倫理憲章を「守らない」ガイアックス、19年新卒採用活動データを公開
〜就活ルールが無い場合の採用・就職活動のモデルケースを提示〜
株式会社ガイアックス(本社:東京都千代田区、代表執行役社長:上田祐司、証券コード:3775、以下ガイアックス)は、経団連の会員ではないため倫理憲章の就活ルールによらず新卒採用活動をおこなってきました。その活動から得た知見として、ガイアックスは2019年新卒採用に関するデータを取りまとめ公開します。
新卒採用情報の公開により、倫理憲章撤廃後の採用活動や就職活動のあり方について模索する企業にとって、モデルケースのひとつとなることを目指します。
新卒採用情報の公開により、倫理憲章撤廃後の採用活動や就職活動のあり方について模索する企業にとって、モデルケースのひとつとなることを目指します。
●背景1:倫理憲章がなくなった場合、どうすればいいのかわからないと企業・学生・大学は困惑
倫理憲章(就活ルール)が廃止された場合、どのように採用活動や就職活動に取り組めばよいのかわからない会社や学生は多いのではないでしょうか。倫理憲章が形骸化していると言われることもありましたが、倫理憲章を逸脱した採用活動も、倫理憲章というルールがあったからこそ、その表面上での逸脱は一定の範囲に収まっていたことでしょう。では、倫理憲章が完全に無くなった場合、会社はどのように採用活動をおこなえばいいのでしょうか。
また、大学生は、就職活動と学業の両立をどう実現すればよいのでしょうか。実際、留学やインターンや秋入学・秋卒業が増え学生生活が多様化する中で、どのような就職活動スケジュールが望ましいのでしょうか。
●背景2:一方、倫理憲章形骸化や学歴フィルターの存在に、学生からの不信高まる
また倫理憲章が存在する現在、大学生の就職活動を取り巻く状況が必ずしも良いものだとは限りません。前述の倫理憲章形骸化については、面接解禁は6月ですが、2019卒の2018年5月1日時点での大学生の就職内定率は42.7%(リクルートキャリア調べ※1)、6月1日時点での大学生の就職内定率は68.1%(〃調べ)と、6月からの選考・面接の解禁は、ほぼ形骸化しています。※2。
さらに、いわゆる学歴フィルター問題があります※3。限られた採用活動期間中に、多数のエントリーシートや企業説明会への応募が集中する中で選考を行うため、学歴フィルターを用いて大学群ごとの説明会参加人数制限をする企業もあります。一方、その学歴フィルターを明らかにしている企業はありません。
●背景3:実は、倫理憲章を守らないほうが大学生・企業・大学にとってメリット大きい
ガイアックスは経団連の会員ではないため、これまで倫理憲章の枠外にて採用活動を実施してきました。倫理憲章にとらわれない柔軟な採用活動をしていくにつれ、倫理憲章の枠内での採用活動が企業や学生にとってあまり良くないのではないかと考えています。
倫理憲章の枠内での採用活動は、企業・学生双方にとって主体的な選択をしやすい状況とは一概に言えません。限られた採用活動期間中に、多数のエントリーシートや説明会参加希望者が集中することを避けるため、学歴フィルターを用いて応募を制限しなければ対応できない企業もあります。また、学生も決められた就職活動期間に入ると、学業に打ち込みたいとしても、就職活動に取り組まなければならないという現状があります。
ガイアックスが自社の採用活動から達した、本来の採用・就職活動にとってあるべき姿とは、企業がどのような人と会いたくて、いつ、誰にどういう形で選考しているのかという情報をオープンにした状態だと考えます。同時に、学生側もより主体的に、企業の目指す姿、企業の本音、企業が実際にやっていることを見て、本当に受けたい企業なのか、そしていつ就職活動をしたいかを決められる状況が理想と提案します。
●施策:2019卒採用の選考情報を公開
倫理憲章を守らない採用活動が実際にどのように進められているのか、またどのような結果に結びついたのか、各社・各大学・各学生が参考にできるよう、ガイアックスの2019年卒の採用について情報をまとめました。
■月別 人事面接通過状況
・倫理憲章では6月選考だが、ガイアックスは期間設定がなく、通年で選考を実施
・6月までに全面接数の約7割がすでに実施済み。一方、合格率は就活後期においても高い
・6月以降も面接を継続。卒業後も実施予定(30歳以下は統一した採用ルールを使用※4)
■大学群別選考状況
・所属/出身大学を選考時に考慮していない結果が人事面談合格率にも現れている。必ずしも早慶上智、旧帝大の合格率が高いわけではない
・その他私立大からの人事面談合格率は比較的高いなど、入学難易度と合格率に強い相関はない
●ガイアックスは倫理憲章を「守らない」ことで学生・大学・企業にとってより良い採用を実現
