【贈り物に関する意識・実態調査 2025】贈り物の機会は全体的に減少、特にお中元・お歳暮は2017年から18.1%減「贈り物のカジュアル化」の中、デジタルギフトがシニアにも徐々に浸透

販売部数 No.1(※1)雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを通じて50代以上のインサイトを日々探求するハルメク 生きかた上手研究所は、50~87歳のハルトモの女性579名を対象に「贈り物に関する意識・実態調査」をWEBアンケートにて実施しました。

(※1)日本ABC協会発行社レポート(2025年1月~6月)

調査結果のポイント

■何らかの贈り物をしているシニアは97.8%。贈り物の機会は全体的に減少、特にお中元・お歳暮は2017年から18.1%減。

■「3年前と比較したときの贈り物にかけるお金」はさほど変化なし。ただし「欲しいものの内容」は、約4割が変わったと回答。

■デジタルギフトは約9割が認知。認知者の中で実際の贈答経験者は約6割。そのうち、「もらった(のみ)」は33.5%、「贈った(のみ)」は3.2%、「もらった・贈った両方あり」は23.9%だった。多いのはLINEギフト、Amazonギフト券。

■デジタルギフトの用途は「誕生日」のほか「ちょっとしたお礼・お返し」が多く、従来の贈り物カテゴリーにとどまらない利用の広がりもうかがえた。

■デジタルギフトは「気軽に贈れる・もらえる」が利点とされつつ「不慣れなので不安」「心がこもっていない」などの声も。今後の利用意向は、意見が分かれた。

【調査背景】

ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。近年ギフト市場におけるお中元・お歳暮などの規模が縮小する一方でカジュアルギフトが増加、SNS等を介したデジタルギフトの利用が増加しています。シニアにおいても同様の傾向が見られるのか、実態や意識を把握するために調査を行いました。

【調査概要】

調査方法:WEBアンケート 

調査対象・有効回答者数:全国50~87歳・579名

調査実施日:2025年10月15日(水)~10月20日(月)

※2017年調査:11月に実施 メールアドレス保有のハルトモ会員229名「お中元・お歳暮について」

調査主体:株式会社ハルメク・エイジマーケティング  ハルメク 生きかた上手研究所

※ 調査結果のパーセンテージは、小数点以下第2位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがあります。

※ 本リリースの内容を掲載いただく際は、出典として「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。

※ 調査主体の「ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。

何らかの贈り物をしているシニアは97.8%。
贈り物の機会は全体的に減少、特にお中元・お歳暮は2017年から18.1%減。

  • 2025年調査では「直近1年間ではひとつも(贈り物を)贈っていない」は2.2%で、97.8%がなんらかの贈り物をしていた。

  • ほとんどの贈り物が2017年よりも減少。中でも10ポイント以上減少していたのは「旅行・帰省のお土産」「おすそ分け」「お中元・お歳暮」「お見舞い」など。特に「お中元・お歳暮」はマイナス18.1ポイントと大幅に減少した。

  • 一方で増加傾向だったのは「バレンタインデー」「おつかいもの」。

  • “あなたにとってのお中元・お歳暮はどのような存在ですか”という問いに対し、「直近1年間にお中元・お歳暮を贈った人」で最も多かったのは「人付き合いの潤滑油」、次いで「近況報告のきっかけづくり」、3番目は「やめたいけどやめられない礼儀」だった。

  • 「お中元・お歳暮を贈らなかった人」で最も多かったのは「そろそろやめたいこと・やめたこと」次いで「面倒なこと」。3番目は「人付き合いの潤滑油」。

■お中元・お歳暮をやめた理由(自由回答)

  • もう関係のないこと(66歳)

  • 既に両方をやめにして久しいです。気を遣って相手の喜ぶものを選ぶことが難しい点と、送ったらその方からお返しが返ってくるのならば無駄なものに思えてしまったので、やらなくなりました(72歳)

  • もう卒業しました(82歳)

「3年前と比較したときの贈り物にかけるお金」はさほど変化なし。
ただし「欲しいものの内容」は、約4割が変わったと回答。

  • 「3年前と比較したときの贈り物全般にかけるお金」は、全体では「以前と変わらない」45.4%と最も多く、「増えている」25.0%、「減っている」29.5%は同程度。

  • 年代別に見ると、50代で「減っている」が31.4%とやや多くなっており、年齢が上がるほど「増えた」が増加、「減った」が減少する傾向にあるものの、差はわずかである。

