ZEH水準リノベーション住宅の入居者調査を公開/築49年の賃貸マンションで「省エネ性能の体験価値」を検証

暑さ・寒さの不安があった入居者の100%が解消/ZEHを知らなかった世帯の約7割、ペット飼育世帯の約8割が「次も選びたい」

リノベる株式会社

 不動産ストックの流通・利活用を推進するリノベーションプラットフォーム運営のリノベる株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:山下 智弘、以下 リノベる)は、株式会社奥村組(本社:大阪市阿倍野区、代表取締役社長:奥村 太加典、以下 奥村組)、積水化学工業株式会社 住宅カンパニー(プレジデント:吉田 匡秀、以下 積水化学)との3社協業により2025年にZEH水準へリノベーションした築49年の賃貸マンション「OC RESIDENCE R NISHINOMIYA OGO」(全46戸、以下 対象物件)の入居者を対象に、「省エネ性能の体験価値」を検証するアンケート調査を実施しました。

 築年数が経過した賃貸住宅をZEH水準に改修した実例で、入居者の体感を定量的に可視化した調査はまだ少なく、既存住宅ストックの省エネ化がもたらす価値を示す実証データとして公開します。

※参考:プレスリリース「奥村組、積水化学、リノベるの3社協業で築48年の築古ストックを”一棟全戸ZEH水準化”」(2025/3/25)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000228.000049400.html

【背景】

 記録的な猛暑の常態化やエネルギー価格の高止まりを背景に、住まいの断熱・省エネ性能に対する関心は高まっています。2025年4月、新築住宅において省エネ基準適合が原則義務化された一方、既存住宅の性能向上は事業者やユーザーの自主的な取り組みに委ねられています。

 また、既存の住宅ストック約5,400万戸のうち、現行の省エネ基準に適合している住宅は令和4年度時点で18%にとどまり、残る約8割・約4,400万戸が省エネ基準に達していないのが実情です(※1)。さらに、断熱・省エネ性能は検討時の内見では実感しにくい「見えない価値」であり、不動産流通市場・賃貸市場において評価が定まっていないため、普及が進みにくいという構造的な課題を抱えています。

 こうした課題に対し、本調査では、猛暑が常態化した今夏を対象物件で実際に過ごした入居者を対象に、省エネリノベーションがもたらす「暮らしの体験価値」を検証しました。「見えない価値」を可視化し、省エネリノベーションが持つポテンシャルを示すことで、良質な住宅ストックが循環する「循環型住宅マーケット」の実現を目指してまいります。

【調査結果】

①築古物件における「暑さ・寒さへの不安」は100%が解消。「音の響きやすさ」は94.1%が解消

入居前、築古物件に対して「夏の暑さ・冬の寒さ」に不安を感じていた世帯(全体の59.3%)の全員(100%)が「入居後に不安が解消された」と回答しました。

また「音の響きやすさ」に不安を感じていた世帯(全体の63.0%)も、94.1%が解消されたと回答しており、築年数が経過した住宅に対する負のイメージを覆す結果となりました。

②前の住まいと比べて「良い変化があった」世帯は96.3%

前の住まいと比べて「良い変化があった」世帯は96.3%でした。良い変化としては「エアコンの効きが良い(設定温度が控えめでも快適)」という回答が18世帯と最も多く、「外の音や、隣室の音が気にならない」と回答した世帯も16世帯という結果になりました。

〈入居者の声〉

・「3LDKの間取りですがリビングのエアコン1台つけていれば部屋中涼しく真夏も過ごせています。冬場も結露やカビが全く気になりませんでした。」(3名以上世帯・前住居は築25年超の賃貸マンション、ペット有、3LDK・74㎡)

・「引越して初めての夏です。南向きの部屋ですが、エアコン設定温度が27.5〜28度で充分効きます。外気温が高くない夜は、エアコンを切っても朝まで室温が不快なほど上がらず冷気を保っている事に驚きました。」(2名世帯・前住居は築25年以内の持ち家戸建て、ペット有、2LDK・59㎡)

