えてしまいたいと思っている」「仕事が見つからず、生活の見通しが立たない」など、多様な悩みについて、どのように受け止め(捉え)、対処していくのがいいのかの情報(ヒント)を閲覧することができます。提供される情報は、これまで「生きづらびっと」で寄せられた相談への相談員による対応のやりとりをベースとしています。月間3000-4000件に及ぶ相談ログからAIが回答を自動生成するソリューションをPKSHA独自のアルゴリズムを用いて開発しました。本ページの利用者は、自身が抱える悩みについて、まずはカテゴリーを選び、さらにその中の具体例から、自分の悩みに近いものを選択して、対処のヒントを探すことができます。

なお、生成に利用するデータは、個人の相談内容を特定できないように加工し、個人情報に配慮した上で活用しています。また、AIが作成したFAQは、ライフリンク職員がすべての内容を精査・確認した上で公開しています。
今後の展望:人への相談とは異なる選択肢も拡充
今回の取り組みがリリースされた後も、引き続きPKSHAの技術と、ライフリンクが長年培ってきた相談対応の知見を組み合わせ、改善を続けながらAIを活用した新しい支援体制を構築します。これにより、さまざまなしんどい気持ちを抱える人の選択肢を広げることを目指します。
PKSHAは、人とソフトウエアがともに進化する社会の実現を目指し、今後もテクノロジーの力で社会課題の解決に貢献してまいります。
FAQページ「LIFEヒント」:hint.lifelink.or.jp
※1 FAQ:よくある質問と回答(Frequently Asked Questionsの略称)
※2 令和6年中における自殺の状況|厚生労働省自殺対策推進室(https://www.mhlw.go.jp/content/001464717.pdf)p.4より
◆特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリンク副代表 根岸親様からのコメント
SNS相談窓口「生きづらびっと」は、2017年10月に発覚した「座間9人殺害事件」を受け、SNS上で吐露される「死にたい」気持ちの受け皿となることをめざし、2018年3月に開設しました。それから7年が経ったいまもなお、寄せられる相談の数は増加の一途をたどっています。相談件数は既存のキャパシティをはるかに超えており、相談対応の質を担保した上で相談の受け皿を拡充していくこと、相談対応率を即座に改善することが難しい状況が続いてきました。また昨今では「相談すること」自体に抵抗感を覚えるこども・若者が少なくないことも明らかになっています。それらの状況を踏まえ、必ずしも相談につながらなくても必要な情報にアクセスできる仕組みを整備しようと、今回の生成AIを活用した機能開発を推進することにしました。相談のなかには、気持ちを聞いてほしいというより、自分にとって必要な情報を知れればよい、抱えている悩みについて気持ちや状況への対処だけ知りたいというニーズも一定の割合であります。そうした相談に対しては、従来のように相談員が話を聞くのではなく、これまでの相談事業を通じて培った知見を活かしたかたちでの情報を提供することが有効策になりえるのではないかと考えています。ライフリンクの相談支援事業として重視しているのは、相談のアクセスがあった際、たとえ相談員への相談につながらなくても、なんらかのかたちで「つながる」ことです。最終的には「人」による支援が最重要と考えていますが、自殺リスクや相談者のニーズに応じた生成AIの多面的な活用を見据えています。今回のリリースを皮切りとして、今後も社会状況に応じたかたちでの自殺対策に取り組んでいくために、生成AIの活用を推進していきます。
PKSHA FAQについて
PKSHA FAQは、世界最大のヘルプデスク業界団体HDIの日本法人HDI-Japanと共同で策定した「FAQ Management」に準拠し、独自の特許技術(特許第4512103号)を保有するFAQ/お問合わせ管理システムとしてFAQサイトの作成や更新作業をWebブラウザ上から簡単に行えるほか、AIによる支援機能を搭載し、40%のお問合わせを削減する導入効果が出ています。システムの運用性や検索性の高さを強みに、金融、製造、情報通信、流通など様々な業種の大手企業や自治体など、国内トップシェアとなる延べ800社、累計1,500サイト以上が利用しています。
特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリンク概要
法人名 :特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリンク
代表者 :代表 清水 康之

株式会社PKSHA Technology 会社概要
「未来のソフトウエアを形にする」というミッションのもと、社会課題を解決する多様なAIおよびAIエージェントを提供しています。 これらを、金融・製造・教育といった各業界に最適化した<AIソリューション>として、また、「PKSHA AI ヘルプデスク」「PKSHA Chat Agent」「PKSHA 面接コパイロット」など、汎用性の高い<AI SaaS>として展開することで、未来の働き方を支援し、人とソフトウエアが共に進化する社会を実現していきます。
会社名:株式会社PKSHA Technology
所在地:東京都文京区本郷 2-35-10 本郷瀬川ビル 4F
代表者:代表取締役 上野山 勝也
URL: https://www.pkshatech.com/
◆本件に関するお問い合せ
pr@pkshatech.com
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