  • 増えた理由で最も多いのは「物の値段が上がっているから」。減った理由で最も多いのは「贈り物をする相手の数が減っているから」だった。

  • なお、3年前と比較し、「贈り物として欲しいものの内容は変わった」との回答が各年代4割前後みられた。

■贈り物に対する考え方の変化

  • LINEギフト等、選ぶのも送るのも簡単な物になった(58歳)

  • 物が欲しいと思わなくなった。物を増やしたくない。本当に欲しい物なら自分で買う(59歳)

  • 以前はたとえ不要な物でも仕方ないと考えたが、最近はハンカチなど不要な物はかえって失礼ではないかと思うようになった(61歳)

  • モノでなく経験に使える飲食チケット、旅行チケット、スタバチケットなどが嬉しいです(61歳)

  • 趣味的な物より実用的な物が欲しいと思うようになった。例えばお米、野菜、お肉、お魚等の食材やギフト券(デパート、スーパーで使える)や体験型のチケット(映画鑑賞券、スーパー銭湯の入浴券)とかが嬉しい(66歳)

  • 食べ物をたくさんの量いただいても、夫婦二人では食べきれない。いただき物は果物など甘いものが多く、糖分の摂り過ぎで健康が気になる。持病で食べてはいけないものもあるが、相手には伝えられない(71歳)

  • 老いてきて、食べ物をもらっても一人なので残る(85歳)

デジタルギフトは約9割が認知。認知者の中で実際の贈答経験者は約6割。
そのうち、「もらった(のみ)」は33.5%、「贈った(のみ)」は3.2%、「もらった・贈った両方あり」は23.9%だった。多いのはLINEギフト、Amazonギフト券。

  • デジタルギフトは全体の86.0%が認知。認知者ベースでの贈答経験のある人は60.6%。そのうち「贈ったことはないが、もらったことはある」は33.5%、「贈ったことはあるがもらったことはない」3.2%、「贈ったことももらったこともある」は23.9%だった。

  • 贈答経験のあるデジタルギフトで「もらった」のは「Amazonギフト券」「LINEギフト」「QUOカード」などが上位。「贈った」では「LINEギフト」が最も多く、次いで「Amazonギフト券」。

  • 「その他」の自由記述をみると、贈答経験のあるデジタルギフトは「スターバックスのギフト券」が多かった。※単独項目として集計した場合には上位10位に入る。

デジタルギフトの用途は「誕生日」のほか「ちょっとしたお礼・お返し」が多く、
従来の贈り物カテゴリーにとどまらない利用の広がりもうかがえた。

  • 「デジタルギフト」が最も使われているのは「もらう」「贈る」とも「誕生日プレゼント」。次いで「頂き物やお世話になった際のお返し」が多い。また、「母の日にもらった」も11.9%と比較的多かった。

  • なお、提示した選択肢以外の「その他」と答えた人が2~3割みられた。

デジタルギフトは「気軽に贈れる・もらえる」が利点とされつつ
「不慣れなので不安」「心がこもっていない」などの声も。
今後の利用意向は、意見が分かれた。

  • 「贈る意向」については、全体では「贈りたい(贈りたい+まあ贈りたい)」26.7%、「贈りたくない(あまり贈りたくない+贈りたくない)」37.6%と、「贈りたくない」が、10%上回った。

  • 「贈られる意向」については全体では「贈られたい(贈られたい+まあ贈られたい)」が39.0%、「贈られたくない(あまり贈られたくない+贈られたくない)」が30.6%で、「贈られたい」がやや上回った。

  • 年代別に見ると、年齢が若いほど「贈りたい」「贈られたい」意向は高かった。

■デジタルギフトの今後の利用意向の理由(自由回答)

贈りたいと思う理由

  • 相手の必要なものが分からないときなどはデジタルギフトのほうが良いと思うから。少額のものもあるので贈るほうも贈られるほうも負担がないから(54歳)

  • カジュアルな贈り物として若い方へ、相手に気を遣わせないようなちょっとしたプレゼントとして贈りたい(60歳)

  • お誕生日プレゼントをお友達、子どもや孫たちに贈りたいです。スターバックスのコーヒー券を、「楽しんでね」の気持ちを込めて贈りたいです(77歳)

贈りたくないと思う理由

  • お金そのものを贈る印象が強いのと、だいぶラフな感じがして苦手(52歳)

  • 相手の好みを考えたり、薦めたい物を贈るのもプレゼントの一部。デジタルギフトは企業とかが一般に向けて出すものだと思う(73歳)

  • 自分も贈り方があまりよくわからないし、もらったほうも受け取り方がわかるかどうか不安である(75歳)

