30歳以下の若手管理職の半数以上が「管理職をやめられるならやめたい」と回答。【30歳以下の若手管理職に関する調査 <マネジメントの悩み編>】
管理職をやめたい理由は「業務負荷に対し報酬低すぎ」「長時間労働でプライベートが疎かに」と切実…
人事評価制度の構築・運用・クラウド化で “人と組織の成長” を支援する株式会社あしたのチーム(本社:東京都中央区、代表取締役社長 CEO:赤羽博行)は、国内中小企業の組織課題や実態の把握を目的に、30歳以下で管理職2~3年目の若手管理職を対象に調査を実施しました。中小企業の未来を担い、変えていく、30歳以下の若手管理職を「新しい会社のリーダーズ」と名付け、彼らの意識・実態やマネジメントの悩みなどを調査し、その結果を全3回で発表します。
第3弾となる今回は「マネジメントの悩み」に関する調査結果を公開します。これまでの調査結果から、若手管理職は組織や起きた事象について俯瞰で見て客観的に判断する一方、部下のマネジメントでは一人ひとりにしっかり向き合う重要性を認識し、真摯でポジティブなマネジメントに努めていることがうかがえました。しかし今回「管理職をやめられるならやめたい」という人が半数を超え、彼らが活躍するための課題があることも見えてきました。
この結果について、これまで多くの中小企業の組織づくりを見てきた当社代表取締役社長CEO赤羽博行より解説させていただきましたので、ご参照ください。
■第1弾調査リリース(「新しい会社のリーダーズ」の人物像)はこちら
■第2弾調査リリース(「新しい会社のリーダーズ」の部下との関わり方)はこちら
■調査結果トピックス
●管理職の悩みは年齢や経験に関わらない?
1位「チームの人材不足」30.1%、2位「部下のモチベーション管理」27.8%、
3位「部下とのコミュニケーション」「自身のスキル不足」26.4%。
●30歳以下の若手管理職の本音、実は「管理職をやめられるならやめたい」が55.1%で半数以上。
「仕事量やストレスに対して報酬が低すぎる」「長時間労働でプライベートが疎かに」と切実。
●先輩管理職の上司を真似したいことは「いっぱいいっぱいになっている時に声かけしてもらった」。
逆に、反面教師にしたいことは「気分で接し方を変える」「部下の意見を無視」。
■調査概要
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調査方法:インターネット調査
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調査対象:全国の企業に勤める30歳以下の正社員男女、部下のマネジメント経験が2年以上4年未満で、直接マネジメントする部下が2名以上いる方
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回答数:216サンプル(男性:143人、女性:73人)
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調査実施日:2024年7月10日(水)~15日(月)
※本資料におけるグラフの百分率は小数点第2位以下を四捨五入して表記しています。そのため、グラフの数字の合計が100%とならない場合があります。
管理職の悩みは年齢や経験に関わらない? 1位「チームの人材不足」30.1%、2位「部下のモチベーション管理」27.8%、3位「部下とのコミュニケーション」「自身のスキル不足」26.4%。
Q.あなたの管理職としての悩みをお答えください。(複数回答、n=216)
管理職としての悩みを聞いたところ、1位「チームの人材不足」30.1%、2位「部下のモチベーション管理」27.8%、同率3位「部下とのコミュニケーション」・「自分自身のスキル不足」26.4%となりました。上位の項目を見ると、管理職の悩みは年齢・世代や管理職経験の長さ・豊富さに関わらない、普遍的なものなのかもしれません。一方、最も回答割合が少ないのは「組織内の政治や人間関係」15.3%でした。若手管理職「新しい会社のリーダーズ」は全体を俯瞰で見て調整することが得意な人たちであることがわかっており、組織内の人間関係に悩む人が少ないのは、彼らならではかもしれません。
(参考:第1弾調査リリース「新しい会社のリーダーズ」人物像編)
30歳以下の若手管理職の本音、実は「管理職をやめられるならやめたい」55.1%で半数以上、「仕事量やストレスに対して報酬が低すぎる」「長時間労働でプライベートが疎かに」と切実。