・「エアコンの効きが良く、電気代が安い。」(2名世帯・前住居は築25年以内の賃貸マンション、ペット有、1LDK・44㎡)

③ZEHを知らなかった世帯の約7割、省エネ性能を重視していなかった世帯の過半数が「次も選びたい」と意識変容

■ZEH認知度

入居前にZEHを「知らなかった」世帯は70.4%でした。「言葉だけは知っていた」世帯は29.6%、「メリットまで理解していた」世帯は0%で、認知率は約3割にとどまります。

■省エネ性能重視度

また、住まいを選ぶ際に省エネ性能を「重視した」世帯は14.8%にとどまり、「まったく重視していなかった」世帯が48.1%と最多でした。多くの入居者にとって省エネ性能は住まい選びの優先条件ではなかったことがわかりました。

一方で「あまり重視していなかったが決め手(後押し)になった」世帯も37.0%ありました。物件情報に省エネ性能を明記することが、入居の後押しになり得ることが示唆されます。

■次回居住意向

一方、次に住まいを選ぶ際に省エネ性能の高い住まいを「選びたい」と回答した世帯は70.4%に達しました。

■【クロス集計】ZEH認知/重視度 × 次回居住意向

さらに、クロス集計の結果、「入居前にZEHを知らなかった」世帯の68.4%、住まい選びで省エネ性能を「まったく重視していなかった」世帯の53.8%が「次も選びたい」と回答していることもわかりました。

事前知識や重視度にかかわらず、実際の居住体験が省エネ住宅の快適性を認識させ、意識変容を生むことがわかりました。

〈省エネ性能をまったく重視していなかった入居者の声〉

・「エアコンをしてなくても夏はある程度涼しいし冬は暖かいので電気代の節約につながると思いました。」(2名世帯・前住居は築25年以内の集合住宅、2LDK・59㎡)

・「二重窓だからなのか、騒音も気にならず、暖かいし、涼しい。」

(2名世帯・前住居は築25年超の賃貸マンション、1LDK・44㎡)

④空調稼働の多い「ペット飼育世帯」で、省エネ住宅の恩恵を強く実感

■【クロス集計】ペット有無 × 「エアコンの効きが良い」と実感

ペットを飼育している世帯(17世帯)と非飼育世帯(10世帯)を比較したところ、ペット飼育世帯の82.4%が「エアコンの効きが良い(設定温度が控えめでも快適)」と回答し、非飼育世帯(40.0%)の2倍以上となりました。

■【クロス集計】ペット有無 × 次回居住意向

さらに、次回居住意向もペット飼育世帯が76.5%(非飼育世帯60.0%)と高く、エアコンを長時間稼働させるライフスタイルの世帯ほど、省エネ性能の恩恵を実感しやすい傾向がうかがえます。

〈入居者の声〉

・「猫がいるので扉は開けっぱなし。エアコンは1台で意外と大丈夫。周囲の生活音はまったく聞こえない。今まで5軒の賃貸住宅を経てきて、一番生活が快適になった。」(2名世帯・前住居は築25年以内の賃貸マンション、ペット有、2SLDK・65㎡)

・「家の中の寒暖差がなく、この家に引っ越してから体調を崩すことが少なくなった。猫と暮らしており、エアコンはつけっぱなしのことが多いが、夏場はすぐエアコンが効き、冬場はエアコンなしでも部屋の中がほんのり暖かい日もあるのでありがたい。」(2名世帯・前住居は築25年超の持ち家戸建て、ペット有、1SLDK・53㎡)

⑤築25年超の物件に住んでいた世帯ほど寒暖差の軽減を実感

■【クロス集計】前住居の築年数 ×「帰宅時や起床時の、暑い/寒いが軽減した」

前住居の築年数と、入居後に感じた「帰宅時や起床時の、暑い/寒いが軽減した」の回答をクロス集計した結果、前住居が築25年超の物件だった8世帯のうち6世帯(75.0%)が軽減したと回答しました。