贈られたいと思う理由

  • 少額のものをいただくには、気を使わないで受け取れそうなので嬉しい(57歳)

  • 使えるお店を選んで行かなくても、家でサイトから気軽に購入できるから(64歳)

  • お財布を持たないで出掛けてもスマホがあれば困らないので、スマホの中にデジタルギフトがあると余計嬉しいです(77歳)

贈られたくないと思う理由

  • Amazonなど、使い方がわかりやすいものは歓迎だが、使い方がわからないものは調べる手間がかかるから(51歳)

  • 使える場所や品が限られるから。 以前何かの特典でAmazonの商品券を送ってもらったが、使いこなせず無駄にしてしまった事がある(69歳)

  • デジタルで贈られても嬉しくない。手渡しのプレゼントやお金ではないプレゼントをもらうほうがいい(71歳)

専門家の見解

ハルメク 生きかた上手研究所 所長

梅津 順江(うめづ ゆきえ)

 2016年から現職。年間約900人のシニアへの取材やワークショップを通じて、誌面づくりや商品開発、広告制作に役立てている。時代や世代も捉えて、半歩先の未来を予測・創造している。著書に『消費の主役は60代 シニア市場最前線』(同文舘出版)など。

儀礼ギフト離れの先に。デジタルでつなぐ “軽やかな関係維持”

 50歳以上の女性の贈り物文化は、廃れるどころか形を変えて生き続けていました。贈り物をしている人は97.8%と依然として高い水準ですが、その中身は確実に変化しています。特に減少が目立つのはお中元・お歳暮といった儀礼的ギフト。「関係維持の潤滑油」として一定の価値がある一方で、「面倒」「義務感が強い」といった負担感が背景にあり、儀式性の高い贈与は敬遠されつつあります。

 興味深いのは、儀礼ギフトの機会や贈る人数は減っているのに、年間予算はほぼ変わらないこと。1人当たりの贈り物は高単価化している可能性もあります。物価高騰の影響だけでは説明しきれず、「本当に贈りたい相手に、より喜ばれるものを選ぶ」という価値観の進行がうかがえます。また、受け取る側のニーズも変化。「食べ物は余るので困る」「お菓子は糖分が心配」といった健康意識の高まりや「チケットなどの体験系・消えるものが良い」という声が多く、年齢とともに“重いモノの贈与”から距離を置く傾向が明確です。

 こうした潮流の先に浮かび上がるのが、デジタルギフトです。認知率は約9割、利用は受け取る側が先行していますが、「自分で選べる」「気軽」と意外にも評価が高く、カジュアルギフトとしての可能性が十分あります。「不慣れ」「気持ちが伝わらない」という懸念は残るものの、「相手に負担をかけたくない」「好みを尊重したい」という大人女性の価値観とは相性が良く、無駄が残らない点も支持されやすい要素です。

 形式的な贈り物が縮小する一方で、デジタルギフトは当世代にとって関係性を軽やかに保つ“新しい心遣い”の形として浸透していくポテンシャルを秘めています。贈り物文化は終わるどころか、むしろ今の生活環境に合わせて“負担のないやさしさ”へと進化していくことでしょう。

■販売部数No.1! 50代からの生きかた・暮らしかた応援雑誌「ハルメク」

50代からの女性が前向きに明るく生きるための価値ある情報をお届けしています。健康・料理・おしゃれ・お金・著名人のインタビューなど、幅広い情報が満載です。 

また、雑誌「ハルメク」の定期購読者には、本誌とともに提供するカタログと、オンラインでの通信販売を行っています。販売している商材は、ファッション・インナー・コスメ・美容・健康など多岐にわたり、独自のシンクタンクである「ハルメク 生きかた上手研究所」を通じて利用者の声を徹底的に調査、反映した商品開発で、多くの女性から支持を得ています。

■ハルメク 生きかた上手研究所のシニアリサーチデータは、「ハルメク シニアマーケティングLAB」で掲載しています。

「ハルメク シニアマーケティングLAB」は、ハルメク世代(シニア)を顧客とする企業にとって有益な情報をお届けしている情報サイトです。ハルメクグループが提供する定期購読誌や通販等を通じて得たマーケティングデータや記事、シンクタンク「ハルメク 生きかた上手研究所」の調査レポートなど豊富な情報が満載です。

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会社概要

URL
https://halmek-holdings.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都新宿区神楽坂4-1-1
電話番号
-
代表者名
宮澤 孝夫
上場
東証グロース
資本金
-
設立
2012年07月