〈ファッションの環境意識調査〉不要になった服の回収取り組みを80%以上が認知
豊島株式会社のサーキュラーエコノミーに向けての取り組み『WAMEGURI(ワメグリ)』については83.2%が応援できると回答
本調査は2014年より実施しており、現在の環境配慮への意識や取り組み、環境配慮型素材、着なくなった衣服の回収など、サステナブルファッションに対する興味関心の実情を捉え、ファッションにおける環境配慮について、消費者はどのように考えているかを把握することを目的としています。
【調査概要】
調査時期:2023年7月11日~7月18日
調査対象:全国の15歳~49歳 男女1,000名
調査手法:インターネットによるアンケート調査
※調査結果・データは四捨五入しており、合計パーセンテージが100%にならない場合がございます。
【調査サマリー】
■不要になった衣類の回収の取り組みについては、回答者全体の80%以上が認知 ■不要になった服をどうするかについては「家庭ごみとして捨てる」が最多の43.1%だが、「古着屋で売る」と「フリマアプリに出品」があわせて60%以上あるなど、再利用したいという意向も強い ■「世界の洋服のおよそ73%は廃棄され、焼却・埋め立てに使われているという現状」に対しては80%以上が問題を感じている ■環境と経済が両立した循環型社会を形成していくための3つの取り組みの頭文字をとった『3R』については、半数以上が明確には分からないと答え、浸透しきっていないことが判明 ■不要になった服を回収する取り組みに対しては70%以上が「参加したい」と回答 ■豊島株式会社の不要になった繊維製品を素材ごとに回収・再生するプロジェクト『WAMEGURI(ワメグリ)』の環境問題の解決に向けての取り組みを83.2%が応援できると回答 ■環境や社会に配慮したファッションを取り入れたいと思うという回答は70%以上。 理由は、「地球環境保護に参加したいから」が61.2%、「社会貢献に興味があるから」が43.1% |
【不要になった服の回収取り組み 80%以上が認知】
不要になった服の回収取り組みについては、「知らなかった」と答えた人は19.6%と少数で、「知っている」と答えた人は80%を超えました。不要な服を回収する取り組みへの認知度の高さがうかがえます。一方で「見たことはないが知っている」、「見たことはあるが、持ち込んだことはない」という、認識はしているが行動にまで移せていない層が57.8%いることがわかります。「見たことも持ち込んだこともある」は22.6%にのぼりました。5人に4人は取り組みを認知しており、そのうち行動に移しているのは5人に1人という結果が見て取れます。
【不要になった服は60%以上の人が古着屋やフリマアプリで再利用】
不要になった服を「家庭ごみとして捨てる」という回答が43.1%と最多でした。一方で、「古着屋で売る」(31.1%)、「フリマアプリに出品する」(30.2%)といった回答がそれぞれ3割を超えました。約6割の人が不要になった服を捨てずに再利用をしていると推測できます。
【「世界の洋服のおよそ73%は廃棄され、焼却・埋め立てに使われているという現状」に80%以上が問題を感じている】
「世界の洋服のおよそ73%は廃棄され、焼却・埋め立てに使われているのが現状」に対して、81.9%が「問題である」と回答。「問題ではない」という回答は合わせて18.1%と少なくなっており、多くの人が問題視していることがわかりました。これだけ多くの人が問題視している現状に対して、洋服を提供する側も改めて考えていかなくてはならない課題といえるでしょう。
【『3R』、半数以上が明確には分からず浸透しきっていない】
3Rとは、Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つのRをとった言葉です。環境と経済が両立した循環型社会を形成していくための3つの取り組みの頭文字をとった、この『3R』についての認知について調査した結果、「明確に何をするかが分かる」と答えた人は、3つとも半数以下にとどまっており、まだ3Rについては浸透しきっていないことがうかがえます。
【不要になった服を回収する取り組みに対して70%以上が「参加したい」と回答】
合計で70%以上が「参加したいと思う」と回答しており、高い意欲がうかがえる結果となりました。1つ前のグラフで紹介した通り、不要になった服を家庭ごみとして捨てるという回答は半数以下であり、消費者は不要な服の回収の取り組みに対する興味が大きいと考えられます。一方、「どちらかと言えば参加したいと思わない」は14.5%、「参加したいと思わない」は13.1%と、少数にとどまりました。