築年数が経過した断熱性能が低いと想定される住まいから移り住んだ世帯ほど、性能向上による変化を強く実感する傾向がうかがえます。

〈入居者の声〉

・「前の家と比べて明らかにエアコンの効き目がよく、助かりました!」(2名世帯・前住居は築25年超の賃貸マンション、ペット有、1LDK・44㎡)

【調査まとめ・考察】

本調査を通じて、築古ストックのZEH水準リノベーションについて、以下の3つの有用性が示唆されました。

①築古ストックにおける省エネリノベーションを通じた高い快適性の実現

 築年数が経過した物件特有の課題である温熱環境や音環境への不安が、省エネリノベーションによって解消されることが確認できました。特に前住居の築年数が古い世帯ほど寒暖差の軽減を実感する傾向にあり、築古ストックの利活用においても、居住者の暮らしの体験価値を高められることがわかりました。

②居住体験による「次も選びたい」という意識変容

 入居前は住まいの省エネ性能をまったく重視していなかった層であっても、実際に生活を送ることで過半数が「次回も省エネ性能の高い住まいを選びたい」と回答するなど、意識変容が見られました。リアルな居住体験は、生活者の住まいに対する価値観や将来の選択基準を変える可能性があります。

③築古ストック活用の事業価値を高めるソリューションとなる可能性の確認

 居住者の高い満足度は、物件の市場競争力を高め、事業価値にも直結します。対象物件は築49年でありながら周辺の新築や築浅物件と同等の賃料水準を実現し、退去が発生しても速やかに次の入居者が決まる高稼働を維持しています。暮らしの体験価値を高めるリノベーションは、ストック活用の有効な手段となり得ることが確認できました。

【その他の入居者の声】

このほか、住宅性能による暮らしの変化について、次のような声が寄せられました。

・「エアコン1台でもなんとかなってます。」 (3名以上世帯・前住居は築25年以内の賃貸マンション、1LDK・44㎡)

・「以前住んでいた家より広くなったのでエアコンでの電気代が心配だったが、予想よりかなり安かった。」 (2名世帯・前住居は築25年以内の賃貸マンション、ペット有、2LDK・59㎡)

・「二重サッシのおかげで結露がなく、冬は部屋が暖かいです。」 (3名以上世帯・前住居は築25年以内の賃貸マンション、2LDK・59㎡)

・「猫がいるのでエアコンの効きが良くて嬉しいです。」 (2名世帯・前住居は築25年超の賃貸マンション、ペット有、2LDK・59㎡)

・「除湿でだいぶ涼しい。」 (1名世帯・前住居は築25年以内の賃貸マンション、ペット有、1LDK・44㎡)

・「結露がない。クーラー、暖房の持ちが良い。」(1名世帯・前住居は築25年以内の賃貸マンション、ペット有、2LDK・59㎡)

 

【調査概要】

調査名称:ZEH水準リノベーション賃貸住宅「OC RESIDENCE R NISHINOMIYA OGO」入居者実態調査

調査目的:築古物件をZEH水準にリノベーションした実物件で、入居者が体感する「省エネ性能の体験価値」を可視化する

調査対象:対象物件の全入居世帯(46戸)

有効回答:27世帯(回答率58.7%)

調査手法:Webアンケート(1住戸1回答)

調査時期:2026年8月10日〜8月25日

調査内容:入居前のZEH認知、省エネ性能の重視度、築年数に対する不安、居住後の住み心地、前の住まいと比べた暮らしの変化、次回の住まい選びにおける省エネ性能の高い住まいの居住意向。ペット飼育の有無などの属性とのクロス集計

調査主体:リノベる株式会社

調査協力:株式会社奥村組、積水化学工業株式会社 住宅カンパニー、旭化成不動産レジデンス株式会社

データ利用について:本データを使用される際は「調査レポート」P20に記載の「著作権及び利用条件」をご確認の上ご活用ください。引用する場合は、著作権法その他適用法令上認められる範囲で、引用部分を明確に区別し、以下の出典を明記してください。『出典:リノベる「ZEH水準リノベーション賃貸住宅 入居者実態調査」(2026年9月)https://www.renoveru.jp/corporate/news/20260924