■就活生のメリット(新卒入社者コメント)
・いつ来てもらっても構わないという姿勢を受け、好きなタイミングで就職活動ができ、結果としてより一層勉学に打ち込めた。就職が決まった後は4年生の時間を勉学に注ぎ、卒業論文の執筆や他学生が就職活動のため出席できなかった講義のノートを見せるなどしていた。
・どのような会社なのか吟味し尽くした状態で入社判断ができた。
■ガイアックスのメリット
・いつ来てもらっても構わないという姿勢を見せたことで、コンスタントにいろいろなタイミングで学生と接触できた。一度に多数の就活生への対応をしなくてもよいため、質の高い採用活動につながった。
・受けたい人が受けたい時に来てもらえるため、学生のベストパフォーマンスを見ることができた。
・学生には主体的にガイアックスを知った上で選択してもらえたため、採用のミスマッチが起こりにくかった。
・まだ2019年卒の採用は継続中であり、すでに2020年卒の採用も進んでいる。ガイアックスでは30歳以下はポテンシャル層として採用ルールを統一している※4。
・採用が難しいと言われているエンジニア採用についても成功している。
●今後の展望:ガイアックスは最新の採用情報を毎月、社外に公開
倫理憲章を守らない採用活動が実際にどのように進められているのか、各社・各大学・各学生が参考にできるよう、ガイアックスは採用情報を外部に公開していく予定です。具体的には、月単位で以下の情報を掲載予定です。(各項目については検討中)
・学校別、地域別エントリー者数※
・学校別選考進捗状況※
(エントリーシート通過者数、人事不合格者数、人事合格者数、内定者数)
・卒業年度
※:視認性を高めるため、学校は地域や大学群で示す場合もあります。
「倫理憲章を守らないこと」と「不誠実な採用活動」はイコールではありません。倫理憲章にとらわれることなく、学生に親身になれるよう、採用活動の透明化を通じて取り組んでいきます。
●ガイアックスについて:新卒卒業生の6割が起業する文化、独自の独立起業制度を用意
ガイアックスでは新卒採用の基準のひとつに「やりたいことを持っている、使命感を持つ」を採用しています。いわゆるアントレプレナーシップの強い新卒卒業生は、その6割が起業、もしくは複業への注力のためガイアックスを退社しています。
そこで、社員の強いアントレプレナーシップに対応し、ガイアックスではカーブアウト制度を用意しています。カーブアウトを申請した事業チームに対して、事業を子会社化。子会社の経営陣やメンバーにストックオプションを50%まで付与します。ゆるやかな資本関係を持ちながら、独立起業を支援することで、アントレプレナーシップを持った優秀な人材が単に流出せずに、会社にも利益をもたらす制度です。
■参考URL
※1: 【確報版】「2018年5月1日時点 内定状況」 就職プロセス調査(2019年卒)(リクルートキャリア、2018年5月25日)
https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2018/180525-01/
【確報版】「2018年6月1日時点 内定状況」 就職プロセス調査(2019年卒)(リクルートキャリア、2018年6月25日、https://www.recruitcareer.co.jp/news/pressrelease/2018/180625-02/ )
※2: 就活きょう解禁…なのに「すでに内定もらった知人いる」(朝日新聞、2018年3月1日、https://www.asahi.com/articles/ASL2J722DL2JUTIL086.html )
※3: 「学歴フィルター」の証拠画像がネットに大拡散! しかし反応の多くは「そりゃそうだろ」(キャリコネニュース、2015年6月2日、https://news.careerconnection.jp/?p=12373 )
学歴フィルター リスク覚悟で「なぜ使うか」人事担当者語る(2018年6月16日、https://www.news-postseven.com/archives/20180616_673007.html )
※4: ポテンシャル採用情報(ガイアックス、https://www.gaiax.co.jp/careers/graduates/ )
■株式会社ガイアックス 概要
設立:1999年3月
代表執行役社長:上田 祐司
本社所在地:東京都千代田区平河町2-5-3 Nagatacho GRID
事業内容:ソーシャルメディア事業、シェアリングエコノミー事業、インキュベーション事業
URL: http://www.gaiax.co.jp/
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