Q. あなたは管理職を経験してみて、管理職をやめられるならやめたいと思いますか。(単数回答、n=216)
管理職を経験してみて、管理職をやめられるならやめたいと思う人は「そう思う」21.8%、「ややそう思う」33.3%を合わせて55.1%で、半数を超えることが明らかになりました。【自ら管理職になることを希望していたか】の回答別で見ると、管理職になることを希望していなかった方は「やめたい」の割合が6割以上(「そう思う」18.6%、「ややそう思う」44.1%の計)と全体より多くなっており、自ら管理職になることを希望していた方も「そう思う」25.4%、「ややそう思う」29.1%と、半数以上が“管理職をやめたい”と思っていることがわかりました。
Q. 管理職をやめられるならやめたいと思う理由をお答えください。(自由回答、n=119)
●仕事量やストレスに対して報酬が低すぎる。(25歳男性、その他の業種)
●勤務時間と収入が見合わないと感じる時がある。長時間労働でプライベートが疎かになっているため。(30代男性、製造業)
●ストレスが多く、プライベート時間が減るため、バランスが取りにくいから。(28歳女性、製造業)
●上の方と部下の方との板挟みが精神的につらいため。残業時間が劇的に増えるため。(29歳男性、卸売業・小売業)
●期待やプレッシャー、責任が重い。(24歳男性、医療・福祉)
●自分のキャリアプラン構築やメンタルケアもできないのに、部下のことも考えなければいけないから。(30歳女性、製造業)
管理職をやめたいと思う理由は、業務負荷やストレスに対して報酬が低いことが挙げられました。また長時間労働によりプライベートの自由時間が少なくなったからという意見も多くありました。
先輩管理職の真似したいことは、「いっぱいいっぱいになっている時に声かけしてもらった」。逆に、反面教師にしたいことは、「気分で接し方を変える」「部下の意見を無視」。
Q. あなたがこれまでに上司にしてもらってうれしかったことや、自分も管理職として真似したいと思っていることをお答えください。(自由回答、n=216)
●新社会人として入社した当初、仕事の仕方や目標に悩んでいた時に一緒に考えて解決してくれたのが嬉しかった。このことがなければ会社を辞めていたと思う。(28歳男性、教育・学習支援業)
●判断に迷った時点で遠慮なく何度でも聞いてよいと言ってもらえたこと。(29歳男性、医療・福祉)
●業務の進捗状況を定期的に見てもらっていたこと。その業務報告で問題点があった時は、何時間も一緒に問題解決に取り組んでくれたこと。(29歳男性、建設業)
●理由を聞かずに怒ったりしない。(23歳男性、学術研究・専門・技術サービス業)
●自己分析をさせて成長に導く。(27歳女性、金融業・保険業)
●いっぱいいっぱいになっている時に声かけしてもらったこと。(28歳女性、教育・学習支援業)
●ミスした時に怒らずにフォローし、帰りに食事させてくれたこと。(28歳男性、不動産業・物品賃貸業)
●徹夜勤務の後に 飲みに連れて行ってくれたこと。(26歳女性、情報通信業)
●上司に褒められたり、努力を認めてもらったりすることでモチベーションが向上した。自分も部下に感謝の気持ちを伝え、努力を評価することを心がけたい。(28歳女性、製造業)
Q. あなたがこれまでの上司を見て、反面教師にしたいことや、自分はしないようにしたいと思っていることをお答えください。(自由回答、n=216)
●自分ができるから人もできるという押し付け。(29歳男性、複合サービス業)
●気分で接し方を変える。(26歳女性、その他の業種)
●その日の気分によって部下の接し方が違うところは気をつけようと思えました。(29歳男性、卸売業・小売業)
●機嫌の悪さを見せる。(30歳男性、医療・福祉)
●人前で叱る。(29歳女性、製造業)
●忙しいアピールをすること。チャレンジもせずに無理だと決めつけること。(24歳男性、その他の業種)
●前と違うことを言う。話を途中まで聞いて勝手に判断する。(30歳女性、教育・学習支援業)
●上司が部下の意見を無視したり、一方的に指示を出したりすることを反面教師にしたいです。自分は部下の意見を尊重し、協力的な環境を作りたいです。(28歳女性、製造業)
●忙しい時の対応。どんなに忙しくても手を止めて話を聞くこと、指示することが大事。(27歳女性、運輸業・郵便業)
●威圧を「叱咤激励」と勘違いする対応。(26歳女性、漁業)