【物件概要】

物件名:OC RESIDENCE R NISHINOMIYA OGO

所在地:兵庫県西宮市

建物:1977年築(築49年)、RC造 地上7階建、全46戸(1LDK〜3LDK)

改修:2025年3月リノベーション竣工、4月入居開始

省エネ性能:全住戸でBELS評価「ZEH Oriented」適合

体制:奥村組(土地建物所有・事業主・貸主)、積水化学(温熱計算・ZEH Oriented設計協力)、リノベる(企画・設計施工・サブリーサーマッチング)、旭化成不動産レジデンス(管理・運営)

【会社概要】

 リノベるは、ミッション「日本の暮らしを、世界で一番、かしこく素敵に。」の実現に向け、個人・法人が保有する不動産ストックの流通・利活用を推進しながら、提供者(サプライヤー)とのマッチングを実現する統合型リノベーションプラットフォームを構築しています。全国500社のパートナー企業と連携し、個人顧客向けに国内No.1の実績(※2)を持つ中古マンション探しとリノベーションのワンストップサービス「リノベる。」や、法人顧客向けにCRE戦略(※3)推進と有効活用ソリューションをワンストップで提供する「都市創造事業」を展開。また、サプライヤーには、リノベーションに最適化された経営・運営・DX支援も行っています。

不動産ストックを利活用するリノベーションは、新築に比べてCO²排出量を削減できるサステナブルな選択肢です。さらに、性能向上リノベーションを通じて建物の省エネ化・断熱化を図ることで、エネルギー由来のCO²排出量をより一層削減することが可能です(※4)。2023年11月には、政府系ファンド「脱炭素化支援機構」の住宅・不動産・建設分野の出資第一号案件として出資いただきました。

リノベるは、個人、法人、サプライヤーそれぞれが抱える課題を3つのプラットフォームで連携し、価値に変えて成長を加速させ、循環型社会やカーボンニュートラル社会の実現を目指しています。

会社名:リノベる株式会社

代 表:代表取締役 山下 智弘

資本金および資本準備金:679,743,341円

設 立:2010年4月

所在地:本社 東京都港区南青山5丁目4-35 たつむら青山ビル

事業内容:住宅リノベーションプラットフォーム、CREリノベーションプラットフォーム、産業支援プラットフォームからなる、統合型リノベーションプラットフォーム運営

コーポレートサイトURL:https://www.renoveru.jp/corporate/

リノベる。URL:https://www.renoveru.jp/

都市創造事業サービスサイトURL:https://renoveru.co.jp/citycreate/

※1 国土交通省 令和6年度 住宅の長寿命化リフォームシンポジウム「最近の省エネ施策について」(2024/10/15)

https://www.j-reform.com/web-seminars/pdf/2024sym-1.pdf

※2 リフォーム産業新聞1670号(2025/10/27発行)『マンションリフォーム売上ランキング2025』にて、ワンストップサービスを手掛ける事業者として首位

※3 国土交通省「CRE戦略実践のためのガイドライン」(2010年改訂版)(全3章)「CRE戦略とは、企業不動産について、「企業価値向上」の観点から、経営戦略的視点に立って見直しを行い、不動産投資の効率性を最大限向上させていこうという考え方である。」

※4 リノベる株式会社「賃貸レジデンス「コンフォリア高島平」で産学共同研究を実施 リノベーションで建て替えに比べCO2排出量を75%、廃棄物排出量を96%削減。省エネリノベーションによる効果は、40年間のCO2排出量を5%約1,000t削減」(2023/12/7)https://www.renoveru.jp/corporate/news/7543

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会社概要

リノベる株式会社

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URL
https://renoveru.co.jp/
業種
建設業
本社所在地
東京都港区南青山5丁目4‐35 たつむら青山ビル
電話番号
03-5766-2590
代表者名
山下智弘
上場
未上場
資本金
4億9083万円
設立
2010年04月