【豊島株式会社『WAMEGURI(ワメグリ)』の環境問題の解決に向けての取り組みには83.2%が応援できるという回答】
豊島株式会社では『WAMEGURI(ワメグリ)』という不要になった繊維製品を素材ごとに回収・再生するプロジェクトに取り組んでいます。これは、日本国内の不要になった繊維等を専用の反毛機械を使って、わた状に戻し、再び紡績し、新しい商品へ生まれ変わらせるプロジェクトです。衣類の大量廃棄という環境問題解決に向けた『WAMEGURI(ワメグリ)』の取り組みについて、83.2%が「応援できる」と回答しています。
【環境や社会に配慮したファッションを取り入れたいと思う人は70%以上】
環境や社会に配慮したファッションを取り入れたいと考えている人は約70%にのぼりました。
この結果から、多くの人が環境や社会に対して、興味があり、高い関心を持っていることがうかがえます。理由については、下記のアンケート結果をご参照ください。
■理由として地球環境保護に参加したいから61.2%、社会貢献に興味があるから43.1%
環境や社会に配慮したファッションを取り入れたいと思うという回答をした方に理由をうかがったところ(※複数回答可)、「地球環境保護に参加したいから」が61.2%、「社会貢献に興味があるから」が43.1%と上位にのぼりました。以上のことから、ファッションを通して地球環境保護や社会貢献に取り組みたいと思っている方が多くいらっしゃり、トレンドや自己表現などの理由として考えている人は少ないことがわかります。
【まとめ】
今回、「サステナブルファッションに関する調査」を実施することで、消費者が不要となった衣類の回収や処理について、どのように考えているのか、また現状の回収の取り組みに対する認知や、それに対する反応についての回答を得ることができました。
不要になった衣類の回収の取り組みに対しては80%以上が認知しており、浸透の高さがうかがえます。一方で、知っているが行動に移せていない層が6割近くいることも判明しました。
自身が不要になった服は家庭ごみとして捨てるという回答が半数以下であり、半数以上が古着屋へ売る、またはフリマアプリに出品するなど、個人レベルでの衣類の再利用に積極的に取り組んでいることがわかりました。
また「世界の洋服のおよそ73%は廃棄され、焼却・埋め立てに使われているという現状」には80%以上の人が問題を感じています。そのような中、環境と経済が両立した循環型社会を形成していくための3つの取組の頭文字をとった『3R』については、半数以上がその内容についてしっかりと把握できておらず、概念としては浸透しきっていないことが分かりました。
不要になった衣類を回収する取り組みに対しては、70%以上が「参加したい」と回答しており、消費者の、衣類に対する再利用への意向の高さがうかがえます。
豊島株式会社の衣類回収プロジェクト『WAMEGURI(ワメグリ)』の環境問題の解決に向けての取り組みについては、83.2%が応援できるとの反応でした。
最後に70%以上が、環境や社会に配慮したファッションを取り入れたいと思っていることがわかりました。
今回の調査を通して、個人レベルでの衣料品再回収の現状と、企業が行う衣類回収プロジェクトへの認知の高まりや、それらに参加したいという意欲の高さが見えてきました。ファッションを楽しんだ後の廃棄の部分についても、引き続きファッション業界と消費者の方々が共に考え行動していくことが必要だといえるのではないでしょうか。
■豊島株式会社 https://www.toyoshima.co.jp/
1841年創業。180年を超える歴史の中で、時代の変化に応じて事業領域を拡大。現在では世界各地から原料・糸・生地の買付け・販売や、最終製品の企画から生産管理、納品まで一連のプロセスを手掛けファッション産業のあらゆる過程において総合的に事業を展開しています。また、持続可能なライフスタイルを提案する企業としてさまざまなサステナブル素材や機能素材の開発と提供、そしてテックベンチャーへの投資やスマートウェアの開発を推進しています。2019年より、「MY WILL(マイ・ウィル)」をステートメントとし、サステナビリティやテクノロジー、素材に対する当社の姿勢を打ち出しています。
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