若手管理職が目指すリーダー像を知るため、これまでの上司にしてもらってうれしかったこと・真似したいことと、反面教師にしたいこと・自分はしないようにしたいと思うことを聞きました。
うれしかったことは「仕事で悩んだときに一緒に考えてくれたこと」や、「いっぱいいっぱいになっている時に声かけしてもらった」経験などが挙げられ、部下の様子をしっかり見て、寄り添う姿勢を真似したいと思っている方が多いことがわかりました。
反面教師にしたいことは「気分で接し方を変える」など、“フキハラ(不機嫌ハラスメント)”に関する回答が多くありました。また、忙しいからと部下の相談に取り合わない上司や、部下の意見を無視する上司を反面教師に、自分は部下の話をよく聞いて協力したいという声も多く挙げられました。
若手管理職のポテンシャルを最大化するため、今こそ“管理職は損”の状況をチェンジ! 管理職経験がキャリアパスとして有意義と思える人事制度設計を。 ― 赤羽博行
今回の調査から、企業の経営者は「若手管理職の半数以上が『管理職をやめられるならやめたい』と思っている」実態に向き合う必要があります。日本の、特に中小企業では、人材不足のため管理職がマネジメント業務に専念できず、プレイングマネージャーになることがほとんどです。さらにマネジメント業務に対する報酬設定がされていないケースも多く見られます。その結果、管理職の業務負荷に対して報酬が低い→割に合わないから管理職をやめたい、ということが起こります。将来の会社を担う次世代の経営者となる「新しい会社のリーダーズ」に管理職を続けてもらうためには、責任や業務負荷に見合う報酬設計が必要です。
長時間労働でプライベートが疎かになるなど、ワーク・ライフ・バランスが崩れることも、管理職の不満やストレスにつながります。特にプレイングマネージャーの場合はいくら時間があっても足りないでしょう。忙しくて本来やりたいことができないことがストレス要因になるケースもあります。部下が育てば管理職がマネジメント業務に専念できるはずですが、部下の育成を管理職に任せていては管理職の負荷が増大してしまうため、会社全体で「社員が自律的に成長する仕組み」を作って取り組むことが重要です。例えば人事評価の目標設定の際、会社が期待することと社員個人の希望をすり合わせ、現状よりほどよく上の状態を目標とすれば、目標達成に向けた行動計画が個々の社員にパーソナライズされた人材育成プログラムになります。個人目標達成が会社利益に結び付き、個人に報酬として還元される仕組みがあれば、社員の自律的・継続的な成長意欲につながります。
また、若手管理職に活躍してもらうための動機づけとして、長期的なキャリアパスの中で管理職経験が将来のキャリア選択肢を広げる可能性を伝えるのは良いことです。管理職経験を有意義なものとして前向きに取り組めるよう、研修や社内外の交流といった刺激・成長機会を設けるなど、金銭面以外の報酬や人事制度もあわせて設計することが重要と考えています。
株式会社あしたのチーム 代表取締役社長CEO 赤羽 博行
大学卒業後、オービックビジネスコンサルタントを経て創業から間もないベンチャーコンサルティングファームでディレクターに就任。完全年功序列の大手企業・完全実力主義のベンチャー企業、双方での経験を活かし、2009年 設立直後のあしたのチームへ社外取締役として参画。
2020年11月より代表取締役社長 CEOに就任。数多くのコンサルティング現場で感じた「大半のビジネスマンが頑張りを正当に評価されず、本来の力を発揮できていない」という現実を変えるため、『人事評価制度を通じた日本の働き方改革と生産性向上』に全てを捧げ奮闘中。
●引用・転載時のクレジット表記のお願い
※本リリースの引用・転載は、必ずクレジットを明記していただきますようお願い申し上げます。
<例>「あしたのチームが実施した調査結果によると…」
●会社概要
会社名 株式会社あしたのチーム
代表取締役 代表取締役社長CEO 赤羽 博行
本社所在地 〒104-0061 東京都中央区銀座6-10-1
事業内容 ・人事評価制度の構築・運用「あしたのチーム®」
・人事評価クラウド「あしたのクラウド® HR」
・1on1コーチング「あしたのコーチ™」
・パフォーマンスマネジメントプラットフォーム「Cateras™」
資本金 1 億円(資本準備金含む)
設立 2008年9月25日
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